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タンポポ旦那さんのレビュー一覧

投稿者:タンポポ旦那

207 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

アンコール!を叫び続けたい

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

もう終わってしまった……。というのが、まず第一の思い。連載誌の廃刊、再スタートを経て、カイと阿字野の成長と周辺環境の変化に一喜一憂してきた18年だった。
もともとピアノはジャズのほうが好きで、クラシックピアノはアルゲリッチとグルドを数枚持っている程度だったが、この作品に接して幅が広がった思い出深いシリーズでもある。
何より、描写と心象風景だけで感じられる音の世界の表現に、一色まことの新しい魅力を見せてくれた。ストーリーも人間味・人情性あふれる“らしさ”満載の一色ワールドを展開、新刊をこれほど待ち望んだ作品もないくらいだ。
今までも何回か泣かせてもらったが、この最終巻、カイの阿字野への思いにまた涙。番外編でもスピンアウトでも、シリーズとして続巻が描かれるまで、アンコール!を叫び続けたい。

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紙の本

描かれないページの間にも愛がある

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

連載は読んでいないが、タイトルとPRカットで発売を楽しみにしていた作品。期待に違わず、また新たな西炯子ワールドが展開された感じ。今までの作品では脇役的存在の定年期世代がやっと脚光を浴びたようでもある。
西炯子らしい不器用な男と女、そしてその新旧対比や家族愛もあって、代表作の一つに数えられてもいいと思う。不在のチビを介して、作品中には描かれない夫婦の感情交流・交錯をも感じられ、気持ちのいい余韻が残った。
ラストでは、西作品として初めて涙ぐんでしまい、ほのぼの感とともに、歳とったかな?というある種の無常感をも抱かせてくれた。

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紙の本

オールドファンの渇きが癒される

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

小松左京原案ということで、「バルバラ異界」以来、久し振りに萩尾望都作品に接した。多彩な作品を繰り出す望都さんだが、やはりこの人のSF物は面白い。オリジナルはもちろん、ブラッドベリや光瀬龍の漫画化でもその力量を存分に発揮してくれただけに、読前から胸躍る思いだった。
期待に違わず、子供たちのコミューン形成の過程や食料調達・死・出産と言った現実的な生活の描き方に、望都さんらしい未来への視点と警鐘が感じられる。
アシモフや星新一とともに育ったオールドSFファンの“渇き”に応えてくれたうえ、緊張と不安が交錯する子供たちのコミューン生活の中に、どこか「3月ウサギが集団で」を思わせる雰囲気を漂わせ、オールド望都ファンとしても大満足の作品。
また、主人公の一人である飛比夫クンの名も、手塚治虫へのオマージュと思われ、「アトム」を通じてアウェイ世界の未来への希望を感じさせる。

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紙の本

エドガーとアランあっての「ポー」

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

先ずは再開を嬉しく思う。絵の変遷は、以前の「ポーの一族」再開の折から織り込み済み。モトさんの近作を見れば已む無しの感。むしろ、何故、今更の感が強いが、読んでしまえば、「ポー」の世界に浸りきるのは、“別コミ”以来のファン共通の悩みに違いない。
キング・ポーとの久々の再会には、些か虚を突かれたが、老ハンナを思い出し感慨深いものがある。第二次大戦を背景にして、まあ、アランを登場させるには、この時代が一番とも思えるが、微妙にアランの性格が変わっているような?
ただ、シリーズとしては、ミッシングリングと感じていた、“ポーの村への入口が失われた問題”や、或いは“村の住人の日常”が明らにかなってゆく可能性には大いに期待する。
でも、メリーベリルとの再会は、彼女の生きた時間から言っても難しいだろうな。

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紙の本

絵本のように静謐で孤独が沁みる物語

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

腰巻には少し引いたが、魅力あるカバーに魅かれて購入。期待を裏切らない内容だった。
静かに淡々と進む物語もさることながら、絵本のような動きの少ない、静謐ともいえる描き方、そしてエッチング風の画が特徴であり、何よりの魅力。しみじみと孤独が沁み入る物語でもある。

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紙の本

紙の本涅槃の雪

2015/09/05 12:41

新作までの道は遠い

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

面白かった。久し振りに時代小説の楽しさを満喫できた。「神楽坂日記」から入って、「千年鬼」を経て西條氏との付き合いはまだ4冊目。この作家の真髄を見る気がした。
天保期の幕府・市井両面からの事状に改めて、なるほど、とうなづきつつ、主要人物の二面性の描き方にも作家の人間愛を感じ、共感を覚える。特に、主人公・門佑に感情移入するあまり、呆れるばかりだった姉・園江の性格設定にはヤラレタ感が強い。むしろ淡々と描かれるラストには涙がにじむ。
精力的に旧作(時代小説)を読んで、早く新作にたどり着きたい作家のひとりになってしまった。

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紙の本

紙の本アンマーとぼくら

2016/09/09 03:30

新作を買わざるを得ない魔力

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本格デビューとなった「空の中」以来、新作が出ると真っ先に読んでしまうのだが、本作については、何故沖縄? との思いからしばらく積んどく状態だった。
しかし、この人の小説はとにかく読みやすい上に分かり易い。それでいて最後には泣かせる。分かっていても本作のように予想をあっさり覆す展開で泣かせて見せる。もともと泣くつもりで読む作家ではないのだが、最近の作品はコノ手が多いのが無性に悔しい。「現時点での最高作」かどうかは疑問の余地があまりあるが、最高に楽しめたのは認める。沖縄を舞台としたのも、“奇跡”のためというより、「3大がっかり」をとっかかりに、「沖縄なんか」「北海道なんか」と言わしめながら、しっかり故郷への愛を描き、なおかつ高知をアピールするしたたかさ。
この作家、新作ごとに、進化というより、うまい言葉が見つからないが“増殖する作家”といった気がする。個々の作品の面白さとは別に、どこまで領域を広げていくか楽しみでもある。

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紙の本

紙の本アンと青春

2016/05/21 14:16

四季と自然を愛する和の心

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「青空の卵」以来のファンであり、北村薫とはまた異なる“日常の謎”が魅力の坂木司であるが、アンの前作では面白い分野に目を付けたもの、と楽しませてもらった。今作では“謎”部分は薄らいでいるものの、その分、日本人の四季と自然に寄せる思いを、和菓子の世界を通じてより顕著に著しているところが興味深い。
アンの葛藤や成長も気がかりながら、今後、和の心をどう表現していくかに、より期待してしまう作品でもある。

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紙の本

時代の懐かしさ・同級生への想い

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タイトルからして期待充分だった作品。著者とは、10歳くらいの年齢差なので、ほぼ時代的に共感できることもあり、懐かしさ一杯で読み終えた。
自伝的漫画とはいえ、著者の周辺人物の多様さに驚かされ、「深夜食堂」の登場者たちの個性的なことにも納得した。
とはいえ、考えて見れば自分自身の幼稚園から始まる学校生活においても、当然のことながら、同級生も教師もそれぞれ個性的で、それぞれが良きにつけ悪しきにつけ、自らを主張していた気がする。
マコト少年の成長が楽しみであるとともに、彼の新たな出会いにも、大いに期待が高まる作品。
そういえば、中学の同窓会・クラス飲み会がしばらく開かれていないが、みんなどうしているだろう。

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紙の本

懐かしさも、新鮮味もたっぷり

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

あだち充の連載がゲッサン主力となってから、しばらく離れていたが、このシリーズで復帰した。「タッチ」の次世代物語でありながら、かつての脇役たちが主要な役割を与えられ、単独シリーズとしても楽しめると思う。
著者が「ナイン」や「陽あたり良好」「タッチ」を書きだした頃、まだスポ根モノが幅を利かせており、独特のユルサや青春路線は、とても新鮮に映ったものだった。
本シリーズは懐かしさだけでなく、新鮮味もたっぷり感じられ、次世代モノとしては「MAJOR 2nd」とともに目が離せない存在だ。

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紙の本

“思わず噴き出す”面白さ復活

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

一時期マンネリというか、ダレた感のあったシリーズだが、ここのところ復活・上昇中。
特に本巻は、連載開始頃のような“思わず噴き出す”面白さに満ちている。聖人二人と眷族の現世への馴染み方や、ズレから生じるコント世界は、日常生活での再発見にもつながる。
また今回、北欧神話への広がりを垣間見せたことで、今後は東欧やエジプト、中国、そして我が日本の八百万の神々の登場をも期待してしまう。

