じょーかいぼんさんのレビュー一覧
投稿者:じょーかいぼん
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |
2015/09/03 16:46
小学生の自由研究にも!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
タイトルは短いほうがいい、相手の要求にフィットした内容がいい
…そういうことは、漠然とわかっていたものの。
ここまでクリアに整理されると、感服です!
それに、きれいでシンプルな文体が気持ちいい。
一番の秘訣は、コレなのではないかと思います。
分かりやすいので、小5の娘も拾い読み。
以下、三箇条を守って書いていました。
・タイトル13文字以内
・左ビジュアル、右メッセージ逆L字
・仮説に対し、ポジティブメッセージ青、ネガティブメッセージ赤
それから、画像で検索する方法は、小学生にオススメです。
文字では探せなくても、写真なら!
期間指定すれば、より新しい参考資料を見つけ出せます。
社内プレゼンのテクニックは、いろんな提出物にも応用できるんですね。
2015/02/07 01:43
2015年3月号 『クモと糸』 池田博明 文 荒川暢 絵
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本には、お二人の魔術師がいるようです。
池田氏は、クモ研究の第一人者ですが、生物学的な見地とともに、小さな生き物を慈しむ愛情に満ちた視点も併せ持っていらっしゃいます。
糸の膜でしっとりさせた穴にいて外に出ない臆病なワスレナグモ、嫌な相手が近くに来るとフタを内側からおさえるキシノウエトタテグモ、糸でつつんだプレゼントをメスに渡すアズマキシダグモ…
さらりと書かれた1行・2行に、一体どれだけの観察時間を費やしているのでしょう。
クモの体温や息づかい…不思議なことに、そんな本来無いものまで、感じてしまいます。
私が好きなのは「ボロはすてき」と「ゆるみがかんじん」です。今まで、美しい円網こそが進化の先にあるものと思っていましたが、そんな考えが一掃されました。ボロしか作れない、穴のあいた網しか作れないのではなくて、あえてそうしていたのですね。
他にも、無駄なく理にかなった18種のクモたちの生態が紹介されています。それはまるで、クモの網に並んだ水滴のような珠玉の小品集です。
優しい語り口のこの本は、図鑑ともエッセイともいえない、神秘的な雰囲気を醸し出しています。クモが苦手と思っている女の子たちも、すっかり魔法にかかってしまいますよ。
また、荒川氏の絵は、電子顕微鏡の画像のような精度でありながら、軽やかな温かみを含んでいます。クモの糸は、強く やわらかく 居心地よく 描かれていて、実際は10ミクロンにも満たない糸の感触を、じっくりと味わっているような錯覚に陥ります。
子ども向けではもったいない。大人の目にも届いてほしい。そして、世界にはばたいていってほしい本です。
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |