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先月(2017年4月)

koo±さんのレビュー一覧

投稿者:koo±

71 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本「読み」の整理学

2012/01/06 14:08

やわらかいものしか飲み込めないオカユ読者へ

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本やネットで文章作法を探求する毎日。そこには右も左もこう書かれています。「誰にでも分かりやすい簡潔な文章を」と。

ところが遂に、その定説に楔を打つ本に出会いました。目から鱗です。著者は「思考の整理学」の外山 滋比古さん。以前、こちらでもレビューを書かせて頂きました。名書です。


●文章を噛み砕く力
誰にでも簡単に飲み込めるやわらかい文章。そんなヌルい読書に甘んじている人々を「オカユ読者」と警告。自分の知らないこと、難解な文章を読むことで、真の読解力が鍛えられるのだと本著は唱えます。

実は読書には2種類あります。論文など未知のものを読む「ベーター読み」と、既知を読む「アルファー読み」。本著ではそう定義しています。オカユなアルファー読みばかりしていると、物を噛み砕く力が身に付きません。

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この本では、読みをアルファー読みとベーター読みに区別した。現在の教育は、アルファー読みから入って、ベーター読みに移行しようとする近代的方法をとっているが、これが仇になって、多くのものを読んでいるのに、ベーター読みに達しないままに終わる人間を多く生んできた。(P212)
----------------------------------------------------------------------------------

教科書による幼年期の国語教育の変化が影響しているそうです。西洋思想の影響でしょうか、暗記・暗唱を否定し、やたら意味や自由を求める現代教育。もちろん得たものも多いですが、こと読解力に関しては大きな弊害になっているようです。


●アルファー読みは邪念?
以前、空海の関連書を読みふけっていた時期のことを思い出しました。般若心経は完成された文体。言葉の響き自体に力がある。だから意味を知らずと唱えるだけで意味を持つ。いわゆる真言って奴ですね。

なにかを見聞きして、最初に心に浮かんだことを一念。それについて考えたことを二念。次が三念。つまり一念以外の思考の展開を「邪念」というそうです。真言に個々の解釈という勝手なぜい肉を付けてはいけない。「我思う、ゆえに我あり」とは真逆の東洋思想ですね。


●難解な翻訳書や古典から得るもの
やさしい文章に警告を打つ本著。ですが意外にとても読みやすいのでご安心を。ともあれ、自分にとっても読者にとっても、オカユばかりを与えるのは驕りだったのですね。肝に命じます。

難解な翻訳書を読んだり古典を暗唱することで、ベーター読みは鍛えられるそうです。読みやすい最近の国産ミステリばかり求めてないで、久しぶりにエラリー・クイーンを読んでみようかな?



※「です・ます調」レビュー100本ノック。15本目。

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紙の本人は見た目が9割

2011/11/29 10:16

新書は見た目が9割

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

最近オナカが出てきました。

いや、書評の話ですよ。ホントだってば(汗) 無駄な脂肪を取り除いてスリムにダイエット。それは文章だって同じこと。何事もパッと見の印象は大切です。そんな理由で購読。

著者の竹内 一郎さんの別名は、漫画原作者のさい ふうめい氏。筆名の「さいふうめい」の由来は、「一切不明」から来ているそうです。手塚治虫さんの研究などもされているのですね。

●ノンバーバルコミュニケーションとは?

人間が伝達する情報の中で言葉の内容そのもが占める比率は7%。それを「ノンバーバルコミュニケーション(言葉以外の伝達)」というキーワードで定義付け。心理学、社会学からマンガ、演劇まであらゆるジャンルに当てはめて「非言語コミュニケーション」の重要さを解説しています。

・アメリカ大統領選挙の公開討論では、「まばたきが多い方が、討論後の勝敗の印象を尋ねる世論調査では負ける」(P11)

・食品業界にはタブー色がある。青がそのひとつだ。同じするめを「赤い袋」と「青い袋」に入れて売ったら、後者が売れ残ったということがあったらしい。(P114)

なかなか興味深いウンチクもちらほらと。文体もライトで読みやすい。

・ アクションの大きい人は、他人の気持ちを自分に向けようとする人物だから、他人の感情を理解し、細やかな心配りをしたりするのは苦手なことが多い。(P46)

ギクリ!

