yukiちゃんさんのレビュー一覧
投稿者:yukiちゃん
紙の本パワー
2024/03/24 12:43
どっちでもいいような
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男性と女性の立場が入れ替わるSFと言えば、ジョアナ・ラス「フィーメールマン」とかシェリ・S・テッパー「女の国の門」、ウェン・スペンサー「ようこそ女たちの王国へ0」とかが思い浮かぶ。
そして、アメリカで、あのくそ下品極まりないトランプとかいうおっさんが復活しようとしている今、人類は(特にアメリカ人は)この本を読んで、男尊女卑に対して強く、「No!」と言うべきだと思う。
私は決してフェミニストではない。しかし誰かを卑下して虐げようとする輩には強く反対する。
作品の内容からは離れてしまったが、そんな読後感をもった。
男でも女でも、世の中を平和にしてくれるのならならそれでいい。
紙の本戒名探偵卒塔婆くん
2024/02/27 23:20
ちょいスゴイんですけど
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「外場君」は「卒塔婆くん」なのか?
「卒塔婆くん」は芸名なのか?源氏名なのか?ハンドルネームなのか?
もちろん本人は「卒塔婆くん」などと名乗ったりしないし、春馬が勝手に「誰が呼んだか名付けたか、人呼んで、『戒名探偵』」などと面白がっているだけだろうし、第一、春馬以外に戒名や卒塔婆に興味を持つ者なんていやしないだろう。あえて言えば、春馬のライバル(?)尊都くらいなものか。
なんにしても、外場薫の知識量はものすごく、なんでそんなことまで知ってんのって突っ込みたくなるほど。
一番感心したのは、「いまだ冬を見ず」の中に出てくる『里の秋=星月夜』の話で、三番、四番の歌詞が戦争に行った兵士を思うものだったということくらい知っていたが、おそらく作者はその歌詞からインスパイアされたのだろう。この雄大な話を思いついたのは本当に素晴らしい。
作家が作品を書くために、どれほど調査と研究をしているのかよく分かる。
シャーロック・ホームズにくっついているジョン・H・ワトソンみたく、春馬も外場にくっついていくのだろうな。(笑)
紙の本黄色い夜
2024/02/27 22:46
期待した私がバカだった
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宮内悠介お得意のギャンブルものということで、ワクワクしながら読み始めたのだが、薄い本なので、途中からそうなのかなとは思っていたが、物語が始まる前に終わってしまったという感じ。
どんなにすごいギャンブルバトルが繰り広げられるかと期待していたのだが、「始まる前から終わる旅もある、やはり野に置けレンゲ草」状態。
ルーレットの仕掛けもチンケで、あり得ないの一言。
期待が大きかっただけに、裏切られた感が半端ない。
まあ、宮内悠介の良さを知るためには、「あとは野となれ大和撫子」や「ヨハネスブルグの天使たち」「超動く家にて」などをお薦めする。
紙の本iレイチェル
2024/02/20 01:18
最後、ちょっと泣かされました
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アンドロイド、もしくはロボットと(今ならAIか)の、愛情や感情のやり取りに関するSFは昔からあったが、すぐに思いつくのは、タニス・リーの「銀色の恋人」や、エイミー・トムスン「ヴァーチャルガール」くらいか。
あと、最近読んだ。山田悠介の「僕はロボット越しの君に恋をする」なんてのもあった。
テーマは違うが、山口優の「星霊の艦隊」シリーズや、鷹見一幸の「宇宙軍士官学校」シリーズなんかにも、それらしい描写はあったと思う。
ただ、本書のiレイチェルはちと違う。
人間になれない悲しさよりも、人間以上の感情を得てしまったAIの悲しさが伝わってくる。
多分、ラストで泣かせにくるだろうなと思いつつ、クロエとエイダンが、iレイチェルに対して最後に示した態度に涙してしまった。作者の思惑にはまってしまって悔しいと思う自分がいる。
SF作家の引き出しも、なかなか数が多いということか。
紙の本大人になる時
2024/02/15 23:35
本の内容に意味はないです
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短編集のレビューは、何もテーマに書いたらいいのかよく分からない部分が多い。
好きな作品を中心に書くか、全体の雰囲気を捉えるか、はたまた作者の信条に迫るか、読者の感性によるところが多い。
今回は、この短編集の中で気に入った何篇かの感想を書いていこうと思う。
まずは、冒頭の「スタート・ピストル」。
タイトルから、サスペンス物かと勝手に想像していたら、競技用ロボットのドーピングに関するブラックユーモアだった。
何だか某覇権主義国家のスポーツ実態を見ているようで、考えさせられた。
次は、ナンセンス極まりない「ハパンサペナ」。
意味は、「無意味な」。
言語取り締まりなる、荒唐無稽なこのお話の内容と全く同じ。
最後は、何だか哀愁漂う「皮まで愛して」。
城卓也を知らない人には、本当の意味で楽しんでもらうことができない本作。
この、変にベタベタしないお笑いが大好きです。
とまあ、自分の好きな短編だけ挙げたのですが、短編集の良さは、すきま時間のある時に、自分の容量に合わせてサクッと読めるところ。
その意味で、本書は読みやすいのではないかと思います。
2024/02/15 23:07
ちょっと長くなりすぎてきた
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ギアリーってつくづく、デシャーニが居なけりゃ何にもできないんだなって思う。
このシリーズの主人公は、きっとデシャーニ艦長に違いない。
今回も長い物語だが、ついに核心には至らなかった。いったいどこまでお話を引き延ばすのだろう。艦隊はいつまで、どこまで彷徨わなければならないのだろう。
艦隊の将兵は、安心して故郷に帰る日はないのだろうか?
