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レビューアーランキング
先月(2017年2月)

いたちたちさんのレビュー一覧

投稿者:いたちたち

20 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

密会

紙の本密会

2012/05/30 23:49

すばらしい短編集

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

私は英米の短編小説の深い陰影と読み終えた後に自分の心にわだちの残される感じが好きで多く読むのだが、ぶっちぎりのベストである(これまではアン・ビーティ が短編のいちばんだった)。
「ふつうの人々の思い通りにならない人生とその中にほの見える希望を描く」というのは英米短編小説の常套であるが、ウィリアム・トレヴァーの短編には必ず明らかな異様さが織り込まれていて、それが「珍しいものをかいま見る」という、読書の根源的なモチベーションを満たしてくれる。それでいて、シュールに堕させない手綱さばき。
母親の情事の相手を殺したために両親とともに土地を離れて放浪の人生を送る女の回想譚、『孤独』が特に気に入った。これだけの奇譚が、哀しみが、余韻が、わずか30ページ。すごい。

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紙の本

かもめの日

紙の本かもめの日

2012/05/30 23:39

視覚と重力

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鳥の目になって、宇宙の冷たさに触れて、読み進めるのはちっぽけで切実な人間のありさま。
浮遊感と、降下する視点。初めての感覚。
続いていく世界を、立体としてこのてのひらに感じる。頼りなくも愛おしく。

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紙の本

猫もっちり

紙の本猫もっちり

2012/05/30 23:36

猫ってこう

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どうぶつは天使じゃない。邪魔だったりくさかったり散らかしたり汚したりするし、お金も手間もかかるし、生産的じゃないくせに主張も都合もあるらしい。カワイイだけじゃないんだよね。でもカワイイだけの存在なんてうさんくさいし、味わいがない。カワイイものが希望なら、ポスターがぬいぐるみでじゅうぶんだ。
表紙がいい。これは猫にかしずかないタイプの飼い主による扱いで、じつにリアルだ。私も時々、うちの猫でこうやって遊ぶ。『猫もっちり』は、つまりこういう感じの猫まんが。うちにもだめなソマリがいっぴきいるので、どうもソマリっぽいだらんな長毛ルチくんが、いっそうキュートじゃ。

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紙の本

ある島の可能性

紙の本ある島の可能性

2012/09/05 17:34

かなりいいです。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

構えはSFなんだけど、中身はフェミニストと潔癖症の皆さんは心の健康のために手に取るべきではない見事なウエルベック節。
本書400ページを読むうちに、二度ほど吐き気を催し、二度ほど声を出して笑った。

この人の小説は攻撃的で冷笑的で、でもひどく切実なのだ。
加齢という危機、去勢という恐怖の周りを確信犯的な明晰と饒舌で高速回転する世界。かなりいい。

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紙の本

素粒子

紙の本素粒子

2012/09/05 17:33

過去は過去、無は無

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

生は死以外のどこかへたどり着きえるのかということを考えずにはいられない。

小説の中で、主体としての美しいもの、狂ったもの、賢明なるものはすべてひとところへ収斂されていく。
その軌跡を糧に何が芽生えようとも、過去は過去であり、無は圧倒的な無でしかありえない。

絶望と共感を持って読了した。

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紙の本

刑務所図書館の人びと ハーバードを出て司書になった男の日記

実直な手記

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ストレスによる背中の痛みに耐えながら2年間を勤めた刑務所図書館の若い司書による率直で実直な手記。
全然タフではない。タフではないから、伝わってくるように思う。

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紙の本

スーパーマーケットマニア 北欧5カ国編

商品にフォーカスした1冊

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現地での生活の芯のところが垣間見えるスーパーマーケット。その魅力を紹介する小ぶりだけど濃い1冊です。

このシリーズは全部持っていますが、既刊よりも商品のパッケージデザインにフォーカスしているように感じます。
レジのシステムや販促アイテムやショッピングカートや建物の外観といった「がわ」もも少したっぷり楽しみたい。

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紙の本

「本屋」は死なない

紙の本「本屋」は死なない

2012/09/05 18:18

切実さとのあわい

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全国で主張を持って本を売る書店主・書店員を訪ねる記。

街なかには幅広く基本書を揃える大手書店があり、即日届くネット書店もある。
数十坪の個人経営の書店が営業する意義とは何か。
情緒的な筆致のルポとして読ませるが、切実さと独りよがりの心地よさのあわいを漂っているように感じられる、書店員たちも著者も。

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紙の本

なずな

紙の本なずな

2012/09/05 18:15

平行するふたつの物語

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生後間もない姪を預かることになった中年男性とその赤ん坊を中心に据えた「保育小説」。
小さな人間の存在と成長の不思議が淡く静かに行き渡っている。
その端で進行するもうひとつの淡い物語の方に私はひかれる。

