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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

樹林さんのレビュー一覧

投稿者:樹林

6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本破戒と男色の仏教史

2010/04/28 01:36

や ら な い か

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。


 走り出した性欲は止まらない。

 それは仏の道を邁進する僧侶でも変わらない。と言うかむしろそう言った煩悩と戦うのが修行なのだけど。しかしそこで昔の僧は考えた。「逆に考えるんだ。女色は駄目でも、男色は大丈夫だと考えるんだ」
 かくしてお稚児さんは寺社にあふれることとなる。もちろん女犯もする。本書にはそのような煩悩に負け欲望に負け、いろんなものに負けてる気がする僧侶の方々の破廉恥で怒りを通り越して大爆笑物のエピソードが出てくる。
 俺の体の上を95人の稚児が通り過ぎていったけど、これからは一人にするから許してくれと仏に祈る者が居たり。稚児をめぐって寺社同士が争ったり。稚児っていいよね! と言う記録があったり。醍醐寺の桜会に童子が舞い、それに一目惚れする僧侶が居たり。
 本書では古代における戒律の導入の過程と、中世におけるその破綻、そして近代に到るまでの戒律への回帰の動きについて述べられている。人というのはこうも欲望に弱くて素直で、そして本道に戻るのはこれほど大変なのかと苦笑させられる一方で、中世のおおらかな、それでいてどこか滑稽な様相を見せてくれる。

 【構成】
 ・第一章:持戒を目指した古代
       なぜ戒律が必要になったのか
       待たれていた鑑真と国立戒壇
       延暦寺戒壇の成立
       戒をめぐる“現状”
 ・第二章:破戒と男色の中世史
       守れなかった戒――宗性の場合
       僧侶の間に広がった男色
 ・第三章:破戒と持戒のはざまで
       中世日本に興った“宗教改革”
       女性と成仏
       戒律の復興を人々に広める
       延暦寺系の戒律復興と親鸞
 ・第四章:近世以降の戒律復興

 親鸞と言う戒律からの離脱を訴えた人物と、叡尊と言う戒律への回帰を訴えた人物が中世に存在したこと。彼らが何故その結論に至らねばならなかったのか。何があったのか。その経緯と原因についてわかりやすく述べられた本である。

「さあ! どうだい? これから思いきり中世の仏教について知りまくらないか?」

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紙の本院政期社会の研究

2010/05/22 01:12

男色が嫌いな院政期好きなんていません!

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 院政期。何がなんだかよくわからない時代である。
 治天の君と呼ばれた上皇が絶対権力を持ち好き勝手やり、絶対権力者であるが故に好き勝手できなくなった時代である。
 朝廷という組織が硬直化し、組織の枠を超越した院と、その取り巻きである院近習による混沌とした時代。荘園という私的財産の増加とともに個人の力が増しに増し、組織や家ではなく、個人と個人のエゴがぶつかり合い、良くも悪くも自由闊達な時代へと変貌する。本書ではその過程を追う。

【構成】
  序 (p1)
 第一部  院政期の歴史的位置 (p11)
  第一章 院支配の基礎と中世国家 (p13)
  第二章 前期院政と荘園整理の時代 (p41)
  第三章 永観と「中世」 (p70)
  第四章 宣旨類 (p93)
 第二部  院政の展開 (p121)
  第一章 院政期知行国の変遷と分布 (p123)
  第二章 大庭御厨と「義朝濫行」の背景 (p170)
  第三章 勧進聖人の系譜 (p199)
  第四章 院政期の東大寺文書―東大寺所司覚仁を中心に― (p223)
 第三部  保元の乱 (p255)
  第一章 儒者・武者及び悪僧 (p257)
  第二章 保元の乱の歴史的位置 (p285)
  第三章 荘園・公領と記録所 (p311)
  第四章 馬長と馬上 (p341)
 第四部  院政期の諸階層 (p373)
  第一章 女院と女房・侍 (p375)
  第二章 東大寺浄土堂の背景 (p398)
  第三章 院政期政治史断章 (p416)
  第四章 花王にみる院政期諸階層 (p442)
 あとがき (p489)

