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黒酢さんのレビュー一覧

投稿者:黒酢

20 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

期待外れ

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者のtwiiterをよく見ていたので購入。

世論調査の手法についてわかりやすく説明がされており、世論調査が一定の信頼性があるものであることがわかる。

しかし、世論調査の結果や選挙結果に対する原因の考察については(第5章)、急に、網野義彦氏の村の形成の東西差が出てきたり、付け焼刃という印象を受けた。
そこまで歴史を遡る必要があるのか疑問。東日本が現在、比較的に野党優勢なのは、自民党から離党した有力議員の地盤が結構あることも理由も一因であるが(例えば、小沢一郎や田中真紀子など。離党前は、岩手や新潟は自民党が強かったが、離党後は、県連がボロボロに)、本書では言及ない(小沢氏の名前は何度も出てくるのに)。

また、投票率の急落および無党派層の急増が1990年代に起こった原因については、著者は、当時の政府、与党が、ブラック企業や非正規雇用についてきちんと対策しなかったからと言うが、これは著者が若いためか、ずいぶんと的外れと感じた。
1990年代といえば、バブル崩壊によってリストラが吹き荒れた時代で、当時はブラック企業や非正規雇用という言葉さえ無かった。リストラで、労働組合は組合員を全く守れず、労組の影響力が大きく低下したことは、投票率急落や無党派層急増の一因であろう。

更に、客観的な記載の合間、合間に、共産党を含む野党が選挙協力すれば、自民党と公明党の与党に選挙で勝てる旨の記載を入れてくる点が気になった。

政策の違いについては、選挙の公約なんて、選挙後に守られたことなんてないという趣旨が書いてあり、選挙における公約の位置づけについては、この本では軽く扱われている。
但し、沖縄の基地問題についての住民投票に関しては、実施までの経緯について自民党系の市長らが投票事務を拒否したとして、民主主義への挑戦だと非難している。著者は、政策は、選挙ではなく、住民投票で決めれば良いという立場なのだろうか? また、投票事務は、市議会が予算案を否決したという事実がこの本には記載されていない。

共産党を含む野党が選挙協力して与党勢力となった場合、どのような政策が行われるのだろうか?
過去、政権交代で、自民党の一部と社会党の一部を含む民主党政権となった時、どのような政策が行われたか、著者は、もう忘れたのだろうか?それとも若いため、知らないのだろうか?
政権内で政策が違い過ぎて、何もできなかったのである。3年間で唯一できたのは、消費税増税のみ。そして、民主党は分裂してしまった。自民党麻生政権は、本当に酷かったが、民主党政権も酷かった。
あれを再び行うというのであろうか?しかも、今度は更に共産党も加えて・・・。

twitterでは中立的と感じていたが、この本には、共産党に大変喜ばしい趣旨が刷り込むように挿入してあり、なんだか残念な読後感であった。

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紙の本

日本の対ロ外交を考える上での必読書!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

一時期、安倍総理がプーチンと2島返還で日露平和条約が締結される!というような言説が報道されていたが、この本を読めば、そんなことは絶対に起こらないことがわかります。

本書は、「ロシアの正体」とは、
ロシアが、近隣諸国(もちろん、日本を含むし、筆者のウクライナも含む)にどういうことをしてきたのか。
プーチンという人間がどういうことをしてきた人間なのか。
プーチンをロシア国民がどう考えているのか。
ロシア国民が日本、日本人をどう考えているのか。
・・・等を知ることで、だんだんとわかってくるという構成です。

私にとって全く新しい知識としては、ウクライナのソ連崩壊から現在までの政治の流れについてです。

ウクライナにも平和ボケがあったんだ!

