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  3. 桔梗さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年6月)

桔梗さんのレビュー一覧

投稿者:桔梗

47 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本劒岳 点の記 新装版

2012/08/19 20:32

小さなことの積み重ね

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

剣岳
“弘法大師が草鞋三千足を使っても登れなかった”と
“登れない山 登るべき山ではない”と言われ 地獄の針山に喩えられていた険しい山

明治時代 まだろくな地図がない頃
前人未踏の剣岳への登頂を挑む 測量隊の熱い男達のドラマ

地図を作る その測量のための三角点を山頂に設置する
その目的のために剣岳に挑む測量官の柴崎とその部下たち
初登頂を目指す山岳会との先着争い 立山信仰を妄信する人たちや県職員からの嫌がらせなどの苦難が立ちはだかる中
なにより厳しいのは 剣岳そのもの

山と向き合い 人と向き合い
自分と向き合う

登ること進むことに必要なのは 最新の装備や何か大きなものではなく 小さな工夫と努力の積み重ねだ 

偉業というのは 案外 ひとつひとつは小さくて地味なことの積み重ねなんだろう

測量官の柴崎や案内人の長次郎が お互いを信頼し 誠実にこつこつと地道な努力を積み重ねる姿が 実に印象的


努力をするというのはかっこいい そう思う

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紙の本月の砂漠をさばさばと

2012/08/19 20:29

日常にころがる幸せのひとつぶひとつぶを集めた本

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

小学3年生のさきちゃんと お話を作るのが仕事のお母さんとの ほのぼのとした暮らし
ふたりの日常生活の一コマ一コマを切り取って描く12このお話
くすっと笑ってしまう話やじんわりする話 涙がこぼれそうになる話もある
まるで ピンクや水色や黄色…
いろんな色のこんぺいとうが詰まった小さなお菓子の袋を開けた時のように
ふわりと心が温かくなる

まっすぐなさきちゃんと その真っ直ぐさときちんと向き合ってあげるお母さん
私も子どもの言葉や気持ちのひとつひとつを こんな風に同じ高さで受け止められる母でありたいと思う

いつまでもいつまでも 日常に転がるこんな至福を 子ども達が覚えてくれていますように 

そう祈りたくなる

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とても大切な時間だったと思えること

11人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

鎌倉を舞台に 周囲の人とのかかわりを通して成長していく四姉妹 
それぞれの姿や想いをゆるやかに描いた物語

この第3巻は 末妹すずの可愛らしい初恋と長女の幸の恋の話が中心

幸の付き合っている彼には 心を病んでしまった別居中の妻がいる 
妻の心が壊れたのは彼の激務のせいで そのために彼も妻を見捨てられずにいる

そんな彼と過ごす時間は 楽しいのだけど きっと後ろめたさもあり
小さな幸せと一緒に痛みや不安をたくさん抱え 
折れそうな自分をぐっとひとりで支えながらの日々だっただろう

人の想いのベクトルというのは 常に一定の強さで同じ向きではなく
ちょっとしたはずみでズレてしまうというのはよくあること
タイミングが違えばまた別の結果になったのではないか
もしあの時―…そんなことを後から悔いても仕方ないんだろう
それでもその変化を認めて受け入れて 自分の力でなんとかやってかなきゃいけないわけで


『それでも楽しかったあの時間 あれはいったいなんだったんだろう』

幸の心に浮かぶ大きな疑問

けれども それは無意味で無駄な時間なんかじゃなく とても大切な時間だったと思えるように
ゆっくりと でもしっかりと 自分の進む道を見つけて歩みを進める幸の姿が いい

悩んだり 迷ったり 笑ったり 泣いたり
どうしようもないことだってある
でも 終わりなんかじゃない 終わりじゃないと信じて
私たちは 陽のあたる坂道を登っていくんだろう

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紙の本つみきのいえ

2012/08/19 20:35

失くしたものと 積み重ねたものと

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

おじいさんがひとりぼっちで暮らしてるちいさな家
実はこの家は 普通とちょっと違います

この町では 海の水位がだんだん上がっているのです
なので 住んでいた家が海に沈んでしまうとその上にまた家を作って
つみきのように どんどんどんどん 積み重なっていきます