 この時代の個人の為に存在する院という組織、院政期を通して徐々に整備されていき、中世という時代のいわば雛形となる。鎌倉幕府と言うシステム、ひいては武家政治体制も、この院政に大きく影響をうけることとなる。つまり院政期を知らずして中世は語れないし、院政期無くして中世は無かった。自由闊達な個人が己の武や知でもってのし上がる。それが可能な、人が純粋に生物としての人であった稀有な時代。些か専門的であるが、丁寧に堅実にこの本ではそれが書かれている。

 さて、この本の白眉は"院政期政治史断章”にある。今までタブーとされていた院政期の暗部(現在の感覚なので、当時は別に暗部でも何でもないと思うけども)男色に触れる。院に認められれば立身出世も思いのまま、だとしたら尻の穴くらい何だと言うのか。
 ハングリー精神あふれる人々は当時の摂関家や院に対して春をひさぐ。究極のスキンシップは、より大きな派閥を形成するのか、院や摂関家を中心に男色による強固なつながりを形成する。


     文字通りの尻合いと言うわけである。


 平家も源氏も摂関家も、時の長者に対して見目麗しい少年を提供する。果ては自ら愛人になる。
 君臣合体の儀、これをもって至極となすべきか(九条兼実談)
 五味氏は言う、これで院政期に興味が一時期失せたと、これを発表するものかどうか悩んだと。


     何をおっしゃるウサギさん。


 安心してください心配しないでくださいむしろ胸をはってください。男色が嫌いな院政期好きなどおりましょうかいやない。
 この本のおかげでより院政期が色鮮やかで魅力的なものになったのです。どうか院政期を知りたい貴方、この本を手にとってください。何? 男色なんか捏造だ? なんだその固い頭は。この時代が好きなら全部好きになれ金竹小。


 ただ後白河法皇、源頼朝に手を出したのはまずかったんじゃなかろうか。彼にとって治天の君は、もはや神聖なものではなく、きっと普通の人になってしまって、新しい秩序を打ち立てるきっかけになったのだろうから。

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紙の本吾妻鏡必携

2010/04/25 23:54

吾妻鏡のお供に

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

鎌倉時代末期に書かれた鎌倉幕府の歴史書、吾妻鏡。ただその内容は当時の人々向けに書かれたものであり、当時の人々にとって当たり前でも現在の人間にとって不明な用語や名称が多々存在します。
本書はその吾妻鏡を読み解くに当たって必要な基礎知識が書かれた副読本となります。
構成は以下の通り
1 『吾妻鏡』訓読法
2 用語・事項解説
3 主要人物
4 系図
5 関係地図・合戦一覧
6 『吾妻鏡』略年表
特に関東武士団の根拠地一覧については親切かつ圧倒の一言。吾妻鏡にはよく武将たちの行列が見られるのですが、それらの苗字と領地を比較してみると、なかなかただ読むだけでは味わえない関係性が見えてくるかも知れません。ただ、一つ残念なことは、根拠地の地図は現在の地図を使用していると言うことです。当時は関東平野が今のような平野でないことが人々が何のために争ったのかが見えてくるのですが……。
ただそれを除いても、鎌倉幕府を成立させた関東武士団の世界をより深く知りたいという人にはおすすめの一冊です。

