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先月(2017年8月)

おもにあさんのレビュー一覧

投稿者:おもにあ

2 件中 1 件~ 2 件を表示

本来なら岸氏との共著であるべきだった前半

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 岸由一郎氏の姿を、1度だけ目にしたことがある。交通博物館での鉄道映画上映の日、会場内の整理を担当されている男性の名札を何気なく見ると、その方が岸氏だった。著書や雑誌の記事でお名前と若い方であることは知っていたが、それにしても見かけが若かったことが印象に残っている。

 この本の前半は、岸氏の大学時代からの友人であった著者が、岸氏の鉄道趣味を中心に語っている部分になる。大学時代から鉄道雑誌へ論文を投稿されていた岸氏は、早くから自分の求める鉄道趣味の「本質」を見抜いておられたようだ。各地の鉄道車輌の保存や復元に尽力され、その「本質」に向けて次々に趣味活動を広めかつ深めていくていた姿は、友人である著者ならではの生き生きとした文章もあって、読んでいてわくわくしてくる。

 しかし、その気持ちは一瞬にして打ち砕かれてしまう。あろうことか、岸氏が2008年 6月の「岩手・宮城内陸地震」の土石流により亡くなってしまったからである。著者は「冷静、かつ客観的な視点での記述を心掛けたが(中略)時に感情をセーブしがたく、心情をあふれさせてしまった部分も多々ある」(「はじめに」より引用)とされているが、そのバランスのよさのため、著者が「あふれさせ」ざるを得なかった「心情」に胸を打たれ、読み進むのがつらくなる。そして、著者が気持ちを前向きに変えていくのに合わせて、読んでいる側としても悲しみの中に明るい気持ちを得ることができるのである。

 岸由一郎という若くして亡くなった立派な方の伝記であり、鉄道車輌保存の参考書でもある。ただ、本来なら後者は岸氏と著者との共著としてなされるべきであったのだろう。

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紙の本古レールの駅デザイン図鑑

2009/09/23 09:48

古レールの魅力と著者の根気に圧倒される写真集

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 山手線内の駅には古レールでホームの上屋を組んだものが多く、いずれまとめて写真を撮ろうと思いながら、そのままにしている。で、それを全国に渡って実践したのが本書。古レールそのものに対する研究は鉄道雑誌やインターネット上で見ることができるが、それを建築・デザインの観点から捉えた本は初めてではないだろうか。

 「まえがき」と帯に書かれているように、「デザイナーと呼ばれなかった人々のデザイン行為による近代化遺産」である古レール組み上屋のモノクロによる言わば「形式写真」が、164ページの本のほぼ隅から隅までびっしりと並んでおり、ぱらぱらとめくるだけでも圧倒される。

 著者は多摩美術大学環境デザイン学科の教授であり、デザイン・建築・鉄道史それぞれの視点での解説が写真に添えられている。これが的確かつ軽快で、ややもすれば無味乾燥な本にもなりかねないところなのに実に面白く、見れば見るほどどんどんと古レールの魅力にとりこまれていく。おそらく鉄道だけが好きな人、建築やデザインだけが好きな人、それぞれに楽しむことができるだろう。

 それにしても、乗降客が行き交うはずのホームでの写真なのに、ほとんど人が写っていない。「あとがき」によると、列車の先頭に立って古レールの構築物を見つけると下車し、人がいなくなるのを待って写真を撮るという行為を繰り返されたとのことで、とてつもない根気の集大成でもある。

 なお、著者のサイト「環境デザインマニアック」によると、11月に写真展が予定されているとのことで楽しみである。

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