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坂田チップスさんのレビュー一覧

投稿者:坂田チップス

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本五体不満足 完全版

2010/03/05 08:52

響きあう人間関係

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 作者の人柄がいい、に違いない。まっすぐで、気負いがなくて、頭がいい。母子の初対面で動揺することなくまっさきに喜びを口にしたお母さんとか、学校のために引越しも厭わないお父さんとか、ご両親にも恵まれている。将来を見越した厳しい、けれど愛情のこもった指導を考えてくれた先生や学校との出会い。特別扱いではなく、ハンデの分だけ補えるようなルールを作って一緒に遊ぶ友人たち。
 響きあうように、いい人間関係が構築されていて、小さなエピソードの一つ一つに泣いたり笑ったりしてしまう。

 作者が『五体不満足』だからじゃない。あったとしても、それはきっかけでしかない。心と心が通じあうあたたかさとか、思いやりとか、そういうことが描かれているから、読んでいて清清しい。


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紙の本猛スピードで母は

2010/03/04 11:54

家族との距離感

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 同じ方へ併走しながら、ちゃんと一定の距離がある。この小説には、家族の距離感が描かれている。ちょうど、サイドカーに乗せられている者と運転者との関係で。
 
 『サイドカーと犬』
 母の家出をきっかけに、知らない女・洋子さんがやってくる。主人公は彼女の傍らでひと夏を過ごす。
 人も自分も傷つけるような恋には覚悟がいる。洋子さんがかっこよくて潔いのは、その覚悟の上に立つ強さをもっているからかもしれない。

 『猛スピードで母は』
 父親がおらず、母は女手一つで少年を育てている。恋人らしき男性が現れたり別れたり、あっさりした男前な母親との日々を、少年の視点で淡々と描いている。
 ガソリンスタンド、保母、借金取り、など母は不可解な仕事を選ぶ。不器用な生き方を選んでいたとしても、少年は並び立って見守るしかない。母もまた、少年がいじめに遭ったことを知っても、並び立って見守るだけだ。そこにべたべたした馴れ合いはない。年齢の大きい小さいは関係なく、個と個が互いに独立し、自分の責任で生きている。 

 いいことばかりではない、胸のうちにタバコの煙がくぐもっているようなほろ苦さもある、でも、憧れのフォルクスワーゲンに出会っただけで幸せにだってなれてしまう。
 ハードボイルドだ・・・と思わずつぶやきたくなった小説。

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え、料理って時代と共に進化している!?

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 科学的な検証や根拠をもとに、新常識ともいうべき知識を教えてくれるテレビ番組「ためしてガッテン」。この本は、いつも作っている基本的な料理のやり方を、実はもっとこうしたほうがいいんですよ、と教えてくれた。
 酢飯はうちわであおぎながら作る、とか、餃子は焼き色つけてから水を入れる、とか、今の今まで当然と思っていたのが実はそうじゃなかった、と。
 えー、うそでしょう、ほんと?!とつっこみたくなりながら、科学的データの検証部分を読む。むむむ、そうなんだ、そうだったんだ、と納得せざるを得なくなる。
 料理上手になれるかも!

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紙の本魚神

2010/03/05 13:07

一気に読んだ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 読みはじめると、休憩ができなくなった。構築された世界にひきずりこまれて、ページをめくり続けていた。湿り気や匂い、空気みたいに形のないものがとてもうまく表現されている。
 掲示板で噂になっていた著者なので非常に気になっていた。読んでみると、エンターテイメントとしておもしろく、なるほどと納得した。
 世間から隔離された島で、身を寄せ合って育った姉弟が、売られて離れ離れになってしまう。成長した弟が人殺しの容疑をかけられ、事態は急展開をみせていく。
 読み終わって、ふっと一息ついた。なのに、まだ胸の奥に濁った水が流れているような気がするのは、どうしてなんだろう?
 

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