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紙の本平清盛福原の夢

2010/04/27 02:02

福原の夢。清盛の夢。日本史上屈指の政治家が夢見た夢の夢見語り

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「この平清盛には夢がある」

 この本を読んだ後、平清盛がそう言う光景が思い浮かんだ。平清盛には夢があった。それは父の代から追い求めた理想であり、日本のあり方を変える壮大な青写真。
 本書はその清盛の見た夢がどのようなものであったかを追う。作者は史料に即しつつ、かつて日本に居た理想家の光の部分を取り上げ讃える。清盛はかつて大悪人と呼ばれた。平家物語は仏教説話としての側面を持つため、因果応報の論理から逆算して大悪人平清盛像を作り上げた。作者はそれに対しこの本で異を唱えるわけである。
 ただそれだけに、影の部分にはあまり触れられず、「頼朝の幕府の画期性を信じて疑わない人々」という、居るのか居ないのかもわからないわら人形相手に戦いを挑む姿は虚しさを感じる。この本では語られないが、清盛の理想が瀬戸内水軍の反発を招き、持ち込んだ宋銭が日本の経済を混乱させ、一族である平家はその夢を理解できず、東日本からいつか救った少年が将門となって帰って来る。清盛にして見れば悪夢であったろう。だから彼の遺言は、きっとやはり頼朝を討ち果たせと言うものだったに違いない。その後成長した少年が清盛の事業の幾許かを使って幕府を開くことを、事業の拡張と見るか、新規事業への流用と見るかは人それぞれではなかろうか。そして、清盛の夢は足利義満が叶え、かつて福原と呼ばれた都は神戸として栄え、現在の我々に繋がっている。

 だったら良いじゃないか、鎌倉のヒキコモリ引き合いに出して清盛を持ち上げなくても、清盛は十分に英雄で、十分に英邁な政治家で、そしてこの本は十分にそのことを伝えているのだから。

 清盛は死んでも、清盛の夢は死なずに続いたのだ。清盛は日本と言う国の形成になくてはならぬ人物であって、彼が見た夢は我々に繋がっている。それで良いと思う。
 この本を読んで、私はそう感じた。

 「構成」
 序章:後胤
 第1章:権力への道
 第2章:太政大臣から福原禅門へ
 第3章:日宋貿易と徳子の入内
 第4章:六波羅幕府
 第5章:平氏系新王朝の誕生
 第6章:福原遷都
 終章:遷都その後

 基本的に貴族の日記や当時の文章等、信頼度の高いものを用いて分析しており、清盛の人生、当時の平家の動きや権力関係を知るには実に良い本だと思います。
 尚、高橋昌明氏はやや個性的な説を打ち出す方ですが、決してアンフェアな事をする人ではありません。ありませんが、用法用量を守って正しくお読み下さい。




注:六波羅幕府とありますが、装甲悪鬼村正とは何ら関係がございません。あしからず。

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中世武蔵への誘い

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 武蔵国。現在の埼玉県、東京都の大部分、および神奈川県川崎市と横浜市の大部分を含む、多くの水系と街道を有し、関東最大の国力を誇る大国であった武蔵は、その腕に多くの武士団を有していた。本書ではその武士団の代表人物を、中世の始まりから終わり、平安末期から江戸初期までの代表的な人物を取り上げる。

【構成】
 第一章 武蔵武士台頭の時代
  源義賢/木曾義仲/斎藤実盛/武蔵七党/源経基/平山季重/
  源範頼/静御前/河越重頼

 第二章 執権北条氏の時代
  畠山重忠/江戸重長/平賀義信・朝雅/稲毛重成/比企尼/
  比企能員/猪俣範綱/大串重親/豊島清元/安呆氏一族/
  安達盛長/足立遠元/中条家長/下河辺行平/葛西清重/
  岡部六弥太/熊谷直実/比企能本/小代重俊/金子家忠/
  栄朝/大河原時基

 第三章 太平記の時代
  人見四郎/加治家貞/畑時能/新田義興・義宗/畠山国清/
  足利基氏/河越氏/平一揆

 第四章 三つの勢力の時代
  別符幸実/深谷上杉氏/渋川義鏡/上杉禅秀/足利成氏/
  上杉氏/太田道灌/宗祇・宗長/長尾景春/万里集九

 第五章 後北条氏と豊臣秀吉の時代<戦国乱世>
  毛呂顕季/足利政氏/難波田善銀/一色直朝/武田信玄/
  陽雲院/見性院/上杉謙信/上田朝直/木戸忠朝/
  後北条氏(北条五代)/太田資正/太田氏資/里見義堯・義弘/
  泰翁宗安/太田氏房/伊達房実/北条氏照/北条氏邦/
  大福御前/中山家範・信吉/成田長泰・氏長

