太一ぃさんのレビュー一覧
投稿者:太一ぃ
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紙の本超高速!参勤交代
2016/06/06 02:06
エンタメとドラマ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
物語を楽しませる大きな要素として
感情的な揺さぶりをかけてくる展開としてのドラマ
不可能への挑戦を描くエンタメ
この二つの要素が大きいとしたら、この小説は両方を備えていると言えます。
主人公は、気持ちの良いくらいの人格者で、敵はむかつく勢いの悪で、分かりやす過ぎるくらい展開。主要人物の悩みや、その克服が笑いあり涙ありでもって描かれており、ドラマ性は豊かであるといえます。登場人物の気持ちは追いやすく悩まず読めていいです。エンタメ的には、その手があったか! と驚く展開も多く(感の良い人なら読める部分は多いかもしれませんが) 私は終始、次はどうやって問題を乗り越えるのだろうかとワクワクさせられっぱなしでした。
最後に、魅力的な登場物の一人として、忍者の段蔵が、いかにも漫画みたいなカッコイイ忍者なので、そういうキャラクターが好きな人にもオススメです。
紙の本ひきだしにテラリウム
2013/04/22 13:29
無限に広がる引き出し
13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
面白いなら漫画は短い方がいい。というのが私の考えで、今回手に取ったのは、なんと、短い話なら2Pで終わってしまう、掌篇集なのです。読んでいて非常に驚いた点は、話の幅と漫画表現の幅が広いという点です。
話の幅というのはファンタジー~日常~SFという幅で、ホラーやミステリーは含まれていませんが(よーく思い返せば極微量に存在しますがw)、単純に笑える話から考えさせられるお話など物語のテンションも起伏に富んでおり、最後まで飽きさせません。
次に表現の幅ですが、作品によって絵のタッチが変わります。非常に書き込みが多い絵の話があれば、一気に簡略化された絵の話もあります。なかには複数の絵柄を一つの作品に使ってるものもあります。また絵柄だけでなく、記号表現の使い方が面白いです。『記号を食べる』では文字通り純然たる記号(○とか□とか)を調理して食べるというそれだけの漫画なんですが、不思議とおいしそう。また『スペースお尺度』では太陽系の模型が出てきますが惑星名がわざわざかかれています。余計な所にまで名前が書かれているのが、なんとも言えない笑いを誘います。
色とりどりのお話と表現が様々に重なり合う様は、なるほど、帯に書かれてある「万華鏡のようにきらめく掌篇33篇」とはかなり上手にこの本をあらわしています。
時に考えさせられ、クスリと笑え、なんども読み返したくなる、そんなお話がぎっしりつまってます。表紙を見てカワイイって思った方にもオススメできます。言い忘れていましたが、登場するキャラクター、みんなステキなんですよ!
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