naoamiさんのレビュー一覧
投稿者:naoami
マスカレード・ナイト
2017/12/16 06:32
巧いわ~
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読後んな阿呆なっ!と突き放すもやはりよくよく考えて思うのだ。東野さん巧いなと。コルテシア東京、ホテルの大晦日に開催されるパーティに殺人事件の犯人が現れるという密告から、刑事の新田がまたもやホテルマンとして潜入捜査。山岸はコンシェルジュとして要注意人物らしき客からの無理難題に応える。このシリーズの要、ホテルにおけるサービスとは、ホテルマンの稔侍とは、それと対比・対立する刑事魂的なものとの、比較文化論も変わらず面白い。新田はフロント係に化け、宿泊客はパーティ仮装を楽しみ、そして、敵も化けている。…か。巧いわ。
サブマリン
2018/06/02 16:10
間隔空きすぎ
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これだけ(12年)間が空くと文庫まで待てん。期待通り王道伊坂節がテンポよくウィットに富んだ会話で弾む。一方では、少年犯罪における償い・罰することについて、読者と議論を重ねるかのようなところが楽しい。妙に堂々巡りすることなく、ストーリーを進めながら、要所で議論を吹っ掛ける。伏線・回収におつりなく!は、今や鉄板。なさ過ぎて予定調和とかご都合主義ととられ兼ねないが、ボクは伊坂さんが構築した世界の中でアレコレつながっているのは楽しいと思う。ラストの「ザ・予定調和」もキャストがネタばらしだなんて、徹底してて笑えた。
水鏡推理 5 ニュークリアフュージョン
2017/05/05 17:19
完璧!
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核融合を「次世代エネルギー」と「妊娠」における融合というダブルミーニングとして捉え、巧みに話の螺旋構造を生み出す。何とも技巧的!水鏡が「研究公正推進室」に異動して幕を開ける。評価されての異動なのか、単なる使い捨て駒なのか。彼女自身も確信を持てず、仕事に対するモチベーションに揺れながら、謎の呼び出しに始まる怒涛の展開へ。前半で悪事の一端が晒され、尚も急展開するサスペンス。株不正取引まで拡散し解決へと結びつつ、少子化問題や働く女性の感情、そして母娘の情にも触れ落とし込む。サラッと読めちゃうのが勿体ない、完璧。
あきない世傳金と銀 3 奔流篇
2017/05/03 06:01
江戸版ビジネス書?!
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五鈴屋は、商才溢れる五代目惣次のもと、内向きはノルマ達成主義の営業方針へ、外向きには新たな産地と直轄契約を結び流通改革へ舵をきる。大阪の商い=金至上主義かというと違おてまして、そこ、はき違えてしもた五代目も、出だしはよろしゅうおましたのに、途中から変なプライドが邪魔してえらいことに。都度、幸は旦那のプライドを傷つけんよう気ぃ遣いながらも、アレコレ商売のアイディアを繰り出す。痛快な上にタメになる。浮世草子の空きスペースや貸し傘への広告=企業CIも面白い。へそを曲げた惣次は?次なる幸の閃きは?次巻はいつなん?
万引き家族
2018/06/02 16:15
映画人から小説家へ?
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ノベライズではなく是枝監督自身による原作小説。小説家でない分、描写に食い足りない(ガッツリ読ませない)淡白さが感じられ、物足りない側面もあるが、読み進める内にキャストが脳内演技をおっぱじめるので作品に浸れる。小説一本で勝負する作家にしてみたら卑怯かもしれんけど、名だたる名優がハマっている段階で勝負ありか。ラストなんか文章・文字というよりも各登場人物の「演技」を読まされてる気がしてくる。老婆の年金と万引きで生計を立てる「家族」の正体が徐々に明らかになる物語。本物?偽物?家族の真とは。274頁3行目に泣けた。
ポスドク!
2018/04/14 07:07
倍返しだ!?
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学歴抜群でありながら年収100万!?のワーキングプア、大学非常勤講師ポスドク貴宣。選任講師の座目指しての悪戦苦闘。力のある教授に取り入るためには、研究テーマさえ変えてしまう世界は、知る人ぞ知る業界譚。頭良くても苦労するね。さらに姉が育児放棄した甥の誉くんも養わなくてはいけない子連れ狼状態。彼がまたイイ存在感、節約主婦であり勉強もスポーツもOKというスーパー小学生。ポスドクの試練(+多少陰謀も)と母息子の関係を軸に楽しく読ませてもらった。貴宣が「やられたらやりかえす倍返しだ」とばかりに後半キレよく恰好イイ。
校閲ガール ア・ラ・モード
2017/12/16 06:39
サブキャラ達も濃ゆい
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2作目でサブキャラのスピンオフ短編集。悦子の出番は少ないが、各編の脇役として恐ろしいほどの(!)存在感を放っている。この程度の露出しかないのに光るキャラ。しかも堂々たる主役は初巻のみという、それでも各ストーリーにグイっと差し込んでくる。時制的には初巻と同時進行~ちょい後の話を異なる視点と、各キャラ達のバックグラウンドで構成している。出版お仕事小説でもあるが、女性の人生観や価値観の面白み。それに翻弄される男側の本音も描かれて平等だ。グレーゾーン米岡含め男女の機微も面白い。エリンギ部長の壮絶な過去も良かった。
蜜蜂と遠雷
2017/05/04 06:19
聴こえる?
