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先月(2017年8月)

円城 塔さんのレビュー一覧

投稿者:円城 塔

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本これはペンです

2011/09/29 21:01

著者コメント

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

■わりと本当のことを書いているのだけれど、信用がない。

■『これはペンです』は、変な叔父さんから手紙が届き続ける話で、すると当然、念頭には『行方不明のヘンテコな伯父さんからボクがもらった手紙』があったりしたのだけれど、あまり似ていない。似てしまっても困る。
 元ネタを思い出そうとしても、あちこちで耳に挟んだり、これといった特定が難しいものばかりの気がする。『みんなが手話で話した島』のヴィンヤード島の話はよく書いてしまう。
 作中、DNAを出したりもしたが、正直なところ現代生物学の急速な進展にはついていけずにいる。『カラー図解アメリカ版大学生物学の教科書』第1巻、第2巻、第3巻あたりが、北米大学生の人文理数を問わない教養的教科書だそうだけれど、大変だ。

■併録の『良い夜を持っている』については多少ある。『レインマン』かと言われることが多いのだけれど、それよりは、『偉大な記憶力の物語 ある記憶術者の精神生活』、『忘れられない脳 記憶の檻に閉じ込められた私』の影響が大きい。
 "父"の彷徨う記憶の街は、Gilles Trehinの『Urville』(Jessica Kingsley Pub)を参考にした。どこからみつけてきたかというと、これもまた別のネタ本、『天才が語るサヴァン、アスペルガー、共感覚の世界』に出てきたのである。『ぼくには数字が風景に見える』の著者でもあるタメット氏の著作は貴重だ。
 超記憶力と記憶術、後者についてはとりあえず、『記憶術』や 『記憶術と書物 中世ヨーロッパの情報文化』も参照のこと。
 "父"の使う、記号のかわいいAPLは、『言語設計者たちが考えること』などを。『情報理論』と多少混ぜたところもあるのだけれど、このテーマはまた機会があれば。

■両作を書いたあとに読んだ本だが、『パラドクシア・エピデミカ ルネサンスにおけるパラドックスの伝統』が、どうも自分の気質に近い気がする。

■と、当然本書は多数の本の結び目として浮かんでいて、せめても多くの本への入口になってくれればとまで。

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