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先月(2017年8月)

さとあやさんのレビュー一覧

投稿者:さとあや

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本インカ帝国 太陽と黄金の民族

2011/09/15 18:29

インカ帝国をめぐる壮大な歴史ドラマ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この知の発見双書は図版が多く、視覚的にも楽しめるのだが特に、『インカ帝国』の本は、内容と共にインパクトのある図版が多く楽しめると思う。
 インカ帝国にフランシスコ・ピサロとディエゴ・デ・アルマグロが攻め入った事は知っていたが、実際の細かい内容を知ってみると、驚愕するほかない。
アタバリパがビセンテ・デ・バルベルデ神父が差し出した聖書を投げ出し、まるでそのことが合図だったかのように、瞬く間にアタバリパは捕らえられ、服までも脱がされてしまうこと、また、その時のスペイン人兵士たちの残虐な様子が絵でも書かれ、とても昔、500年以上も前に起こったものとは思えず、文章と絵と両方だと、とても現実味を感じた。
 また、ピサロが攻め入って来た少し前に、アタバリパは、兄のワスカルと争っていたこと、また、アタバリパ死後、ピサロによって皇帝の座についた弟のインカ・マンコは、スペイン人の辱めを受け、逃げ出し、スペイン人が容易に攻めてくる事の出来ない、森の奥のビトコスに立てこもったが、インカ・マンコの子供のティトゥ・クシとトゥパック・アマルー1世兄弟が争い、その後、完全にインカ帝国が崩壊することなど、兄弟間での争いがスペイン人が入り込んでくる余地を作ったことなど、初めて知る事が多く、興味深かった。
トゥパク・アマルー1世は、容姿の美しさで評判が高かったそうだが、その想像画を見ると、右上を見つめ、何となく、キリスト教の想像画のようであり、何でこのような描き方をしたのか不思議でもあった。
トゥパック・アマルー1世は、最後スペイン人に捕らえられ、拷問を受け非常に残酷な死を遂げたとのことだが、その首は槍の穂先にさらされ、その顔は日に日に美しくなり、夜中にインディオがこっそり拝みにくるほどだったという。
 この本をずっと読んでいると、一つの壮大な歴史ドラマを見ているかのようであり、もう少し、詳しく知りたくなってくる。
アタバリパ、ワスカル、インカ・マンコ、ティトゥ・クシ、トゥバック・アマルー1世、それぞれ、どんな人だったのか。
参考文献も充実しているので、機会があれば、また読んでみたいと思った。
特に、図版や地図も多いので、インカ帝国をテーマとした旅行にいく時にオススメである。
ただ、ピサロの人間性についてもう少し、記述が欲しいと思った。
残虐な印象しかないが、本当にそれだけの人だったのだろうか。

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紙の本ミイラの謎

2011/09/26 22:12

死後の世界を夢見てのミイラ作りのはずだったが・・・。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本を読んでの一番の収穫は、ミイラの作り方が分かったことである。ミイラもの写真も沢山あり、一寸、博物館に行った気分が味わえる。ミイラの作り方は次のとおりである。