「その大げさなタメ息どうにかならないの? それから、いい大人がちょっと病気になったぐらいで、しんどい痛いってわめくのもどうかと思うけど」

とはヨメのつぶやき。はい、肝に銘じます。

●漫画家志望の方への技巧書

・東洋には水墨画の伝統があった。黒一色で描かれた芸術を評価し、鑑賞する土壌を持っていた。漫画が白黒で流通するようになった理由はそれであろうと私は推測している。(P109)

なるほど。漫画原作者の方だけあって漫画に関する話題が多いですね。ていうか前半はそればっかり。手塚さんの「ロストワールド」のオリジナル版や石森章太郎さんの「龍神沼」など、僕の幼少期のバイブルだった作品が解説されていたのは思わぬ収穫でしたが。

でも、その系統に話題が偏りすぎですね。これでは漫画家志望の方への技巧書。そのスジの方には、たしかにオススメです。一般的に「漫画の描き方」本って表層的なテクニックしか解説してないものが多いし。しかし本著の表題を見て手に取る購買層。対人関係など社会生活の参考に取り入れようとなされる方が大半の筈。

ちなみに本著は100万部突破のベストセラー。みなさん、まんまとやられましたね。まあ僕もその中の一人ですが。普通、漫画の技巧書ならせいぜい100分の1の売れ行きでしょう。

まさに「新書の表題は見た目が9割」ですね。



※「です・ます調」レビュー100本ノック。10本目。

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紙の本ダライ・ラマ自伝

2011/04/01 19:57

苦悩こそ自由への第一歩(仏陀)

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ノーベル平和賞受賞者第14世ダライ・ラマ。チベットと彼の軌跡を知る格好の入門書。

様々なお告げに導かれ、ダライ・ラマの化身としてチベット政府に迎え入れられた小さな農家の9男坊。へー、世襲制じゃないんだね、意外。幼少期は案外やんちゃくれだな。ポタラ宮殿と夏の離宮ノルブリンカ(宝石の庭園)の往復生活。いろんなもの食べて、よくお腹を壊す。いたずら好きでちょっぴりお茶目。幸せな時代が続く。

当時のチベットは全人口600万。その1割が僧侶であり、仏陀の教えに基づき、平和な暮らしを営んでいた。そんな折、新進気鋭の共産主義国家「中国」からのアプローチが始まった。嘘で塗り固められた「チベット解放十七箇条協定」。

「今は私は毛主席の言葉はただの虹~美しいが夢まぼろしにすぎないことに気付きはじめてきた」時勢に押し流され南へ非難する16歳の少年。インドへの亡命。そこで彼を待ち受けていたものは・・・。

彼の軌跡はそのまま近代チベットの歴史に当てはまる。中国の侵略。僧侶のうち11万人が拷問で殺され、150万人の国民が虐殺。千にも及ぶ仏教寺院は破壊し尽された。詳しくはネットで調べてほしい。一昔前ではマスコミによって隠蔽されていた影の歴史が、容赦なく眼前に叩き付けられる筈。その中国にあまつさえ同じようなことを行ってきた日本。飽く無き不の連鎖。僕たちは、その現実のあるがままを受け止める義務があり、それを知った上で何をしていくべきかを考える権利がある。

特に放射性廃棄物の件は、時事的なことも合間見えて、真摯に突き刺さる。「中国の核兵器の少なくとも1/3はチベット領内に。チベットは世界でも有数のウラニウム産出国。放射性廃棄物の汚染は広範囲に~あきらかに中国は自国の核廃棄物を処理するだけでなく、諸外国の核廃棄物を輸入して金に換えようと図っている」と言及する。

言葉では尽くせぬほどの辛辣な現実を突きつけられながらも、不思議なことに本著は、そこはかとなき優しさと慈愛に満ち溢れている。菩薩の再来と称されるのも頷けるな。ちなみに菩薩とはボディ(智慧)とサッタバ(慈愛)に分けると理解しやすいのだそうだ。

「ローマ法王やマザー・テレサとの対面。彼は自分の暗殺者に向けて「兄弟よ」と呼び掛けられる偉大な精神的指導者。彼女はまさに菩薩」「ババ・アムテは非凡な人である。私の慈悲は言葉ばかりだが、あなたのそれはすべての行動を通じで光り輝いている」実るほど頭を垂れる稲穂かな。けっして奢ることなき他者への敬愛のまなざし。そこには宗教的な押し付けがましさなど微塵も感じられない。むしろ等身大の人間くさい語り口調に好印象。

「苦悩こそ自由への第一歩~仏陀」「苦痛こそ喜びを計る物差しだ~チベットの諺」これらの言葉を糧に歩んできた彼の、そしてチベットの軌跡。震災、原発、放射能汚染・・・未曾有の国難に直面し翻弄される今、僕らが本著に学ぶものは多い。

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なぜ、彼に頼んだのか?

