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えのもと はつきさんのレビュー一覧

投稿者:えのもと はつき

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紙の本空中スキップ

2009/11/12 11:30

へん、へん、へん!

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 わたしは地に足のついていないこどもだった。だから、ふわふわと浮かんでしまうことがときたまあり、自営業だった母はわたしの腰にひもを巻きつけて家事をこなしていた。
 これはわたしの実体験であるが、人にいうと大抵「へん」といわれる。このあいだ、電車に乗っているあいだに読んでいた短篇集のはなしをしたときも「へん」だといわれた。そう、ジュディ・バドニッツの描く物語はどこかへんである。
 たとえば「借り」という短い作品がある。主人公の「ぼく」は、生きながらにして自分の心臓を、母に移植しようとする。へんだ。普通、そんなことをしたら死んでしまう。でも「へん」だから彼は死なない。少し頭の回転が遅くなり、論理的思考が苦手になるだけである。心臓がないから、血の巡りが悪くなったのだろう。
 もうひとつ、お気に入りの作品がある。「地図」のはなしである。いろいろな人が地図を欲しがる。そこには彼らの欲しいものが載っているのである。ここでの地図は、おおまかにいえば「運命」と同義であるが、欲しいものの在処が載っている地図を欲しがっている彼らの欲しいものは、と考えるとそれは地図なのである。あれ、なにかへんだ。そう、へんなのである。
 この物語には、そんな地に足の着いていない物語が二十数本、収められている。十数本を続けて読んでいると、少しうんざりしてくる。だって、へんなのだ。へんな友達というのは十人にひとりいれば十分で、もし八人もいればそれはとてもきっと迷惑だ。そのように、「へんなもの」から微妙に距離をとりつつ付き合うとよい。そんなことも教えてくれるこの本、なんとなく得した気分にならないところも、へんである。

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