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  3. uh312さんのレビュー一覧

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    3月のライオン(1)

    3月のライオン(1)

    羽海野 チカ(著),先崎 学 (将棋監修)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

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    はらぺこあおむし 改訂

    はらぺこあおむし 改訂

    エリック=カール (さく),もり ひさし (やく)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

uh312さんのレビュー一覧

投稿者:uh312

12 件中 1 件~ 12 件を表示

英語能力の階段を、きちんと納得しつつ一段上がるために使う

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

かつて個人的にNHKの英語講座に関しては、中学校で宿題代わりに基礎英語・続基礎英語を強制的に聞かされて、「どう勉強すればいいのか(そもそも語学の勉強法ってどうするのか?どういうことができる人間が「語学の達人」であるのか?)」を全く分からないまま立派なトラウマ(涙)を植えつけられた悪夢の記憶があった。さらに大学時代もこれに懲りずに全然やさしくない「やさしいビジネス英語」(号泣)で通学電車の車内で身悶えしつづけた。

そのため「金がかからないからNHKの英語学習はお勧めだ」という周囲の無数の甘言には本能的な拒否反応を感じて必死に拒絶し続けた早幾霜。近年の語学テレビ界で高く評価されたという「しゃべらナイト」すら敬遠してアルクなどに逃げ倒してきたのはここだけの秘密である。

学生時代にはTOEFL、社会人になってからはTOEICを一通り学習して業務に支障ないようになったもののどこかに不十分さを感じてしまい、資格取得とか試験勉強とかを度外視して「丸暗記を超えて、理屈を納得して自然と使えるようになったセリフを組み合わせて、目の前の外国人を説得したり意見を通す」境地へ到達してみたくなってきた。そこで数年前からだいぶ久々に大書店やらアマゾンやらの英語学習の参考書を再び漁るようになったものの、相変わらずNHKの教材コーナーにはしばらく嫌悪感が否めないままだった。

ところが、少しは英語の運用能力(&確立した勉強方法での実績&そこから来る自信)を身につけたからだろうか、書店でNHKの英語講座の教材をパラパラ見てみたところ、その完成度に驚いた。昔のNHK教材がこんなによくできていたか記憶にない(というか悪夢の記憶を必死に自分で切り捨てて生きてきた(笑))のだが、他の出版社で微妙にエアポケットになっている分野(上級社会人向けへの”大リーグボール養成ギプス“とか)をきちんと網羅してくれていたことに今さらながら気づく。沸き起こる過去のトラウマを必死に無視して数冊を購入・帰宅し歯を食いしばって開封してみたところ、意外やすんなりと英語の文体が体に吸収できてしまい、長年の自分の食わず嫌いに激しく脱力・後悔することになった。

本書はそういう流れで買ったうちの一冊である。まだ、発売から時間が短いこともあって「完全に内容を暗記して無意識に腑に落ちる」水準の理解度へ進む途上であり、それを超えた「(本書のキモである"単語の使い分け"を無意識に実行しながら)流暢に口から出し続ける」境地には至っていないものの、価格以上のコストパフォーマンスは間違いない。

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市場関係者にとって「買い」ではなかろうか

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

自分は現在直接は市場と向き合っていないが、あまり縁がない出版社名、タイトルも内容もよくある怪しい相場本だとばかり思い込んでいたため、ネットで購入を決断するのには長い時間がかかった。しかし結論から言えば、迷わず入手すべき良書であった。

原作とも思しきアメリカ版の「マーケットの魔術師」がこれを書いている現時点で手元にないので本書の内容に絞るが、市場関係者のインタビューとしてたいへん有用な情報が満載だった。もちろんポジショントークも多いはずなので出版時期(インタビュー実施時期)に市場がどういう局面だったかも思い出しながら熟読することになるが、行間の呼吸を読みこみながら時間をかけて自分の戦略との比較検証をするシミュレーションに適している。