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紙の本

象られた力

紙の本象られた力

2012/09/05 18:11

喚起する力

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感覚と感性をイメージを喚起することだけによって動かす力のあるということが、すぐれた小説のひとつの条件だと思っている。
もちろん小説の作用はそれだけではないし、その力がなくってもすばらしい小説、というのもまれにある。

飛浩隆はナイーブな描写を着実なリズムでもって積み重ねて読者の前に映像を、触感を作り出すことに長けた作家だ。
この作品集はそこのところが遺憾なく発揮されていて、形を持ったことばを指先でなぞるあのぞくぞくする感じを味わわせてくれる。

あとはもう少し、余韻というか、きれいに終わりすぎない遊びがあったら、もっといいのに。

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紙の本

ハートシェイプト・ボックス

映像の小説

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『20世紀の幽霊たち』 のジョー・ヒル、2冊目の邦訳。

この人の小説は映像化に向いていると思う。むしろ、小説そのものが映像に限りなく近い。文字の連なりを読者が視認し、自らの語彙から適切な単語を引っ張り出してきて紐付け、そこで起こっていることを認識するまでの一瞬と、映像として展開する一瞬の長さが、たぶんぴたりと合っている。「セットや小物を配してカメラを回せば1秒の風景の描写に半ページを費やす」ということがない。文芸においてはその半ページが職人芸だったりするわけだけれども、ジョー・ヒルの小説の醍醐味はそこにはない。読者の感性に依存した疾走感、というのとも違う。コマ割りの練り上げられたシネマそのものなのである。これはすっごく特異で奇異だ。

人間って、人間って、と思い続けながら読み進める血と呪いと怪異に彩られた600ページの結末が、これ。
読書という体験でなく、読書によって強いられる体験。新しい。

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紙の本

極北で

紙の本極北で

2012/09/05 17:30

冷たさから

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胸が締めつけられるような冒頭の北の大地の描写がみごとで、ケイヴの手記を通じて有と無の境界線すらあいまいな見渡す限りの北の世界を語る口ぶりがみごとだ。
寒さと自然と一人の男という単純極まりない装置を次第にごちゃごちゃとした過去や渡世や人々の営みが取り巻き始める。
合理的には説明のつかないあれこれを、人間の心の神秘に帰すのだって、りっぱな宗教であり迷妄である。
ケイヴが氷の中に進んで残った理由もそうだし、迷信と幻想をしりぞけ続けた男とその人生をその宗教にくるんだ構成は、謎かけなのだろうか。

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紙の本

袋小路の男

紙の本袋小路の男

2012/05/30 23:45

これはすごい。

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これはすごい。この恋愛小説はすごいと思う。純愛なんて、そんな得体の知れない、崇高そうな、薄っぺらいしろものではない。
女の一人称で語られる章ではほとんど彼女自身は読者の中に像を結ばないのに、この感情は、この関係性はおそろしくリアルだ。そして切実だ。聡明そうな、でも不器用な、ひどく愛らしいひとりの女の人生が、あっけなく捧げられる。魅力的だと彼女が叫ぶ、袋小路からどこにも行けない、その男に。こんなことがあってたまるか、と思いながら、気持ちは次第に、彼女に沿っていく。
もう一度、読み返しそう。

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紙の本

クレモニエール事件

クレモニエール事件

2012/05/30 23:42

凡庸の果て

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物語は、冤罪を受けたクレモニエールとそのふたりの娘たち、親戚の小母、それに無罪を勝ち取った弁護士の4名の間を転がりながら進んでいく。
たくらみによるのではない平凡な裏切りが妻殺しの冤罪事件という平凡でない発端を得てもなお平凡であり続けることにぞっとした。
これがトロワイヤが差し出す人間の本質的な卑小さだ。これほど巧みな小説という膜を隔てても、その輪郭はいやになるほどくっきりとしている。

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紙の本

移動祝祭日

紙の本移動祝祭日

2012/05/30 23:37

ヘミングウェイとフィッツジェラルドと

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ヘミングウェイが結婚後間もなく移住してから妻ハドリーとの離婚が成立するまでの6年ほどのパリ滞在記。作家や画家・アーティストたちのパトロンとの交流を通じてパリの風物がしっとりと描かれる。
懇切丁寧な脚注と照らし合わせながら読み進めるとヘミングウェイが渦中にあった人間関係各種の生々しさが見てきたように感じられ、息苦しいほどであった。
フィッツジェラルドの追憶に後半の3章が割かれており、これは興味深く読む。

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