たこやきさんのレビュー一覧
投稿者:たこやき
2017/01/28 21:03
ついに怒涛のハイライト
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
(私が勝手に思っている)この作品のついに最大の山場にきました。
歴史に名高い「聖バルテルミーの虐殺」。
嵐のように血なまぐさい場面の、作者ならではの迫力ある描写、その中で翻弄されるヒロイン・マルゴは痛々しくもあり、同時にたくましくもあるように思われます。
この後、「三人のアンリ」の戦いがあり、マルゴににもさらに過酷な運命が待ち受けているはずですが、連載はどこまで続くのでしょうか?
願わくは、連載が中断されたり、編集の都合で駆け足のダイジェスト版になりませんように。
今と同じテンポで、最後まで描き切ってほしいです。
紙の本少年の名はジルベール
2016/05/16 20:18
感慨深いです
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
少女まんが史に燦然と輝く「24年組」のひとり竹宮恵子先生。
「風と木の詩」を世に送り出し、今日のBL隆盛の基礎を築いた偉大なる先駆者。
リアルタイムで追いかけていた自分としては、読まずにはすまされない本です。
他の人のレビューを読んで、好奇心を刺激された、ということもありました。
エッセイというよりは回顧録といったほうがふさわしいでしょうか。
あの頃、舞台裏ではこんなことが進行していたのか、と連載当時を振り返ると感慨しきりです。作品の産みの苦しみがこれほどとは、痛々しささえ覚えます。
特に、誰もが知る「大泉サロン」の盟友、萩尾望都先生に対する憧れとジェラシーのアンビバレンツがためらうことなく語られていること、その率直さに驚きました。同時に、彼女とは異なる道を選んだわけもすとんと胸に落ちた気がします。
現在は大学で教鞭をとっていらっしゃる著者ですが、願わくはもう一度、第一線に復帰してほしい、と思うのは私だけではないはずです、きっと。
2016/03/15 20:50
久々の長編がうれしい
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西洋史ものの長編とあって、作者の力量が存分に発揮されています。ジャンヌ・ダルクをヒロインに据えた大胆な設定には、かの大傑作「日出処の天子」が思い出されてうれしくなりました。火刑に処される直前のジャンヌの回想という形で物語は進行していきますが、細部までとても丁寧な描写がなされており、彼女が啓示(「レベレーション」)を受けて行動に移すことを決心するという、ごく初期の段階まででこのペースなら、相当な長編になるのではないでしょうか。ともあれ、今後の展開に目が離せません。
2015/08/22 13:16
ノンストップファンタジー
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
スカパーでドラマを見てハマったのをきっかけに原作を読んでみようと思いました。
映像化されたイメージが助けになったのかもしれませんが、すぐに作品世界に引き込まれ、続編も含めて、気づいたら24時間以上ぶっ続けで読み倒していました。ドラマを見ただけではよく理解できなかった異世界の設定の細部がよくわかり、読んでよかった~!昔〇ドカワ文庫で「見てから読むか、読んでから見るか?」という宣伝コピーがありましたが、この「氷と炎の歌」シリーズはどちらでもいけます。ファンタジー好きでイマジネーション豊かな方なら原作を先に、ファンタジーは取っ付きにくい、という方ならドラマを先に観ることをお薦めします。(DVD化されているのでレンタルできますよ)
電子書籍江戸の備忘録
2017/04/22 17:44
磯田ファンなので
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
某テレビの歴史番組で司会を務める磯田先生のファンです。
独自の視点で鋭く切り込む姿勢が格好いい。
そんな作者の歴史よもやま話は思わず「へぇ~」とうなってしまうことばかりでした。
お上に取られる「税」は、現代サラリーマンも江戸の農民とさして変わらない、などというくだりは、読んでいてなんだか腹が立ちました。私たちって実は重税にあえいでいるんじゃないか、って。こんな風に現代とリンクしているところもあって楽しいです。
映画「殿!利息でござる」は、同じ作者の「無私の日本人」をもとにしていたんですよね。大ヒットも納得です。
2016/08/20 20:47
映画が面白かったので
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
映画を先に観て、そのあとコミックスを読んでみました。
原作に忠実に作られていることが良くわかりました。
毎回同じ場所で、瀬戸と内海の二人がどうってことない会話をするだけなのに、
どうしてこんなに面白いんだろう!いい作品に出会えてよかったです。
映画の方はもう終了していますが、見逃した方はDVD化されたらぜひ観てみてください。キャスティングハマりまくりで、絶~っっ対面白いから。
2016/10/28 20:55
超オイシソー、でも
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
一件難しそうなレシピも、ストーリーの流れの中で紹介されると、やってみようかという気にさせられるのですが、自分はとんでもない料理オンチなので、食べたい、でも作れないというジレンマに毎回悶々とします。画が超オイシソーなだけに一層。やっぱりシロさんみたいな同居人がいないと無理だ!