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

●吸引力のある一言
「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」。ゴルフ場で謎の言葉を残し、息を引き取った男。ポケットには美しい女性の写真が。ダイイングメッセージの意味を追う発見者ボビイと、幼馴染みのオテンバ令嬢フランキー。ユーモアあふれる会話とスリリングな展開の中、おしどり探偵が事件に巻き込まれます。ミステリの女王が描くノン・シリーズ。

吸引力のある一言ですね。ちょっと中だるみはしますけど、この台詞のおかげで最後まで引っ張ってくれます。表題に「なぜ~」が入ると妙に興奮するのは僕だけ? 高木彬光さんの「人形はなぜ殺される」を読んだときの感情がよみがえります。

●古き良き冒険恋愛ミステリ
古き良き冒険小説の風合。そして恋愛小説としても逸品です。ボビイとフランキーのベタなコンビが微笑ましい。訳が古いので台詞回しが時代錯誤ですが、逆にそこが味になってます。

ミステリとしては地味な部類。フーダニットの意外性は弱いかも。でも冒頭の台詞のハウダニットが効いてます。結局エヴァンズとは誰か? 少々アンフェアながら、ユニークな発想と合理的な回答に感服しました。

愛着が沸きますね。キャラとプロットがよかったせいでしょうか。真相が分かった上で、もう一度読み返したい。そう思わせてくれる良作でした。


※「です・ます調」レビュー100本ノック。19本目。

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紙の本神様のカルテ 1

2011/03/07 10:45

歩くことに疲れた時は

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

就業前の20分間読書。たまには気分を変えてノンミステリ。2010年本屋大賞第2位。

漱石の「草枕」を愛読する勤務医の一人称。作者は現役の医師で私小説的風合が強い。現場からのメッセージに魂がこもっているな。登場人物も魅力的。下宿「御嶽荘」の人々の描写には郷愁感が漂い、ふと学生時代を思い出す。読みやすい。嗚呼読みやすい。 のってきたところで無情にもタイムリミット。はぁ仕事するか。とかくこの世は住みにくい。

昼休み。会社でこんなの読んじゃあ駄目だな。迂闊だった。やばいウルっとする。

帰宅後読了。安曇さんの帽子と学士殿の門出のシーンが頭から離れない。「本屋さんがみんなに読ませたい本」っていうの分かる気がする。漱石を意識した独特な語り口調を受け入れられるかどうかがひとつの指標となるが私的にはツボ。作風としても成功していると思う。

若年作者の処女作ということで人物造詣にも文体にも青臭さが目立つ。ちょっと若い女性の描写が弱いかな? しかしその稚拙さと純粋さが合間見えて、そこはかとなく心に響くものがある。このピュアさをどう継続していくかが、医師・作家としての「明暗」の分かれ目か。

曲がりくねった山道の中で、ふと見つけた時代錯誤な道標。雨風に晒されてボロボロに朽ちかけてはいるが、迷うことなくまっすぐに帰る場所を示している。歩くことに疲れた時は、ふと立ち止まって読み返してみよう。思いがけない出会いに感謝。

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紙の本文章をダメにする三つの条件

2012/01/18 08:41

何を書くかより何を書かずにおくか

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今日は結論から入ります。文章論より、まず書きなれること。それが基本の基本。そして、

1:事実や印象の羅列。
2:理屈攻め。
3:一般論。

この3つがダメにするそうです。身に覚えのある方、要注意です。もちろん自分も含めて。

著者の宮部修さんが過去数年間に大学などの「表現法」の授業で出会った学生の作文を実例に、前述の悪しき傾向をどう克服すればよいかを本著は解説しています。


●体言止めは禁じ手
正直、グサリと胸に刺さる指摘が多かったですね。特にこの件。

新聞以外の文章で時おり体言止めに出会うが、体言止めが文章のキレを良くすることはほとんどなく、かえって不親切、乱暴な表現とみられたり、書き手の気取りのように受けとられかねない。体言止めは文章の流れの中で必然的な使われ方をしない限り、成功しないものといえる。(P143)

