soprannomeさんのレビュー一覧
投稿者:soprannome
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紙の本孤島の鬼
2019/02/09 00:04
「初代さん殺しなんか、ほとんど取るに足らない」発言のところまで読んだ感想
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主人公蓑浦の恋人、初代が何者かに殺された。彼は腹の底から恋人を
奪った犯人を呪い、そして恨みを晴らそうと行動に出る。
友人の諸戸と共に事件にのめり込む中で、諸戸が彼に言った言葉に私は
戸惑ってしまった。それは
「この全体の邪悪に比べては、初代さん殺しなんか、ほとんど取るに足らない
ほどの、小さな事件なんだよ」。
これが恋人を殺されたばかりの蓑浦に向かって言うことだろうか?
不思議なことに蓑浦も諸戸に対して嫌な様子を見せるでもない。
作者は事件の展開ばかり考えて、登場人物の心なんてどうでもよかったのか?
と、細かいことを言いながら、それでも最後まで読んでしまうのだ。笑
紙の本蠅男
2017/01/06 22:24
未評価
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乱歩の3歳下の海野十三。同時代の人といっていいだろうけど、
乱歩は古い言葉からでも物語のイメージが湧いてくる。
海野十三はこの「蠅男」や「十八時の音楽浴」の他まだ数編しか
読んでいないけど、乱歩と違ってその古い言葉に閉口してしまう事
が度々あって、物語に入っていけないんですよね。
今のところ乱歩がいかに優れていたかを再認識するきっかけになって
しまった感が大きいけど、まぁもう少し読んでみるつもりでいます。笑
2016/02/16 23:45
火星の人(上)
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火星に取り残された主人公マーク・ワトニーのログが
1ページ目から延々と80数ページも続く。
おいおい、このまま最後まで行くのかよ!?って、
思わずページをめくって確認してしまった。笑
まぁ地球側のことも(会話を中心に)書かれてはいるけど、
ワトニーのログは続く。
火星にいるんだけど、その情景が具体的に目に浮かぶような
描写は少ない。作者は火星探査機が送ってきた膨大な写真には
興味がないらしい、なんて思ってるうちに物語はワトニーを
救うため打ち上げたロケットにアクシデントが!彼の運命や如何に!?
・・・で上巻終了。くそ~、商売上手め。
ワトニーがどうなるかは知ってるけど、さっそく下巻を読み始めてます。
紙の本空白を満たしなさい 下
2016/04/30 00:04
璃久が駆け寄ってくる。
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抱き締めるまでは、もうあと少しだった。
この最後の文章を読み終えたあと地下街を歩いていたら、大きな書店に偶然
この作者のサイン本が並んでいた。読後の余韻が残っていたので、そこを
素通りすることが出来ず、思わずその本を手にしてしまった。笑
それはともかく、再度じっくりと読みたい本ですね。
紙の本蜜柑・尾生の信 他十八篇
2019/02/16 15:55
『蜜柑』の少女はなぜ「私」の前に座ったの?
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少女が汽車の窓の外に蜜柑を放ったあとの光景の鮮やかさは見事ですね。
ただ、初めのほうに「客車の中には、珍しく私の外に一人も乗客はいなかった」
と書かれています。
そこへ乗り込んできた少女。
席はガラガラなのに、しかもわざわざ見知らぬ男性の「私」の席の前に、なぜ
この少女は座ったのでしょう?
もし私がこの少女だったら、二人しかいない乗客のなか、知り合いでもない
男性の向かいに座ることはありません。他の空いた席を選びます。というか
この車内の二人の位置関係をイメージすると、とても不自然な光景です。
でも設定をそうしないと、このお話が始まらないか。
紙の本ツリーハウス
2018/07/01 22:39
飽きさせない
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一見平凡な家族の物語なんですが、実際に起きたいくつかの歴史的事実、事件を
背景に織り込み、読んでいくうちに親子三代の平凡で身近にいそうな登場人物たち
の行動に引き込まれてしまいます。
この長編を飽きさせない作者の筆力、さすがですね。
紙の本月に吠える
2017/02/14 00:38
『月に吠える』全編収録
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岩波文庫版には私の好きな「蛙の死」が載っていない。
全集、単行本以外で全編が載っているはこの文庫だけの
ようです。
SDP Bunkoだから仕方がないけれど、女子狙いの表紙
のイメージショットで減点1。笑
紙の本嵐のピクニック
2016/04/30 17:58
短編集がブレイクスルーだったかな
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本谷さんご本人の発言も参考になると思い、掲載します。
短編集(「嵐のピクニック」)がブレイクスルーに近くて、こんなに遊んでいい
んだって気づいてからは重く書くのはやめて、私、重く書くことが向いてない
なって思って、それから軽く軽く書くことを心がけてやったら、どんどん自分
の中でなんかしっくりくるようになって来た。
重く書こうとしてるときよりずっと(重いもの、暗いものが)うごめく気配のよ
うなものが伝わってくる。出そう出そうとすればするほどそういったものって
伝わらなくて、逆に振っちゃたことが自分の中でブレイクスルーだったかなっ
て感じ。(2016.01.29 ラジオ番組のインタビューより)
2016/03/15 00:35
抄訳版 失われた時を求めて
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この小説に興味はあるけれど、あまりの長さに読むことをためらっている人には
この抄訳版がいいと思います。
読者の理解を助けるために、各章の前にはそこに至るまでのあらすじが書かれて
います。
訳者の鈴木道彦さんはこう言っています。
「常識を越えた長さは、多くの読者にこの大作への挑戦を諦めさせる。だが、こう
してみすみす二十世紀最高の作品を手に取ることなく終わるくらいなら、せめて
この三冊をひもといていただきたい」
この鈴木さんが書かれた『プルーストを読む』(集英社新書)を読んでみるのも良い
かもしれません。この本のはじめに「私はどんなふうに『失われた時を求めて』を
読んできたか」が述べられています。
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