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先月(2017年6月)

たそがれシオセンベイさんのレビュー一覧

投稿者:たそがれシオセンベイ

1 件中 1 件~ 1 件を表示

オスカー・ワイルドのファンもミステリー好きも納得

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1889年、ロンドン市街に建つある建物の一室で、喉を掻(か)き切られた美少年の惨殺死体が発見される。少年は全裸で仰向けに横たえられた状態で、胸の上で両腕を交差させていた。少年の周りを囲む火のついたキャンドル、部屋には蜜香の匂いが充満していた。
この死体を発見したのは、‘時代の寵児(ちょうじ)’オスカー・ワイルド(詩人、作家、劇作家、作家‐代表作…「幸福な王子」)。少年と知り合いであったワイルドは、友人であるコナン・ドイルの協力を得て、相棒ロバート・シェラードとともに真相究明に乗り出す。ワイルドの周辺に現れる怪しげな人影、なぜか捜査に消極的な刑事、相棒ロバート・シェラードを惑わす女、美少年を中心に怪しげな男たちが集う奇妙なクラブ…

巻末の訳者あとがきを読むと、「本書はイギリスで2007年に発売されるや、たちまち大評判となった、本格ミステリ作品」と記されています。
しかし、この作品ただのミステリ作品と違います。最大の魅力は、絢爛(けんらん)と暗黒が渦巻く世紀末のロンドンを舞台に、名探偵として活躍するオスカー・ワイルドの姿を、ワイルドの残した作品、言動(言葉)からその人物像を造形して‘ワイルドはこんな男だった’と思わせる作者の見事な筆致にあります。ミステリ作品として楽しめるのはもちろん、ワイルドや世紀末文学が好きな読者の期待も裏切ることはありません。

絢爛(けんらん‐きらびやかで美しい)な表の顔と、暗黒(暗い希望のもてない状態)の裏の顔を併せ持つ世紀末のロンドン。ここに萌芽(ほうが‐芽ばえ)する、新しい形の文学、新しい形の恋、新しい形の友情、そして背徳の愛…

コナン・ドイルとオスカー・ワイルドが実際に友人であったという事実に基づき、ドイルに重要な役割を演じさせる物語構成もお見事、ホームズ好きをもうならせる仕掛けが施されています。

いやぁ、久々に‘質が良くて読み応えのある’作品を読みました。訳者のあとがきによると、著者のジャイルズ・ブランドレスはこの作品で成功し、ワイルドを探偵とする作品をシリーズ化し、現在まで3作上梓しているとのこと。読んでみたい!続けて邦訳されることを切に願う作家の登場です。

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