sinさんのレビュー一覧
投稿者:sin
狂気の山脈にて 1 ラヴクラフト傑作集 (BEAM COMIX)
2016/11/17 10:00
逃げ場のない南極大陸で遭遇するまさにコスミックホラーな出来事が…
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
近年待ちわびていたデル・トロによる本作の映像化は立ち消えになってしまったようで残念だが、まさか田辺剛がこの作品を視覚化してくれようとは思ってもみなかったことで狂喜しているといって過言ではない。読み進めながら紙面に定着させられた情景は僕の頭の中で映像と化して展開していく、逃げ場のない南極大陸で遭遇するまさにコスミックホラーな出来事が…僕のワクワク感を刺激して止まない!
ぬけまいる
2015/11/09 11:03
痛快時代劇!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
お以乃、お志花、お蝶(猪鹿蝶)の幼馴染が突然江戸を離れてお伊勢さんへぬけまいり三人三様の異なった個性が助け合い時に諍いをうんでそれが却って絆を増していく、涙と笑い恋もありその道中のてんやわんや、さあさみなさんごろうじろ(笑)
鯖猫長屋ふしぎ草紙 1
2017/04/19 11:37
猫好きには一服の清涼剤
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
副題のふしぎ草紙なる言葉から、妖怪とかが出てくる流行りの時代劇ライトノベルかと思いきや、案外しっかりと構成されたミステリ要素の人情時代劇でなかなかに読ませる内容でした。何かにつけて凡人を装っている主人公がお猫様を立てるのが微笑ましくて猫好きには一服の清涼剤だし、筋が読めるので直ぐわかってしまった意外な黒幕やその手下たちの暗躍が話に上手く絡んで最後まで目が離せません。それにしてもあんなに重大な秘密が敵役にもばれてしまってこのあと面倒なことになっていきはしまいかと気をもんでしまいます。
上野池之端鱗や繁盛記
2016/11/29 11:54
そんな余韻を残すラストシーン
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
中盤までは繁盛記で主人公お末の奮闘記でもあるがそのお末ちゃん、どうやら見た目はパッとしないものの勘働きは鋭い様で、若旦那に向ける目はなかなかのもので、若旦那が抱える闇の部分を早くから嗅ぎ出して、幽霊騒動では朧ながらにその深層に行き当たる。繁盛記というより鱗や盛衰記と言っていいのかもしれないくらい、単なる料理屋の奮闘記ではないこの物語ではあるが、きっとこの最後の場面を越えたところに繁盛記が続いていくのだろう…そんな余韻を残したラストシーンだった。
アサギロ 9 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
2016/05/13 09:52
『新撰組始末期』再読したくなってきたよ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ひとっとこで足踏みしていた物語が動いて来たって感じがします。『新撰組始末期』再読したくなってきたよ
特捜部Q 6 吊された少女
2016/04/26 14:19
どんな幕ひきが待ち受けているのだろうか?
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
自ら死を選んだ警官の執念に引きずり回された今回の事件はその解明の課程でカール警部補の抱える過去の爆弾ともいえる2つの事件についてもじわじわとその真相に近づきつつあることが察せられた物語でもあり、何よりもこの物語の時間が現在の実時間に一気に追い付いてきたことから物語全体の結末に向けての加速を予感させられた。カールにアサドにそしてローセに一体どんな幕ひきが待ち受けているのだろうか?
ロックイン 統合捜査
2016/03/02 11:05
近未来SFミステリーの秀作です。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ある種のパンデミックを乗り越えた後に残された被害者達が独特の社会性を築いている…という物語の舞台設定が秀逸で、しかもその変換期に起こった奇妙な殺人?自殺?事件を発端にその核心に迫るまでがスピーディーに、ちょっとばかりご都合主義(笑)に展開していきます。そしていろんな意味で全てに関わりを持つ主人公が好感度抜群ないいやつですし、脇役もいい感じに曲者揃いでシリーズ化熱烈希望です。
居心地の悪い部屋
2016/01/28 11:49
傷が治りかけのかさぶたのように気になってしょうがない
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
繰り返し押し寄せてくる波に魅せられたように、1つの物語を読み終えると気づけば次の物語に進んでしまっていた。収められた作品はいずれも本の表題が示しているように居心地の悪い…そう、言い換えれば不安の塊のような感触を与えられるものなのに、気づけば読み終わってしまっていた。傷が治りかけのかさぶたのように気になってしょうがないといったところでもあろうか?