1  遺体は死後2・3日してミイラ職人のもとに運ばれ、ミイラ職人はただちに左脇腹に切れ目を入れ、内蔵を取り除く。肝臓、胃、腸、肺は専用の容器に入れられるが、この際、肝臓は肝臓を守るとされている人頭のイムセト神、肺は肺を守るとされているヒヒ頭のハピ神、胃は山犬頭のドゥアムテフ神、腸はハヤブサ頭のベセンネフ神(4神はホルス神の息子)を象った人形のような入れ物、カノポス壷に入れられる。
このシリーズは図版が多いので、この入れ物も写真が出ているが、顔があり、眼、鼻、耳は動物で、髪型はワンレングスのようになっていて面白い。エジプトの人の想像力のユニークさが微笑ましくも感じられる。
心臓は体内に残される。心臓は死後計量がされ、真実と正義の女神マアトの象徴である羽根と一緒に天秤にのせられる。もし、悪行が善行より多いと心臓が羽根より重くなり、死者は秤の側で口を開けて待っている怪獣アムミットに食べられてしまい、2度とよみがえることが出来なくなってしまう。この心臓の計量の為にとっておかなければならないのだが、間違って心臓を取り出してしまうこともあったそうである。そうすると、切り口のあたりに詰めこんだりもしていたそうである。勿論、貴族、王族、身分の高い人のミイラは細心の注意を払ってつくってはいたのだと思う。
腎臓、脾臓、膀胱、子宮は何の処理も施されないのが普通だった。
2 新王国時代になると、脳の除去が始まり、左の外鼻腔から青銅の鈎棒をさしこんで篩板(鼻腔と頭蓋骨を分ける篩骨の平板。嗅神経を通る多数の細孔があるため篩のように見える)を壊し、そこから脳髄を出した。
3 そのあと樹脂を暖めて液状にし、引き出した後の空洞に流し込む。
ラムセス2世の頸椎は骨折をしていたが、生前に骨折をしたのではなく、この樹脂を入れる作業中に骨折している。ラムセス2世のミイラも写真になっているが、とてもよく出来ており、人格までもがわかるほど精巧に出来ている。見た所、骨太で背も高そうである。顔立ちもはっきりと分かり、やはりとても偉大な王だったことが窺える。それにしても、この骨折には大変驚いた。こんなこともあるのだなあと思った。本にも書いてあったが、それだけミイラ作りというのは難しい作業だということを思い知らされた。樹脂はまもなく冷えて固まるが、樹脂の成分は判明していない。
4 これらの作業が終わると脇腹を縫い合わせる。
5 遺体を洗う。
6 ナトロン(自然の鉱床に産する炭酸ナトリウムと塩化ナトリウムの混合物。吸水性に富む)で覆う。ナトロン槽という言葉があり、液体と思われがちだそうだが、固形のナトロンを細かく砕いてまぶしつけたそうである。ヘロドトス(『歴史』を書いた。エジプトのことも多く書いている)によると乾燥に70日を下らなかったと書いてあるが、これはどうやら間違いであり、ミイラ作り全体にかかった日数とのことである。
7 遺体が乾くとナイルの水で洗って香油のよい香を付けると同時に少し弾力をもどしてやる。
8 ライオンを象った台に乗せ、包帯を巻く。包帯巻きは神官の持っている書物に記された厳密な手続きによってなされ、指1本ずつ巻き、それから四肢に移り、これもそれぞれ別々に巻いた後、大きな衣で包んで幅に広い帯で固定する。腕は胴体にそってのばすこともあれば、腕を胸の前で交差させるオシリスのポーズをとらせることもあるが、前述のラムセス2世のミイラでは交差され合わされていた腕が離れてしまっている。これは、長い間のうちに組織が変形されたためだそうである。包帯も巻き方も、時代が下ると、巻き方にこだわるようになり、幾何学模様を浮かび上がらせたり、スタッコ(建築に使う化粧漆喰)で装飾を施したりするようになった。 最後に頭に包帯を巻く。包帯に樹脂をしみ込ませることもあったそうである。包帯のあいだには護符がはさみこまれ、ツタンカーメンの護符は143あり、それほど身分の高くない人のミイラでさえ40ほど見つかっており、この護符を目当てに盗掘泥棒が出るわけである。写真もあるが宝石で出来ているのか、とても色鮮やかである。
9 これで遺体の保護が終わったことになる。
10 完成したミイラは家族のもとに返され、これでやっと葬式が出来るのである。時代が下ると見た目にこだわるようになり、眼に玉葱や黒曜石を入れたり、ミイラに生前そっくりなように絵を描いたりもする。
なくなってから1週間経たないうちに、通夜、告別式まですませる現代の日本から考えると気が遠くなりそうでもあるが、精神的にも体力的にも弱った中で行われるのを考えると、こちらの方がいいような気もする。
 この丁寧なミイラ作りは非常に高くついたため、早く、安価な処理を望むものには懐に合わせて、更に2つのコースがあった。
中程度のものは肛門からある種の油を入れて内蔵を溶かす、最も安いのは遺体を洗ってナトロンを塗るだけであった。しかしこのナトロンというのが大変高価なもので大量に使う事は大変だったようである。
包帯の巻き方にも差別化され、一番安いコースでは指は5本別々に巻かれず、一番費用のかさむ布も質を落としたり、新調したりせず、あるもので間に合わせたりしたそうである。
 死後の世界での生を願ってミイラにしたのに、ミイラにして葬式をしてもすぐに盗掘泥棒が現れ、護符や死後の為の調度品や、宝石を奪ったりまた、王の棺でさえも使い回しをして1つの棺に何人ものミイラが入って下のミイラは形が崩れたりしたそうである。
盗掘は、墓守と墓泥棒が協力をしあってということもあり、近代になると、墓泥棒がヨーロッパから来た美術館の職員を墓に案内したこともあったそうである。
もう驚くしかない!?
そうなると死後安らかな事を願ってミイラにしたのは、いったいなんだったのだろうかということになってしまう。墓泥棒のミイラ作りだったのか?
しかし、この墓泥棒の中には生活に困り、やむにやまれず墓泥棒をしたものもいたという。
 何だかこの本を読んでとてもやるせない気持ちになってしまった。
いろいろと驚く事の多い本であった。

