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しゅーへーさんのレビュー一覧

投稿者:しゅーへー

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本破綻するアメリカ壊れゆく世界

2009/04/01 03:45

サダム・フセインはイラク国民に対して毒ガスを使用した。アメリカの支持のもとに。

12人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「サダム・フセインはイラク国民に対して毒ガスを使用した。アメリカの支持のもとに。
サダム・フセインは大量破壊兵器を開発した。アメリカの援助によって。
そしていま、アメリカはサダム・フセインとイラク国民を殺そうとしている。」
鶴見俊輔監修『ノーム・チョムスキー』リトル・モア、2002の帯より。

そしてアメリカは殺しました。

イラク侵略戦争での市民の犠牲者数は、
最も少なく見積もって8万人以上、実際は10万人を超えるとされています。


チョムスキーは批判ばっかりで具体的対応策を言わない、
という批判は明らかに事実に反しています。

本書は次の7項目を再度要請して締めくくられています。

1.国際刑事裁判所および国際司法裁判所の裁判権を受け入れること。
2.京都議定書に署名し、それを批准すること。
3.国際危機への対応は国連主導とすること。
4.軍事よりも外交および経済的手段を頼りとして、テロに立ち向かうこと。
5.国連憲章の初期からの解釈を維持すること。
6.安全保障理事会の拒否権を放棄し、たとえ権力の中枢が同意しなくても、独立宣言が勧告するとおりに、「人類の意思をきちんと尊重」すること。
7.軍事支出を大幅に削減し、社会的支出を大幅に増やすこと。

そして世論調査によれば、アメリカ国民の半数以上がこれらに賛成です。


日本人の圧倒的多数は、
アメリカを自由と民主主義と人権が最も進んでいる国だと信じて疑いません。

2009年の現在、日本の書店はオバマ大統領に関する本であふれています。

では、素朴な質問。

アメリカが自由と民主主義と人権を重んじる国だとする根拠は何ですか?

一つでいいから具体的にあげてください。


例えば、世論調査によれば、アメリカ国民の圧倒的多数は国民皆保険を望んでいるのに、オバマ大統領は反対しています。

アメリカは国連と米州機構の主要な人権条約をほぼすべて批准していません。

国連の社会権規約も女性差別撤廃条約も子どもの権利条約も米州機構の米州人権条約も強制的失踪に関する米州条約も批准していないのがアメリカ合衆国なのです。


あれ・・・・・・?と思った人は、本書を読みましょう。


アメリカは、自由を愛するからテロにあったのではありません。

いったいアメリカは何をしてきたのか。何をしているのか。

1986年の国際司法裁判所のアメリカ対ニカラグア裁判の判決内容—ちなみにこの判決は日本語に翻訳されています。波多野里望・尾崎重義編著『国際司法裁判所 第2巻(1964−93年) 判決と意見』国際書院、1996—は、日本のメディアでは極めて不適切な報道しかされませんでした。

例えば朝日新聞は、1986年6月28日付朝刊の一面で≪米国のニカラグア介入「国際法に違反」と裁定 国際司法裁判所≫との見出しで報じましたが、本文を読むと単なる『内政干渉』であるかのように書かれています。

実際は、アメリカは国際法違反の「空前の規模の国際テロ攻撃」で、
ニカラグアの無抵抗な市民数万人の命を奪ったのです。

そのせいで、ニカラグアは現在、西半球でハイチ(これもアメリカのテロ攻撃を受けました)に次いで2番目に貧しく、絶望的な状態です。

アメリカは国際司法裁判所の判決後、テロを強化しました。

さらに、すべての国連加盟国は国際法を遵守しなければならない、
という国連安保理決議に拒否権を行使しました。


日本人はこのことを知りません。

なぜなら、日本のメディアは
「ブッシュ大統領を悪魔呼ばわりしたチャベス大統領が喉を痛めました。演説のしすぎでしょうか」などという馬鹿げた報道ばかりで、大切なことを何も報道しないからです。

あなたはチャベス大統領が演説で「どのような政策」を発表したのか知っていますか?


本書には、日本のメディアが取り上げない、
しかし重要な事実がたくさん書かれています。



-----
本書で、チョムスキーは、ときに皮肉とユーモアを交えながら、淡々と論を進める。

それは根拠の提示と確かな論理性によって、非常に説得力あるものとなっている。

これを読まずして、現在の世界は語れないといっても過言ではない。

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越境者的ニッポン

2009/03/30 01:08

無知とは知識がないことではなく、疑問を発せないことである。

8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

博打野郎、モリスのおっちゃんの痛快エッセー集。


最初に新聞で広告を見たとき、正直、胡散臭いなぁ、
なんて思ってしまいましたが、読んだら全然そんなことありませんでした。


森巣さんは自らを『チューサン階級(=中学三年程度の知識を持つ者)』
とし、大事なのは「知識の量」ではなく「素朴な疑問を発する能力」である
ことを繰り返し繰り返し強調します。

中学高校へはまともに通わず、21歳にして日本を離れ、世界中を転々とし、
博打をしながら、大学の研究者である奥様と出会います。


オーストラリアでの息子さんの子育てエピソードは興味深いです。

集団行動が苦手で、「日本だったら陰湿なイジメにあったであろう」
息子さんですが、担任の先生が特別授業をしてくださり、
奨学金をもらってケンブリッジなど3つの大学院に進学。

森巣さんは移民なわけです。

今の日本の在日外国人の子どもに対する配慮の無さとは雲泥の差です。

その担任の先生がゲイだったというのも、日本では示唆に富むでしょう。
(つまり、ゲイだとか移民だとかいうのは、
その人の人間的価値をなんら左右するものではない、
という自明のことを理解しないのは愚か者なのです。)


ブッシュがイラクにしたのは『侵略』であり、
アブグレイブ刑務所やグアンタナモ収容所で
行われたのは(虐待ではなく)『拷問』であり、
東京都が教師を送っているのは『reeducation camp』である、

というのが、海外のメディアの報道です。


大麻で大騒ぎしているのは地球上で日本だけ。

教師に思想・信条の自由を認めないのは日本だけ、
ではなく北朝鮮もでした。


今の日本は不気味です。


そしてこれは森巣さんの個人的見解ではなく、
世界の多数派意見であることは、日本語以外の
メディアに触れていれば誰でもわかります。


本書では触れられていませんが、
2004年のイラク人質事件の際、世界中が
小泉首相(当時)や日本国民の冷酷さに衝撃を受けました。
(詳しくは、同志社大学浅野健一ゼミ編著
『イラク日本人拘束事件と「自己責任」報道 GENJINブックレット
海外メディアは日本人拘束事件をどう伝えたか』現代人文社、2005)


しかし、日本で暮らしているとそれになかなか気づきません。

それは日本語しか分からないからです。

英語やフランス語やドイツ語や中国語や韓国語で、
どれだけ日本を不気味がる報道がされても、
分からないのです。

森巣さんは、この状況は江戸幕府による
情報コントロールに似ていると指摘します。


閉塞感や息苦しさや不安を感じている人は必読です。

そして、海外に勉学や仕事で行く方は、絶対読みましょう。

笑われますよ。


その前に本書を読んで、抱腹絶倒しましょう。
爆笑必至です。

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