scsa0316さんのレビュー一覧
投稿者:scsa0316
レッド最終章 あさま山荘の10日間 (イブニング)
2018/10/29 17:42
ついにたどり着いた狂気の果て。お疲れさまでした
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
長きにわたった『レッド』シリーズの完結に立ち会えて、読み手として本当に幸せでした。
子供のころ、家にあったアサヒグラフの別冊(昭和史を写真で追ったシリーズ)を読んでいたので、山中にリンチで殺した仲間を埋めていたこと(地面に白いひもで遺体の置いてあったところを示しているのを撮影した写真)や、浅間山荘で全員生きたまま逮捕されたこと(誰かはわからないけど、両手両足を捕まれて連れて行かれる写真)、誰かは覚えていなかったが父親が割腹自殺したことなどの記憶がありました。
なので、絶対に殺すなという警察の方針や、人質を盾には取らなかったあたりを読んで、そういうことだったのかと腑に落ちたところもありました。
昔の記憶とそこまでに至る道のりがつながったので、自分的に何かの決着が着いた感じがものすごく強く、その点でも感慨深いです。
今巻で亡くなる人はこれまでには登場した人ではありませんが、やはりナンバリングがされています。一見、見逃してしまったようでも読み返せばきちんと番号が振ってあるところは徹底されています。
「やっと総括できたな」というのは、それはそれでずいぶん無責任な発言だなあとも思いました。ただ、それでいいのか?とツッコミたくなる半面、そうとしか言いようがないところも理解できる。どうしてこうなった?というしかないのかなあ。
そうした、理想を追うと破滅的な行動に至ってしまうというところを精緻に描いてくれた作者には尊敬の念しかありません。オウム真理教を描いてほしいというリクエストも拝見しましたが、この筆致で二・二六事件を読んでみたいとも思ってしまいました。政治的な志向は逆でも、メカニズムは似ていることがわかるんじゃないかなあ。植垣さんみたいな証言者がいないので、難しいとは思いますが。
マロニエ王国の七人の騎士 7 (flowers FLOWER COMICS α)
2023/01/24 18:44
最後の最後でキ(テクレ)ター
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
とにかくハラペコとジャスティスが見えるがゆえに追い込まれていく7巻です。
状況が少しずつわかるほど、追い詰められていくハラペコ。状況を打開しようと動き回っても孤立を深めるばかり。ジャスティスとは別行動しているので、連携しながら包囲網を突破することもできません。そうこうするうち、だんだんお腹も減ってきて…。
最初はハラペコに対して邪険にいじわるしていたジャスティスですが、真相が少しずつ見えてくるに従い、ハラペコにどうしてほしいのか、ハラペコならどうするかを考えながら、自分にできることをしていこうとするのがなかなか読みどころでした。
ハラペコがコレットにはじめて食べさせてもらった料理のエピソードが出てきます。そして、何となく始まったマロニエ勢の反攻。手も足も出ないところから状況が改善…できてなさそーというところでさて続きは8巻へ。基本的にどの作品でもコミックス派ですが、8巻まで耐えられるのだろうか。もうフラワーズにかなり手が伸びております…。「どうしよう、お腹減ってるみたい」なのかもしれません。
海が走るエンドロール 1 (BONITA COMICS)
2021/08/22 15:15
高齢者の「自分探し」
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「やらない理由」を探そうとしたら見つからなかった。
自分のもやもやを「老後の趣味だから」とごまかそうとしたら、そうではないことを見破られてしまった。
――そんな65歳が「心を騒ぎ立てる波に誘われ」、いやそんなはずは…と思う間もなく波にさらわれてしまったお話でした。これ、自分探しそのものじゃん。
カイくんの存在は大きいと思うのですが、同じくクリエイターである娘さん(腐女子)の存在も大きかったのではないかと思いました。
映画作りのパートナーシップ誕生という感じの予感を持たせつつ、1巻は終わりました。ワクワクテカテカしながら2巻を待ちます。
マロニエ王国の七人の騎士 5 (flowers FLOWER COMICS α)
2021/04/11 14:22
今回もシビれました
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「カステヘルミよ」にシビれていたら、「ショチピルリ参戦いたす」のかっこよさにすっかりやられていました。
と思ったら、5巻はもうさらにシビれる名乗りがたくさん。マロニエ王国の騎士しかり、獣の王しかり。「受けて立つよ」も見どころでした。
7人の中で最もぬぼーっとしてそうな獣使いが、実は最も事情をよくわかっていたというのはなるほどですね。まだまだ明かされていないことがたくさんあるので、背景がすべてクリアになったわけではないですが、少しずつ「何が起こっているのか」の説明が進んできました。この絶妙な小出しっぷり。
サムソンさんのキャラ崩壊が、何となくあっちにも通じるなと思っていたのですが、やっぱりね。低い声がどのような場面で出てくるのか、楽しみです。
思えば、夜の国で熊が呼び出されていたりとか、次以降の展開への伏線だったのかなあとも思います。「食べ物が豊富な国」への誘導があまりに明らかだったので、きっとそんな単純な展開にはならないんだろうなと期待しつつハラペコ編を楽しみにします。
1巻からほのかに期待していたので、コレットが活躍してくれるのかと思うとホントにもう……。
あとは思い付くまま、
・気軽に出てくるジャガー王
・ヒンヤリはやられてその足でやってきたってこと?