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紙の本

原作者の息遣いまで感じられる

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この人には、本当に驚かされる。「107号室通信」以上に心動かされた。これはもう、トリビュートと言うより新しい文学作品と言えるのでは。
原作を活かした表現はもとより、原作者の雰囲気を感じられる内容に、ただただ圧倒と感動のまま一気に読み終えた。中でも、大好きな草野心平の「ごびらっふの独白」が、こうも美しく優しさに満ちた世界として描かれるとは、思いもよらない幸せすら感じた。もし同じ草野心平の難解ともいえる「冬眠」なら、この人は如何に表現するのだろう。また、「注文の多い料理店序文」からは、宮沢賢治の息遣いさえ感じられるようだった。
小説や詩から触発された作品は、文学・漫画・音楽・絵画など他分野に亘って数々あれど、それらの中にあっても、独自の光を放つ作品集と思う。因みに音楽分野では、来生たかお「アナザー・ストーリー」によく似た雰囲気がある。改めて聞き直したが、こちらも読書案内としても絶品。

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紙の本

紙の本カンパニー

2017/10/21 18:50

煌くような伊吹ワールド

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

系統的に言えば、「ミッドナイト・バス」、「今はちょっと、ついてないだけ」に続く路線で、仕事や家庭に疲れた大人の再生物語。改めてこの三冊を並べてみると、バス運転手にカメラマン、そして本作の総務、トレーナーにダンサーと、何か多彩な素材を生かした職業シリーズの趣も…。
ストーリーは端的に言って、リストラ組が全く畑違いのバレエ団に出向、戸惑いながらも目の前の仕事に集中・没頭する事で、自分の居場所・生き方を見出していく、という伊吹ファンにとって言わば“安心”の物語。とは言え、いわゆるマンネリ感は皆無の、むしろ煌くような伊吹ワールドが展開され、ついつい秋の夜長の一気読み。
バレエ団をカンパニーと呼ぶのは勿論、団員たちの経済事情や生活、トレーニングや階級など興味深い道具立ての上に、同族企業のM&A、社内の出世競争等々を絡めた物語は、前二作以上に面白かった。
来月には、また新作が発売されるようだし、来年は「なでしこ物語」の“ミッシングリング”も刊行が予定されている。ファン冥利に尽きる思いで、楽しみで仕様がない。

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紙の本

紙の本機巧のイヴ 1

2017/10/16 17:20

アシモフの実生、或いは美しい欠片

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

単行本の発刊時、興味を魅かれたが、追いかけている作家の作品が相次ぎ、それなり忘れていた作品。文庫化で飛びついてしまった。
カバーイラストや腰巻からは、菊地秀行「からくり師 蘭剣」とか、士郎正宗「攻殻機動隊」のイメージを抱いたが、著者の築いた独自の世界に魅了された。江戸後期から末期のパラレルワールド、と言ってしまえば、それなりの作品が数多く思い浮かぶけれど、風俗から建物、階級・職制などの社会機構まで、背景設定が細やかで興味深い。その上に、オートマタを軸として権力闘争や「幕府」と「朝廷」の確執が絡む展開は、どの篇をとっても、各タイトルと共に最後まで飽くことなく読ませる力がある。
ロボット物としての面から言えば、アシモフほどの思想や訴求力は感じられないが、それでも「鋼鉄都市シリーズ」に近い香りは確かに受け取った。アシモフの“実生”或いは“美しい欠片”とは過剰な言い方か…。ともかく魅力的な作品であり、続編が執筆されているとの事で、単行本になる日が待ち遠しいシリーズだ。

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紙の本

微かな痛みを伴う切なさ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

初見の作家ながら、キュレーターさんのお薦めに興味を惹かれて読んでみた。とても日本的情緒が感じられる良作で、日本人で良かったと改めて思い至った。
淡い切なさ、というか“微かな痛みを伴う切なさ”を残す印象で、その“切なさ”の度合いとうか、分量というか、匙加減が絶妙なのだ。
自らを振り返れば、大切に思う人を亡くした時の、怒りに近い悲しみを覚えた身も、哀しいかな年数を経るごとに、その悲しみが薄れていっている…。しかし、彼岸に、盆に、折に触れて蘇る思いは、幾年、数十年を重ねようと、“微かな痛み”を覚えさせる。これはまた、「また季節はめぐりきて/うすむらさきのほほえみはよみがえる/あなたは思い出/いつみても懐かしい」で始まる金井直の初期の詩「あじさい」から喚起される感情にも似ている。
そうした切なさが全編にあふれている気がする。極論ではあるが、うえむらちか氏の「灯籠」にも、一葉の「たけくらべ」にも通じる日本の“幽し思い”を感じる作品だった。

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