必読です。

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紙の本

戦争の開戦と敗戦の理由を探る

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

まず、この本は、「コミンテルンの謀略」が「日本の敗戦」を招いたという内容の本ではありません。

コミンテルンの謀略というと、すぐに「陰謀論だ!」と脊髄反射する人がいますが、この本では、ロシア革命までの失敗の連続と最後の成功の歴史を紐解き、過去の事実から、コミンテルンが日本で革命を成功させるための謀略を説明しています。

このコミンテルンの謀略が、日本で成功したか否かについては、この本では全く言及されておりません。それを検討するための資料は一切なく、真実は闇の中です。

この本では、コミンテルンの謀略の通りのストーリーが日本で起こってしまったのは、日本の当時の社会情勢に起因すると主張しています。

明治維新から、日清戦争、日露戦争を経て、日本のエリート層、特に、将来のエリート層を担う若者達が、どういう状況であったのかを、かなりわかりやすく、一人一人の若者達の目線から説明しています。
題名から、非常に硬い内容を想像しましたが、非常に読みやすい文章で、わかりやすかったです。

一般的には、戦前の社会状況というと、天皇を崇拝する右翼が軍国主義に走ったために日本が戦争に引きずり込まれ、左翼は戦争に反対したため弾圧されたというように説明されますが、本書を読むと、全く違ったことがわかります。

本書では、当時大流行した共産主義の思想に共鳴する左翼と、それに対抗する右翼という2つのカテゴリーに分けるのではなく、左翼全体主義者と、右翼全体主義者と、保守自由主義者という3つのカテゴリーに分けています。そして、保守自由主義者にクローズアップして本書は進行していきます。

当初、保守自由主義であった者たちが、左翼全体主義または右翼全体主義へと思想が変わっていきます。右翼と左翼は、全く正反対の思想のようですが、右翼全体主義と左翼全体主義は、とても親和性が高いことが説明されます。

例えば、515事件や226事件の青年将校らの決起文には、天皇を中心に新たな政治体制をつくることが謳われているものの、それ以外は、今の政治家や、資本家、軍上層部は、全て腐っており、全員抹殺して、庶民による新たな日本政府を建設せよ!と共産革命と同様の内容が謳われています。

本来の日本の伝統を重視した保守自由主義者(例えば、美濃部達吉など)が、右翼全体主義者から弾圧され排除され、右翼全体主義者が政府を支配するようになります。しかし、その思想は、天皇陛下の位置づけを除いて、左翼全体主義者とほとんど変わりのないものでした。ゾルゲ事件の尾崎秀美が近衛内閣の中枢にいたのも、企画院事件のように政府に多数の共産主義者が雇用されていたりするのも、当然の結果といえます。

本書では、このように本来、保守自由主義者であった若者達が、なぜ、右翼全体主義者や左翼全体主義者となってしまい、革命のために戦争に突き進んでしまったのかについて、いくつかの理由を提示しています。さて、その理由とは?

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紙の本

日本国憲法典だけでなく、憲法を知ろう

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

憲法学とは何か?

日本の憲法学者の多くは、日本国憲法典を神学的に解釈することを専門とする学者であって、決して、憲法の学者ではないという筆者の苦言は、各州に独自の憲法を有し、かつ連邦憲法も有するアメリカという国の大学で、憲法を専攻した米国弁護士だから、説得力がある。

なぜ、憲法があるのか?アメリカでは、各州が独立しており、連邦憲法がなければ、合衆国という一つの国にまとまることができなかった。日本は、西洋列強に不平等条約を結ばされ、平等な条約を結びなおすためには、憲法典を制定して近代国家であることを示す必要があった。このように憲法といっても、国によって色々なバックグランドによって制定されており、日本の憲法学者の説は、非常に偏っており、広く憲法学という観点からは、全く的外れな見解が多いというのがよくわかった。

その他、憲法9条があっても日本は既に戦争をしかけられていた、そして負けていたという事実や、日本国憲法は既に何度も改正したという事実の指摘についても、非常におもしろかった。

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紙の本

卑弥呼が誰だがわかる

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

しかし、全体の内容が難しい。

古事記の内容を知っている人は、スラスラ読めるのかもしれないが、この本を古事記の入門にしようとかと思った私には、難しかったです。

ただし、卑弥呼が誰かという部分について、結構わかりやすく書かれているので、その点ではよかった。

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紙の本

紙の本日本一やさしい天皇の講座

2017/06/13 10:31

日本がイラクやアフガニスタンにならないために

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本が第二次世界大戦で大負けした後、現在のイラクやアフガニスタンのような国内の酷い混乱を経ずに平和に復興できたのは、どうしてでしょうか?

もちろん、国民一人一人の努力の結果だと思いますが、現在のイラクやシリアで、そのような努力ができたのでしょうか?その努力が結果に結びついたでしょうか?