最近、文章力強化の為に「です・ます調」レビューにチャレンジしている僕。しかし、これを禁じ手にすると厳しいですね。文章力養成ギブスのスプリング。想像以上に強固です。


●理屈は自信のなさの現われ
理屈っぽい人は嫌われる。理屈っぽい文章もいただけない。

記者時代に先輩からこういわれたことがある。「取材が完全にできたときは、できるだけ易しく書け。どこか腑に落ちない取材のまま書かなければいけないときは、理屈っぽく難しく書いておけ」と。理屈は不完全な取材をごま化す一つの手法であり、逃げの一手でもあるのだ。(P51)

この件も印象的でした。思えば学生時代、やたら難解な言葉を好んで理屈っぽく文章を書いていました。今思えば、自信のなさの現われだったのですね。


●言いたいことが明確で「私」がよく出ている文章
その他にも、為になることを色々と教えてくれます。要約すれば、何を書くかより何を書かずにおくか。そして自分が書きたいポイントを明確につかんでから書き始める。言いたいことが明確で「私」がよく出ている文章を好ましいと著者は唱えます。

ひとつだけ苦言を述べれば、表題に偽りあり。「作文をダメにする~」の方が相応しいですね。論文、説明書、詩など。文章には様々な方向性があります。十把一絡げにするのは少々強引かと。

ともあれ、あらすじをダラダラ書いたり、へ理屈や一般論で煙に巻くのは控え、ズバっと俺節なレビューを心掛けたいですね。


※「です・ます調」レビュー100本ノック。18本目。

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新聞は本当に終わったのか?

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

おはようございます。最近やたら早く目が覚めてしまいます。年ですかね? 朝刊まだかなぁ。

そうそう。最近、新聞を再び購読しはじめました。

ニュースなんてネットで各紙読み放題。だから新聞なんていらないや。そう思って一年程前から止めていました。昔は新聞を読むことが大人の象徴と言われていました。ところが現代では、新聞を取らないで情報はウェブで収集することが、文化生活者のひとつのステイタスへと変貌しつつあります。

興味あることを探求するにはウェブは最適。でも、どうでもいい話題を態々クリックしたりはしませんよね。どうも最近、読むものが偏っているような気がしてならないのです。

その点、新聞はとりあえず紙面を広げると様々な話題が網羅。満遍なく情報が飛び込んできます。何も考えず、ぼんやりと見出しを眺めているだけでね。楽ですよね。ニュースサイトやネット検索みたいに積極的に攻めていかなくていいのですから。思考がメディアに支配されるうんぬんはさておきですが。


●お願い、助けて編集長
ウェブと紙媒体の相違。結局、インターフェイスの未成熟さとエディションの欠如なのかな? と感じています。で、本著。とても興味深い件がありました。前述の僕のモヤモヤ感を、とても簡潔に代弁してくれています。

佐々木 :今の日本のインターネットに一番欠けているのは、情報を集約してくれるメディアなんですよ。

例えばツイッターでいろんな人がつぶやいたとします。ブログで誰かがいろんなことを書いています。でも~中略~パッと見ても分からないですよね。ものすごい数のブログを横断的に読んだり、ツイッターでいろんな人のつぶやきを全部拾っていかないと、そこでの議論全体が見えてこない。そんなことをできる人は世の中にごく一部にしかいないものでしょう。

そうするとネット世論ってなんかよくわからない、実体のないものだよねって思われてしまう。(P275)



●ITの神々
本の紹介が遅れましたね。本著は朝まで生テレビでおなじみの田原 総一朗さんの対談集です。ツイッターなどウェブメディアの可能性をリスペクト。堀江 貴文、三木谷 浩史、佐々木 俊尚、津田 大介、夏野 剛さんらIT界のカリスマたちと共に、新聞・TVの時代は終わったとアツい議論を展開します。

ツイッターの神々というよりはITの神々ですね。表題に偽りあり。ホリエモンと津田大介さんに関しては積極的にツイッターを使いこなしているので、話題がテーマに沿っていましたが。

津田さんのツイッターとSMSメールの文字数に関する件が興味深かったです。ドイツの学者が決めたそうですね。やはり考えることが合理的。それから夏野さんの武田 信玄の息子・武田 勝頼と織田 信長の鉄砲の件、とてもタメになりました。

でも、結局一番面白かったのは「ブログやツイッターは面白いんだけど金にならない」と田原さんが頻繁にボヤいていたところですかね(笑) 神々のみなさま、ぜひとも稼げる文化にしてくださいませ。期待してます。