おじいさんは ある日 海の中に落してしまった大工道具を探しに行きます
ずっとずーっと下の 一番下の海の底のおうちまで…
潜りながら いろいろなものを見つけます


他の人はこの町を捨てて新しい住みやすい所へ移って行くのに
この家に住み続けるおじいさん

大切な思い出や人の想いは 物じゃなくて 自分の記憶の中にあるもの

家はただの家だし 物はただの物でしかない
そうかもしれないけど
でも 簡単には捨てられない


おじいさんが生まれ育って 恋をして 温かい家庭を作って暮らしたつみきのいえは 
今までの思い出がぜんぶ積み重なった大切なおうち おじいさんの人生そのものです

失くしてしまったものも 積み重ねたものも ひとそれぞれたくさんあるんです


読み終わると柔らかい光が心の奥底まで射してくるような そんな絵本です

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自分の脳に愛着がわいてくるかも?!

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今流行りの脳科学
脳といえばぱっと思い出されるのは茂木健一郎さんだろうけど この池谷さんの本もおもしろい
一見難しい脳の仕組みと心のつながりを簡単にしかも面白おかしく説明してくれる

印象に残ったところをいくつか挙げてみると

まずひとつめ
ひらめきと直感とでたらめは違うということ
ひらめきというのは後からその理由を言えるが 直感は何となくそう思うだけなので理由が言えない
それでも『直感というのはわりかし正確で、正しい結論を導いてくれることが多い。』のだそう
なぜかというと 
無意識にかつ自動的に積み重ねられた学習や経験が“直感”という形で表われるから 
確かにそれは“でたらめ”とは全くの別物

ふたつめ
『記憶には即物的に「役立つ」以外の、別の側面があると思う。もっと根本的なところで記憶は「自分自身を創造している」』

などなど

いささか哲学的な話が多いかと思われる方のために 実用的なものもひとつ
好きな人を振り向かせたければ「何かを手伝わせる」作戦がいいそうです
ただし「使いっ走り」にならない程度に!!
理由は…
私もウン十年前にその作戦を知りたかったです


精巧にできていると思っていた脳が 案外いい加減で曖昧だったり 
不要と思われるようなゆらぎやノイズを賢く有効利用しちゃったり
びっくりするような話や感心する話 くすっと笑っちゃうような話がぎっしり
次々と明かされる脳の意外な一面に
脳って案外可愛いやつなんだなぁと思っちゃいます

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紙の本神様のカルテ 1

2012/08/19 20:34

大切なものはどこにあるのか

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

信州のある一都市の小さな病院で働く内科医・栗原一止
常に医師不足なこの病院では 内科医も即席の救急医として日夜押し寄せる患者さんに対応している

夏目漱石を愛読し 普段も古めかしい文語調で話す栗原 
周囲には変わり者と言われるが 忙しくてもいつも患者と精一杯向き合っている心優しい医師
そんな栗原に 大学の医局に戻らないかという話が舞い込む
最先端の医療かそれとも…
迷う栗原を訪ねてくるのは 大学病院に見放された末期癌の患者


栗原は漱石のある短編を思い出し 自分の仕事と重ね合わせる

寺の山門で仏師が仁王を彫る
仏師の見事な手並みに驚嘆する見物客に別の若者が言う
『あれは木に仁王を彫りこむんじゃない。最初から木の中に仁王が埋まっているのを掘り出すだけだ。』

医師という仕事は 絶える命を引き延ばし 助けているわけではない
土に埋もれた定められた命を掘り起こして光をあてているだけ

医師に限ったことではない
わたしたちは いつも
はじめからそこに在るものに光をあてているだけなのかもしれない


最近 前へ前へと歩き続ける人が多いように思う
何かにせかされるように 疲れても転んでもとにかく前へ前へ… 
ついあれもこれも欲しいと欲張ってしまうけど
大切なものはちゃんと最初から足元にあるんじゃないかと
読んでいてそんな気がした

“ときどき立ち止まって足元をしっかり見る”