国内の権力争いが、酷く長い内戦にならず、比較的に平和に決着がついたのは、天皇が利用されてきたから、という話です。
戦国末期や明治維新などの例が挙げられています。
一方で、天皇が原因で無益な(?)内戦が生じた例も挙げられています。
その他、歴代天皇の善政、悪政などが挙げられています。

過去を知らないと、未来は語れない。

日本の未来が平和であるためには、国民一人一人が歴史を知るべきであることがよくわかりました。

本文には、天皇の名前にふりがながありませんが、巻末に歴代天皇がふりがな付きで掲載されています。

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紙の本

紙の本戦争にチャンスを与えよ

2017/05/02 11:59

刺激的な内容

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書は、戦争の善悪ではなく、戦争が本来的に備える機能を、現実に即して説明しています。

戦争って、そもそも何だろう? どうして人類は戦争を続けてきて、今もなお続くんだろうか?
そういう疑問をお持ちの方は、本書に回答があります(正解かどうかは知りませんが)。
現実に即した(バルカン半島やアフリカの内戦などの実態に基づいた)一応の説得力がありますので、戦争について考える上で、非常に有益な考察だと思います。

個人的には非常に刺激的な内容で、読んでよかったと思いました。

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紙の本

紙の本嘘だらけの日仏近現代史

2017/03/30 18:51

日仏の関係は薄かった

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日仏近現代史ですが、日仏関係については分量が少ないです。それだけ、日仏関係が薄かったということですが。

フランスの歴史については、私は安達正勝氏のフランス革命の本を読んだぐらいだったので、フランスの国の成立から現代までの流れを把握できて、とてもよかったです。

読んだ感想ですが、フランスって、戦争で負けてからが勝負だ!って感じで、すごいです。このふてぶてしさは、日本人には無いと思いました。日本の文化は、大げさに言えば、負けると決まる一歩手前で、負けを自分から認めて、切腹するのが美しいという感じですから。

気楽に読める内容ですが、よくよく考えると結構ヘビーな奥の深い本です。

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紙の本

年金だけでなく、保険、税金の基礎知識も

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

年金の基礎知識がなくても読みやすく、わかりやすく書いてあります。

通常、この手の本は「年金は破綻する!!」という不安を煽るものが多いですが、この本は、国民年金や厚生年金は破綻しないことを数学的に説明しています。
数学の難しい話がでるのかと思いきや、数字を丸めると、簡単な暗算でわかってしまう話です。
ただ、数学的には破綻しないだけで、年金行政や経済政策が暴走すれば破綻もありうるという但し書きはつきます。

また、厚生年金基金については、逆に、著者は、財務省の役人時代に、破綻するぞ!という論文を書いて雑誌で発表しており、見事!的中させていました。

このように、年金について財務省の現役時代から詳しい方が書いた本で、しかもわかりやすいので、制度の基本を押さえるのにはお奨めの本です。

なお、本の題名は、かなり刺激的ですが、次々と嘘を暴く!というような内容ではなく、マスコミが年金の不安を無用に煽っていることを批判する程度です。

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紙の本

紙の本東京都の闇を暴く

2017/03/23 13:55

期待していたのに・・・

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本の内容および音喜多氏の都議として資質に期待していたが、読後感はガッカリとしかいいようがない。

本の内容は、音喜多氏のブログの内容を基本にしつつ、表現をマイルドに修正したり、説明を補充したりとして、書籍として読みやすいものとなっています。

しかし、以下の点が、よくわからない。

「舛添問題とは何だったのか」という項があるが、答えがインチキくさい。本の結論をここに書いてしまうと、「民意です」とあるが、それって「闇を暴く」という割には表面的な話で終わりか!という印象しかありません。
なお、舛添氏と公明党の関係については一切記載はありません。

二元代表制では議会はオール野党でよい!「知事与党」なんていらない!という一方で、「小池新党」の必要性についての説明は、ゴニョゴニョゴニョ(p142)。

豊洲の「盛土」問題について、説明をした事務職の都職員も建物の下に盛土があると思い込んでいたのだから、都議が正しい事実を把握する等のことは「非常に難しいのもまた事実です」と言いつつ(p164~165)、当時の石原元知事の責任に言及するのも(p167)、なんか読み手のテンションが下がります。

