暴れ熊さんのレビュー一覧
投稿者:暴れ熊
紙の本日本国紀
2019/02/02 17:00
近現代史が特に良い。
9人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本の面白い所は、単に歴史を語るだけでなく、「私は~だったのではないかと思う」とか「もし~だったら、その後の日本は…だったろう」など、筆者が随所に顔を出して語っている所である。
また、小説家らしく、人物に焦点を当てているところが、他の歴史概説書とは違うところだろう。一つ思ったのは、西郷隆盛に対する評価があまり高くないのかなと。
読みだしたら止まらなく、一気に読むことができる本だというのも、小説家としての力量だと思う。
近現代史は筆者の面目躍如で、とても詳しく面白い。ワクワクしながら読むことができる。自虐史観の誤りを正しているので学校の教材として使っても面白いと思う。
一部に「翼賛本」という評があり、実は書店に並んでからも買うのをためらっていたのだが、全くそんなことはなく、日本人の良い所も悪い所も、実に公平に書かれている。そんな日本人の良い所、悪い所を認めたうえでの日本人、日本国に対する筆者の愛情が感じられ、買ってみて良かったと思った。
多くの人に読んでもらいたい本である。
紙の本人間の分際
2015/09/27 16:14
うなずきながら読んだ。
7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
うんうん、その通り、と思わずうなずく言葉に満ちている。
己の分際を知ること、運命を受け入れること。戦後この美しい生き方がずいぶんないがしろにされ、他人や国家や社会のせいにする風潮が蔓延した。
しかし、この本が売れているということは、まだまだ日本も捨てたもんじゃないということだ。
著者の過去の作品のアンソロジー的体裁を取っているので、ここからさらに著者の著作へ進むことができる。
紙の本新型コロナ7つの謎 最新免疫学からわかった病原体の正体
2020/12/28 17:24
客観的、科学的で良心的な書
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
そもそもウイルスとは何か、免疫とは何かというような、基本的な知識から、素人にもなるべくわかりやすいように書かれています。
科学的なエビデンスに基づいて、わからないことはわからないと書いているところもとても良心的だと思います。
思い込みに基づいて断定的に述べている箇所はありません。
過度に恐れるのは間違っているが、かといって、まったく対策をしないのも間違いである。
中庸、中立、客観的、科学的な立ち位置から書かれた良心的な本だと思います。
コロナ関連はこれを含めて3冊読みましたが、これが一番納得できました。
読むべき本です。
紙の本総理
2016/07/21 11:58
思わず落涙した。
7人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
政治ノンフィクションを読んで泣いてしまうとは思わなかった。
安倍首相とその周辺の人物たちに迫ったノンフィクションだが、取材対象に肉薄する筆者の力量に感服。さらに、安倍政権の志の高さに、思わず涙ぐんでしまった。
安倍政権によって、日本を取り戻す闘いのとば口に立ったに過ぎない。
まだまだ長い道のりは続くだろう。
安倍首相にはもちろん、当初の志を忘れることなく頑張ってほしいし、それに続く政治家も続々と出てきてほしい。
紙の本ろまん燈籠 改版
2015/10/16 11:15
味わいある作品たち。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
表題作の「ろまん燈籠」は、ある家の兄弟姉妹がリレー形式で物語を紡いでいく話だが、とても面白かった。物語の内容も、そこに込められたメッセージも。やはり文豪の作品は読むべきだと思った。なぜなら、文体があり、その文体によって、作品が文藝となっているからである。現代の流行作家はプロットは面白くても文体がつまらないという場合が多い。そういう作品はドラマ化した方が面白かったりする。だが、文豪の作品は違う。それは文体自体を味わう文章だからである。プロットのみならず、文体自体も作品の味の要素となっているのだと思う。
表題作だけでなく、他の作品も面白かった。特に私のお気に入りは「令嬢アユ」である。かつての日本のおおらかなあり方が伝わってきた。
これからも、昔の文藝を読んでいきたいと思う。
紙の本本当はこわくない新型コロナウイルス 最新科学情報から解明する「日本コロナ」の真実
2020/10/05 13:36
客観的記述で安心して読める
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
新型コロナについての基本的な知識が得られます。
各章ごとに、我々が疑問に思う点についてのQ&Aや、「まとめ」がつけられていて、とても親切で読みやすいです。
新型コロナについていろいろな本が出ていますが、純粋客観的に医学的見地から書かれているので、安心して読むことができました。
一家に一冊常備しておきたい本です。
2018/02/14 15:07
とても面白い!