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紙の本アステカ王国 文明の死と再生

2011/09/22 17:21

スペインによるインカ帝国とアステカ王国征服

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 エルナン・コルテスがアステカ帝国を征服したのは、同じ、スペインのフランシスコ・デ・ピサロとディエゴ・デ・アルマグロがインカ帝国を征服(<約>1530年)する少し前の<約>1520年のことであった。
スペインは、このアステカ王国(今のメキシコ)の征服で、自信を得たのであろうか?
10年、経つか経たないかのうちに、その次は、インカ帝国(今のペルー)に進出していくのである。
 この2つの征服を比べてみると、征服者の性格の違いが読み取れるようで、面白い。
アステカ王国を征服したエルナン・コルテスは、インカ帝国よりも早い時期に征服したにも関わらず、アステカ王国が同盟を保っていた三国同盟のの国々(メシコ=テノチティトラン・テスココ・タクバ)や、周辺の首長を味方につけ、あまりてこずることなく征服していったように思える。
 フランシスコ・デ・ピサロとディエゴ・デ・アルマグロによるインカ帝国征服の時には、1530年、アワタルパ王の死により、征服したようにも見えたが、実際には、その後、ピサロとアルマグロの関係が壊れ、仲間割れとなり、内紛が起き、アワタルパの弟をインカ・マンコを傀儡の王にすえたが、森の奥に逃げ込まれ、そこで1572年まで、約40年まがりなりにも、脆弱な政権が続いた。
 アステカの場合には、コルテスが会見したモクテスマ2世の後に王が立つことはなく、傀儡の王をすえる必要もなく、コルテスのやりたいように、順調に征服、統治を進めていったように見える。
実際に、ピサロは仲間割れが原因で暗殺されるが、コルテスは侯爵という
爵位を受ける。
 これほどまでにコルテスは、順調に征服が出来ると思っていただろうか。
しかし、その背景には、コルテスがアステカ王国に上陸した1519年が、丁度、はるか昔に東方の謎の国に旅立ったケツァルコアトル神(羽毛の蛇)が再び戻ってくるはずの年であり、その東方から、眉が白く髭をはやし、鉄の兜を身に纏った不思議な人々を神である勘違いしたことがあげられる。
 モクテスマ2世は呪術師や魔術師に、コルテスを呪いにかけさせるよう、命じたが失敗し或は、神なのかとも思い、会いに行く。
インカ帝国の時と同様、征服者と、その土地の王の出会いというのは読んでいても緊張するものである。
インカ帝国の時はアワタルパ王が聖書を投げ出したのをきっかけとして、一気に戦闘状態となり、王は捕らえられてしまうが、アステカの場合は、コルテスとモクテスマ2世が首飾りを首にかけあったり、贈り物をしたりして、一見和やかなようにも見える。
 しかし、実際にはこの少し前、コルテスが1519年11月8日、メシコ=トルチティトランの入り口でモクテスマ2世と出会い、コルテスが馬から降り、モクテスマを抱擁しようとすると2人の首長が間に入り、王に触れさせないようにするなど、ぎくしゃくした感じも受けるものであった。
もし2人の首長が止めなかったらどうなっていただろうか。
でも、結局は征服されてしまったであろう。
そして、平和な時間が少しだけのびるだけでなかったか?
この後、コルテスが神殿の偶像を倒す所から、戦闘状態となるが、王はそれでも、この国の人々の考え方を説明したりし、何とか理解してもらおうとしている点は、征服されるにしても、穏やかに物事を進め、スペインの支持に従い、政権を受け渡してもいいが、出来れば命も助けてもらいたいという心も見え隠れする。
結局、それもかなわず、モクテスマ2世は殺されてしまう。
 残った首長や、人々達は生き延びたいが為、宗教の改宗をはじめ、婚姻制度や、税制などスペイン側の要求を取り入れ、新たな文化が育まれていくが、一般先住民は、厳しい税制や雇用関係、疫病にも見舞われ、悲惨そのものである。
このように、うまく、征服がいったことによって、スペインはいろいろな要求を呑ませることが出来たのである。
コルテス側の人間が一致団結して、仲良くそのため征服がうまくいったのであろうか?
確かに、ピサロとアルマグロのような仲間割れは書かれていない。
しかし、味方同士でも人間が集まれば、少しのいざこざはあるものと思う。
最初の方の征服であり、これを失敗するとこれからの政治、国際関係の上で、いろいろと不利な立場に立たされる可能性もありかもしれないとの思いから失敗はできないという思いにより、心が纏まったのであろうか。
 それにしても何時の時代でも征服者というのは恐ろしいものだということを実感した。

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