ホリエモンとの対談。以前どこかで読んだ気が・・・。そうか、ネットに転がっていたんだ。検索すればどこかに見つかりますよ。そう、積極的に攻めれば、ね。


※「です・ます調」レビュー100本ノック。14本目。

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幻の女

2011/04/01 20:10

恐るべしアメリカ古典ミステリ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

【友情に年齢制限はない。昔持っていた友情なら、いまだって持っている。もしそうでなかったら、昔だって親友でなかったわけさ】 警部バージェス

本当にこれが1942年に書かれた作品なのか!? 一体何十10年先を行ってるんだ。そりゃあ負けるわ戦争も。ちなみに先日読んだエラリー・クイーンの名作「災厄の町」と同年発表だそうだ。恐るべしアメリカ古典ミステリ。

プロットがすばらしい。そしてトリック・キャラ・リーダビリティ・演出・描写力・文学性・・・どこを取っても非の打ち所がない。しいて言うなら、ちょっと説明がくどい解決編と幻の女の正体ぐらいか。エンディングをもっとスパッと切り刻んでいたら、間違いなく神話になっていただろう。

無実の罪を信じ、メロスの如く東奔西走する献身的な親友ロンバート。そこまで彼を駆り立てる友情の絆とは!?

こういうのを普遍というのだろう。衝撃に年代制限はない。昔持っていた衝撃なら、いまだって持っている。もしそうでなかったら、昔だって名作でなかったわけさ。

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紙の本レーン最後の事件

2012/03/09 15:40

伏線の鬼神

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ぶったまげた。他に言葉が出ません。

☆☆☆☆☆


<補足>
ちょっと冷静になってきたので補足です。

※直接的なネタバレではないですが、未読の方はここから先は読まないでください。

●四部作のフィナーレ
私立探偵を営むサム元警部のもとに現れた奇妙なひげの色をした男。彼がサムに預けた手紙から始まり、博物館警備員の失踪、古文書盗難、果てはシェークスピアの歴史的な謎へと事件は発展します。そんな中、サム警部の娘ペーシェンスが辿りついた真相とは? ドルリー・レーン四部作のフィナーレを飾る、驚愕の結末が貴方を待ち受けます。

想像していたより遥かに地味です。単独の本格推理として読めば、かなり雑な部類。「クリスティのあの作品」と類似したメイントリックは、単体で見れば別にぶったまげるというほどのものではありません。

●最後の一撃に賭けるクイーンの執念
僕がぶったまげたのはそんなことにではないのです。ヒトコトで言えば「最後の一撃に賭けるクイーンの執念」。これに魂を打ち抜かれました。一体、どの段階でこの壮大なプロットを構想したのでしょうか?

バーナビーロスのペンネームが、探偵がエラリーでないことが、「X」の鮮やかさも、「Y」の悲壮感も、「Z」でのペーシェンスのウザささえもが・・・。

そう、すべては伏線だったのです。この世界のすべてが。だからこそ本著は「クリスティのあの作品」とは本質的な意味で異なるのです。スケールが違いすぎます。

●時間の重みを感じる大河ドラマ
小説を読んで体が震えたのはどれくらいぶりでしょう。思い起こせば、次男の出産立会いのお供に読んだ「Xの悲劇」(←オマエなにやってんだ!?)。それがクイーンとの出会いでした。それから7年半。シリーズ読破するまで随分と時間が掛かりました。しかし今回は、その時間の重みが功を奏したみたいです。言葉では表せない壮大な読後感を与えてくれました。

まさに伏線の鬼神。脱帽です。

※「です・ます調」レビュー100本ノック。23本目。

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紙の本見通す力

2012/01/18 08:34

日本の新聞はなぜ読みにくいのか?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

長らくニュースはネットで拾っていました。が、どうにも偏りを感じます。そこで新聞を再び宅配購読することに。

正しい新聞の読み方を会得したくて本著を手に取りました。著者はTVでおなじみの池上彰さん。各種メディアに混在する情報を「見通す力」。その身に付け方を、やさしく「です・ます調」でアドバイスしてくれます。

TV同様、分かりやすく噛み砕いた語り口調でした。本著でも新聞スクラップの重要性について多く語られています。


●将来を見通すための作業の流れ(P26)