今は亡きクレシダ艦長の姉まで登場し、事態はアライアンスの中のどす黒い部分へと迫っていくことになる。
次はダンサー族の宙域。いかなる冒険と戦いが待ち受けていることやら。
いささか食傷気味ながら、続編が出れば買うんだろうな。
紙の本トッカン 徴収ロワイヤル
2024/02/13 00:37
少々目立ってます
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シリーズ唯一の短編集。
短い話で濃縮された面白みを醸し出している。
時間のないときに、サクッと一編だけ読んで次の機会に備える。なんて読み方ができ…ないか。だって面白すぎて次の話に行ってしまうんだもの。
ヒロインの影が薄い本シリーズだが、この短編集は、少しだけ濃いかな?
一番面白かったのは、「ゴールゴフィンガー」。
2024/02/13 00:31
結局は、人間が一番怖い
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おばけはなんてものは、結局人間のエゴが生み出す、この世で一番醜くて、一番怖いものなんだと思い知らされる一冊。
金に取りつかれた人間は、もうそれだけで妖の皮をかぶった「人ならざるもの」になってしまうんだな。
欲にまみれた世の中を、遠い世界から眺める。自分自身が「おばけ」にならなくてはいけないのかも知れない。
紙の本トッカンvs勤労商工会
2024/02/13 00:26
こんなんホントにいるの?
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勤労商工会なんて組織、知らなかったし関わり合いにも。なりたくない
個人事業者にとっては味方かも知らんけど、一般市民にとっては税金を払わせないための「社会のダニ」以外の何者でもないじゃん。
がんばれトッカン! 私ゃ応援してますぜ。
取れる事業者からはとことん取って下さい。 悪徳弁護士に負けるな!
紙の本トッカン 特別国税徴収官
2024/02/13 00:21
国税って大切なんだ
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デパートの外商の話である「上流階級」からの作者つながりで買ってみた。
前者に比べて、ヒロインの存在感は皆無であったものの、国税の仕組みや、徴収官の手管、税金逃れの対策等、大変に参考になった。
絶対、税金逃れはしないと思う。(今までしたこともないです。)
とにかくパワフルなトッカンに、これからの活躍を期待すること大です。
2024/02/13 00:15
呑んべには最適の書
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日本酒好きの私に最適な、日本酒の科学を総合的にまとめた一冊。
お酒好きにも、お酒を飲んでみたいと思っている人にも、最適な入門書です。
ああ、また好きな酒に出会いたい!
紙の本図書館島
2023/11/20 22:48
良かったのはタイトルだけ
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「図書館島」
なんて美しく素敵なタイトルだろう。
しかし中身は、いつまで経っても、陰鬱な暴力と殺戮と死と苦しみばかり。
少しの希望も光明も見いだせないまま物語が終わってしまった。
一般にファンタジーは、読む人に夢や希望を(欠片でもいいから)与えるものだと思うのだが、本作ではついにそれらを見つけることができなかった。
あの美しいタイトルからしてみれば、至極残念なことである。
紙の本図書館島異聞 翼ある歴史
2023/11/20 22:17
4人の女性の物語
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前作の「図書館島」における戦争を、4人の女性の視点で描いた物語。
前作と同様に暗めの話で、死と暴力と分からず屋の話ばかり。
気分がどんよりしてくる話ばかりだが、最後の「飛翔の歴史」だけは、最後の方で、突然変異から変身してしまう王子と、彼を愛した王女の悲恋話となり、少しだけロマンにときめいてしまった。
それぞれのヒロインの関係性が狭すぎて、物語の幅を広げることはできていないが、ある一族の歴史ととらえれば、これでいいのかも知れない。
ただ、巻頭に書かれている家系図を何回見返しても憶えられず、行ったり帰ったりを繰り返したのが興を削ぐ一因だったのも否めない。
もっと分かりやすい構造にできなかったのだろうか。
2023/11/02 20:43
次回作に期待
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文庫化されるのを待ちわびて、発売初日に購入、読了してしまいました。
いいっスねえ。百合の要素満載で。
しかも、ワトソンの秘められた能力の一端が垣間見えて、「コイツ、只者じゃねえ。」という第一印象が裏付けられた印象です。
今作は、ミステリー的要素も薄く(適当に作った感じ)、ストーリー的に盛り上がりはなかったのですが、色んな謎の欠片が埋められていて、次回作への布石が一杯です。
すぐにでも、第三弾が読みたい。
2023/11/02 20:37
何なの、これ?
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一体何を読まされているのだろう?
これは、読む価値のある本なのだろうか?
というか、これは本なのだろうか?
様々なナンセンス、不条理、トンデモ本を読破してきたが、本書のような解説不能の書物も珍しい。
たとえば、宮内悠介の「超動く家にて」「偶然の聖地」だとかは大好きなのだが、これは作者の、笑かそうという意図がはっきりしていて嬉しい笑いをもたらしてくれる。
あるいはラファティの諸作品や、古くはフレドリック・ブラウンなんてのもそうだ。
何にせよ、何が言いたいんだか分らんけど、何かが引っ掛かる本です。
薄い本なので、暇なときにサラッと目を通してみてください。