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たまがわさんのレビュー一覧

投稿者:たまがわ

127 件中 1 件~ 15 件を表示

いつもの話の繰り返しもあるけど、それでもやはり、読めば新鮮で響く。

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これまで著者が主張してきたことの
繰り返しになるような話もあるけれども、
分かりやすい文章で、簡潔にまとめられているという感じ。

そして読めばやはり、なるほどと感心したり、腑に落ちる感じがしたり、
これはすごい、と感じたりする部分も多かった。


最近自分は著者が言うところの、「自分の心が暗く澱んで」いるような状態のときが多かったのだけれど、
読み終わって、スッキリしたような、心が少し落ち着いたような、迷いが晴れたような、そんな感覚をひとときでも、味わったのだった。

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電子書籍人を動かす 新装版

2015/07/20 19:22

読んで良かった。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

読んで良かったと思う。
ちょっと怖い題名、いかめしい雰囲気の表紙、分厚い分量。
しかし、書評が良かったので電子書籍で読んでみた。

非常に納得のいく具体的な話が多く、一話が短いので読みやすい。
「人を動かす」といっても、冷たいテクニックについてではなく、
暖かい人間観に基づく、物事の受け止め方、考え方、自分が選ぶべき行動について、書かれている。

全編にわたり、役に立つ、しかし少し耳の痛くなる話がたくさん出てくる。
PART1の最初の章だけでも、以下のような鋭い文が、いくつも出てくる。

・人間は決して自分が悪いとは思いたがらないものである。だから他人のあら探しや批判を行っても効果は期待できない。人を非難することは無益である。
・死ぬまで他人に恨まれたい人は、人を辛辣に批評してさえいればよろしい。その批評が当たっていればいるほど、効果はてきめんだ。
・およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということをよく心得ておかねばならない。
・若い時は人づきあいが下手で有名だったベンジャミン・フランクリンは、自分の成功の秘訣は「人の悪口は決して言わず、長所をほめること」だと言っている。
・人を批評したり、非難したり、小言を言ったりすることは、どんな馬鹿者でもできる。そして、馬鹿者に限って、それをしたがるものだ。

上記の文だけを読むと、説教臭く感じたり、小手先のテクニックについて書かれていると感じられるかもしれないが、本文は暖かい雰囲気で貫かれている。
そして、こう書かれている。

・重ねて言う。本書の原則は、それが心の底から出る場合に限って効果を上げる。小手先の社交術を説いているのではない。新しい人生のあり方を述べているのである。

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著者への畏敬の念が湧いてくる。そんな対談。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書は、朝日カルチャーセンターで行われた連続対談に追加対談を加え再構成・加筆したものだそうだ。

すごいお二人の組み合わせだと、この本の出版を最初に知ったときに笑ってしまった。

とにかく、高橋氏の謙虚さというか柔らかさというか、静けさみたいなものが
全編を通じて流れていて、読みながらずっと、著者に対して畏敬の念を感じざるを得ないような、
一種の宗教的とも言えるような気分を感じながら、読み進めた。

対談の中身は、人の内的体験のような話からキリスト教、教育、資本主義のような現実的な話まで、
結構難しい話題も多いながら、現代の私たちの置かれている状況などと絡めつつ、深くて濃い。

何より、具体的な対談の中身よりも、二人の著者がお互いを尊重しあい、謙虚に尊敬しあう姿が、心に残った。
例えば、本当の賢者ともいえるはずの高橋氏が自身を、
『道半ばを歩いている者』 としていたり、

『 私がなぜ佐藤さんのファンかといいますと、佐藤さんの出された本を読ませていただいて、
自分がいかにものがわかっていないか思い知らされ、もっと学ばなければという気持ちに
させられるからなのです。いま、私をそういう気持ちにさせるのは、第二の啓蒙主義の時代を生きているからではないか。
政治でも経済でも精神生活でも、まだ見えない未来のための土台になる、基本的に大事なことを
わかりやすい言葉で論じてくれている第一人者は、私にとって、日本では佐藤さんです。
特に、見える世界と見えない世界の関係を、佐藤さんはご自身の専門であるキリスト教神学の立場からだけではなく、
ほかの立場からも、しかもその立場を自分のこととして論じてくださっているところが、すばらしいです。』