1:これから見通していく「テーマ」を決める 
   ↓
2:メディアなどから情報を集める
   ↓ 
3:集めた情報を「選別」する
   ↓
4:「仮説」を立てる
   ↓
5:仮説を「検証」する
   ↓
A:立てた仮説は間違っていそう→「新たな仮説を立てよう」→4へループ
B:立てた仮説は「信頼」できそう


仮説を立てる作業は、料理を切ったり煮たりの調理と同じ。誰でも努力しだいで会得できると背中を押してくれます。


●日本の新聞は毎日読まないと理解できない
朝刊には新書2冊分の文章量があります。それを隅々まで読むということは、毎日それだけの読書をしているということになります。

新聞は「毎日読むことが大切」と唱える著者。日本の新聞はとても難解で読みにくい。専門用語が多く前後関係も省略されています。その理由は宅配制度が原因と示唆。つまり定期購読を前提に書かれているので、毎日読まなければ理解できなくて当然なのだとか。

逆にアメリカなど店頭販売が主な国では、断続的な読者が多く各誌競争が激しい。その為に用語や前後関係など、毎回親切に解説しているそうです。

各誌、読み比べることが重要とも。複数購読は現実問題なかなか難しいですが、インターネットのニュースサイトを上手に活用したいですね。僕も原発問題など重要な話題は、ネットで社説の比較検証をするように心掛けています。


●見通す力は「仮説」によって鍛えられる
他にも興味深い話題が満載。「二世議員の目標は、父親や祖父を超えること」には、なるほど納得。「サブプライムローンについて」も、とても分かりやすく解説してくれます。それらはすべて、前述の仮説プロセスから導かれたものなのです。

仮説は日々の検証によって試され、さらに修正されていくはずです。(P220)


と最後は締めくくります。真偽を恐れず、どんどん検証・修正。自分流の仮説を積極的に打ち立てて、情報を見通す力を身に付けたいですね。


※「です・ます調」レビュー100本ノック。17本目。

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だから、ナナメに読みました

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

最近、読書のスピードについて考えています。

速読派。遅読派。どちらも長短あります。私的には新書・実用書は速読、小説など文芸書は遅読が理想だと感じています。

数ある新書を効率的かつスピーディーに吸収する。そんな秘伝のノウハウを本著は惜しげもなく伝授してくれます。ちょっと書物としてスカスカ感はありますが。とても参考になりました。

●情報チャンネルをガチャガチャとザッピング
ザッピングという言葉をご存知でしょうか? テレビを視聴している際にリモコンを操作してチャンネルをしきりに切り替える行為。情報のおいしいトコだけを高速にかい摘む意味にも使われます。ツイッターなんてその最たる例ですね。その手法を大胆に取り入れた著者の読書スタイル。そう、その実態は・・・。

みなさん読んでのお楽しみ。

ということにしておきます。ここで解説してしまうと、本著の存在意義がなくなってしまいそうなので。実際それぐらい情報量が少ないんですよ。同じこと何度も言ってるし。ブログの記事を無理やり引き伸ばして書籍にしたような感。だから、ナナメ読みさせてもらいました。

●ネット検索するように気軽な感覚で
新書って、昔は堅くて難解なものでした。学術書の入門編といった趣き。僕も若い頃、かっこつけて小脇に抱えていた思い出があります。分かりもしないくせにね。

それが何時から様変わりしたのでしょうか。とてもライトで読みやすいものが随分と増えました。取り扱う題材も豊富で実に多様化しています。ネット検索するようなナナメ読み感覚で、気軽に新書に触れていきたいですね。

※「です・ます調」レビュー100本ノック。12本目。

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さよなら高速道路無料化計画

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「です・ます調」レビュー100本ノック。9本目。

書店でブログに関する書籍を物色。裏オビに書かれた目次に目が止まりました。第四章「ブログと総表現社会」に興味を引かれ購読。

出版は5年前。当時はブログが日本で頭角を現し始めた時期でした。同著でも詳しく紹介しています。

ブログの章が目当て。だから他の項目はナナメ読み。のつもりが興味深い話題もちらほらと。なかなか楽しませてもらいました。ソースが古いので今更感はありますが。文体としては理系っぽくてちょっと読み辛かったかも。

将棋好きの著者。羽生善治さんとも親交があるそうです。オビに推薦文も書かれています。

ウェブ進化論というよりはグーグル進化論ですね。「あちら側」と「こちら側」という観点でグーグルの理念を解説しています。情報を処理する機能すなわち主導権を「あちら側(サーバ)」と「こちら側(クライアント)」のどちらに持つべきなのか? 近年の傾向を見れば、その答えは言わずもがなです。

