サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 多川さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年9月)

投稿数順ランキング
先月(2017年9月)

  1. 1

    UP

  2. 2

    UP

  3. 3

    UP

  4. 4

    UP

  5. 5

    UP

    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

多川さんのレビュー一覧

投稿者:多川

3 件中 1 件~ 3 件を表示

私たちの戦争責任

10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

最近では珍しいくらい分かりやすく親切な本、そう言って良いと思う。

 過去の戦争に  責任は無くとも
  明日の戦争には 責任がある。

 あたりまえの言葉で語られたこの句は、いわゆる戦争責任論の精華だと思う。これを超える表現はたぶんあり得ない、という気がする。
 特に断らずに、ふつうに日本の過去の戦争と言う時、それは「太平洋戦争」のことだ。しかし、著者は、「太平洋戦争」とは、「米国に敗北した」という認識を植えつけるために、米国が占領政策として日本に注入した考え方だと言う。そう説明されると、政治・経済・社会のすべての面で、いつも当然のようにアメリカの言いなりになるのは、その結果なのか、と合点が行く。別な言い方をするなら、アメリカの占領政治はしっかり根付き、大きく育って、成功し続けている。
 著者は、先の戦争は、「アジア解放戦争」という論もまやかしだと言う。その証拠は、日本は自らの植民地の、台湾と朝鮮の独立を全く考えていなかった事。そう説明されると、そうか、そんな単純な誤りなんだ、と納得出来る。

 親切なのはキチンと出ていること。いわゆる「堪え難きを堪え忍び難きを忍び」というあの敗戦の詔書も全文引用されている。こんな薄い本で、分厚い資料集を開く手間が省けるのは有り難い。
 官幣社の分類も私は初めて知った。

 なによりも、戦争をどう論ずるか、ではなく、戦争を論ずるとはそもそもどういう事なのか、という地点からスタートしている著者の論は、さすがだな、と言うことになるだろう。
 明日の戦争には責任がある、と言っても、当然、無条件、無制限にある、などと著者は言っては居ない。他律的であってはならない、と分かりやすい言葉締めくくられる論は戦争責任論のひとつの到達点として、聳立、という古めかしい形容がふさわしい。
 ほとんど納得出来る、でも、非常に微妙な点で何か自分とは決定的に違う、と言う思いも無くはないし、著者の論は両刃の剣、という感もあるのだが、そのくらいでなければならない、とも思う。なによりも、それが、切れる、と言うことだからである。
 戦争および戦争責任の問題は、数学の問題のように答えがひとつしかない、というものではない。また、一度解けば永久に有効というものでもない。なぜなら、戦争とは政治だからである。政治も、私たちも生きている、生きて行くからである。
 その意味では、永久の課題と言うべきかもしれない。その時、折に触れて読み返すべき本である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