うまく使えばトレーディング部門に配属されて数年目の若手の教育にも使えるかもしれないと思いながら読んだ。自分の職場では若手はまずはバック・ミドルオフィス業務の下積みなどからやらせることが多い。とはいえ何の指標を目安にして、頭の中で複数の指標をいかに連動させながらシナリオを仕込むか(将棋で言うなら何手先まで読み、そのうち何手先までの対応を準備しておくか。言いかえると、読むべき筋と切り捨てるべき(切ってもいい)筋の見極めのトレーニング)を配属初日から鍛えていく必要があるが、他社の先輩の密度の濃い体験談としてもすばらしい内容なので、彼らに自分ならどうするかを考えさせるケーススタディとしても十分に使えると思う。

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紙の本金融経済学の基礎

2012/01/23 23:31

高い価格にふさわしい価値がある

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

独学でこの分野の読書を進めている。
価格が高いため長らく購入をためらったが、他のレビュアーの意見を読んで勇気を出して購入。
読むのも苦痛だったが、これは修士から博士への知識の穴埋め作業だったらしいと聞いて納得できた。
読後に得るものは大きい。
尚、ここまで版を重ねて多数の誤記の修正を行ったにもかかわらず、現在販売中の版にも
まだ多少の誤記が残っているとのことだが、気にならない(私の実力不足?)程度でしかない。
ファイナンスに興味ある方に強くお勧めできる名著だと思う。

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あの国を理解するまでの遠い道のりの第一歩

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

軽い気持ちで本書を手にとって思わず引き込まれた。「アメリカ合衆国の総意」として日本で報道されている国論がどれほど米国内で割れているのかを記してある。著者はわりとあっさり(ばっさり)記述しているが、その内容は果てしなく深い。この本の内容を表面的に留まらずきちんと理解するには本格的な修士論文一個分の勉強量を要するのではないだろうか。

類書で言えばアメリカ人の進化論に対する考えなど、マイケル・ムーアや町山智浩、柳下毅一郎らが現代アメリカ映画の評論から社会分析をする際によくネタとして出て来る「現代アメリカ人の歪んだ宗教観と、正しいツッコミの作法(「こうやってアメリカ人を笑え」という筆致の記事)」の正統な系譜に本書も沿っているが、むしろそれらより数段きちんと整理されているだけに本書の深い理解には相当な知的教養を要する(今の私には初見の事項だらけで無理だった…)。しかもこれを英語で表現しつつ敵を論破できるようになるまでには、当分野に疎い私にはさらにはてしない時間を必要とするだろう。

このレビュー自体も初読直後の感想なのでまとまりが少ないが、本書を踏まえてオバマ就任直後に彼の演説が日本でブームとなりかけた現象を顧みるに、我々日本人はさらに一歩踏み込んで「なぜ彼がそんなセリフ・単語を使っていたのか(つまりどういう国内集団の意見への賛成・反対を表明しようとしていたのか)」をきちんと理解しなくてはならないと思うに至った。ネットで見ると著者はNHKでも放送していたアメリカのドラマ「ザ・ホワイトハウス」の演出における宗教描写の分析をメルマガか何かに連載していたらしく、その取材が本書のもとになっているようだが(現物は未読)聖書のきちんとした理解もなくアメリカ政治分析の真似をすることが、さほど厚くない本書を読むだけでもいかに荒唐無稽であるか思い知らされる。

かつて大学院でアメリカが「マニフェストデスティニー」以来の宗教・正義観をアジア政策に転用してきた歴史解説を部外者なのに聴講したことがあるが、「アメリカの総意(各政権の思惑)」だけでもブレまくりで追跡に苦労して、さらに深くその各時代の米国内の利益集団の宗教観まで踏み込む余裕はなかった。たとえば次回作では本書と対にした編集で、引用されている聖書の文面や思想・信条などを利益団体がどう都合よく編集して自分たちの主張に使ってきたのかを(他国にどのように迷惑をかけてきたのかをこの文体で)、今度は時系列で変遷を追ってもらえると(タテ・ヨコの歴史の紡ぎ合わせで)読者の理解も深まるのではないだろうか。