と語っていたりするので、読んでいるこちらとしては頭が下がり、謙虚な、
清々しいような気持ちにさせられる。

それと思ったのが、新書としては中身が充実し過ぎていること。
一般書として、3300円ぐらいで売っていてもいい本じゃないかとも思った。

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鋭すぎる視点。読む価値ありだと思います。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

雑誌『AERA』に2008年から6年半にわたって隔週で連載された
900字コラムを収録したもの。
連載順ではなく、テーマごとに再編集されているが、文章は当時のままのようだ。

時事問題を扱っているコラムでは、その前提となっている話題(週刊誌発行当時は
前説明なしで読者が認識していたであろう話題)を、読んでいるこちらが
よく覚えていないというようなこともあったが、
書かれている内容はもっと中長期の、ある程度普遍的なものが多いので、
読んでいて問題は感じなかったし、楽しく読むことができた。

第1講が 生き方・仕事論
第2講が メディア論
第3講が 国際関係論
第4講が 教育論
第5講が 政治・経済論
第6講が 時代論

1話につき900字なので短いが、中身が濃い。
そして、切り口が非常に鋭い。
認識を改めさせられるというか、考えさせられるというか、軽い衝撃を受けっぱなしという感じ。

この中身の濃さで文庫本。読む価値ありだと思います。

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紙の本自己を見つめる

2016/03/12 13:36

人生とは何か。真剣に向き合う哲学者による、やさしく強い語りかけ。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

心に静かに染み入る、人生論。

人生とは何かなんて、人とはあまり語り合わないけど、
本書を読んで、著者の真剣な人生観に触れて、改めて自分を含む、人それぞれの人生の尊さというものを、認識させられた。
真剣に誠実に等身大に、運命や世間や人生について考えるところを語っていて、まったく説教臭くなく、青臭くなく、理屈っぽくもない。

読んで良かったと心から思える本だった。


以下、まえがきより引用。

『・・・日常茶飯のすべて、行住坐臥のすべてが、いかに生きるべきかという根本問題と直結している。
たとえば、今晩の食事は何にするのか、明日は何の仕事を片付けるべきなのか、自分の人生設計の全体は
いかに描いたらいいのか、等々、私たちの日々の営為のすべてが、こうした自己決定と自己決断の連続だからである。

私たちの人生は、生まれてから死ぬまで、こうした態度決定の連続のうちで形成される。
それは、せんじ詰めれば、生老病死の人生と、この世における人間の生存の意味への問いへと収斂する。
こうして、人間と世界の存在の意義いかんに向けた態度決定こそが、人間の生存の核心をなす根本問題となる。

この世に生きる誰もが、実は、心の奥底で、こうした深刻な問いに悩まされているのである。
けれども、誰も、この世の公共的な世俗の言説の場では、そのことを表立って議論したりはしない。
というのも、その問いは、公共的な世俗の言説の場で問題にされるには、あまりにも繊細で内面的な問題意識でありすぎるからである。
したがって、人は、多くの場合、無言のまま、誰にも相談することのできない、こうした人生の重大問題を抱えて、悩みながら生きている。』

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DNA分析から探る日本人の起源とは…? そして更なる謎…

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これまでに、多くの学者たちによって日本人の起源について
考察され、本として出版されてきた。
歴史学や考古学、人類学、医学、宗教、言語、民俗、神話…

これらに新たに強力に参入してきたのが、人間のDNAを分析することによって
人の歴史上の動きなどを解明しようとする手法である。
主にこれまで、母系を辿れるミトコンドリアDNAと父系を辿れるY染色体を調べることにより
日本人の起源についても考察されてきた。

近年になり、それらよりも格段に多い情報量が得られる、常染色体を調べることができるようになった。
そしてなんと、発掘された縄文人の常染色体を直接調べることまでできるようになってきたのだ。

その縄文人の核DNAの研究の成果は2016年頃に一部紹介され、NHKでも
“サイエンスZERO「日本人のルーツ発見!~核DNA解析が解き明かす縄文人~」”という番組で放送もされた。
その内容は、縄文人のDNAがかなり特異で、東アジアの人たちのものとは相当違っているようだ、というものだった。
続報を期待していたら、本書がついに出版され、その研究のこれまでの成果が、ここに明らかになったのである。

