げちょんぱさんのレビュー一覧
投稿者:げちょんぱ
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紙の本きょうのおやつは
2015/10/09 15:06
老若男女、釘づけ!鏡を使って広がる新たな絵本。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この技法で絵本を作っちゃうのね!と思わず膝を叩いてしまう1冊。
誰もが幼いころに1回はやったことのある”鏡の端っこに自分の顔半分を映してみる技法”で、なんと素敵な物語が出来上がるとは!!
ページを開くたびに上半分のミラー加工のページに広がる光景に、とてもシンプルな構造だと理解しつつも、その先に何かが見えるのかもしれないと感じさせる。ストーリーも”きょうのおやつにパンケーキをつくる”という至ってシンプルなものなのに、見せ方を少し工夫しただけで子どもも大人も釘づけになる。卵を割って、粉を入れて、混ぜて、焼いて、盛り付ける…この一連の流れを眺めているだけで、読了後におなかが空いてくる。
自分の子ども(2歳)に見せたところ、何度も何度も読んでと言ってきた。本を開くたびにミラー加工部分をジーっと、食い入るように見つめて楽しんでいました。
1500円と少し絵本にしては値が張りますが、つくりがしっかりしているので子どもが破損する心配もないし、子どもの食いつきを見るとお値段以上かと。子ども向けだけでなく、絵本好きの大人へのプレゼントにもかなり最適です。
電子書籍キャプテンサンダーボルト
2015/01/05 14:42
読み進めていくほどに加速する疾走感!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ロードムービー的で、SFっぽくもあり、悪と戦う息を飲むアクションもあり、アドベンチャーな高揚感も感じる、実に様々な要素が混在する作品。
そして“何歳になっても、人生はまだまだこれから”とか“一発逆転の人生なんて、ないって分かっている…けど、もしかしたら!”と思わせてくれる、一粒で二度どころか何度なのかも計り知れないほどに読みどころが随所に散りばめられていて、久々に長編作を夢中で貪り読んだ。
冒頭部分から中盤までは、内容よりも阿部和重か伊坂幸太郎のどちらが書いたのか推察できる印象が強く、心理描写よりも場面描写の文字が詰まっていて、本気で読まないと少ししんどい部分が多い。ここで離脱してしまう人が多いかと思うが、そこは少し我慢して読んでほしい。ちょっと我慢して読み進めると中盤あたりから、阿部か伊坂か、そんなことはどうでもよくなってくる。どちらが書いたにせよ、冒頭部分の点が、その後に登場してくる点と、どんどんずんずんあれよあれよと繋がっていく。
いい歳をして、まるで図書館でワクワクしながらページをめくっている子どもの頃に戻った時のように、本に向かって真剣な顔・ホッとした顔・驚いた顔・感心した顔に自然とさせられた。
長編作だし、冒頭は少し我慢が必要だけれど、これはもう映画化でしょうか?というくらいのエンタメ力は保証する。
ちなみに紙書籍と電子書籍の両方で読み進めてみたが、どちらかというと電子書籍向きな作品。
長編作の分厚さは、通勤電車の中では限界があったし、特に冒頭の我慢部分では、残りのページの分厚さを手で感じながら「まだこれだけあるのに大丈夫かな…」と一抹の不安がよぎった。
電子書籍だと、端末に表示されるページのみと対峙するので集中しやすかった。
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