ロングテール現象の件が最も興味深かったです。インターネットの本質を語る上で重要な問題定義の造語。

体高10メートル以上で1キロメートル以上のロングテールを持った恐竜。それを横から見たシルエットのようだ。(P99)

グラフで表すと、右肩上がりの注目株が「恐竜のアタマ」。つまり、それ以外の底辺を這う「シッポ」の箇所です。

これの反対概念が大企業を支配する「80:20」の法則。とるにたらぬ80%は無視し、重要な20%に集中。それこそが経営の効率を高めるという基本理念。そこをあえて「シッポ」の方をすくい上げることによって、産業の通説を根底から覆し、新しいシェアを獲得する。こうやって過去の産物をせっせと紹介している僕なんて、その最たる例ですね。

その定義が「ブログと総表現社会」に絡んできます。恐竜のアタマによって牛耳られていたメディアでの発言権。それがブログの台頭によって誰もがクリエイターや文化人になれる時代が訪れました。

はたして、そんなうまい話があるのでしょうか?

「ITとネットの進化によって将棋の世界に起きた最大の変化は、将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということです。でも高速道路を走り抜けた先では大渋滞が起きています」あるとき、羽生さんは簡潔にこう言った。聞いた瞬間。含蓄のある深い言葉だと思った。(P210)

羽生善治のさんの言葉が暗示的ですね。ウェブによって発言権という名のETCを得たぼくら。結局どこに行きたいの? 高速道路休日1000円も終わり、無料化計画も破綻をきたしました。そろそろ次の進路を見据える時期なのかもしれません。

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紙の本ヒートアイランド

2011/11/09 16:10

元商社マンのエリートが描く新感覚バイオレンス

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「です・ます調」レビュー100本ノック。7本目。

初読の作家さん。筑波大学出身で作家になる以前は商社勤務をしていたそうです。エリートな経歴とハードボイルド。どうもシンクロしないんですけど。偏見でしょうか?

『午前三時のルースター』にてサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。2004年、『ワイルド・ソウル』で大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞を受賞。史上初の三冠受賞を成し遂げます。2005年には『君たちに明日はない』で山本周五郎賞を受賞。そうそうたる受賞暦です。ちなみに本著は城田優さん主演で映画化されています。

ヒートアイランド現象。建築用語ですね。都市部の気温がその周辺の郊外部に比べて異常な高温を示す現象。血気果敢な都会の若者たちの熱気をタイトルに集約しています。

おっと。前置きが長くなりました。では、あらすじです。

肉体派のアキと頭脳派のカオル。そんな対極のダブルヘッドが取り仕切る渋谷のストリートギャング「雅」。ある日、チームの仲間が恐喝まがいに大金を持ち帰ってきました。しかしそれは、あるグループがヤクザ経営のカジノから強奪した危険なシロモノだったのです。気鋭の作家が放つ新世代ハードボイルド。雅・ヤクザ・強奪犯による3つ巴の攻防戦が今、幕を開けます。

疾走感あふれる文体と緻密でキレのある描写が特長。なかなか読ませます。アキとカオルのコンビがいいですね。フィジカルでストイックなアキ、男前です。

おそらくリアリティはないのでしょう。なんせエリートが描いたアウトローですから。けど、それが逆に魅力の秘訣。宮部みゆきさんやあさのあつこさんの描く男の子と同じ法則ですね。フィクションは願望炸裂しているぐらいがちょうど心地いい。

一方、ロジカルでセンシティブなカオル。おそらく作者の投影でしょう。人物造形に一番リアリティあり。気持ちがこもっているのがひしと伝わります。この2人の活躍をもっと読んでみたい。純粋にそう思わせてくれました。あとスバル・インプレッサ改の描写には私的に燃えましたね。男のロマンって奴が随所に散りばめられています。

主要キャストに女性がいませんね。どうりでオトコ臭い筈です。映画では北川景子さんが出ているそうですが。オリジナルキャラでしょうか? 私的にはもう少し色気があるほうがいいなあ。あ、変な意味じゃなくって。ちなみにエロ気の方はけっこうありました。

プロットにもうひとつ吸引力がなかったのが残念でした。ゆえに中~後半がかったるいです。求めるものが違うのですかね。カオルの知性を活かした頭脳戦をもっと繰り広げてほしかったです。

Vシネっぽくて血生臭い世界観。やはり好みじゃないです。でも、このピリッとした空気感は嫌いじゃない。結局どっちやねん?