そしてその内容は、期待にたがわず、興奮させられるものだった。
多くのことが整理され書かれていて、とても面白かった。
まだまだ明らかになっていないことが多く、今後の研究に期待したいが、
現時点までの成果だけでも、日本人の起源について関心がある人にとっては、非常に興味深い内容となっている。


以下、本書より引用↓

『 以前から、人骨の形態学的研究で縄文時代人の特異性がいろいろ議論されてきたが、ゲノムDNAの塩基配列を解析することにより、
縄文時代人の祖先は、東アジアだけでなく、アフリカを出てユーラシア、さらにはオセアニアや南北アメリカ大陸に拡散していった
現代人の祖先のなかでも、きわめて特異的な集団であったようだ。』

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電子書籍怪談徒然草

2017/10/01 21:10

怖すぎる。でも語り口調なので緩和されてる。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本、読みたいと思っていて新刊では手に入らず、
中古本でもまあまあな値段がしていたので、
現在発行されていないのは、何か著者の考えがあってのことなのかもしれない、
と思って読んでいなかった。

急にこの電子書籍版が出たので、さっそく読んだ。
最後の『三角屋敷の話』は怖すぎるし、ヘヴィーすぎた。
この話の印象が強すぎて、他をあまり思い出せないぐらい。

この本は文体が語り口調で、内容はかなり怖いんだけど、
その現代的な語り方によって、多少、良い意味で怖さが緩和されているというか、
そこで現実世界と何とかつながっている感じがして、
その点で良かったと思う。

なぜ文体が語り口調かというと、三夜に亘って著者が体験談を中心に
怪談を語るという企画コンセプトがあり、その話を
なるべく忠実に再現したものだからということだ。

全体にわたって内容が濃く、また分量もある。
けど、文体のせいもあって読みやすい。でも怖い。

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過去の崩壊した文明の事例と、現代の我々の文明のあり方との、いくつもの類似…

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

最高に面白い。

過去の崩壊した文明の事例についての本かと思ったら、
それとともに、過去の事例から導かれる、現在の我々の社会の行く末についても、
暗示的に推測していくような本だった。
何しろ、第1章のタイトルが「モンタナの空の下」。つまり現在のアメリカ合衆国で
進行形の事例についてなのだ。


第2章では、イースター島についての話。
一七二二年にヨーロッパ人が初めてこの島を訪れたときには、島は
三メートルを超す樹木も、茂みすらもまったくない荒地だった。

ところがこの島はかつては、背の高い樹木と低木の茂みからなる、
亜熱帯性雨林の島だったことが調査により分かっている。
そして島民たちは、巨大なモアイ像を幾つも建造できるほどの文明と
複雑な社会を持っていた。
しかしその島民たちは森林を破壊しつくしてしまい、その結果、
カヌーを製造するための木材も無くなり、それにより
沖に出て漁をすることができなくなり、土壌も痩せて農業も困難になった。
人びとは飢餓に陥り、社会は崩壊した。
どうしてそんなことになってしまったのか、その謎に著者は切り込んでいく。
そして、当時のイースター島の状況と、現代の我々の文明との類似点も見えてくる…。

全体を通じて、著者の知識の広さ、柔軟な思考、洞察の鋭さ、文章のうまさに、驚かされるばかりだった。


第3章より、ある南太平洋の島についての記述を、以下に記載。

『 しかし、やがてこの恵まれた島の人口が、豊富な資源でも支えきれない数にまで
膨れ上がってしまった。森林が切り倒されて土壌浸食が起こり、農業生産力が低下すると、
もはや余剰の農産物を輸出することも、舟を製造することも、島民たちがまともに食べることすらも
できなくなった。交易が衰退するにつれて、輸入していた原材料が不足し始める。
内乱が広がり、地方の武将が次から次に入れ替わり、従来の政治制度が覆される。
恵まれた島の飢えた大衆は、人肉食に依存して命をつないだ。
その島と海上交易を行っていた島々の民は、さらに悲惨な運命に見舞われた。
頼みの輸入品が断たれると、今度は自分たちの島の環境を荒らし始め、ついに生存者が
ひとりもいなくなるまで破壊し続けたのだ。』