たまにはそうしてみるのもいいかもしれない


少し歩きつかれた時に読みたい 温かく元気が出る本でした

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紙の本長いお別れ

2012/08/19 20:27

草食系男子にちょっと食傷気味の女子へ

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

街で礼儀正しい酔っ払いレノックスを拾った私立探偵フィリップ・マーロウ
一見自堕落なレノックスが何となく気になり放っておけないマーロウ
度々バーで静かにお酒を飲み語り合うようになるふたりは ある日厄介な殺人事件に巻き込まれる

男の友情物語としても 恋愛ものとしても 推理小説としても楽しめる
そんな一冊


クールで自分の信念をまっすぐ貫く強さを持ち 
義理人情に厚く 関わった相手を決して見捨てない優しさを持つ 
でも美女にはめっぽう弱い…
おとなしい草食系男子にちょっと食傷気味の女の子達には
この本で こういう 優しくて強くてちょっと情けなくて可愛らしい 魅力的な男性にふれてみてほしい


いつからか私は「さよなら」という言葉を使わなくなった
「さよなら」って言うともう会えなくなるような気がして一瞬だけ怖くなる
気持ちのぴったり重なるような人って一生で何人も出逢えるもんじゃない
でもせっかくそういう人を見つけてもずっと近くにいられるとは限らなくて 
さよならするときは 自分のどっか一部分が無くなっちゃうような そんな痛みを覚える
この本の中の有名なセリフ
『さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ。』
それはそんな痛みのことなのだろうと思う

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紙の本光の帝国

2012/08/19 20:31

ひとが生きていくために必要な軸を心に

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ひとが生きていくためには 心の中に“軸”となるものが必要だと思う
これは その軸を見つけることができる本


常野という地区からきた特殊な能力をもつ人たち 
なみはずれた記憶力や遠くの出来事を見る力などさまざまな力 
普通の人々の生活に溶け込み その力を生かしながら穏やかに暮らす常野一族

彼らをめぐる連作短編集

いつの時代も 彼らはみな自分の能力を受け入れ 人のために使い生きてゆく
その能力ゆえに辛いこともあり 痛ましく残酷な目にもあう
それでも彼らの想いは途絶えることなく 
再び射してくる明るい光に 安堵が胸いっぱいに拡がる


「常野」とは“権力を持たず群れず常に在野であれ”という意味だそう

与えられた力を 自分のためだけではなく 周りの人たちのために
果たして使えてるか そして更に力を高める努力をしてるか
読みながら自らにそう問いかける


権力を持たず群れず常に在野であれ 

その言葉を胸に刻み 地に足を着けて生きていくこと
その想いを途切れさせることなく 次へと伝え繋げること

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紙の本蟬しぐれ

2012/08/19 20:28

若い人にも読んでほしい時代小説

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

言わずと知れた藤沢周平さんの代表作 名作中の名作です

下級武士の子・文四郎は剣の才に恵まれるが 父が藩の勢力争いに巻き込まれ 罪人の遺族として不遇の日々を過ごす
そんな悲運にも負けず 友人達と共に学びあい成長していく主人公の姿を描く

穏やかなんだけど心に熱いものを秘め 一本筋の通った文四郎
成長した文四郎は自らもまた藩主の藩内の陰謀に巻き込まれてしまうが 幼馴染の娘ふくを助け窮地を切り抜ける

文四郎が淡い恋心を抱いていたふくは今や藩主の側室
自分も妻をもらって新婚の身
以前ふくが町を離れるとき文四郎に会いにきたのだが 残念ながらふたりはすれ違ってしまっている
“あのときもし会えていたら…”
そんな強い悔恨とふくへの想いを胸にしまいこみ ふく達母子を命がけで助ける文四郎の姿が切なくも清々しい

ふたりの人生はすれ違ったまま重なることはない
すれ違い 伝えられない想い かなわぬ恋 
好きな人の幸せを願うってのは 言うほど簡単じゃないけど
それでも あきらめるというのとはまた違う
ちくっとする胸の痛みを抱えながらも 大切な人の幸せを 良かったねと笑いあえる
そんな穏やかなやわらかな想いもあるのだねと思う