火打箱
2016/01/28 09:48
全ては運命の導くままに…
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
全ては運命の導くままに…多く童話は「むかし、むかし…」と始まることからもわかる通り、物語自体はすでに結末が決まっている。そしてこの物語も…青年は無欲ゆえの賢明さで宝を手にし、愛を知ることによって愚かな行動をとり、しかしそのような彼の行動の良し悪しに関わらず運命によって全てを手にすることになる。ただこの作品が他の童話と違う所:一度戦乱の血に手を染めた彼は「めでたし、めでたし…」では終わらなかったということ…
深海大戦 1
2016/01/20 16:30
凡百のバトルスーツモノに対するある意味アンチテーゼ…
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
先ず星野之宣『ブルーシティ』しかり田中光二『我が赴くは蒼き大地』など昔読んだ海洋作品を思い浮かべた。そんな肯定的な気持ちで読み進めてきたが、この作品はもっとすごい、今現在に一番近い近未来が舞台で日本の読者にとって解りやすいし、凡百のバトルスーツモノに対するある意味アンチテーゼでもある。すごい作者がいたんだと感動であります。
法医昆虫学捜査官
2016/01/18 17:34
“火曜サスペンスドラマ”
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
最近の刑事モノといえば警察組織を扱ったものが主流だが、この作品は捜査員が主体で物語が動いているので入りやすかった。そこに個性的な法医昆虫学者を絡ませて新たな切り口を加えたが、その学者の魅力的ではあるが行動力にあふれる人物設定のせいか、それぞれの動きが独立しすぎで内容的には面白いがしっくりこない感じを覚えた。筋立てとしては“火曜サスペンスドラマ”というところか(笑)
トワイライト・テールズ 夏と少女と怪獣と
2016/01/18 17:29
ワクワク:怪獣物語
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「生と死のはざまで」現実が少年を拒否したのか?少年が現実を否定したのか?「夏と少女と怪獣と」ボーイミーツガール&怪獣&ミステリ「怪獣神様」神は顕現してはいけない!その瞬間に物質(俗)と化し、傲慢な人間たちによって…「怪獣無法地帯」プロローグでなぜかしら“ジャミラ”をイメージしたが、女性ターザン秘境冒険物&エスピオナージ…いづれもバラエティーに富んだ4つの怪獣短編だ。「生と死のはざまで」の肩すかし感は残念だが、続く3編は味わい深い作品で、なかでも「怪獣無法地帯」の怪獣のスケール観に昭和のリアルを感じた。
野性の呼び声
2016/01/18 17:27
小難しくもなく読みやすい!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
差別・奴隷・労働搾取…深読みすれば取り方はいろいろあるだろうが、この物語からは生きることの本質を問われているように思えてならない。生き物本来のあり方や尊厳を…わが身に振り返ってみて果たして自分は自分らしく生きているだろうか?いや四の五の言わずにおもしろい!小難しくもなく読みやすい!文学と突き放さずにたくさんの方に読んでいただきたい名作です。
地底旅行
2015/08/25 16:53
すなわちこれぞSF!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
訳者はこの作品を空想と科学で分析しタイムトラベルであるとの興味深い結論に至っておりその上でSFであるとの意味づけをなされるのですが理論的に分析するあまり大切なものを見失っておられます。そうセンスオブワンダー!後に米で提唱されたこのSFマインドが150年も前のこの作品には横溢しています。すなわちこれぞSF!
残穢
2015/08/23 09:03
恐怖のあみだくじ
4人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「恐怖のあみだくじや〜」とかなんとかいって茶化しているわけではない。冒頭からは怪異に対して“怪談探索”の趣があって、その迫り方にドキドキしながらもある種楽しみすら覚えて読み進めていったが、段々に怖さが身近になっていく、その上怪異の元を辿ると新たな怪異に出くわすという連鎖する恐怖感だ…そこで冒頭の“あみだくじや〜”となる訳だが、そして物語によると残穢に影響を受ける人、受けない人…さて読み終わったあなたのくじはどこにたどり着くのだろうか?
