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読書は風呂場でさんのレビュー一覧

投稿者:読書は風呂場で

5 件中 1 件~ 5 件を表示

風の墓碑銘

2009/03/03 08:08

要するにプロなのだ・・・そう!そこなんだ!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「凍える牙」以来、音道・滝沢コンビのファン。
もっとも、作中の本人たちはコンビという感覚は持っていなかっただろう。
男優位の警察の中で「女刑事」と組まされたのは滝沢にとって「はずれ」だったし、音道にすればもともと自分を認める人間をこの組織そのものに求めていないだろうし。
しかし、「凍える牙」で出会って以来、「未練」「絆」などいくつかの接触を通してお互いが何か共通するものを持っていることに、私たち読み手のほうはすでに気付いている。
その「何か」にふたりが気づく、という大きな作品の流れがある。
なんとなく、滝沢のほうが先に音道を認めている様子がうかがえる。
そのほんの少しの時間差があだになって感情を爆発させるきっかけになり、結果的にふたりは本音をぶつけあうことになるのだが、そのあたりのやりとりは読み手からすると、よしよし、やれやれと見守るような気分。
そして、ふたりは捜査をすすめるなかでお互いに気づく。
要するに、プロなのだ。と。
それは、不器用なくらい真摯に捜査に取り組むプロだから認められるプロの部分。
決して穏やかとはいえない緊張の続く日々の中で、ときには疲労を感じたり疑問を感じたりしながらも、捜査に手を抜くことなど考えられないふたりが、お互いを敬意を感じられる相手であることをはっきりと認識してくれたことに、読み手は思わず膝を打つ。そう!そこなんだ!

読み手にすれば、とっくにいいコンビだったふたりが今回やっと自覚してくれたことにスッキリ、安堵感のようなものを感じるのだ。

しかしそんな安堵感は、あくまでもミステリーの奥行を拡げるためのほんの香りづけ程度にしかすぎない。あくまでもミステリーとして、早く真相を知りたくて、まるで何か救いを求めるようにストーリーにひきつけられていく。
そして事件は、自分ではどうにも避けられない運命に翻弄される人々の哀しい過去が現在につながってくる。

昂一とのあいだにも大きな問題が起こってくる。
滝沢・事件・昂一と、音道にとっても読み手にとっても大きな3つの流れがストーリーの中で交錯し、最後まで飽きさせない。

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今にも降り出す空の黒さに似たざわざわした不安感が流れている

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

映画を観ようと思っていたのに観そびれていたことを思い出して読んでみた。
映画と原作は別物と多くの人が言われているので映画もいつか観てみたい。
映画では、舞台は沖縄らしいが、真鶴と沖縄ではなんていうか、空の色が違うように思う。
全編を通して、降り出す寸前の黒い曇り空を見た時のようななんともいえない、さびしくて孤独な印象が胸にせまる。

人ひとりの存在なんて、大きな運命のそのうねりのなかでどれほどちっぽけなものだろう。
自分でもどうしようもできない環境や思わぬできごと、そしてどうにもおさえられない欲情というか業というか。

生きることって楽じゃない。

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紙の本殺人の門

2009/02/07 00:05

門をくぐる者とくぐれない者の違いは何なのか

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ドラマチックな出来事が起こらない、こういうストーリーのときは、東野圭吾の巧みさが際立つ。

さっきまで殺意を持っていたのに、ふっと毒気が抜かれてしまったり、すごくありそうな人の気持ちのあやふやさが巧妙にちりばめられている。

殺人の門。
殺意を持っているだけではくぐれない。

きっと殺人だけでなく、人が道をふみはずすときって、「そうしてしまえ」という気持ちだけじゃなく、自分の外からの要因がいくつも重なってそれに後押しされてしまうというのが条件なのかもしれない。

ラスト、田島は門をくぐったんだろうか。

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紙の本わたしのなかのあなた

2009/02/06 23:59

意味のない命はない

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

実は、フィクションだと思って読み始めた。

白血病の娘を救うために、ドナーとなるべくもうひとり子供をつくった夫婦の話をテレビで見ていたから。

その子が自分の誕生をどう意味づけて成長するんだろうって思っていたから。

結局は、その家族をモデルにした小説だったのだけど。

臍帯血、輸血、骨髄と姉のために身体を提供してきた妹は、腎臓をひとつ差し出さざるを得ない状況になった13歳のときに自分のからだに対する権利を主張して両親を訴える。

両親も、白血病になった姉も、ドナーとして適合しなかったことでずっと自分を責め苦しみ続けて成長した兄も、そして訴訟を起こした妹も、誰も悪くないし、誰も自分勝手じゃない。

みんな自分じゃない誰かを愛し、誰かのために命すら差し出す覚悟なのに、みんながつらいのが読んでいてつらい。

でも、この愛情にあふれた家族がうらやましくもある。

私なら、我が家なら、こんな運命にどう立ち向かおうとするだろうと、考えさせられた。

カタカナの名前は覚えられないので、洋物は読まない私が感情移入して読みすすめられたのは珍しい。

登場人物ひとりひとりから見たかたちでストーリーが展開するのも面白い。

星4つつけたいけど、ラストがちょっと悲しすぎて切なすぎて、ちょっと「おさまりすぎる」終わり方だったので星3つ。

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紙の本使命と魂のリミット

2009/02/07 00:02

東野ファンには若干物足りない

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

医療サスペンスというが、サスペンス色はそう強くない。
詳細はわからなくても展開の見当はつくので、自分の予想通りかどうかを追いながら読み進めていく感じ。

前作の「赤い指」がなんともいえない、やりきれない気持ちで終わったのに対して、これはすがすがしく読み終えることができて気持ち的にはすっきり。

しかし、うまくいきすぎという感じがなくもない。
人間の中にある憎悪や利己主義的な感情と、良心やこの作品のテーマになっている「使命」とのあいだにもっともっと葛藤があってしかるべきと思う。

その葛藤をもっと掘り下げて書いてほしかったなとも思うが、タイトルにある「魂」が消化できないままなので、もう何回か読み返して読み込んでみたい。

「使命」という言葉は好きだし、健介や西園の「使命を全うする」という生き方にとても共感する。

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