ぜひこれから恋をする若い人たちにも読んでほしい時代小説
助けるためにふくの手を握りしめる文四郎のひたむきさと切なさを感じてほしい
そして想いを確かめ合えた瞬間のあたたかさをぜひ感じてほしい

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紙の本八日目の蟬

2012/08/19 20:24

ひとより多く手に入れた一日をどう過ごすかは…

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

愛するひとの赤ちゃんをその手に抱くことができなかった希和子は 不倫相手の子どもを連れ去る

この子と一緒にいられるなら他にはなにもいらない 
ただ静かに幸せに暮らしたいと
誘拐した子どもを実の子のように慈しみ育てながら ひたすら逃げる 

希和子のしたことは許されることではない
それでも彼女の思いが手に取るようにわかるのは やはり女だからなんだろうか
自分の愛しいものを守りたいという抗いようのない強い思い これを単純に母性と言ってしまってよいのかどうか

そして後半はその誘拐された娘の物語
誘拐事件で心にいろんな荷物を抱えたまま生きている彼女の葛藤と自立


蝉は何年も土の中にいるのに地上に出たらたった七日で死んでしまうそうだ
でも まれに次の八日目を生きる蝉もいる

思いがけず手に入れてしまった一日
見たくないものもあるし しなくていいつらい思いだってするだろう
それでも 
ほんの一日だけでも長く感じていられる温かな想いや 
空や海や緑がより一層綺麗に見えることに感謝しつつ 
その一日を過ごせたら幸せだと思う

その一日のおかげで
目に見えるものでも見えないものでも 
すごくたくさんのものを貰ってることに気がついたりする

自分が持ってないないものを数えて憂うより 
今あるものや 誰かにしてもらったたくさんのことを大事にして
生きていけたらいい

そうできる自分でありたいと思う

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紙の本神様のカルテ 2

2012/08/19 20:19

ただひとりの人間として

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

医療はサービス業である

それは間違いじゃない
けどそれをいいことに サービスを受ける権利を振りかざし 無茶な要求をする人も少なくない
関わっているのが人の命ともなれば 理不尽に映っても当人達には切羽詰った要求のこともある
でも
医師だって人間だ  応えられないこともある 
できないことをできないと言うことも許されず ギリギリのところでみんながんばってる
なのに報われないことのなんと多いことか

世間の理不尽な常識や過酷な労働環境に打ちのめされそうになり 
それでも理想や夢を捨てず 
患者のために奔走する医師・一止や彼を取り巻く人達の姿に心打たれる


信州の豊かな情景描写も 物語によく調和している

雪に閉ざされ空気の冴え渡る真冬の王ヶ頭や 神が住まう山と云われる御嶽山の初夏の風景や 常念山から見上げる満天の星
そして一本の樹に三色の花が咲く“花桃”をはじめ 紅梅・桜・花水木など四季折々の草花があちらこちらに咲き誇る

仕事に忙殺される日々の中で 限られたほんのわずかな時間だけど 
ただひとりの人間として 大切な人と共にこれらの豊かな自然を感じながら生きる 
そんな一止と妻・ハルの暮らしぶりがとても羨ましい

大切な人に自分の好きなものを見せたいと思う 
一緒に同じものを見てきれいだねと笑い合う 
そうして同じ想いを共有する時間をひとつづつ積み重ねていく
そんな生き方は平凡でつまらないことだと笑い飛ばされるかもしれないけど
そういうしみじみとした幸福感って 他では得られない貴重なもので
簡単なようで実は得難く とても贅沢な時間なのではないかなと思う

大切な人の隣で空を見上げたくなる そんな物語

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紙の本天地明察

2012/08/19 20:53

生きるということは人と関わりあうこと

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

はじめから自分の道が見える人というのは稀だろう

人は 人と出会っていろいろなことを考えて 悩みながら何かを探して
そして見つけていくものなんだと それでいいんだと
この小説を読むとあらためてそう思う

江戸中期の泰平の世 
名門の碁打ちの家に生まれた渋川春海の仕事は 碁を打つこと 
安泰たる勤めではある
だが それを一生の仕事と定め 情熱を傾けることがどうしてもできない春海
繰り返される同じような日々の中で ふつふつと湧きあがる 
己の人生への飽きと餓え

