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風花さんのレビュー一覧

投稿者:風花

10 件中 1 件~ 10 件を表示

紙の本新美南吉詩集

2016/09/18 09:45

風景が広がる言葉

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

易しいことばで書かれていてすっと心に入ってきます。技巧的でないことばは、詩で描かれる風景を際だたせています。南吉は、何人かで集まり、ものがたることを大切に思っていたからか、人、植物、動物…何を題材にしていても、こそっと秘密を打ち明けられたような温かさがあります。解説は、童話との共通点などもわかりますし充実しています。最初に南吉の詩を読むならこの本がおすすめです。

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紙の本岸辺のヤービ

2015/10/19 20:53

あたたかい集大成

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ジャンルとしては児童書ですが、他の生き物の命を奪うこと、神様を発明した人間のこと(ここでとても素敵な「詩人」マミジロが出てきます。)、子ども時代、自然と人間など、梨木香歩がこれまでずっと追求してきたことが素敵な児童文学になっていて感動しました。ノートンやヤンソン、『ニルスの不思議な旅』などを思い出します。
 硬い文体でもなく、読者はヤービたちの視点でわくわく読み進められます。続編が待ち遠しい一冊です。

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紙の本ペンキや

2016/03/05 22:58

人生を塗り込める芸

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この絵本に限らず、梨木作品では、食・織・描く・塗るといった職人仕事がモチーフとして取り上げられることがあります。

 人の生活や気持ちに寄り添うものとしてそれらの仕事が取り上げられていて、ときにその取り上げかたは取っつきにくいほどストイックになることも・・・

この絵本では、子どもであるシンヤを主人公にすることで、取っつきにくさが薄れていますが
ひとそれぞれの人生に寄り添う色をつくる
という職人芸は、他の作品よりも強く印象に残ります。

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境目

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

・母ワニと子ワニの関係
・カメレオンの意味
・ライオンと子ワニの関係
 すべての要素から考えさせられるのは「境界線」ということだと思う。
他者と自分の境界線を引くとはどういうことなのか、
境界線をなくすことを突き詰めたらどうなるのか(子ワニとカメレオン)
境界線がないと思っていたところに、実は存在した境界線(母ワニと子ワニ、子ワニとライオン)…など

出久根育さんの挿絵は、細かい所で色々発見があった。それは梨木香歩さんの本文と似ているのかも。

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紙の本ジヴェルニーの食卓

2015/08/25 20:08

調査力と芸術への憧憬

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

緻密な調査と、読み終わって、知っている絵を思い浮かべてしばらくじっとしていたくなるような余韻が両立していてすごい。好みだ。画家本人でなく身近にいた第三者による語りは、絵を描くことをただ神聖なものとして美化していないし、有名になればついて回るお金の問題や女性関係なんかにもふれている。その上で根底には画家としての目を持った人に対する憧憬(敬意)があるのがいいなと思う。今までもこういう小説はあったのかもしれないけれど私は知らなかった。手元に置いておきたい一冊。

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音楽が……

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

収録作品の一つである『ケルトの白馬』。主人公の少年ルブリンは音楽や温度を絵にしようとします。古くからある、かたちがないものを感じ取って形に残そうとする衝動が、易しく美しい言葉で書かれていると思います。印象に残ります。

みじかいですが、古代ブリテンを目の前に感じられる多くの描写があり忘れられない作品です。



 
 もう一編は、ケルト人に対する態度など異文化との向き合い方を考えさせられます。

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紙の本ひぐれのお客

2015/11/02 18:33

色と夢と現実

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

収録されたどの話も、色が印象的に使われている。たとえば「銀のくじゃく」。機織りの夢が語られる冒頭が良い。自由に憧れた姫達も塔を守り再興しようとする老人も自分の願望を人に託すだけで勝手に思えた。機織りは一心に役割を果たす事で登場人物の誰も見えなかった海そのものになる。現実の中の美しい夢。機織りを探しに来た弟の孤独は描かれない。
 そんな風にひとの孤独もしっかりと描かれどこか寂しいながらも心に残る話ばかりな一冊。

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さびしさの効用

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

若山牧水という歌人の魅力が対談形式で次々に明かされるのが、この本の一番の良さだと思う。
この、「対談形式」というのがまたひとひねりあって、牧水研究第一人者とその教え子堺雅人との対談。
伊藤先生と、堺雅人さんとの高校時代から続く関係性がいいからなのか、構えることなく読んでいて気づいたら牧水の人生の深いところまで覗くことができていた、という気にさせられる。
「あくがれ」は「有限の人間が求める力強さ」(伊藤)、「さびしさと生命力が、対立する言葉じゃない」(堺)という解釈が面白い(p143~145)。
 
 文字で表現する「短歌」と、身体表現を伴う「演劇」という二つのフィールドが出会った時の化学反応が楽しい一冊でもあります。

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紙の本辻征夫詩集

2015/11/12 06:48

疎外されている

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ということが、マイナスの現象でなく、どこか、自由へと繋がっているのを感じる詩が多い。


たとえば次の一節。



わたしは窓を開けないで窓を
閉じたままにする
わたしは部屋もこころも暗くして
わたしは閉じこもった野犬になりたい
わたしは生まれながらの野犬なのかもしれない
(『谷川俊太郎編 辻征夫詩集』「野犬」より抜粋)


 平易な言葉だからこそ深く心に残る詩。
 全体の分量も割合気軽に読める量ではないでしょうか。おすすめです。

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紙の本聞耳の森

2015/08/25 20:43

静かな語りかけ

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土屋仁応さんの彫刻作品集。岡崎の志村ふくみさん洋子さんの展覧会で実物をじっくり見たため、写真では微妙な発色や木の肌触りが伝わってこないかと思い買うのを躊躇っていたが、買って良かった。本という形で残っているのが嬉しく思える。何度も見てしまう。土屋さんの後書きが印象的。

「期待された役割を担うために、彼ら(「見たことのないいきもの」)は相応しい能力を持ち、相応しい姿をして、相応しいどこかでひっそりと息づいている。誰も見たことのない彼らのその姿をありありと思い描くことは、託された祈りや願いを形にする一つの道のように思う」。
 
 人間が「見たことのないもの」に託す「祈り」を形にするという発想は素敵だ。この発想から出発して彫られているから、土屋さんの彫刻は見た人にそっと何かを語りかけているかのような印象を残すのだろう。それは「祈り」かもしれないし楽しい誘いかもしれないし言いたくても言えないかなしい秘密かもしれない。 
 その内容はきっと、見る人によって自由に変化する。

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