紙の本大聖堂 下
2011/03/08 21:33
秀逸の群衆劇
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
中世イングランド。舞台や建築、修道院に関する説明が綿密で、興味深く物語を支えています。その上で繰り広げられる愛憎劇の、何と生々しく艶やかで魅力的なことか!
大聖堂が建つまでを追った一大叙事詩は、上中下で微妙に主人公を換えていきます。スポットが当たると誰もが主人公になり、そして誰からも目が放せません。
随所に仕掛けられた伏線が、ラストに向けて収束していくさまも見事でした。読後感もとても良かったです。