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先月(2017年6月)

kei-sho-momさんのレビュー一覧

投稿者:kei-sho-mom

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本小さいおうち

2011/05/21 01:34

「小さいおうち」での秘めたる思い

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

家事代行サービスを利用されたこと、ありますか?

チラシを見る限りでは、料金もそんなに高くないようなので、1度頼んでみたいなぁ、と思わないこともないのですが、よく知らない人に家の中をウロウロされることを思うと、腰が引けてしまうのです。

根っからの庶民なので、仕方がないのかもしれません。

本書は、女中のいる家庭というものがそうめずらしくなかった古き良き時代の、女中とその雇い主である家族との物語です。



様々な家庭に女中として勤めてきたタキは、80歳を過ぎて、最も思い出深い平井家で働いていたときのことを書き残し始めます。

タキは、前夫に先立たれた後、幼い息子を連れて嫁ぐ時子にとともに平井家に入り、女中として働き始めます。

時子奥様、恭一ぼっちゃん、旦那さまと、赤い屋根の小さな家で暮らす日々はタキにとって忘れられない幸せな日々でした。

しかし、戦争の影が日ごとに増していき、そして、時子奥様の秘めた恋に気付いたタキは…。



舞台となった昭和初期は、女中というものの概念が今とは違い、未婚女性が結婚するまでの間、行儀見習いのために働く、という感じだったようです。

そして、そのお宅で婚礼支度を整えてもらってお嫁に行くということがめずらしくなかったそうです。

仕事の内容も、ただ家事をこなすだけではなく、一家の主婦である「奥様」と相談しながら、そのお宅を切り回す、いわば「奥様」の秘書的な役割も担っていたようです。

分をわきまえた態度と優れた家事能力で、平井家の人々から愛されたタキでしたが、平井家を去る前に初めて時子奥様の道ならぬ恋に意見します。

しかし、それは、時子奥様のためだけではなく、タキ自身が胸の内に秘めた思いのためでもありました。

思いを伝えることはできなくても、好きな人のそばにいて、同じ時間を過ごすということは、相思相愛になる以上に幸せなことなのかもしれません。

きれいな思い出だけしか残らないのですから。



しかし、女中って言葉、最近はあまり聞かなくなりましたね。

そういえば、息子に、女中って何?と聞かれたことがありました。

家政婦という言葉は、市原悦子のおかげで十分認知されているようですけど…。


おもしろいと思って下さった方、書評ブログ『本のはなし ホンの少し』にもぜひお立ち寄り下さい。

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