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先月(2017年6月)

らんぷさんのレビュー一覧

投稿者:らんぷ

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本終末のフール

2010/01/25 16:57

「生と死」を登場人物が暗中模索するストーリー

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「8年後に小惑星が地球に衝突します。」
人類滅亡宣言から5年が経過した世界、これがこの作品の舞台である。

地球に小惑星が衝突すると判明した世界、ましてや人類が滅亡する世界でもなく、「人類滅亡宣言から5年後」を舞台に設定した伊坂幸太郎の異才にまず拍手を送りたい。
なぜ作者が舞台をこの時期に設定したのかは、全て読み終えると理解できるであろう。きっとそれがこの作品で作者が訴えたかったことではないだろうか。

仙台市のヒルズタウンの住人と周囲を取り巻く人々(息子を亡くし娘と喧嘩別れした老夫婦、望んでも子供ができない夫婦、妹の死の復讐を果たそうとする兄弟、偽装家族を演じている両親を亡くした少女…)が人類滅亡宣言からの5年間をどう過ごし、どう受け止めたのか。そしてまさに今「生と死」について暗中模索する様子が描かれている。その登場人物が今度は人類滅亡までをどう生きるのか、もしくは死を選択するのか。

もう一つ、読者にはこの作品の魅力を楽しんでもらいたいことがある。それは各章のタイトルと内容である。各章のタイトルには共通部分があり、内容と照らし合わせてみると「さすが」と感心する反面、「無理あるかも…」と伊坂幸太郎の人間らしさも垣間見ることができる。また各章で主人公であった人物が他章の別の主人公の物語にふと現れるということもあり、魅力たっぷりの作品となっている。

「このミステリーがすごい」常連の伊坂幸太郎であるが、「ゴールデンスランバー」のようにミステリーは強くなく、普段ミステリーを読まない人や苦手な人も是非手にとって読んでもらいたい。また伊坂幸太郎「死神の精度」が好きな人にはお勧めしたい作品である。

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紙の本アヒルと鴨のコインロッカー

2010/03/01 16:40

題名に隠された深く悲しい3人の絆と信念のストーリーに感動。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

引っ越し当日、初対面の隣人に「一緒に本屋を襲わないか」と誘われたことから始まる物語。
これは椎名にとって偶然ではなく、運命であった。しかしこれはあくまでも物語の途中参加に過ぎなかったのだ…。

全ては2年前の事件に遡る。
本作品は現在と2年前の事件が交互に描かれており、この偶然では片づけられない椎名と3人(河崎、ドルジ、琴美)の運命が明らかになる。そして2年前の事件そのものではなく、2年という長い期間が登場人物の人生観を変えた。しかし決して変わらないものもある。それは何が何でも守りたいもの、3人の「絆」や「思い出」「彼らの信念」ではないのだろうか。

「神様を閉じ込めておけば、悪いことをしてもばれない。」といった琴美。
「人は死んでも皆生まれ変わる。」という信仰のブータン人ドルジ。
「ボブ・ディラン、あれは神様の声だ。」といった河崎。
最後のドルジの行動はまさに3人の絆と思い出を守り、信念を貫いたと思う。
そしてその行動は2年前の思いを成功させた「動物園にいた兄弟」に対してのドルジの優しさでもあったと思う。

「悪いことをしたら自分に全部返ってくる」と信じている仏教徒のブータン人と琴美や河崎のように仏教が主流であるが「神様」という曖昧な存在を安易に使う日本人。類似しているようで人種、信念は異なる。似た者同士ではあるが、同類ではない。
その3人の物語に途中参加する運命となった椎名が全てを知った時、椎名は何を思い、自分の人生を歩んでいくのだろうか。

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紙の本オーデュボンの祈り

2010/02/09 15:25

明かされる疑問と自らが感じ取る疑問が存在する小説。カカシ・島民・主人公との関わりや繋がりに心を打たれる作品。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「カカシが喋る!?」
まずこの登場人物(?)に驚いた。しかもそのカカシは「未来が見える」という。

カカシ・優午は未来が見えるが、決して未来について語ろうとしない。そんなカカシだが島民は信頼し、一般人が神父や僧侶を慕うような存在(あるいは神様)として描かれている。そんなカカシ・優午の語り口調や島民との関わりを読んでいくと非常に心地よく、私は知らぬ間に優午が好きになっていた。

主人公・伊藤はカカシと出会う。伊藤はコンビニ強盗に失敗し逃走中の身であったが、気がつくと存在が知られていない「荻島」にいた。この島は江戸以来から外界との接触はなく、喋るカカシや人を銃で撃つことを許された人など伊藤の知っている法律や常識とは異なった世界であった。

そんな世界に戸惑う中、カカシが殺される。「なぜカカシは未来が見えるのに自分の死を防げなかったのか?」「誰に殺されたのか?」など様々な疑問が浮かんでくる。
それよりも「なぜこの人は銃で人を殺すことを許されているのか?」「カカシは一体どのような理由でいつから存在するのか?」「なぜ未来が見えるのか?」「この島の言い伝えにあるこの島に足りないものは何か?」など読者の心を鷲掴みにするような疑問が次々と存在し、ページがどんどん進んでしまう。

徐々に探していた答えが浮かび上がってくる中で何度もカカシ・優午の存在について考えさせられる。優午は長年田園に立ち続け、島民の成長や時代の流れをどのような思いで見ていたのか。そんな自分をどう思っていたのか。「私は神様ではない」島民に訴え続けていた思いとは。それが後半~終末に
感じとれる。
私は優午の隠された悲しさと住民との長年(先祖代々)の絆に心を打たれた。
あなたはどう感じますか?

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紙の本告白

2010/01/24 17:14

ラストの展開は予想不可能

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです。」

終業式の日、中学校教師はこう語った。最後の授業で彼女は娘・愛美の死の真実について話し始めた。

このようなショッキングな内容で幕をあける2009年本屋大賞を受賞した「告白」。文章は登場人物の語り口調であるため、読み易いだけでなく、非常にリアルで登場人物の心情がダイレクトに伝わってくる。ただし内容がハードであるため、軽い気持ちで読むことは控えた方が良いだろう。

「殺人、復讐、真実、親子、思春期、心の闇、歪んだ愛情…」が被害者・加害者・それぞれの家族やクラスメイトにとってどのような存在であり、それが様々な形に変化しどう影響したのか。それは本人が語らないとわからない。それを知ることができるというのがこの作品の最大の魅力である。
登場人物の語りということで、時系列は人物を中心とし進んでいくので読み手は前後してしまうが、読み進めていくことでジグソーパズルが完成するような楽しさを味わうことができる。

そしてラストは予想できない展開である。

「ミステリーはラストが大事」という読者を決して裏切らない作品となっている。「ラストはどんな展開になるんだろう」と期待しながら一気にラストまで読み進められるであろう。

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