建設公債について、その趣旨である、「世代間の公平性」について疑問を呈するのは良いのですが、都から転出する人は、建設時に税金払っても完成時に受益できないから「公平性の観点から著しく不平等です」(p173)という理屈には、なんか原理主義的な臭いを感じて正直ひきました。

また、「一方では借金をしながら、その一方で貯金をしておく。ブレーキを踏みながらアクセルを踏む。これは行動的にも理論的にも、財政のダブルスタンダードであり」(p175~176)とある点もビックリしました。住宅ローンを組みながら貯金もする家庭や、銀行に借金をしながら内部留保を増やす会社は、一般的だと思います(というよりもキャッシュフローの面からは非常に望ましい)。

財政規律を原理主義的に信奉しているようで、ここで非常にテンションが下がりました。
ここで私見を述べますが、都の税収なんて景気に左右されるものであり、都の税収に見合った予算しか組まないとなると、継続して安定した行政サービスを都民は受けられないことになります。特に不景気の時ほど、行政サービスを頼りにする都民の数は増える傾向にあるのに、行政サービスは質および量で低下を余儀なくされます。それって、本当に都民のためですか?
「都民ファーストの会」じゃないんですか?
財政規律って、行政サービスができない都(行政)や都議会の免罪符や、増税の都合のいい理由であり、本当に都民のためのものですか?
という疑問を強く感じました。

借金や貯金を、有るか無いかの定性的に見るのではなく、今の経済状況で、どのぐらいの借金をして、どのぐらいの貯金をしているのが、長期的に安定で有利なのかという定量的な物事の見方が必要です。
この定量的な物事の見方は、なにも都の財政に限ったことではなく、化学物質の安全性など、多くの分野でも必要なものです。
正直、著者は定量的な物事の見方ができないから、豊洲の地下水問題で・・・と思ってしまいました。

本の内容には非常に有意義な知識、情報が多く含まれていますが、読後感は、ガッカリです。残念です。

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紙の本

信長の経済政策とは?!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「経済で読み解く」シリーズの第3弾。
今までの2作は、それが起こるまでの経済状況を詳細に検討することで、戦争や維新の必然性について論じたものでした。
本作も同様の流れで構成されていますが、本作では、信長の経済政策について、簡単に行った事を挙げて、それについての評価もあります。

個人的な読後感として、前2作は、「歴史教育に騙されてた!そうだったのか!経済政策ってめっちゃ大事じゃん!」的な、ある意味、ヤバイ爽快感がありましたが、今作は、馴れもあってか、「なるほどね。信長もさすがにマクロ経済を先取りできるような超天才ではなかったか」という落ち着いた読後感でした。

すなわち、信長の等身大の姿がわかる(それでも戦国時代のグダグダをレジュームチェンジした天才の姿がわかる)経済本です。

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紙の本

憲法の本当がわかる本

2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

テレビ、新聞、ネットで憲法のことが書かれていると、日本国憲法のことしか書かれていないので、それが普遍的な憲法の概念として正しいものと受け取ってしまいます。

この本は、他国の憲法を知ることで、憲法って、そもそも何かということがわかる本です。

私が興味深いと思ったトピックスは以下です。

1.憲法は、権力を規制するためのものであり、国民一般は憲法を守らなくてよいと日本ではまことしやかに言われていますが、そんなことを言っているのは、日本ぐらいなこと。

2.日本の憲法改正は他国と比べてハードルが特別に高くないと言われていますが、実際は、世界で1、2位を争う程のハードルの高い国です。

3.徴兵制は憲法違反と日本政府は解釈していますが、そのロジックは、国際的認識からは全く懸け離れたものであること。

その他、コスタリカ憲法が軍隊を恒常的に持たない規定になっていることは有名ですが、そのような規定になった歴史的経緯について、知ってビックリです。

これを読んで本当に良かったと思いました。
文章も読みやすく、お奨めです。

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紙の本

がっかり

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

youtubeでモーリーロバートソンとの動画を見て、著者の話が面白かったので、ためしに本書を読んでみたが、全く面白くなかった。

この本は、著名な政治家や国際政治学者の国際秩序の理論や言説を引用し、それを筆者の言葉で説明するのだが、概念的なことを何度も同じように繰り返し書いてあることが多く、全く説得力がない。たとえば、それを裏付けるような歴史的事実の詳細を国際政治を背景に説明すれば、もっと面白くなりそうだが、○○戦争が起ったとか、平和が長かったぐらいの言及しかない。そもそも、本書は、各戦争の原因について何の言及もない。

