まもりさんのレビュー一覧
投稿者:まもり
噓の木
2018/08/21 10:10
少女の静かな憤りの炎が見えるような
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ちょっと読んだことない風合いのミステリだった。初めての作家なので及び腰で読み始めたが、読めば読むほど物語に引き込まれ、最後はもう無我夢中で読みふける。
主人公の少女の頭の良さ回転の速さに脱帽。ボロボロになりながらも強い強い鋼のような意思で突き進み続ける姿に圧倒されました。女性というだけで全てにおいてちょっと下と思われる-ということに対する静かな憤りを、この作品の根底で感じました。差別意識と優越感、人間の持つ業なのだろうか。
一言では言い表せない、すごい本を読んだ!という充実感でいっぱいです。個人的に、嘘の木の実はマズそうなので、とても食べる気にはなれませんでした。
ダンジョン飯 2 (BEAM COMIX)
2015/10/22 15:56
全くクオリティ下がらず!
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
1巻に増して大変面白く、じっくりじんわり楽しく読むことが出来た!
何に関しても練ってあるというか、細かい設定に脱帽。
ゲームのRPGなのにこんなにリアリティあるなんて~。
印象に残ったのがセンシとアンヌの章で
野生の生き物(モンスターだけど)との付き合いは
人間のセンチメンタリズムを凌駕するシビアさがあるよなあと妙に感心してしまった。
ほんと、久し振りに呑気にひたすら楽しく読書させてもらった感じ。ああ幸せ。
もうぬげない
2016/04/20 13:14
子供も読んで楽しい絵本
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
読んでてとても楽しくて楽しくて…娘に読み聞かせする時は二人で絵を指差しながら笑ってしまいました(^^)主人公の男の子の生真面目さがいい、一つ一つ考察して、常に前向きに進んでいく姿勢がカッコいい!子供を持っているとギョッとしながら「あんた、いったいなにやってるの??」という状況に遭遇しますが、彼らは私たちの予想や常識を越えて越えて、結果、なんとも不思議な状態になってしまっているのかもしれませんね。何度も何度も読み返したくなる、そんな絵本でした。
乱と灰色の世界 7巻
2015/12/19 16:52
個性的で素晴らしい世界
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
なんと幸せな読書だったろうか。子供の頃は本を開けば一気にその世界に連れて行ってもらえた。最近は集中するのに時間がかかり、その世界に入るのにまた時間がかかり…と全てがたどたどしく(これも老化の一種…?泣)何しろ一冊読むのに大層時間がかかることが多いのだが、このシリーズは本当に一瞬でもって、ここではない不思議な世界に連れて行ってもらえた。
一冊一冊が素晴らしく、まさかこれが最終巻と思わず購入し、ショックに暫し斜める。直球な「幸せ」をたくさんもらいました。乱ちゃん、立派になったね、これからも頑張れ!(感涙しつつ)
ジャック・リッチーのあの手この手
2015/10/22 16:00
最高だった!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
まずこの表紙に惚れ(もうそれは一目惚れレベルで書店で固まる私)
題名のセンスに震え
読んでみて思わず椅子から立ち上がる程感激してしまった!!
こ…こんな面白いショートショート初めてかも!
探偵ものからちょっとウィットに富んだロマンス
挙句にファンタジーやSFの要素もハイセンスな作風で作り上げてしまう。
ちょっととぼけた雰囲気が魅力で読んでいる時間は本当に幸せだった。特に『ビック・トニーの三人娘』と『仇討ち』(←ウエスタンも書くなんて!!)がお気に入りだが他のも色々好きです!
あー面白かった!
大家さんと僕
2018/09/05 11:40
矢部さんの才能がキレイに開花した作品
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
随分前から読みたいと思っていて、やっと読めると喜んだが、その前に大家さんが亡くなったという知らせを聞いていたので、少ししんみり、いつも以上に丁寧に味わうようにゆっくり読みました。
大家さんの上品な佇まい、言葉遣いが毛羽立っている私の心に静かに静かに染み入る。
大家さんのお二階に縁あって、世界中で一人しかいない、この矢部さんが住まわれることになって本当に良かったなあ、と思わずにいられない。
大家さんのマイペースでやさしい心遣いを、全く違う年代の矢部さんが誠意をもって受け止めている姿に感銘を受けました。
本当に素敵な本でした。
日曜の午後はミステリ作家とお茶を
2018/07/08 15:02
ミステリー作家の皮肉とユーモア溢れた日常
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
とてもとても面白かった!予想以上に主人公の性格がツボに入ってしまってたまらなかった。
物事を常に静かに冷静に、時に不本意ながら我慢強く対処している姿に、我知らず「フヘッ!」と気の抜けた笑いを禁じえず。じわじわ染み入る愉快な気持ちにしみじみ読書の醍醐味を満喫しました。
どのお話しもとても気に入っていますが、特にいいなあと思ったのは、タクシー運転手に対する謎解きのラスト。
改めてですが、上質で上品なミステリがこんなにも魅力的だとは…!ああ、本当に楽しかった!またシャンクスの活躍が読みたいです!続編切望いたします!