「蟹工船」を読み解く、ということ

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 言うまでもないことだろうが、まず、『蟹工船』から読んだ。新潮文庫だから、『党生活者』も一緒だ。つまり、書名は何十年前から知っていたのに、恥ずかしながら、私は今になって初めて読んだ訳である。そうでないと本書は読めないからだ。しかし、様々な先入観が邪魔するのか、或いは義務として読むからなのか分からないが、私には、『蟹工船』は非常に読みにくかった。高校、中学生の時読んだ、という人が多いようだが、信じられない。そして、いよいよ本書を読んだのだが、こちらは違和感が全然無くて拍子抜けしたほどである。
 『蟹工船』は国民文学だと鈴木は言う。そうか、国民文学だから、国民運動家の鈴木が論じるのは当然なのか。ブームの火付け役では無いからこそ、いわゆるプロレタリア文学という専門的で狭い世界から、国民文学という本来の舞台への実質的な案内を本書が担当しているわけなのか。プロレタリア文学としての価値は不滅だろうが、国民文学として読み直す試みの意味は、決して小さなものではない。
 今まで、なぜ誰も試みなかったのか。それはある意味、思想とは何か、ということであろう。そしてそれは、歴史とは何か、なのでもある。
 歴史の本とは、過去のことについて、そういうことがあったのか、そういう意味だったのか、が分かる本のことだ、と言った人がいた。つまり、いわゆる歴史学者の難しく書かれた本が歴史の本じゃなく、小説でも良い訳だ。そしてその意味では、鈴木のこの本も、歴史について論じている本と言えるだろう。
 いわゆるワーキングプア、貧困ビジネス等は、正に『蟹工船』の世界だ、と誰でも思うはずである。でも、現代の『蟹工船』は誰にも書けない。このことは断言して良いし、書けないことの意味も断じて小さな事ではない。
 もちろん、書けないことの意味も、鈴木は、語っている。その核心は不立文字で語っている。
 そしてそれは、歴史、と言うことである。歴史とは、これから先のことを見る、考えることでもあるのだ。この本は、たぶん、文学関係者は読まないだろう。でも、構わない。必要なのは、文学ではなく歴史について考えることなのだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本若者を見殺しにする国

2011/05/22 20:29

4年の歳月の意味

9人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 単純なことを素直に理解するのは意外と難しい。人はどうしても、
誰かの言った言葉、いわゆるレッテル、又聞きをもとにして見てしま
うからだ。例えば、自己責任、というのは元々は金融業界用語で、人
の生き方の基準などではない。
 つまり、未だフリーターなのは社会が悪いから。赤木の、こんな単
純な主張が納得出来ない人も居るのは不思議だ。社会が悪ければ、人
の生活も考え方も悪くなる。当たり前のことだ。ただし、環境や個人
差があるから、悪くなる程度が一様ではないだけのこと。
 歴史の本を読めばすぐ分かることだが、歴史とは、世の中が悪い、
ならば悪い世の中を改めよう、と考え行動した人達の記録のことだ。
つまり、すべては世の中が悪いから、と分かるところから行動は始ま
る。もちろん、今の世の中に満足している人もいるが、それは変化す
ることに気がつかないからだ。
 単純なことの理解が難しい理由はもう一つある。それは、単純なこ
とほど、好き嫌いで決めやすいからだ。認めない、認めたくないとい
う気持であれば、そこから進めなくなる。別な言い方をするなら、本
書を読む人は、自分の気持ちに反すとしても、事実は事実として認め
る度量があるのか、と問われる。問題提起は、単純、つまりカネの問
題。だからこそ、誰もがそこで腰砕けになるのだ。
 で、未だフリーターなのは社会が悪いから、もちろんその通り。も
う少し丁寧に言えば、フリーターを生み出し、固定化し、格差拡大さ
せる世の中は悪い。こういう単純なことがわかるのかどうか、なのだ。
赤木とは何者だ、などということは暇なゴシップ好きに任せればよい。
 格差等を論じた本はいくらでもある。しかし、わたしは、普通の、
単純な事実を、普通の言葉で語った、ということ、それは誰でも出来
そうでいてイザとなると出来ない、さすがだな、と思う。やはり、誰
かが、いつかどこかで言わなければならなかったことだ。口火を切っ
た赤木は、そのことだけで評価されるべきだろう。もちろん、対策の
提案迄する必要はない。そんなことは他の本に任せておけばよい。
 文のスタイルは、何か馴染みにくいが、しかし、分かり難い文では
ない。赤木の不思議な文体は、たぶん何かを象徴している、という予
感がするが、それはいつの日か明らかになるだろう。いずれにしろ、
赤木は、当たり前のこと、普通のことを単純に話しているだけだ。そ
してそれは、著者の意図を超えて、深読みが出来ると言うことになる。
なぜなら、どんな問題も、単純なことから始まるからだ。そのつもり
で意図的に読めば、思わぬ問題の出発点としても読める本だろう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

3 件中 1 件~ 3 件を表示