・暑がりの役割がどんどん重くなってるような…
・結局、獣使いがどうするつもりなのかは明らかにはなっていない
・葛藤するルカ先輩
といったところが見どころかなと思いました。
2018/05/02 14:02
見栄えのする残念系2人の物語
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
…と理解しました。もうね、しかるべき場面が来たら自分でも言い放ってみたいセリフのオンパレード。1巻に関しては、3人目以降の人物が後ろのほうにならないと出てこないし、基本的に場面も変わらない流れだったので、脚本に凝った演劇をマンガで読んだという印象です。会話劇みたいな?
理屈っぽいやり取りが好きな人は頭から最後まで無駄なく楽しめます。
で、2人以外のキャラクターもなかなかよさそう。カフェインくんマジいいやつっぽいし、東くんと同クラの女子たちもけっこう構ってる感じにも見える。東くんにものぞみんにもちゃんと友だちがいるっぽいし、2巻以降もめっちゃ楽しめそうな予感…。
現時点で3巻まで発行されているだけなので、次を読みたい気持ちをこらえつつ、ゆっくり楽しもうと思います。でも、でも……、我慢できるのか?
スキップとローファー 7 (アフタヌーンKC)
2022/08/18 15:18
踵を返すまこっちゃん
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
柚月と誠のくだりは皆さんが書いてくださっている通り。二人の仲がホンモノだからこそ涙が出るという、クラス替えからそこまでの対比が表現されていて素晴らしい。こっちも泣ける。
だました側として描かれてしまっているけれども、「ふたりとも仲良くなりたかったんだよ」といわれて悪いことしたなと思っているからこそ「スッキリしたいなら謝ればいいと思うけど、それってこっちがスッキリしただけだから」となるんだろうなと。そのことがわかっているあたり、この子たちもいい子たちなんじゃないかと思いました。この先、そのあたりまで拾われるかどうかはわからないけど。
化学の一年生と氏家くんは、今後の絡みが楽しみです!
ブルーピリオド 11 (アフタヌーンKC)
2021/12/03 15:46
合格おめでとぉぉぉぉーっ!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ピカソの良さは?と投げかけられて、それに対して八虎が悩む……というのが主たるテーマなのかと思ってましたが、そんなの11巻の導入に過ぎません。着想からモチーフ、制作、そして評価と、子供たちも大人といっしょでこのプロセスに悩んだりジレンマを抱えたりしていることが描かれています。自分で軌道を修正していくことができないので、かえって悩み深いのかも。もしかすると、大学の初年度で八虎が悩んでいたのと同じことで、子供たちも悩んでいるということなのかもしれません。いい方向に行けた子もいれば、先行きが不透明な子もいる。
その点で、橋田くんもちょっともやもやを抱えている感じがして、不穏な雰囲気が…。佐伯先生と話ができて解決できたならそれでいいのですが。そう考えると、春休みのバイトだけでしたが、なんかもう佐伯先生の教え子感すらありますね。橋田くんにまとわりつく閉塞感のことも、のちのち回収されたらそれはそれで面白そうです。
最後の書き下ろしで訪ねてきた中学生があの子なんだったらいいなあ…。
バター!!! 1
2013/11/08 13:50
とてもよい滑り出し
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紹介文を見るだけでも気になっていた作品を、ようやく読み始められました。
直感が当たってよかったー。先々が楽しみになる出だしです。ナツがあっさり社交ダンスに気持ちを切り替えられちゃってるところがちょっと説明不足かなあと思いましたが、彼女についてはそこで内面を掘り下げる必要はないので、あえてケチを付ければ、という感じ。
端場くんのいじめられっ子っぷりはかなり絶妙なんじゃないでしょうか。ハラハラもすれば、イライラもする。自分で四面楚歌を作ってる感じってリアリティあるんじゃ…。
実質的部長も、名目上の部長も一筋縄ではとらえきれない感じがあり、それもまた先が楽しみなところにつながってる気がする。個人的には、あの2ページで顧問の先生がかなりの印象を持ってっちゃったところが、オトナってズルいとしか言いようがない…w。ああやって若い子いじめるのって、ちょっとやってみたい気もするwww
スターリングラードの凶賊 1
2025/11/14 18:10
なぞがなぞを呼び次巻で完結???