唯一の救いが 大好きな算術そして天体観測と暦学
ふと神社で耳にした『からん、ころん。』という算額絵馬の音 
その転がるような音に導かれるように 様々な出会いがあり 春海の運も転がりはじめる
そうして 見つけた己の道は 天を測り地に起こることを明らかにし 新しい暦を作ること

長い年月をかけ 算術や観測の師たちからいろいろなことを学び 将来を託される
同志たちとはときにぶつかりながらも認め合い 互いに精進する 
保科正行や水戸光圀などの力ある者や 妻の存在や憧れの女性への想いに支えられ
そして 自らが得たものをあとから歩いてくる者たちへ残し 伝える

人は人と関わることで生かされてるんだと思う

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紙の本きみを想う夜空に

2012/08/19 20:30

その答えの残酷さと正しさとの間にあるもの

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

とてもシンプルな恋愛小説

アメリカの海沿いの町 
陸軍兵士のジョンは ボランティア活動中の女子大生サヴァナと出逢ってすぐ恋に落ちる
お互いこれ以上の人はいないと思うようなかけがえのない存在になり ジョンが遠くの任地に行って離れてしまっても ふたりの絆はより一層深まっていく

けれども
ちょっとしたことでふたりの間に生じたほころびが
ある事件がきっかけで大きくなっていく

お互いに相手を想う気持ちは変わらないけど…


「本当の愛とは何か―」を問われる

わが身の幸せより愛する人の幸せを大事にするってのは 簡単ではない

抱きしめることも 忘れ去ることも そのどちらも叶わないのなら
その大切な人の幸せを見守るしかないってのも 
ひどく残酷な答えだなと思う

それでも
その答えを正しいと肯定するようなラストシーン
共に空を見上げて一瞬月をながめるジョンとサヴァナ

ほんの一瞬でも
その幸せな一瞬が心にともす灯のおかげで 自分の道を行こうと思えるのかもしれない

その答えの残酷さと正しさとの間にあるものを“希望”というのかもしれない

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紙の本1ポンドの悲しみ

2012/08/19 20:29

いろいろなかたちの恋

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ごく普通の女性が ごく普通の暮らしの中で出逢いそうな いくつもの恋のお話

あっこれわかるとか 
うん そう思うことあるよなとか
思わずうなずきながらページをめくる

恋にはいろいろなかたちがあっていいと思う
“つぼみ”のまま大事にとっておきたい恋だってある

「付き合おう」と宣言しなくても
「好きだ」という意思の確認をしなくても
共有できるわずかな時間をとても大事にしていて
お互いが存在するだけで 心に灯がともるようで
相手の笑顔に その灯を見てとれるから
想いを打ち明けないままに 届く想いを胸にしまったままでも 
それぞれ歩いていける

言葉にしなくても伝わる想いというのはある

手に入れるだけが愛じゃない そう思う

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紙の本いちばん初めにあった海

2012/08/19 20:27

喪失と再生の物語

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

表題作の「いちばん初めにあった海」と「化石の樹」の2本の中編


「いちばん初めにあった海」

引越しの準備をしていた千波は見覚えのない一冊の本を見つける
その本の間から出てきた未開封の手紙 差出人のYUKI
閉ざされていたはずの千波の記憶が呼び起こされる

大事なものを失くしてしまう
その痛みと責任があまりに大きいと 無意識に心を守るようにできているらしい
目を閉じて 言葉を封印して 時間を止めて
でもいつかは歩き出さなきゃいけない
千波も徐々に自分自身と記憶を取り戻していく
いろんなものを失くしても 大切なものが残されていた千波
『この上、何を望みますか?』



「化石の樹」

まだ幼い少女のような女性が子どもを生む
彼女はどうしても自分の娘を愛せないと言うが
愛せなかったわけではない 
“愛してる”その表現の仕方がわからなかったんだろう
ただ一本の年老いた金木犀の樹
そこに宿る希望を信じて祈ってた
自分の大事なもののために 好きな人の笑顔を見るために
あまりに幼くて不器用で ただ祈ることしかできなかったのが痛ましい
けれど ちゃんと祈りは通じてる 通じるんだ

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