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蜜蜂はわかるけど遠雷は?客席のどよめきと掛けてる?天才少女の挫折からの復活。一方、非天才・努力型のピアニストが年齢制限一杯でコンクールに臨む姿。これが好対照でイイ。天才同士がしのぎを削る・理解し合うのだけだったら、読者置いてけぼりだったろう。また、奏の存在も同じ意味でナイスキャスティング。的確な序章からハイレベルなピアノコンクールになだれ込むまでが恐ろしくスムースで筆者のリーダビリティに唸る。そしてピアノ曲そのものの描写も、原曲を知らないクラシック音痴でも十二分に伝わってくる。分厚くても一気読みできた。
物語のおわり
2018/02/06 21:10
オチは??
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最初の章が作中の「作品」として、次以降の短篇に関与していく構成。各篇はそれぞれ人生の生き方の岐路に立つ人々が一人称で語る。その作品にはラストシーンの結末が書かれた続きが無い。それがリレーのバトンのように受け渡され、一人称の主人公たちが、自分ならこうする、こう想像するなど、オリジナルの終章を想う。立場や性別や年齢による考え方もそれぞれ異なり楽しめるが、それぞれの岐路に悩み逡巡する自らにあてはめ、各自が思いを新たにしていく姿が描かれる。「作品」はある人の手に戻ってくる。仕掛けの巧さは面白かったが、孫のオチは?
花のさくら通り
2015/10/28 17:12
花のさくら通り
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ユニバーサル広告社の第3弾。会社は都心から都落ち。郊外にあるシャッター通り商店街に間借りして町おこしならぬ商店街興しが始まる。寺の跡継ぎと教会の娘の恋、サラリーマンを挫折し舞い戻った和菓子屋の成長譚、そこに杉山ら広告社のメンバーの個性がからまる。持ち込まれ仕事ではなく、儲け度外視で自ら首を突っ込んだ仕事。旧弊とも言える世代間ギャップ+新参入組との軋轢など様々な障壁を突破してラストの祭へ。杉山と早苗の文通がアクセント。展開がヨメてしまうありきたりな物語だが楽しく読めた。須美代先生、どんだけ握ってるんだ?!
お天気屋のお鈴さん
2018/06/02 16:04
やっぱり、こんちゃん
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まぁ恐ろしく強引にそして簡単に、ほとんどの問題を解決するお鈴さん。読んでて奇想天外であるのは言うまでもないが、んな阿呆なってことがてんこ盛りで、多少のムチャがあっても気にしないお気楽な展開。当然、肩がこることもなくユルユル読み進むことができる。OLカエデもプンプクリンのこんちゃんと結婚秒読みで、お鈴さんにアレコレ巻き込まれながらも、何とか前進前進。成仏できない人やら、子孫が心配でとか、ホントどうでもいいような「お悩み」の解決に駆り出されるカエデ。最後引っ越しで泣いてしまうまでは軽すぎだったが。沙弥加最強か。
おせっかい屋のお鈴さん
2018/06/02 16:02
実は主役だこんちゃん
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江戸の世に果てた末広屋のお嬢さんお鈴の幽霊が、なかなかの洞察力でもって、信金勤めOLカエデにつきまといながら、万事解決していく。カエデと相思相愛のこんちゃんがイイ味を出している。こんなに素直に好き合っている二人を、こと小説の世界では見たことがない。プンプクリンとかパンダだとか太った体型を言われ放題な彼は、カエデと違ってお鈴が見えないので、度重なる難問にも、あくまでも第三者的立場で冷静。故に格好イイ部分も垣間見える。幽霊という存在を現代に置いても、無理なく…むしろ無理なものは無理なまま表現してる所が楽しい。
猫はおしまい
2018/06/02 15:56
猫はかしこい
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最終巻。手首を切って持ち去る猟奇的な辻斬りに対する一話モノ。冒頭、まるの憑依で辻斬りを追い詰めるも発作の為心臓の病に倒れ、同心を引退せざるを得なかった平四郎。逆に手首斬りから狙われることに。まるも、平四郎の容態に責任を感じ、仲間の猫と共に引退か。一見、単純な1:1の構図に見えるが、敵方にも裏があり読み応えにつながっている。追い詰められた平四郎だが、元昼行灯同心とは思えぬ「生身の」切れ味を見せてくれる。その原動力がまるではなく、娘への愛というところが泣かせる。子を想う、孫を想う気持ちがラストに心地よい余韻。
死なせない屋
2018/04/14 07:04
『マニトゥ』なら読みたい?!
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自白を強要され拷問受け中の奴を死なせない」(依頼者は拷問する側)、自ら依頼した殺人で自分を「死なせない」(引っ張った割には心理的なオチ)。コレが死なせない屋。ちゃんと食っていけるんか。医師国家試験四浪中のヨンローを助手に、謎の美女神楽と事務員のアリスが登場。どのキャラも掘りが浅く、神楽のバックボーンや影部分の説明も曖昧。もっと小気味よく複数の事案を解決しつつ徐々に浸透すれば良かったが「三茶キラー」が冗長で…。ラストも精神病的オチで「死んでも死なせないわよ」セリフも切迫感なし。『マニトゥ』読んでみたいけど。
さらさら流る
2017/12/16 06:36
アッコちゃんシリーズとは違うイメージの本
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元彼に撮られた全裸写真がネットに。自分で気づいた分マシだが、それでも周りの目が気になる。ネットに上げた方が悪いのに、撮らせた自分も悪いと責めてしまう。そう思われる、思われているのでは?と恐れる。女性の味方的作風が多い著者ならではの仕掛けで、彼女自身を如何に許し、再生するかを描く本線に、決して悪利用目的ではなかった彼氏側視点も描いている。どこにでもいる不幸自慢なつまらん男。うまくいかないことを、他人のせいにして、自分中心の思考。それを善悪分けせず、普通の男として描いたのが稀少な反面、物語の起伏を無くしたか。