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ルスランカが美形っぷりを最大限生かした登場をしたと思えば、のっけから舌先三寸、ハッタリで勝負のトーシャ。それだけでもちゃんと人物像を明らかにするにはボリュームを使いそうなのに、さらに砦の存在やルスランカの育ての親っぽい人も登場し、謎ばっかりの第1巻です。主要人物のいずれも、描かれているだけではない何かがあることを匂わせつつ1巻が終わり、次巻への期待が膨らみます。
で、これでどうやって2巻で完結するの? これだけ種をまいておいて、どう回収するのか、まったく想像がつきません。というわけで、次巻を早く読みたい気持ちになっています。それは確かなのですが、その一方でさっさと2巻に手を出してしまうのは惜しいような…。複雑な心境です。もう5回くらい1巻を読み込んでから2巻を読もうかなと思います。
とはいえたぶん、すぐ買っちゃうと思いますけどね。
ぶっせん 中 (F×comics)
2023/12/06 20:38
途中下車
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男気を見せる北川くんが、三条くんに代わって「じゃあぼくが」と名乗りを上げたところで我慢の限界。電車からいったん降りました。
連載当時にかなり楽しんで読んだ記憶があったので、まだ売っているうちに…と買いそろえようと思って(中)まで到達。さすがにあんまり笑えないかもなという懸念は杞憂に過ぎず…。仏の道がそうは変わらない以上、漫画作品の20年程度はどってことないということか。
さて、市中在庫があるうちに(下)も買わないとなりませんね。
2023/06/21 17:51
ほあー
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いやまあ本山くんにも「ほあー」なのですが、もう最後の1本(おまけも含め、最後の最後)で「うんうん、みんなよかったねー」がすべて吹っ飛んでしまいました。全12巻の積み重ねがこの4コマ分で一瞬にして「ほあー」
SCRIBBLES ワイド版 1
2022/03/23 12:50
森薫のおしり
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本書のせいで私はおしりに目覚めてしまいそうです。
決して多くはないですが、魅力的なのはおしりの数々。森薫はおしりが得意なのではないか。そしてそれは、好きこそものの上手なれということなのではないか、などと思いながら読んでいました。
「この一枚」を選んでみようかと思ったのですが、結局無理。それはあきらめて、私からは「校庭で逆上がり」と「裸で図書館」がツートップであるとお伝え申し上げます。
2021/10/01 17:41
話はもちろんだが、何しろ筆者がおもしろい
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
スピンアウトながら人物像が本編からさらに掘り下げてあって、白いところと黒いところの絶妙なバランスを楽しめます。『君に届け』を読んできた人なら間違いなく楽しめるでしょう。
「梅」呼びが常態化していく流れは、今後、胡桃沢さんがちゃんと自分に向き合うようになる伏線なのかなーとか思ってます。
スピンアウトの読み切りが連載になり、さらに2巻になってもまだ終わっていないという状況を作者が説明してくれていて、ここが最大の読みどころになってしまいかねない勢いwww。まあ、あれだけのヒット作の直後ですから編集部は先生のご意向を最優先してくれるでしょうし、変に端折らず、必要なページ数はちゃんと使って描ききっていただきたい! 付いていきます!
センゴク権兵衛 18 (ヤングマガジン)
2020/03/09 00:05
金ケ崎の退き口
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全滅の危機に見つける懐かしき顔の頼もしさよ。
圧倒的不利をひっくり返すチートな二人、いや飛び道具と合わせて三人か。
いよいよ太閤の目に映るところまで押し返し、さて虎口への付け入りはいかに。
19巻は5月ですか…。嘆いても待つしかないわけですが。
おとなになっても 1 (Kiss)
2019/11/12 00:12
静々と始まった…とは到底言えないわな
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まだまだイントロダクション。綾乃先生は、地味系のビッチなのかもしれない。
と思わせつつ、志村せんせーのことなので、一筋縄ではいかないストーリー展開を見せてくださるのでしょう。
まだまだ登場人物紹介の段階なので、これからが楽しみです。誰のことも深くは掘り下げられてはいないので、どう話が広がって、収束していくのやら。完結するころには百合の話ですらなくなっているのではないかと勝手に予想しておきます♪