『ワイルド・ソウル』の評判がいいですね。是非そちらも読んでみたいです。結論はそれからでも遅くはないでしょう。

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時空を超えた愛憎劇

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「です・ます調」レビュー100本ノック。6本目。

ギリシャ神話の世界って紐解いてみるとけっこうドロリとしてますよね。ある意味、人間以上に人間くさい。そんな神話の愛憎渦巻く側面に重点を置いた本著。有名・無名と織り交ぜた13のエピソードを、やさしくわかりやすい文体で紹介しています。

冒頭にティタン神族からオリンポス神族に至る「神々の系図」が記されています。ここで注目すべきは父クロノスと母レアの息子、オリュンポス十二神の一柱、ゼウス殿。いやあ色んなところに顔出しまくりすぎ。彼のやんちゃな暴れん坊ぶりが目に浮かびます。

ちなみにゼウスの人(神)物像は、当時のギリシャ人男性の理想を多く反映しているとのこと。なるほど、何時の時代も男の欲望って単純でわかりやすいものですね。

どの物語も小説仕立てになってます。主題のわりに軽いタッチのお菓子感覚。さくっと面白おかしく読めますよ。ちょっとエロい描写も含めてね。

私的には牛頭人身のミノタウロスの章が一番ガツンと来ましたね。他には復讐の王女メディアの深い女の業や、機織リ娘アラクネの神をも恐れぬ傍若無人さが印象的でした。

そうそう。ミノタウロスといえば、僕が漫画家の中で最も敬愛する藤子・F・不二雄さんの「ミノタウロスの皿」を思い出しました。人間の本質を突いた名作です。小学生の時、これを読んだ衝撃が未だ脳裏から離れません。未読の方は、機会がありましたら是非ご拝読くださいませ。

最後に著者の羽多 尋さんについて。

<羽多 尋-三笠書房HPより>
早稲田大学卒業。西洋思想の原点でありつつ、残虐性、淫靡性といった人間の本質を描いた物語の宝庫「ギリシャ神話」に魅せられ、研究会を発足させる。神話のみならず、古代ギリシャの思想、政治、文学と幅広く興味の幅を広げている。該博な知識、情報収集には定評がある。

この路線で色々と書かれている方みたいです。機会があれば別の著書も読んでみたいですね。

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「今の中東」をわかろうとしない人へ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「です・ます調」レビュー10本ノック。5本目。

「今の中東」がよくわかってないので購読。

三笠書房の「今の○○」がわかる本」シリーズ。現在の中東情勢からイラク戦争とアメリカとの関係。世界三大宗教「イスラーム」の謎や中東諸国の内政問題。そして中東の人々の考え方など「中東の今」をギュギュっと濃縮した一冊です。

著者の大野 元裕さんは現職の民主党参議院議員。前財団法人中東調査会上席研究員で中東研究の第一人者だそうです。

幕の内弁当ですね。詰め込みすぎて各々はちょっと食い足りないかも。でも本著の趣旨には外れていないと思います。とりあえずこの一冊を読めば、ざっくり把握できるのでオススメのメニューです。

別の著者ですが、イラク戦争とアメリカとの関係に関しては、以前読んだ「イラクとパレスチナ アメリカの戦略 (光文社新書)」の方にも、おもしろ詳しく書かれています。政治的な側面に興味がある方は、そちらも併せてどうぞ。

私的には中東情勢に迫る章より、イスラム教についての解説や、中東の人々の考え方・世界観などを綴った章の方が興味深かったです。

印象的だった件をひとつ。
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イスラームでは商売を行う時に、布を袋の中に入れて見せずに触らせるだけして売るような商売はしてはならないと定めている。つまり、相手に対して条件を明確に示して公平な商売を行うように求めているのだ。

日本ではほとんどの場合が定価商売によって誰にとっても価格は同じであろうが、彼らはモノの価値は相対的であると考えている。

価格が価値を構成するのではなく、価値が価格を決定するという、ある意味の本質を常に見ているのである。(P255~256)
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幽霊やお化けが怖い。テストが怖い。異性の下心が怖い。その理由は実態が「よくわかっていない」から。何事もそんなものでしょう。秘密のベールに隠されたイスラム圏に漠然とした不安を抱く私たち。まずはわかろうと歩み寄ることから始めたいと思います。

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