やっちゃんさんのレビュー一覧
投稿者:やっちゃん
| 6 件中 1 件~ 6 件を表示 |
人魚の眠る家
2018/06/18 10:43
守るべきもの
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
後半は泣きながら一気に読みました。
突然襲いかかる我が子の水難事故。
そこから始まる、悲嘆、残酷さ、正当性、冷淡さ、生き恥、後悔、狂気、告白...。
この本の登場人物は皆、目の前の現実から逃げていません。その姿がどんなに見苦しくて、軽蔑されても、懸命に生きている人はフィクションの世界でさえ、本当に美しいです。
私はここまで覚悟を持って生きれているのかと自分に問いたいです。
久しぶりの東野作品。圧倒されてしまいました。
ふたご
2017/12/28 11:37
絶対的な温かさ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
引き込まれました。
主人公、夏子と、主人公が想いを寄せる月島、静かに見守る人達。誰かを大切に想うことは理想を具現したものではないことに戸惑い、迷い、よろめく主人公。
夏子の心理描写が、胸をざわざわさせました。あまりにも、直線的でその描写から逃げ出したくなるような気持ちになりました。
読後感は、重苦しさが残ります。
でも、この先、自分の中で強く記憶に残り続けるような、そんな作品の一つになったような気がします。
母性
2015/07/26 09:28
母という存在とは
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
読んでいて最初から最後まで辛い気持ちが続いた。
〔母の手記〕と〔娘の回想〕で話が展開される。自分の子供を愛せず母親を愛しすぎた〔母〕、母から愛されない〔娘〕。どちらにも真っ直ぐ歩けない暗い背景が揺れている。
子供を産むことが出来る女性にとって、
母親を愛しすぎることは、何かを見失なってしまうことなのかもしれない。
母を超える愛を見つけられないでいる私にとって、
深く考えさせられる作品だった。
絶唱
2019/08/23 17:12
表紙が好み
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
背景の色がとても柔らかく、好きな色です。呼吸が深く出来るような穏やかな世界があるのかな?という期待を込めて手に取りました。
4編からなるこの短編小説は、登場人物それぞれが、阪神淡路大震災を経験しています。地位と権力を持つ親の元で翻弄される者や、パートナーの過剰な愛情に戸惑うもそれを正当化してきた者など...。震災を経験し想像を越える哀しみや苦しみを連れ立って、日本から遠く離れたトンガで彼らは何を想うのか。
この本から他国の死生観を知ることができたのはとても興味深かったです。震災が多いこの日本で暮らすことの意味を、私自身もこれから考えていかなければならないと思いました。
まど・みちお人生処方詩集
2017/04/11 19:19
詩って奥が深い
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
『ぞうさん ぞうさん おはながながいのね そうよ かあさんもながいのよ』
誰もが一度は口ずさんだことがあるこの詩歌。
詩人、まどみちおさんの作品です。
詩のテーマになっているのものはバラエティ豊かで、アリ、小鳥、のような生き物たちから、にじ、空気、ボール、さまざまです。
飾らない素直な言葉たちが、わたしの胸まで真っ直ぐに届きました。
| 6 件中 1 件~ 6 件を表示 |