結論として、本書は激しくお勧めに値する。西森氏の著作は数冊読んできたが、こういった社会分析での切り口の鋭さと完成度は徐々に増してきているように思える。この分野での続編をぜひ期待したい(絶版になってるものも多くて数年前に西森氏の本に興味を持ってから入手にわりと苦労した記憶もあり、出版社の方にはその面での配慮もいただけるとありがたい)。本書こそ全国紙の書評欄に載るのにふさわしいと思う。

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紙の本民宿雪国

2012/01/23 23:28

ここまで後味が悪い小説は久しぶり

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今日読み終えた。
はっきり言って最悪の後味だった(悪口という意味ではなく→そのため評価を4点にしてある)。
グロに次ぐグロ。男色やら性転換やら在日やら陵辱・殺人(しかも怒涛のごとく連射)・裏切りが無数に出現。
これはさすがに映画化は不可能だろう。
もちろん連続するこれらすべてのグロには作者の執拗な意図があるのだが、描写・設定が狙いすぎと言われかねない
領域に入っているので読者の好みで評価は大きく分かれるのも納得がいく。
単に唾棄すべき描写を書いてるだけじゃねえかと言いたくなる人の気持ちもよくわかる。
ただし最後まで作者の根性を貫き通したことで私の中での評価は高くなった。
実際にこう言う描写を目の当たりにしてみると、人間の本性とは予定調和や中途半端な妥協で終わることはなく、
人生の最後の瞬間まで一貫してこうなるものだろうと思わせられる。
それがこの作品の持った力が一番発揮された箇所なのだろう。

今夜は確実に夢に出る気がする。
これ以上はちょっと言葉が見つからない。
身構えていなかった自分には良くも悪くも刺激が強すぎたので「今年最強の問題作」に遭遇した感じ。
やはり自分にはこういう作風は向かなかった気がする。
当分こういうおぞましいのはもういいや…再読する気力も失せた俺(滝汗…)

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紙の本喜嶋先生の静かな世界

2012/01/23 23:27

まだ総括していなかった自分の過去の記憶を目前に提示された気がした。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この数年で読んだ小説の中で最高の評価を与えたい。
はるか昔の狂おしいまでの個人的な経験・記憶がそのまま小説になって現れた感じがした。
読んでいる途中でそれに気付きながら、最後まで一気に読んだ。
読むのに時間をかけていられないほどの切ない感情がどんどん胸の奥底から湧きあがって止まらなかった。

文字を追いながら表紙を伏せ、数秒深呼吸してはまた本文に戻るという作業を何十回も繰り返した。
胸の奥深くに残っていた昔の記憶が強烈にえぐられていくのがはっきりとわかった。

結論から言うと本書の結末は、やや意外な展開と余韻で終わる。
理系大学の学部・院という、社会から見れば特殊な異空間にも人生ドラマは存在する。
学内や海外の学界での評価基準は一様ではないのに、いちいち一喜一憂せざるをえない不安な道だ。
その体験を回避しつつ留学などで要領よく生きていった先輩たちへの羨望もあった。
しかしその苦しい生活自体が今思えば幸福だったし、実際に日常の小さな喜びもあった。
それでもそんな小さく複雑な時間ですら当時の自分には抱えきれていなかった。
時間が過ぎて場所も変わった今でもなお、自分はそんな迷いを続けているのかもしれない。

時代の変遷は怖い。過去に気付かなかった幸福を今の自分なら感知できたりする。
そして当時感じていた幸福が残酷な結末を招く例も、今日の自分はいくつも見聞きしてしまっていたりもする。
自分の幸福・不幸センサーが今も昔も精度が悪い事実を再確認しろと、この本は私に迫ってきた。

そんな感覚が混然一体となり、過去とは違う新鮮なほろ苦さが読後の頭に重く残った。
読了してからしばらくたった今ですら、レビューをここに書くための適切な言葉を思いつけないでいる。

私にはこれを森博嗣が書いたことが衝撃だった。
たしかに本書は作者の人生を通り過ぎた死屍累々の理系人への鎮魂歌なのかもしれない。
スプートニクの落とし子たち ←この本の著者が書いたのなら理解できたのだが。