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面白く、読みやすい。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

内容にスピード感があり、読みやすく、一気に読めた。
面白かった。

『ロジスティクスを制するものが、ビジネスを制する』という。
「ロジスティクス」とは、ビジネスの世界では、企業の物流合理化手段を意味するのだそうだ。


本書のはじめのうちは、アマゾンの脅威について、その他。
『 なぜアマゾンの急成長に危機感を覚えるのか。その理由は、彼らの本質が
「ロジスティクス・カンパニー」であるからです。
ジェフ・ベゾスが公言する通り、ロジスティクスこそが彼らの最大の強みなのです。』

『専門家であるがゆえに、アマゾンが変えつつある世界がいかに戻ろうとしても
戻れないものであるのかが、よくわかります。』

『一度強固なロジスティクス網を張り巡らされてしまったら、外から見て真似ることもできず、
それに太刀打ちできるロジスティクスを作るのに相当な時間がかかることになります。』

『アマゾンが近い将来にもたらすのは、まさに経済の地殻変動です。
米国ではすでに大きく動き始めていますが、日本も例外ではありません。
多くの人に知れ渡ってから対策を練るのではあまりにも遅すぎます。』という。

『 米国のシリコンバレーでは、既存産業を壊滅させるという意味の「ディスラプション(Disruption)という
言葉が流行っていますが、アマゾンが既存小売業界や既存宅配業界を壊滅させるのではないかという話も
真剣に語られています。』

第二章で、米国でのウォルマートvsアマゾンの仁義なき戦いについてなど。
『 日本の企業が物流拠点を作るという場合、まず営業先、販売先を開拓し、
現状の物流拠点ではコストや納品スピードで不備が出てきて初めて、新たな拠点を考える、
というのが一般的です。
一方のウォルマートはその逆で、まず先に物流拠点を作ってから店舗展開を始めています。
 なぜウォルマートは物流拠点を先に作るのでしょうか。私は、ウォルマートの創業者
サム・ウォルトンが元軍人であるという出自が大きく影響しているのではないかと考えています。』

『 恒常的な低価格を武器とし、日本版ウォルマートと呼ばれるスーパーマーケットに
「オーケーストア」がありますが、同社はウォルマートのEDLPを取り入れて近年急成長を遂げています。』

第三章で、アマゾンと競い合うための3つの戦略など。
ネットスーパーの現状やヨドバシカメラについてなど。

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紙の本暇と退屈の倫理学 増補新版

2016/09/04 21:55

様々なことを考えさせる本。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

考えさせる本。約1300円でこのボリューム・内容の濃さは、お買い得。

あとがきによると、
『 この本で取り上げた問題は何よりも自分自身が抱いていた悩みだった。
〈暇と退屈の倫理学〉という言葉を思いついたのは本当にずっと後のことだが、とにかく本文で取り上げた退屈の苦しさを
自分もずっと感じていた。しかし、それを考察してみることはなかなかできなかった。
(中略)
 そうやって始めた考察を今の段階でまとめてみたのが本書である。
この本は人に「君はどう思う?」と聞いてみるために書いた。
自分が出した答えをいわば1枚の画として描き、読者の皆さんに判断してもらって、その意見を聞いてみたいという気持ちで書いた。』
とのことである。

途中で少しややこしい哲学的な議論も出てくるが、全体として、現代人の置かれている環境についての考察や、
哲学者たちの様々な思考の営みについての話など、分かりやすく読みやすく、話が進行していく。
お勉強臭くない。むしろ、私たちの実感に近い部分で議論が進んでいく。
何より、著者の等身大の思考で話が展開されていくので、読者も読みながら一緒に考えさせられるし、
著者のその立ち位置に、好感を持ちながら読んだ。


以下本文より…

『 となると、ハイデッガーが言っていた通り、日々の仕事の奴隷になっているからこそ、私たちは第一形式の退屈を感じるのである。
もしそこから自由であったなら、列車の到着まで待たなければならないぐらいでそんなに焦ったり、退屈を感じたりはしないはずだ。

 しかし更に問うてみよう。なぜ私たちはわざわざ仕事の奴隷になるのだろうか?
なぜ忙しくしようとするのか?奴隷になるとは恐ろしいことではないだろうか?

