土方艦長さんのレビュー一覧
投稿者:土方艦長
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戦艦大和講義 私たちにとって太平洋戦争とは何か
2015/10/11 07:00
私たちは「戦争」を思い出すこともできないし継承もできていない
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戦艦大和が建造されて、大戦の中で沈んだ。それは「一億総特攻」の先がけとなるはずであり、それを信じて絶望的な「作戦」に赴いていった人々がいた。大戦後の日本では、すぐさまそれがなかったことにされ、乗員の存在が消された戦艦大和の擬人化が進む中で、その後に生きる人々によって都合の良い戦艦大和の像がつくられていった。筆者らの世代は、『艦これ』にたどり着いてようやくその変貌ぶりに気づかされたのであろう。しかしその変貌はとっくの昔に始まっていたのである。15回の講義で語られる戦艦大和の像は、先の大戦の事実や記憶をさほど背負っていない物語の繰り返しによって、今ある私たちがそれを含めた「戦争」全般からとても遠いところに立っていることを実感させる。
はじめての考古学
2022/05/13 20:49
考古学もどんどん新しくなっている
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その名のとおり、考古学入門書。文系の教養科目を聴講するつもりで読んでみると良い。昔の研究者がたくさん登場して...と想像していたら全く違っていて、最新(21世紀)の研究成果で構成されているので、大先生(誰?)はほとんど登場しない。だから、高校の日本史教科書とも雰囲気が異なっている。帯にもあったが、縄文時代を認知心理学で読み解き、弥生時代に戦争を見出し(ここは著者の十八番なのでやや昔から繰り返されている議論)、古墳時代にジェンダーを論ずる。つまり視点は「今」にある。そしてそこが大事だと(いろいろな視点があるのも含めて)。だから、昔は考古学概説でオーソドックスだった銅鐸の話はあまり登場しない。新鮮な知的探求の楽しみを一生モノにできる、それが考古学!
蘇我氏 古代豪族の興亡
2016/02/11 00:50
大化の改新だけが古代国家への道ではなかったはずだ
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蘇我氏の本。常連が居て延々読み比べている分野である。筆者は「壬申の乱」以来の古代前期への参戦。『日本書紀』作成者たちによる現体制肯定の立場からすれば、潰すべき相手のおこなった治世は問題の多い時代として否定的に記述される。そのまま受けていては彼らの思う壷だろう、それが趣旨。細かい論証はともかくとして、否定されるべき前代の政治・行政機構を原始的なものとして描いている可能性は確かに高い。体制の変革(クーデター)がなくとも、この国は何となく進化していたのではないだろうか?大化の改新も何らかの偶発に依拠していることだってある。世の中は段階的発展的に「良くなっている」わけではなく、不連続な選択の結果にすぎないことを、再認識すべきである。
第二次大戦残存艦船の戦後 生き残った150隻の行方
2021/09/29 18:45
そうだったのですね
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徴用された商船なども網羅して、艦艇別に終戦時や最終的な状況を記しています。意外と知らなかったのが戦艦の伊勢と日向。レイテ沖海戦の後の行動は知らなかったのですが、あ、そうだったのですね。
首塚・胴塚・千人塚 日本人は敗者とどう向きあってきたのか
2016/01/10 07:32
この内容には地図が欲しいところ
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郷土史をひもとくと、時々出てくる首塚。地元ではさまざまな伝承が付与されているものの、全国的な視点からは目が届いていないのが実情。筆者の踏査は、その点で画期的な仕事であるといえる。ただし、出版社の要請なのか、特に前半部分では概説書に依拠した歴史の記述部分がやたら多い。塚に行って取材した当人しか気づき得ない部分の記述が少なく、物足りなさを感じる。踏査の途中経過報告だと思えば、より民俗学的な考察を深めた続編に期待が持てる。あと、塚を訪ねてほしいのであれば、章扉あたりにでもざっくりとした地図がほしかった。HPに掲載してそこへの案内があってもいい。
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