すてらさんのレビュー一覧
投稿者:すてら
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2015/08/30 12:59
森史朗版「ミッドウェー海戦」
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ミッドウェー海戦については、数多くの情報が出回っているが、この本を読んで、
これまで知らなかったり、知っていたつもりで誤解していた知識を得ることが
できました。
・利根四号機の発進は遅れたが、機長の独断による往路途中左折により、
結果的に米機動部隊を発見することができたのだが、臨機応変な対応ができず、
折角の偵察情報を活かすことができなかった。
・インド洋作戦を終えて内地に戻った後、ミッドウェー海戦に向けて出撃する前に、
大幅な人事異動があり、慣れた職場から不慣れな職場に変わったばかりの者が
大勢いた。
・第一次攻撃隊の総指揮官を務めた友永大尉は、古参搭乗員ではあったが、
中国戦線での実戦経験は6ヶ月であり、その後内地で長く教官を務めており、
ミッドウェー海戦直前に実戦部隊に復帰したばかりだった。
・ミッドウェー海戦の勝利により、一躍有名になったスプルーアンス提督だが、
実際はフレッチャー提督が上席の指揮官だった。
慎重居士といわれるスプルーアンス提督だが、むしろフレッチャー提督の方が
攻撃隊を二分して後発隊を待機させる等の慎重策をとり、
スプルーアンス提督は1回の全力攻撃に賭ける積極策をとった。
史実の記述に、関係人物のエピソードがバランス良く織り込まれており、
読み物としても優れていると思います。
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