2016/03/30 15:39
平安時代初期の歴史モノは貴重
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
歴史好きにはすぐそれとわかる在原業平と菅原道真、この二人にバディーを組ませる発想が秀逸。「陰陽師」の晴明と博雅を連想させますが、時代的にはグッと遡ったもの。百鬼夜行の京を舞台にスリリングなストーリーが絶賛進行中。それにしても、ホームズとワトソン、明智小五郎と小林少年のように、なぜミステリーにはバディーが似合うのでしょうか?
各話の間にある本郷和人さん(確か東大のえらいセンセイですよね?)の「平安時代講」も毎回面白くて、目から鱗です。
2016/03/15 21:43
歴史が苦手な人も
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
なんと言っても圧倒的な画力。表紙の装丁の美しさには新巻が出るたびため息が出ます。ヒロインは歴史好きにとっては有名な「王妃マルゴ」ですが、デュマの「王妃マルゴ」やそれを下敷きにした映画よりぐんとわかりやすく、読みやすいです。ヒロインの恋に焦点を絞って描いているからでしょうか。掲載誌が「YOU」ですしね。しかもストーリーはこれから史上に名高いかの「聖バルテルミーの虐殺」に差し掛かり、作者がこの大事件をどう描くのか、期待で胸がドキドキします。食わず嫌いの方にもお勧めしたい作品です。
2016/03/15 21:05
映画「俳優亀岡拓次」を観て
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ヤスケンのファンになりました。たまたま新聞のレビューでこの本が紹介されていたので、これはぜひ読まなくては、と。
著者と家族、主に父との思い出が語られています。どのエピソードも楽しく、二人の絆の強さに心が温かくなります。
決して多くはないけれど、娘のことに触れた部分もあり、父がそうであったように著者もまたとても良いお父さんなんだろうなあと想像します。私、ヤスケンの娘に生まれたかった!
電子書籍テレビじゃ言えない(小学館新書)
2017/04/22 17:06
あたりまえのことを言ってるのに
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
いかにもヤバそうでいて、実はどれもみな、あたりまえのことをあたりまえに言っているだけで、コレが放送コードにひっかかるって、今のテレビはなんて不自由なんだろう、と思いました。確かに下ネタもあるけど、不思議と下品な感じがしないんですよね。たけしの個性かな。
電子書籍は何冊か読みましたが、出先でスマホがあれば読める手軽さがありがたい一方で、気に入った個所を何回も読み返したいとき、紙書籍のようにパラパラとめくって探せないので、そこが不便に感じます。
場所をとらないのも良い点ですが、なんというか、紙の本に対するような愛着は持てないかもしれません。
2017/01/28 21:26
歴史の表舞台に
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ジャンヌが伝説の処女として人々の前に現れるの巻。
覚悟のほどを示すために髪を切るシーンは象徴的です。
荒くれ者の兵士たちとの行軍の途中、トイレを我慢したり、大勢の中から王太子シャルルを見出すときも必死で知恵をふり絞ったり、作者が描くジャンヌは、超人的な力を持つ「聖女」ではなくて、あくまで等身大の一人の娘です。
人々の思惑が渦巻く中、オルレアンの解放をどのように成し遂げるのでしょうか。続きが早く読みたいです。
紙の本あやかし草子
2016/08/20 21:48
ありきたりの結末でないところが良い
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人と、鬼やムジナや天狗など「人外のもの」の出会いを描く、創作お伽草子。
どれも結末が全く予測できず、いったいどうなることかと、思わずページをめくる手が早くなったものです。
ハッピーでもアンハッピーでもない、それらを超越した、とでもいえばよいのでしょうか、不思議な読後感でした。
今のところ一番のお気に入りは、「天つ姫」。聡明な姫と恐れを知らぬ天狗を結ぶ絆を、なんと呼ぶのか・・・ラストには思わず涙しました。京都の貴船神社に、寄り添って立つ杉と楓の古木があるそうですが、作者はここから想を得たのでしょうか?いつか実物をこの目で見たいと思いました。
紙の本ゆきがふる
2015/11/10 13:44
絵と文の絶妙なコラボレーション
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同じコンビの「うきわねこ」が大好きなので読んでみました。
読み終えてそこはかとなく物悲しい感じがしましたが、この雪の世界にはそれもまたふさわしいかもしれません。
これからの季節、絵本好きの人への贈り物にピッタリだと思います。
紙の本乱鴉の饗宴 上
2015/11/10 13:36
やっぱり先が読めない
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このシリーズの特徴は、主要人物がいとも簡単に死んでしまうことだと思います。なのでいったいどこに帰着するのか展開が読めません。そこがまた魅力の一つなのですが。
前作まではドラマ「ゲーム・オブ・スローズ」を見てから読んでいたので問題なかったのですが、今回はドラマの視聴と読書が同時進行だったため、ドラマと原作が頭の中でごっちゃになってしまいました(当然ですがドラマは脚色されていて原作とは離れている部分があります)。