太陽の子
2018/05/23 16:03
いつまでも、ずっと読み継がれていって欲しい
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
小学生の時NHKで放送していたドラマに魅了され、原作のハードカバーを母親に買ってもらい、夢中で読みふけったのを思い出す。
今、大人になり読み返してみて、子供の時受けた衝撃以上のものが胸に広がり、読み終えてからずっと考え込んでしまっている。東京で生まれて育った私には沖縄に親戚もおらず、果てしなく遠い存在なのだが、少し前に起こった私の祖父母も経験した戦争の傷跡が少しずつ薄れていく中、改めて国家同士の殺し合い「戦争」について考える機会を得た気がする。
灰谷さん残してくれた素晴らしい「想い」を娘にも伝えたい、と思った。
つちはんみょう
2016/09/05 13:15
虫の世界は複雑でよくできている!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ヒメツチハンミョウの生態をじっくり腰を据えて描いた作品。この虫の話を描きたくて調べたら詳しいものが見当たらず自分で8年観察して構想から10年かかって作り上げたという。贅沢にも私はこの本をイベントで舘野さんご本人に朗読してもらった。生き物のしたたかさ、はかなさ、他の生き物との相互関係など全部詰まっているすごい絵本だと思う。今日少し舘野さんとお話ししたら虫だけでなく樹木なども観察して生態などちゃんと理解しててでないと描けないとおっしゃっていた。なるほどと納得してしまう凄みを原画から感じました。
キャプテンレッド
2018/08/05 18:39
久しく忘れていたロマンスを思い出させてくれる作品!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
学生の頃、藤田貴美さんに夢中になった。あの、ごちゃごちゃしたコマ割りが、本当に格好いいと思ったし今まで読んでいた少女漫画とは違ったビターな内容が、これまた新鮮に思えた。
久し振りに文庫版で当時も大好きだったこの本を読んでみて、あの時の気持ちが予想以上に猛烈によみがえってきて自分でも動揺してます。削って削って厳選されたセリフが、こんな年になって読んでも「ロマンス万歳ー!!」とこぶしを振いたくなほど好きだー!照れながらも久し振りに胸がときめいてしまっています!(^m^)
十代の頃好きだったものは一生ものなんだな!としみじみ思わせてくれた漫画でした。
飛ぶ教室 完訳版
2017/09/26 09:31
大人になっても新鮮に読める名作
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
長年読みたいと思っていた。どうせなら大好きなフジモトマサルさんのイラストのものを!と入手して暫し積む。やっと読んでみました。色々な本を読んできて、最近ちょっと「読書スランプ」気味かなあと思っていた中(加齢により感動中枢が鈍くなってしまったのか自分の読書ハードルも上がったのか激しく感動するものと出会い難くなってきているような)しみじみ読めて良かった…と手にしたハンカチをギュッと握る心持。淡々と紡がれる言葉の底に流れる得も言われぬあたたか味。人生は一筋縄ではいかないけど腐ってはいけない。ケストナーってすごい!
フワフワ
2017/05/07 10:42
そういう状況があればいい!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
読めば読むほど高畠さんの魅力のトリコになるような。個人的に今回の話もすっごい良かった!言葉はいらない、動物たちの表情を見ればそれだけでいい! 説教臭さも、何かの教訓的示唆も、ドドーンと凌駕して、ただ、そこにそれが起きてることを受け入れて、楽しむ。
今回は文章は高畠さんではなく、おおなり修司さんということだったが、これがなんの違和感もなく溶け込んでいるというか融合しているというか、独特の不思議ワールドが繰り広げられている。高畠さんの絵の何が好きといって、目つきかなあと思い至る。口元のへの字具合もとてもイイのだが、何よりうろんな目つきが、私の心に最高に響く。私も何かあったらあのような目つきで「ちょっとォ…」と佇んでみたい。
高畠さんのような絵本作家に出会えて本当に嬉しい。サイン本、宝物です!
まってるまってる
2017/04/26 15:42
不思議な登場人物たち、それだけで楽しい!
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大好きな高畠さんの絵本!ページをめくって、どんどん食べていく人たちが最後の方でのっびきならないことに…(;・∀・)その表情のなんとも言えない風情が高畠さんらし過ぎて痺れました。最後にスッキリした人々が両手を上げて晴れ晴れとする様子は、高畠さんにサインをいただいた後、大喜びして去っていく私そのもののようです。かっちりとした世界よりも、遊び心満載でシュールな世界が好きな私には大満足の一冊なのでした。
おしいれじいさん 特製版
2017/03/27 09:04
今は手に入らないの!?こんなに面白いのに…
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こんなに面白いのに今はもしかして手に入らないの!?と、ちょっとビックリしています。出版されたのは2012年とのことで、本屋さんで見付けてそのインパクトに棒立ちでした。
内容もまったりのんびりしていて、オチも「おおー!!」と思ったんだけどなあ…いかんせん、じいさんの容貌が怖いのは否めない…?(;'∀')私は大好きな絵本です。読後うちの押れにもじいさんが住んでいたら楽しそうなのにねーと娘と言い合いました。
カフカはなぜ自殺しなかったのか? 弱いからこそわかること
2017/03/17 08:59
カフカは迷い、惑い続ける
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カフカの作品をちゃんと読まずにコレ読む。後半はもう、夢中になって読みふけってしまった。
気持ちがわかる!と思ったことしばしば。が、究極に考えすぎで空回りし過ぎるカフカに「私はそこまでではない…」と遠い目になる。惑い、考え過ぎ完全に神経症になり、それでも尚クヨクヨ考え止まず。それはそういう生き方しかできないからなのだろうし、そのようなカフカだからこそ、後世に残り続ける作品を生み出せたのだろうなと思う。
身を削って文学を残した偉大な作家の人生を、理解深い軽やかな著者の突っ込みが重すぎない作品に仕上げています。読んで良かった!