 いや、そうではないのだ。本当に恐ろしいのは、「なんとなく退屈だ」という声を聞き続けることなのである。
私たちが日常の仕事の奴隷になるのは、「なんとなく退屈だ」という深い退屈から逃げるためだ。』

上記に引用した文はまだまだ退屈論の序盤で、これから更に、ハイデッガーの理論を批判的に考察し、展開していきます…。

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紙の本シュタイナーの死者の書

2015/11/23 18:07

世界の秘密。こんなことまで明らかにしてもいいのか、と思わせるほど具体的に、人の死から次の生までに体験することなど。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書は、1914年4月にウィーンで行われた、シュタイナーによる連続講義が元になっている。
第一部が一般向けの2回の公開講演。第二部が人智学協会会員だけのための6回の非公開講義であるという。

全体として、こんな事柄まで公表してしまって良いのだろうか、と思わせるぐらいに、
人の死から次の生までに体験する数々の出来事などを、詳しく明らかにする。
シュタイナーは意識的に、人類の歴史と時代の流れも見つつ、確信的にこれらの霊界に関する事柄を公表している。

始めのうち、入念すぎるぐらい慎重に、霊学への向き合い方を語る。
極めて分かりやすく論理的に、オカルト的な話を信じない人も理解できるような話し方で。
途中からどんどん具体的な霊界などの話になってくる。
しかしそれでも、シュタイナーの言っていることをどこまで受け入れるかは人によるとしても、
言っていることを理解はできるような話である。
最後の方になってくると、理解するのも難しいような話になってくる。

シュタイナー自身の著作は以前に何冊か読んだことがあるが、本書は一番、分かりやすかった。


シュタイナーは、人間と霊界についてこれだけ認識していると自覚していながら、
本書でも傲慢な態度などは全く見られない。
まるで学者が学生に、いかに分かりやすく自分の理解を伝えるか、腐心して語っているようである。

そしてシュタイナーが本書で語っていることが、真実かどうかはほとんど誰にも分からない。
しかしシュタイナーは極めて真面目に、真摯に、明らかにできることを分かりやすく伝えようとして、語っている。

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電子書籍怪のはなし

2015/10/04 16:35

面白かった。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

全体的に素晴らしい内容だった。

著者が実際に体験した不思議なことを、創作を交えずに書いたということだ。
怪談といえば一般に、後味の悪さが残るような話が多いものだが、
この本は、そういう話もあるが、他にしみじみとする話とか、ほんわかとする話なども入っていて
それが良い。

著者は、「視える人」ながらその感性が一般人に近いので、読んでいても安心感を感じる。
そのせいで、安全な場所である自宅の部屋の中にいながら、著者の様々な壮絶体験を
追体験するかのように、楽しめる。

とは言えやはり、かなり怖いです・・・。

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伊勢神宮よ、永遠に。

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本屋で手に取ってみて驚いた。
伊勢神宮のうち、内宮と外宮についての歴史や
式年遷宮について記された本はたくさんあるけれども、
本書はざっと開いて見ただけでも、別宮、摂社、末社、所管社を含む一二五社についても
書かれているようなのだ。
開いたページには、とても印象に残る神社である朝熊神社(内宮摂社)と
鏡宮神社(内宮末社)について記されていた。
伊勢一二五社巡りは特別な体験で、訪れた場所について、あの植島啓司氏が記しているのだ。
植島氏といえば、著書「日本の聖地ベスト100」で独特な聖地紹介を行っている。

そして第一章からいきなり、元伊勢についてだ。
そして江神社(内宮摂社)。

『 江神社のある場所には明らかに他とはちがった空気が流れている。
周囲を木々に囲まれており、すっぽりとお椀に収まりそうな地形。
どこからか水の気配が感じられて、その流れをすぐ近くに探したくなる。
なんとなく以前に訪れた朝熊神社を彷彿とさせるものがあった。』

第三章では瀧原宮についても記されている。
第四章では式年遷宮と心御柱、床下の秘儀などについて。

伊勢神宮についての教科書的な歴史や説明なら他書を当たったほうが
良いのかもしれないが、一二五社を含むあの地域の空気感のようなものが伝わってくるのは、
他の本にはない、本書ならではの魅力だと感じた。
本文中の写真も、とても美しい。


