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banchiさんのレビュー一覧

投稿者:banchi

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リアル・シンデレラ

2010/07/10 11:22

シンデレラストーリーとは?

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

よく女性の成功や幸せを俗にシンデレラストーリーと呼ぶけれどシンデレラって本当に幸せだったんだろうか?

本当の幸せとは?

そんなことをじんわりと考えさせてくれる深いいお話しでした。

物語は小さな編集プロダクションで有名な童話を翻案小説にしてムック本として出版する企画の中でシンデレラってどうなん?彼女って本当に幸せだったんだろか?ってところから始まります。

そのプロダクションの社長が言いました。「おれ、幸せっていうのは・・・・、泉(セン)ちゃんみたいな人生だと思うんだよな・・・」

泉ちゃんとはその昔プロダクションを立ち上げたときに会計をしてた人の義理の姉らしい。

社長のひと言で泉ちゃんの一代記を書くことになりライターは取材を始めることになった。

ライターは取材を進めるうちに倉島泉(クラシマセン)に強い興味を覚えこんな人もいたんだと多くの人に伝えたいと思った。

話しはライターが取材した様々な人の視点をとおして泉ちゃんの人生が語られます。

泉ちゃんは長野県諏訪温泉旅館の長女として生まれました。
彼女が生まれる前日に母親の父が死に生まれた夜に母親の母が死んでしまい、母親はわが娘ながら不吉な子だと思ってしまいます。
その一年後に妹の深芳が生まれます。 深芳は生まれつき身体が弱かったのですが母親にそっくりな美人で聡明な少女に育っていきます。
母親は深芳を可愛がり自分にまったく似てない泉に冷たくあたります。

妹の深芳は「倉島さんところのあのきれいな・・・」と言われ、泉は「上の、きれいじゃないほうの・・下とは違って」と周りからは揶揄されました。

大人になっても女将の長女なのに旅館の従業員からは「あの畑女」「あの掃除のおばちゃん」と言われてしまうセンチャン。
昼間は畑を耕し、夜はラジオを聞きながらわらじを編んで、毎日をもくもくと生きていくセンチャン。

なんか読みながら僕の頭の中では宮沢賢治の雨ニモマケズの詩が浮かんでました。

不器用で自分の感情を表にだすことが下手で鈍感だと言われ、いろんな人に誤解されてしまう。
それでも周りの人の幸せを願い健気に生きていくセンチャンの人生。

こういう風に書いてたらセンチャンのどこがシンデレラでどこが幸せなんだろうって思われるでしょうが、でも確かにセンチャンは幸せだったのです。

うまく説明出来ませんがそれはこの作品を読めば誰もが納得することができると思います。

幸せって他人の目から見たもの見えるものじゃないんですよね。

人の目からは不幸にしか見えない人生でもその人が幸せなんだと感じたらそれは幸せなんです。

この作品はそんな幸せの価値観についてを読み手に教えてくれます。

センチャンが小学六年のときに秘密基地で会った貂(テン)に似た人に三つのお願いをします。

ラストでその三つ目のお願いが明らかになった瞬間、鼻の奥がツンとしました。

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紙の本ヤングアダルトパパ

2010/05/30 02:13

14歳の父親にとって家族のカタチとは

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

僕は山本さんのお仕事系小説がとっても好きだ。
読んだら、いつもよしっ!これからも頑張っていこうと前向きな気持ちにしてくれる。
今回の物語はそんな小説とはちょっと毛色がちがう切ない物語でした。

主人公の静男は14歳。離婚した両親の父親に引き取られて過ごしていますが父親は仕事でほとんど家にいません。
父親の知り合いだという花音が家に転がり込んできます。
自称ミュージシャンの花音はまともに仕事もしないんですが静男はそんな自由人っぽい花音に魅力を感じて恋に落ちてしまいます。
そして花音が妊娠して赤ちゃんが生まれた。でも花音は子育てを放棄して5ヵ月になる優作を静男に残したまま行方不明に。

物語は花音が出ていった後、夏休みの10日間の出来事の間に花音との回想シーンが挟まれる形で進行していきます。

「快楽に溺れ、射精した結果がこれか」

14才の父親として自分の責任を取ろうと一生懸命になる静男。
そんな静男に比べてどうしようもないぐらいに無責任で頼りない花音、そして離婚した両親。
誰にも本当のことを言えず、保育所にも相手をされず、孤軍奮闘する静男が切なくなります。

でも父親として我が子を愛し育てていくと言うのはとてもシンプルなことだ。

「おれ達三人、形はどうあれ家族なんだしな」 
離婚した両親が放った言葉に静男はこう言った。
「いま、僕にとって家族といえる存在は優作だけだよ」
家族とはなんなのだろう?
優作を守ろうとする静男の必死な切実な思い。その思いは友人や周りの大人たちの助けを借りてなんとか前に進もうとする。 
そして静男ならなんとかやってくれるんじゃないかという気持ちになる。
切ないけどあったかな気持ちにもさせてくれる物語でした。

山本さんはあるインタビューでもう何年も前からこのテーマで小説を書こうと思いながらもなかなか形にならなかったとで答えています。
だからかもしれませんが、読んでてなかなか入り込めない部分があったりもしました。

山本さんがこの作品に込める気持ちはわかるんですがやっぱり僕等は山本さんにはあったかで前向きで元気をくれるような小説を書いて欲しい、読ませて欲しいなっと思いました。

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