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
島国で単一民族・単一国家を歴史的に維持してきた日本人だが、世界は民族の移動によって国が興亡しているということがとてもよくわかる本だった。筆者は某予備校で講師をしていたそうで、さすがにわかりやすく書かれている。章立ても、小見出しもわかりやすい。ただ、最後が何となく尻切れトンボな終わり方だったのが残念。しかし、世界史の勉強、世界史を有機的に理解するにはとてもよい本だったと思う。くりかえして読み、理解したい。
2018/02/07 15:03
好著。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「なぜそうなったのか」ということに力点を置いて書かれている好著。歴史は知識の暗記ではない。筆者・本村先生がおっしゃるように歴史は現代史であり、今起こっていることはすでに世界史に中にある。
中華帝国の特異性についても書かれており、好著。
特に、最後のページには筆者の熱いメッセージが込められているような気がしてならない。曰く、退廃に向かう社会では、人は自分にも他人にも優しくなっていく、と。
優しいことそれ自体はいいことなのだろうが、厳しさをも忘れてはならない。
紙の本東京と神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる
2017/11/26 10:23
リアリズムに徹した好著
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
さまざまなデータを駆使しながら書かれた好著である。
日本に必要なのは、こういうリアリズム思考であろう。
多くのメディアは、「こうあってほしい」「こうであるはずだ」という根拠のない願望に基づいて国際情勢を報じている。
だが、著者は現状を冷徹に分析し、日本の敵国(主として中共)ならばこういう発想をするはずだと考える。
現実を現実として認め、備えるべきだ。国民も、また政治家も。
多くの人がこの本を読んでほしいと思う。
紙の本ルナティック雑技団 1 新装版 (りぼんマスコットコミックス)
2017/09/23 11:44
よみがえる名作「花のいたづら」
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
『ルナティック雑技団』は、以前単行本を買っていたのだが、実家のどこかに散逸してしまったらしく、好きな時に読めない状態だった。偶然にも新装版が出されたことを知り、迷った末に買った。というのも、以前の単行本に収録されなかった作品やコーナーが収録されていることを知り、決して無駄にはならないだろうと思ったからだった。
果たして、大当たりだった。
「花のいたづら」が特にいい。リアルタイムでは読んでいなかった作品だった。
はじめはギャグ漫画なのか何なのかよく分からなかったが、読み進めていくうちに……。
大泣きした。
やっぱりあーみんは天才だ。底知れない才能を持ったすごい漫画家だと思う。
「花のいたづら」がりぼんオリジナルに載ってから、もう四半世紀も経ったのかと思うと、感慨もひとしおである。
2016/06/22 14:20
客観的に記述された素晴らしい本。
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
学校で太平洋戦争のことを習っても、よくわからない人は多いのではないだろうか。
学校で教わるのは、「戦前の日本は悪いファシズムの国で、正義のアメリカによって矯正された」ということで、真実とはほど遠い。
この本は、自虐史観でもなく自尊史観でもない。
ただ淡々と、客観的事実を記述している。
開国以降、戦前の日本がどういう国だったか。
なぜ戦争をせざるを得なかったのか。
戦争は一国でするものではない。相手があってのことである。当時の国際情勢、経済の動向の中で、日本の外交上の失敗も重なってやむを得ず戦争に至ったことがよくわかる。
特筆すべきは、むしろアメリカの方が戦争を望んでいたことが書かれていること。これは画期的である。