やはり森博嗣はあの世界で生きる人たちの心のかすり傷や、そこにある闇の深さを分かっているのだ。
不十分なレビューで申し訳ないが私は数年してから再読すると決めた。
しばらくはこの本に接するのがつらすぎて、本棚の裏に隠して置いてもきっと数年は手を出せないだろう。

なお、私が一番感情移入した登場人物は主人公だった(喜嶋先生を含む周囲の人たちではない)。
私の周囲にも似た人々が多すぎたのか、場面をリアルに想像しすぎて記憶の走馬灯が脳内を止まらなくなってしまう。
小説は若い頃に読めとはよく言ったものだが、こういう意味も含まれていたのだろうか。

どうやら私はこんなに年月がたったのに、自分の学生時代を総括できていないらしい。
そんなことだけはこの本ではっきりと思い知らされた。
文学的評価はわからないが、小説が読者(私個人)に及ぼす力としては文句なしの出来だった。
ただし、理系大学を経験していない他の読者にとって、この本の評価は未知数であることも申し添えたい。

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がんばってるのはわかるんだが

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この著者の起業ストーリーの本や似た内容のエッセーが氾濫しすぎで食傷気味。
メディアに出て世間の認知を高めるのが仕事なんだろうけど、ちょっと見慣れてきてしまった。
残念…ほかのネタないのかな?

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予想以上の好著であった,

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

財務会計や管理会計、ファイナンス本(ブリーリーマイヤーズ「コーポレートファイナンス」やマッキンゼー
「企業価値評価」)と言ったいわゆるビジネススクールの教科書を読み終えたときに「会計もファイナンスも
結局は単なる“算数”じゃないか」という印象が残りがちだ。CAPMやNPVなども深く考えずに簡易法での計算
だけを勧める書籍が多く、事業会社の現場でも機械的な計算で算数的な目安としか扱っていない場合が多い。

この本は「算数」だけではなく「数学」も裏側では使っているんだよ、と初心者に熱心に伝えようとする好著だ。
かといって数理ファイナンスの本へ進むと一気に難易度が上がって本格的な数学だらけとなり、いわゆる
高校時代に文系コースだった学生たちにはイメージすらつかむことが難しい。よって初歩の学習者にとって
実は穴場となっている空白地帯(そもそもこの分野での数学の使い方の説明)をこの本がうまく埋めている。

著者も書くように、この本は普通のファイナンス本にある項目群の網羅を最初から目指しておらず、一般的な
ビジネススクールの「ファイナンス」科目の全容はこの本に記載がない(大部で苦痛だがブリーリーマイヤーズで
補えばいい)。しかしファイナンスにおける、微積分と統計の融合によって時間変化を数字として把握する
根底の超基本事項をめちゃくちゃ丁寧に説明しようとする。

もちろんこの本を終えても確率的割引ファクターなど院レベルの数理のテクニックへは遥かに遠い道のりが
待っているが、他の本も合わせて交互に行ったり来たりを繰り返すうちに、微積分で計算した数字が財務諸表と
連動していくシステムを違和感なく頭で理解できるようになるのではないかと思う。

私個人はしばらく他の本で試行錯誤した経験を持つが、最近この本に遭遇してすっきり復習できた(早く遭遇
したかった)人間なので、どの本の前後にこの本を読破することが最も効率的かには自信がないが、おそらく
学部の教科書(意欲ある経済学部の学生なら早くて1年生から読み始めてもいいかもしれない)としてこれに
馴染んだ人には、その後のビジネス人生にきっとよい影響があるだろう。

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なぜだろうか哀しみの点在する人生だった。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

最初、読み始めてしばらくの間、どこか日本人をいらつかせる描写が延々と続く。

実母の不倫・出奔にはじまる半島と東京を往復した幼少期の不遇はともかく、非行少年として戦後の無法地帯で愚連隊を組織し、日本人をバカにしてやりたい放題。
そのまま日本人の美少女を拉致監禁して結婚に同意させるは愛人をつくり、逮捕の連続で東声会を旗揚げし、出自を隠した力道山との交遊から、次第に児玉誉志夫を経由して日韓の総理・大統領をはじめ周囲の大物政治家やKCIAとの結びつきを濃くする在日韓国人の生きざま。