 第六章 中世の終焉と近世の幕開け
  松平家忠/龍派禅珠/小笠原信嶺/西尾吉次/伊奈忠次

 総勢76もの人物一族について、2~4ページで端的に説明。最後には年表までついていると言う徹底ぶり。
 さて、未読者で全員わかった人は居るのだろうか。ひとつでもわからなかった人は是非手にとって欲しい。それだけの価値がこの本にはある。


 時代区分や並びが若干おかしいあたりは見なかった方向で。

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紙の本悲劇の英雄源義経と奥州平泉

2010/04/29 02:59

この著者に目をつけられた義経と奥州藤原氏は確かに悲劇である

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

【構成】
 第一章 源九郎義経
 第二章 平泉前史
 第三章 若武者義経
 第四章 奥州藤原氏三代
 第五章 平泉の終焉
 第六章 平泉を大きく変えた日
 第七章 平泉周辺探訪の旅

 NHK大河ドラマ“義経”にあやかって出版されたいわゆる便乗本の一つ。新しいことは何一つ無い。というかそもそもこの人この時代に詳しくない。一章から五章まで、いわゆる通説にこの作者特有の東北ロマンを反吐が出るほど盛り込んだ、小説と呼ぶにはあまりにも盛り上がりの無い、歴史と言うのは妄想が入り込みすぎた著者流奥州記が淡々と綴られる。
 正直ここまでは見る意味がない。何故ならこの本は明らかにアンフェアであるからだ。史料に即した部分を残しつつ、全く根拠のない妄想を紛れ込ませ、知っている人間でないと判別がつかないようになっている。
 細々とした史実に自分の妄想を入り込ませたものは小説という。そういったものは新書ではなく講談社文庫か新潮文庫あたりで出してもらいたい。奥州に主眼をおいた小説があっても良い。奥州贔屓判官贔屓の本があることはもちろん構わない。だけどこの本は明らかに中途半端である。何の役にも立たない。義経奥州藤原氏が知りたければこの本以外にも読みやすい新書もあれば、詳しい専門書もあれば、胸踊るような小説もある。知りたければ他の本を読まれることをおすすめする。
 この本の唯一の見所は、六章の昭和二十五年に行われた奥州藤原氏の遺体調査にある。私はこの章から異様な違和感と不快感にに襲われた。奥州藤原氏のミイラ、その言葉からは即身仏のような優美な姿を思い浮かべるかも知れない。ただ、この本にその写真が載っているのであるが、それは明らかに“ミイラ”ではなく、ミイラ処置を施された“遺体”である。その遺体が暴かれ、見るも無残な写真として載っている事に、たまらない怒りと悲しさを感じた。
 何より不可解なの著者の態度である。奥州藤原氏を哀れだ可哀そうだと二言目には訴えておきながら、まるで小躍りするような文体で奥州藤原氏の哀れな遺体について嬉々として語るのである。アイヌかアイヌか。エミシかエミシかと。つまるところ、著者は奥州藤原氏がエミシかアイヌであって欲しい、奥州藤原氏の素晴らしい文化は日本人ではない素晴らしい妖精的な何かのものであって欲しい。そして、著者はそう言った素晴らしいものの子孫であることを証明したい。そう言った、陰湿な何かを感じざるを得なかった。
 
 読んだ後、悲しくなった。
 義経に対しても奥州藤原氏に対しても何ら敬意を感じない著者の態度に。

 例えば、天皇陵の学術調査は必要である。一方でそれを断る宮内庁も仕方ない。収められている人間が違っていてもそれは墳墓であり死者の眠る地なのである。それを暴くことに抵抗を抱くのは自然な事だろう。だから、蔑まれた民に哀れみを感じる人間が、東京の新聞社主催の遺体調査を誇らしげに語り、無残な遺骸を写真として掲載するのには、私には違和感しか感じなかった。

 この本には、著したものに対する敬意も無く節操も無い。願わくば、この著者が二度とこの時代の本を書く気にならないことを祈るばかりである。

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