また、日米を離反させてソ連の有利に事を進めようとしていた国際共産主義(コミンテルン)の陰謀、そのスパイが日本政府のなかに潜り込んで工作していたということもはっきりと書かれている。これは大変素晴らしいことだ。(現在もその工作は進行中である。)
また、戦争を煽ったのは朝日新聞などのマスコミであったこともきちんと書かれており、評価できる。
また戦争の拡大を防げなかったのは、日本が独裁国家だったからではなく、むしろ逆に責任の所在が曖昧だったからだということが書かれている。
このように、客観的な事実に基づいて歴史を検証することが、戦争を防止する手立てとなるのではないだろうか。
残念なのは、数箇所誤植や日本語としておかしい部分があり、これはいつものことだが、彩図社の校閲部に猛省を促したい。
紙の本思い出が消えないうちに
2021/02/15 18:33
人間の心の真実
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ほんとに泣けるのかなあと半信半疑で『コーヒーが冷めないうちに』を読み、その続編『この嘘がばれないうちに』、そしてこの『思い出が消えないうちに』と読んだ。
今では、このシリーズの作中人物、作中の世界がとても慕わしくて、この作中世界から去りがたい自分がいるのを感じる。
それほどに、素晴らしい小説、素晴らしいシリーズであった。
「過去に戻れる喫茶店」という、現実には絶対にあり得ない設定だが、圧倒的なリアリティを感じるのはどうしてだろう。
作者の話の運びのうまさもあるのだろうが、やはりこのシリーズには人間の真実、人間の心の真実が書かれているからなのだと思う。
だからこそ圧倒的なリアリティを感じるのだ。
とりわけこの本では、最初のエピソード「ばかやろうが言えなかった娘の話」には泣かされた。
随所に、作者のメッセージがうかがえるのだが、そのメッセージはこの本の一番最後に集約されているのだろう。そしてそのメッセージに、私は全面的に同意する。
(この続編もまだ出るのかな? まだまだ読みたいと思う。)
電子書籍国境のエミーリャ 3
2021/01/15 15:12
読み応え100%の人間ドラマ。最高です。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
3巻が出るやいなや、速攻で購入、読み終えた。
ハラハラドキドキの展開、泣ける場面、そしてクスッと笑うところもある。
物語そのものは架空の世界だが、東西の工作合戦や情報戦は当然あっただろう(し、今もあるだろう)。
そういう中で、きちんと人間が描かれている。
凡百の下手な小説よりも(失礼!)ずっと人間が描かれていると思う。
伏線やその回収、読者に適度に頭を使わせるプロットなど、とても読み応えがあった。
(池田邦彦氏らしく、鉄道の描写もとてもいい。)
半年後の新刊が今から待ち遠しい。
2020/12/03 12:20
ライトな入門編という趣だが
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
雲黒斎さんの御著書を読んだことのある私にとっては、ライトな入門編という印象でした。
さりげない語り口で大切なことが語られていると思います。
一通り読み終わるのに一日かかりませんでしたが、何度も読み返したくなります。
追記:複数投稿はできないようなので、追記です。
購入から1年11か月が経ちますが、気づいたらことあるごとに繰り返し読んでいました。
読めば読むほど、味わい深く、ああ、そうなんだと感じられます。
私は「こうすれば夢が実現できる」系の本は好きではありません。
この本は、そも私とは何なのか、というようなところから語られていて、ものの見方へ示唆を与えてくれます。
タイトルに「ライトな入門書」と書きましたが、読めば読むほどに、実はより深いところ、エッセンシャルなところを語っていたのだなあと気づかされます。
電子書籍僕の心のヤバイやつ 1
2020/09/02 12:04
思春期もの
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
最初はちょっと不穏な空気が流れて、どうかなと思いつつ読み進めていきましたが、あれよあれよと引き込まれていきました。
思春期の心の動きが丁寧に描かれています。
次も買うつもりです。