本人は反共組織を志向した配下1500人の東声会も世間からはヤクザそのものであり、韓国の軍事クーデターや政変の荒波で韓国入国(ときとして日本再入国)の許可が取得できない壁。
山口組・田岡組長との兄弟盃といい、単なるヤクザとしての上納金があってはじめて成立する地位であろうし、社会のダニのような行為も当然のように彼の活動範囲に含まれる。
裏の狙いや打算・利権だらけの政略の渦中にあって自分も中心的に甘い汁を吸うし、在日韓国人の地位向上に物心両面ですさまじい支援を行い、東京五輪(開催は日韓国交樹立前!)への
本国からの3000人の応援団の受け入れにもかかわる。在日初の韓国五輪委員就任や国民勲章の授与を経る一方、山口組組長との兄弟盃などを経てその活動は拡大していく。

にもかかわらずその活動は「なぜそんなことまで」という範囲に及び、無数の結節点をつなぎながら「やがて哀しき」というコースを猛進する。できれば一読のみならず、再読をお勧めしたい。
児玉や田中清玄、岸信介・大野伴睦、朴正煕・金鐘泌らといった無数の巨魁に囲まれて生きた在日の人生として、「彼の精神がどのように鍛造されていったのか」に注目して再読すると、予想以上に青年期の思想が終生貫徹されていることに気づく。

単なる右翼やヤクザの評伝とは違う、日本列島で傍若無人に生きてバブルとともに消えた一人の男の背中に一抹の哀愁が見て取れる。

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現時点で上巻しか読んでないが

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

先日偶然泊まった宿にワンピース全巻があり、徹夜してまで読み切った。本体の読後感は悪くなかったが、
登場人物の名前に癖があるので(どっかで聞いた単語をモジったものが多い)、慣れるまで時間がかかった。

つまり自分は世間に比べてワンピース初心者。たいした熱狂も、本書の巻末の内田樹ほど冷めた読み方もしてない。
ただ、たしかにときどきセリフにじんわりはするかな、という程度。若かったらワンピースの影響で冒険愛好者に
なったかも(笑)。その意味でいちおう自分も本書のターゲットに入っている気がする。

個人的な印象では「ワンピース=現代の水滸伝」なのだが、それは本書での内田氏の分析の通り、異様に長い
「登場人物の履歴説明」がこの漫画の主要部分だからだ(水滸伝では異様にクドい長さで「主人公たちがなぜ
賞金首になって梁山泊に集結したか」無数のエピソードを読まされる。作者は梁山泊を自主的に動く移動船に
変えて、水滸伝よりもさらに長編の冒険ロマン武侠伝を描こうとしたのではないだろうか)。

本書自体の評価は星3つ。名言集としてはまあ普通。たしかにそれぞれの「名言」も若いうちに接した方がいいものだが、
とはいえ本書のように個別に抜粋・再編集するとさすがに自分みたいなおっさんは座右の銘にしたくなったりはしにくい。
残念なことに、大長編ゆえ高くなった読者の敷居を「名言集」の形で下げようとした出版社の「売らんかな」戦略が
透けた気がして、自分はちょっと熱が冷めてしまった…(余談だが、集英社のワンピース特設サイト
(再始動までの総集編で各エピソードの自動コマ送りマンガつき)は意外と悪くない)。

再読を個人的には勘弁してほしいくらいの長編なので苦しい道だが、一度は一気読みをお勧めしたい漫画なのも事実。
しかも金も時間も保管場所も必要だから自腹で全巻買う敷居も実際に異様に高い。しかし、だからと言って名言集で
お茶を濁すのもどうかとも思う。