以下に第六章最後の言葉を引用

『 伊勢神宮は神に祈りをささげる場所としては比類のないスケールで
考えられた聖域であって、おそらくその神聖な力は何千年も先まで届くに違いない。
ただし、われわれはそれがいかにして成立したのか、その多難な歴史を忘れてはならないだろう。
それを解き明かすことはむしろ伊勢神宮の多様性と深遠さとを
再認識することになると確信している。
伊勢神宮にとってまた新しい夜明けがやってくる。
伊勢神宮よ、永遠に。』

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人口・環境・経済からみる江戸システムとは

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面白かった。
江戸時代とは何か。「江戸システム」を、人口や環境問題、
産業発展と生活、経済と財政政策などを通じ、浮き彫りにする。

特に、人口からみた江戸システムが興味深かった。
過去の人口を研究する学問を歴史人口学というそうだが、
ヨーロッパと比べると日本の江戸時代は、毎年作成された宗門改帳のほか、
死亡を記録した寺院の過去帳や、胎児・間引きを取締り、
療育手当を支給することを目的に妊婦を調査した「懐妊書上帳」など、
さまざまな資料が存在し、人口資料の宝島だといわれるという。

本書でも木曽湯舟沢村で生活していた幾組かの夫婦に光を当て、
誰それが何歳で結婚し、亡くなるまでに何人の子を何歳時に出産し、その子らは
どうなったのか、まで追いかける。

江戸時代は離婚と再婚が多かったという話とか、人口増加と人口停滞、
出生率の低下の話とか、興味深い。

江戸時代の環境問題も興味深かったし、田沼意次が
「近代日本の先駆者」(アメリカ人歴史学者ジョン・ホール氏の表現)として、
哲学者三浦梅園とともに高評価されているのも面白い。

江戸時代は資源とエネルギーをほとんどすべて国内で自給していた
閉じたシステムだったが、その中で人々は知恵を凝らし、見事な発展を遂げて
一つの文明を作り上げた。

個人的には、江戸時代の政治史を読むよりも、本書を読んだほうが、
江戸時代についてよく分かるのではないか、とすら感じた。
すごい本だと思う。
「あとがき」で著者はこう書いている。

『 本書で取り上げたテーマは人口、経済、資源、エネルギー、環境に絞られているが、
そのぶん、二十一世紀の現代文明が抱える問題を考えるうえで、
論点が明確になったといえるのかもしれない。
触れえなかった点については、他の巻を通じて読者ご自身が補っていただきたい。』

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壮絶な登山家たちの記録…

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読後にとても印象に残った。

1980年代前半の、日本のトップクライマーたちの挑戦の記録。
日本人初のエベレスト無酸素登頂、K2北面からの世界初無酸素登頂、その他…
本文を見ると、ルート工作や荷上げなども本人たちで苦労して行ったりしているし、
おそらく現在の同じ条件での挑戦とは、難易度も違うのではないかと思う。

そして運命の日となる1983年10月8日、偶然が重なりエベレスト頂上直下で、
日本からの2隊(無酸素)とアメリカ隊(酸素使用)が期せずして遭遇し、
エベレスト登攀史上空前の登頂ラッシュの日となった。
そのときの日本2隊の壮絶なアタック模様、頂上直下でのビバーク、そして訪れる悲劇…。
それまでに登場人物たちの来歴なども描かれてきているので、とても臨場感のある局面になっている。

本文によれば、

『 サウス・コルは「天のにおいと死のにおいがする」といわれる。
八五〇〇メートル以上はまさしく、「死の地帯」だ。』

という。以下本文より…


「そのとき突然ですね、暗闇がやってきたのは。まったく突然という感じでした。
無酸素による視力障害では決してなかった」
 遠藤が明かすように、コルにデポしていたザックを背負ったとき、急に視界が暗くなってきた。
時刻は六時を少し過ぎていた。遠藤は頂上のほうを振り返った。
二〇〇メートルくらい後ろには吉野と禿がいる。
遠藤がちょうど後ろを見たとき、ヒラリー・ステップの上にいる禿と目があった。
 禿が天に向かって、何かを叫んだ。
「ああ、ビバークだ!」

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