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nakyamaさんのレビュー一覧

投稿者:nakyama

8 件中 1 件~ 8 件を表示

古気候学にとどまらないいろいろな面白さのつまった傑作

11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ほんといろいろな意味で面白い本だったが、やはり何といっても湖のそこに溜まる泥の縞々が1年に1枚できるのを一枚一枚、数えも数えたり7万年分。縞々をさかのぼるにつれてはっきりしないところも増えてくるのだが、統計処理も加えて7万年でも誤差百数十年という執念の成果がすごい。次にこれを利用して一緒に埋もれている葉っぱの14C存在比を調べること800枚、過去の骨や化石の年代測定の精度を格段にあげる成果をだしている。そしてまた泥の中の花粉の種類を数えること1400サンプル、これで湖畔の樹木の種類分布を推定し、日本各地の花粉分布との比較から降水量、平均気温を逆算していくこと15万年分、これはまだ精度も範囲も広がっていくらしい。何とも地味な作業の果てに過去の気候の変動がまるでタイムマシーンで見てきたかのように再現される大スペクタクルに至るという、なんだかとんでもない偉業である。
しかしそれだけでなく、カオスの研究者の金子邦彦教授が示した大域結合写像を少し変形した系の挙動が気候の変動と似ているという話も面白く、さっそくプログラムを作って眺めてみた。本書にでてきる式のaを1.5くらいに、εを0.3くらいにしてやると全体の値が一定になってきたかなと見ているうちにまたチカチカと変動し始め、そのうちまた落ち着いたり激しく乱れたりを繰り返す。二つの値をどう与えるかで系の動きがどう変わるかをまとめた文章がネットで読めるが、地球の気候変動となんだか似ているのではないかというのは本書のオリジナルの見解のようだ。そして過去の研究データから、氷河期が終わるときは、まるで梅雨が開けたかのようにその年から、地球が暖かく、安定した気候になるらしいという結果をなるほどそうなのかもと思わせてくれる。ちょっと怖くなるような話だ。
地球温暖化についてはいろいろなことを言う人がいるが、人類として気になるのはたかだか数百年、ところが数万年単位でみると、我々が今の社会を維持できるかなんてちょっと絶望的になりそうな変動が茶飯事なのだという視点が得られるのも貴重である。とにかくいろいろな意味で勉強になるのである。
実は水月湖が自宅から1-2時間でいける場所で、あまりに感心したので見に行ってきた。あいにく雨と霧で湖の景観はさっぱりだったが、ちょうど近くの博物館で、年縞の標本の展示がはじまったところで、本物を見ることが出来た。ボーリングしたサンプルを樹脂でかためてガラスにはさんだものが、45mどどーんと横にならべられて、年代などの表示をつけて展示されている。これをイギリスの院生君が3万341年、3万342年、3万343年、ふぅ...なんていいながらかどうか知らないが数えたのかと思うとあきれるやら尊敬するやらなんともすごかったのである。

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合衆国における自閉症小史

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ブルーバックスから出ているので、読むまでは一般向け医学解説書だとしか思えなかったのですが、ところがどっこいです。アメリカで自閉症がどのようにとらえられてきたかを第二次大戦前のアスペルガー博士の初めの論文が出るあたりから、DSM-Vにて「自閉スペクトラム障害」と認識されるまでの、紆余曲折(いやこれがほんと紆余曲折で、国内の解説本でここまで詳しくかかれているものは他にないのでは)をまとめている「合衆国における自閉症小史」です。臨床の場で発達障害を扱っている先生方も一度目を通されるといいのではないでしょうか。
 某掲示版に、限界集落にみんなで移住してアスペ国をつくろうというスレッドがありました(今もある?)が、そこで海外にこの案を紹介したら「自衛組織がいる、武装すべきでは」みたいなキナ臭い意見がでて驚いたと書き込みがあり、肉食人種こえーと言われていましたが、これを読むとそういう発想もあるだろうなと納得できる気がします。
 あとヒューゴー・ガーンズバックって懐かしい名前をここで見ることになるとは思いもしませんでした。ヴォークトのスランとか小学生のころけっこう夢中で読んでいたので、アメリカの当時の事情をあたかもリアルタイムに体験したように読めてしまったです。

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ラテン語がおぼえたくなります

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

フランス語やイタリア語など、いままでなんとなく敬遠していて、英語ドイツ語ロシア語などをかじってきた、語学好きの素人ですが、この本は面白かった。参考書でいうと、学習者をあきさせないために時々入っている、枠入りの面白記事ありますよね、あれだけで1冊本をつくったような感じ。この本でラテン語がおぼえられるわけではありませんが、とにかく面白い。オンラインで購入したのではじめ気づきませんでしたが、2007年発行で内容も新しい。思わずひきこまれて一気に読んでしまいました。テルマエ・ロマエなんて漫画もはやったし、ロマンス語のラスボス、ラテン語も今ならいける気がする!!