結論。マンガ喫茶へ行け(身も蓋もないから集英社には申し訳ないが)。
そしてマンガ本体の怒涛の一気読みをしろ。ハマったら問答無用で大人買い。それが一番いい。

たぶんこういう名言集とかで細切れに読まない方が、特に若い人の心に染みる。だいいち本書の脚注の登場人物の
固有名詞と相関関係を先に学習してないと「チョッパーって誰?」「七武海って敵味方どっちなの?」という無用な
混乱が生まれる(人物とエピソード大杉だし、本書の解説は初心者には不親切すぎ。すでにハマった人たちから
さらに金を取るのが目的か?!)。

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紙の本中澤佑二 不屈

2012/01/23 23:32

取材対象と近すぎて構成に失敗したスポーツ選手密着本

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

W杯を当て込んだ商魂逞しい本かと思ったが、他メディアに出ない話題もあった。ただその周辺が冗長で、前半(過去)と後半(W杯)も
連動しきってないのが残念。著者の主観の記述が濃厚で、客観的な事実の羅列でもない。つまりは中途半端な著者の立ち位置のせいで
「結局、著者は何が言いたいのか?」というのが率直な感想であった。

著者はナンバー誌でおなじみ「中澤番」ライター(良くも悪くも密着取材が可能な親密さ)で、前半部分は中澤本人に不利な暴露本ではない。
過去の関係者へのほぼ全ての取材も中澤の紹介なので、中澤に都合の悪い人物は排除。著者は中澤の過去を、良くも悪くも「本人の記憶」に
従って追ったようだ。

後半の南アW杯については代表チームに複数いたと思しき著者の懇意の選手たちの意向が尊重されすぎてる気配が濃厚で、読後感が悪い。
取材陣に今野の起用を暴露したという某選手の名も出さず非難もしない一方、現地での選手間対話での中澤の立場を全面的に擁護し一部選手や
岡田監督を厳しく批判している(著者だけに独占告白したことがこの本のキモらしい)。

客観的な記述に遠い、御用ライターが取材対象に密着し過ぎた典型例に見えなくもない。読了直後に、アトランタ五輪後に男子サッカーの
チーム崩壊の暴露本で名を売った金子達仁を思い出した。あの本も西野監督と中田英寿との両者の言い分を客観的に総括しきれなかった。

大会後に全国のファンは善戦を称賛するムードで総括してるが、結局は監督のせいで(ドイツよりましだけど)チームは崩壊してた。望外の好成績は
選手が指揮官の能力以上に頑張ったから。俺はチーム事情を知ってるからここで書いちゃうけどさ。最終章に近づくにつれ第三者の視点が
なおさら減るため、こう著者が言いたいのだろうなと解釈するのが、この偏った情報が導く一般的な読者の想像力の限界ではないだろうか?

ナンバー誌での中澤密着の連載記事も、速報性重視だからこうなっていて単行本化で中身も深くなるだろうと我慢してきたが、結局は
ドイツW杯直前の宮本の追従記事と同じ(単行本の題名に見栄えのする二字熟語を使うスポーツ選手の本の王道)になってしまった。
たしかに一貫して中澤の孤独なプロ意識(健康オタク)ぶりは痛ましいほど伝わる。全体として素材はあったのに、著者の切り込みの手順と
その浅さが惜しい。

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紙の本氷の森 新装版

2012/01/23 23:30

意外な人が読んでいました

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010年東レ水着キャンペーンガール鈴木ちなみさんがブログに寄せられた質問に答える動画の中で、
「鞄の中を見せてください」という質問に答えて、「図書館で借りた」と言いつつ、革カバーをつけて
この本を出しておられました。

すんごい可愛い子がなにゆえハードボイルドにハマっているのかはともかく(笑)、印象に残ったので
自分も思わず(笑)一読しました。偶然最近の自分が読んでいる新宿鮫で見慣れた文体の「源流」という
感じがしましたが、広く言えばこれがいわゆる大沢節なのでしょう。まあ再読するほどではないかな、と
いう気もしますが。女優さんの愛読書をミーハー気分で追っかけながら読んだのは人生初だったもんで
記念にアマゾンにレビューまでしてしまいました…。

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