また、本書は、時代の流れに沿って書いてない。急に昔に戻ったり、一気に進んだりを繰り返し、本当に読みにくかった。

新書にしては厚めの本であったが、内容が薄い。3分の1にはできると思う。

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紙の本

知っておきたいアメリカの政党事情

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本では東京裁判自体については特に議論されておりません。
この本は、なぜ、アメリカは東京裁判なんて後世で批判されることが自明なことをやってしまったのかという、アメリカ側の事情を解説したものという印象を受けました。

正直、アメリカの民主党と共和党による二大政党政治は、テレビや新聞で見聞きするぐらいのことしか知りませんでしたが、この本では、第二次世界大戦前の政治情勢から、開戦、終戦を経て、冷戦、現代までのアメリカ国内の動きが、時系列で説明されているので、よくわかりました。

また、ヴェノナ文書について、その名前は知っているぐらいでしたが、これはパナマ文書といった不法に流出した文書とは全く異なり、アメリカ政府が公開している公文書であることを、この本で知りました。
そして、アメリカには共産主義者なんていないという印象でしたが(冷戦でソ連と激しく対立していたし)、戦前から現在までも沢山の共産主義者がスパイとして、時には本人の認識なしに(Dupesと呼ばれる)、政府やマスコミで活動していることを知りました。

トランプ大統領候補がなぜ、アメリカのマスコミから総バッシングを受けたのか、それにも拘わらずクリントン候補になぜ勝ったのか、ということも、なんとなくわかりました。
(日本も、テレビや新聞では安倍総理や自民党のバッシングばかりしていますので、テレビや新聞からでは、安倍政権の支持率が高く選挙でも圧勝していることがわからないのと同じです。)

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紙の本

紙の本中国4.0 暴発する中華帝国

2016/04/08 11:21

中国論ではなく戦略論の本です

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本のタイトルは「中国4・0」ですが、現在の中国を事例にして、ルトワック氏の「逆説的論理」という戦略論をわかりやすく説明した本です。

本全体の頁数は約200ページで、最近の新書としては比較的に薄い本ですが、内容は非常に濃いです。

中国の戦略が、大成功した中国1・0から、中国2・0に移って失敗し、その修正としての中国3・0もダメで、よって、今後の中国4・0という戦略は、こうあるべきという流れで進んでいきます。私は著者の戦略論の全てに賛成する訳ではないですが、非常に説得力があります。読んで損はないし、それどころか、戦略というものを考える上では、彼の「逆説的論理」は知っておくべきことだと思います。

「逆説的論理」から派生するキーワードが沢山でてきますが、私がとても興味深かったものを以下に挙げます。

「大国は二国間関係をもてない」
「大国は小国に勝てない」
大国だろうが小国だろうが二国間関係はもてるでしょうし、大国なら小国に勝てるでしょうと思いますが、そうはならないのが「逆説的論理」です。なるほど、という説明があります。

「海洋パワー」と「シーパワー」
地政学でおなじみの「シーパワー」ですが、それとは異なる「海洋パワー」というものがあり、この違いがわからないと戦略的に負けてしまうということが、わかりやすく説明されています。

「共産党体制を維持するための反腐敗運動が逆に共産党を崩壊させる」
現在行われている習近平の反腐敗運動は、汚職が蔓延している共産党体制を改革し、維持するためのものです。しかしそれが逆に・・・という話です。ソ連の崩壊を例に説明がされており、説得力があります。

その他、「逆説的論理」ではないですが、現在の日本と韓国の関係の説明で、第二次大戦後のドイツとオランダの関係の話が興味深かったです(単純に私が知らなかったということですが)。

中国の戦略だけでなく、戦略論という一般的な思考法を知りたいという方にもお奨めです!

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