初代iPadで読みました。電子書籍として気づいた点をいくつか。
iにアクセント記号がつくと、ほかの文字とデザインが異なってしまうようで、はじめ小文字の"l"に見えてしまい、
しばらく書いてあることの意味がわかりませんでした。また図表がとても小さい上に拡大してみることができない、見開きで左右ページに割った表がそのまま縦に並んでいたりと残念なことに。
そもそも、図表を使った説明文が数ページにわたることなんて普通ですよね。紙の本では前のページにある図表をみるために何度もページをぱたぱためくるという不便がありますが、なんで電子書籍でそれをしなければならないのでしょうか。
ヴォイジャーのT-Timeが世に出てすでに10年以上たつというのに、電子書籍って未だにこんなものか、と。

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流れ弾がクリティカルヒットしたので

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ネタバレじみた
ことを書くので
万が一拙文を
お読みになる
なら未読の方
は退去して
下さい。

さて、
私、大学のときに、自分でもよくわからないメンタルな理由で、何度も留年を繰り返していまして、同級生や下級生たちがどんどん進学、就職していくのを見送り続けるという恐怖体験をリアルでしていたんですよ。大学院生と「この論文のここの文章何言ってるかわかんない」というのを一緒に訳したり、教授と「定番だけどソフトが古くて出力がXYプロッタ一択...」なのを.psファイルを吐くように改造したりしながら、取り残した教養の単位を1年生に混じって受けているという謎学生生活が板についてくると、なんだか薄ーい笑顔が顔に張り付いたような、辛いんだか居心地いいんだかわからなくなってきて。でもある年たまたま?周りに応援してくれる人が集まったみたいになって、夢から覚めるように卒業までこぎつけたんですが。うん、お友達大事。
ウィルコさん(そう、同級生からも基本"さん"づけ)というキャラを作者がどういう経緯で思いついたのか、何もわかりません。でもあの気持ちだけはわかりすぎるほどわかるぞ。ただただ流れ弾がハートに直撃した気分です。
あと3巻の表紙の元ネタはベラスケスだそうです、これだけはぱっと思い出せなかったのでググってしまいました。

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あたかも8篇の短篇小説集のよう

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

あたかも8篇の短篇小説集のように読んで、「ふふっ」となるのがよいのではないでしょうか。西脇医師(この方、きわものタレントドクターでないことを祈る)の解説が1篇ごとにつくのが少し不思議な構成ですが、まあそういう小説集があっても悪くはない。というのも「暮らし・実用」とのタグがつけられているようで、実用性を期待してもねえ、と思うのです。これを読んだからといって職場の困った人を上手にいなせるようにはならないだろうし、そんな困った人と深い心の交流をするよりも、適材適所、できる業務を見定めてさっさと移動してもらったほうがみんなハッピーな気がします。皮肉っぽい書き方をしてしまいましたが、けっこう好きです。とても愛らしい作品だと思います。

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「スローライフ」というファンタジー

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1-14巻まで通して読み返しての感想、おおむね良い評価のようなので、あえて意地悪に。
おそらく細部まで綿密に考えられた世界設定があるわけではないのでしょう。こんな「スローライフ」どうかな、みたいなファンタジーかと。
なにしろ誰もがあくせく働いていないのですね、でもそこそこの生活レベルを維持している。そうなるとSF好きとして気になるのは、医療衛生は大丈夫か、食料生産は、治安は、など。人間と混じって普通に生活しているアンドロイドがいるくらいだから、その辺に巧妙な仕掛けがあるのかも知れない、などと考えて、気になって全巻読んでしまいましたが、そういうテーマの作品ではないということです。
うまいものは食べない、人から盗まれるようなものは持たない、病気になったらあきらめて死ぬ、きっとそんなことで成り立っている世界。
水没した高速道路の街路灯が夜中に点灯する、永遠に着陸することなく飛び続ける航空機、疾走する乗り物を水中遊泳と重ねるロボットのひとの知覚、などのイメージはすばらしい。

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あんときのソニー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

たしかプレイステーション3が出たころ、ソニー株を買ったことがありまして。ただ手放しにソニーがいい会社なのかはよくわからなくて、他におもしろそうな銘柄がちょうどなかったので、安全牌のつもりで一時もっていたところ、じわじわと株価が下がっていき、何割か目減りしたところでやむを得ず損切りしたという苦い記憶です。株の売買を判断するのに各種の指標ではなく、その会社がおもしろそうな製品、サービスを出しているかどうかで判断したいと思っていて、その時のソニーに対する自分の評価の答え合わせが、ちょうどこの本になりました。うーん点数、60点...くらいか。なぜだかパッとしないな、とは思っていたけれど、会社の内情が、こんなことになっていたとは!勉強になりましたとさ。

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ジャケ買い失敗!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

うーん、美麗な表紙と紹介文だけみて買ってしまったけど、百合っていうか、『ぱたりろ』はBL漫画っていうくらいに百合でした。各話一コマ目のコピペの台詞とか、毎話最後に唐突にHがはじまるところとか、もうギャグ漫画じゃないかい。いやエロい描写あってもいいんだけど、ちょっと期待とちがったというか、よく調べなかった自分が悪いです、すみません。

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