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くりくりさんのレビュー一覧

投稿者:くりくり

251 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本日本が売られる

2018/10/20 07:21

すべての国民に知らせなければならない内容。今、すぐの必読書

17人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「貧困大国アメリカ」シリーズがベストセラーになった堤氏の今回の視点は、私たちの暮らす日本に向けられている。
 アメリカでは、保育も介護も学校も病院も全部贅沢品。ニューヨークでのインタビューでジェラルドは「売国政府が、俺たち国民の生活に値札をつけて、ウォール街と企業に売りまくっているから」だと言う。
 日本でもニュースでは報道されないが、大切なものが次々に売られているという。それは、水・土・種・森・海など国土の基本的なものから、生活に必要な機能の労働・仕事・学校・医療・介護も、そして、ギャンブルで直接金まで吸い上げられようとしている。その驚愕の実態が、政府によって行われているのだ。
国が行う「規制」は、国民生活を規制するものではない。国民のために暴利をむさぼるものへの規制だ。「規制改革」が国民にとって「良いこと」だと思ったらとんでもないことになる。「愛国心」を国民に説く安倍首相こそグローバル企業のやりたい放題に国の大切なものをたたき売りしている「売国奴」だ。
「グローバル化」が世界的視野でと、やはり「良いこと」だと思っていたら、外国企業に、いつの間にか日本の暮らしや命の重みまで乗っ取られることになりかねない。
グローバル化の中で、売られたものを取り返す各国の活動家達の戦いも巻末に紹介されている。
ニュースではほとんど流されないからこそ、「日本が売られようとしている、売られている」実態を本書で多くの人に知ってもらいたい。今すぐの、必読書。

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紙の本

「ゴールデンカムイ」が世に表わしたアイヌ文化紹介は、ただの漫画で済ませるもの以上に大きかったとおもう

15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

漫画「ゴールデンカムイ」はアイヌ文化を広く理解する上で大いに貢献した。その監修をしているアイヌ語研究家の中川裕による本書は、ゴールデンカムイのサブテキストであり、アイヌ文化をさらに深く理解するためのものである。

アイヌ民族と日本民族は、江戸時代に入る前までは、交易を行うなどほぼ対等な立場であったものが、江戸時代に松前藩が確立して以降は、アイヌにとっての不利益交易、砂金目的の移民が北海道に押し寄せたことにより、徐々にアイヌの生活は苦しくなり、有名なシャクシャイン戦争などが起きる。しかし、「アイヌ内部のことはアイヌにまかせる」という方針によって、アイヌ文化は保たれていた。それが明治維新以降、北海道開拓の名の日本人の「侵略」が進み、アイヌの同化政策が進められる。明治時代に定められ、1997年まで生きていた「旧土人保護法」は、アイヌの土地の没収、収入源であり文化であった漁業・狩猟の禁止、アイヌ固有の習慣風習の禁止、日本語使用の義務、日本風氏名への改名による戸籍への編入定めたため、昭和には、アイヌ文化は観光地の見世物となり、差別の対象となり、アイヌ語を話す人もいなくなり、平成にはアイヌ文化は消えようとしていました。

アイヌ民族から、はじめって国会議員となった萱野茂によって旧土人保護法は廃止され、いま、アイヌ民族の復権、アイヌ文化の継承、アイヌ語の復活を目指してアイヌ自らが声を上げる運動が起こっている。

こうした歴史の流れのなかで、「ゴールデンカムイ」が世に表わしたアイヌ文化紹介は、ただの漫画で済ませるもの以上に大きかったとおもう。

アイヌ民族は文字を持たない。アイヌ語を禁止されれば文化は絶滅してしまう。
アイヌは狩猟の民である。土地を奪われ、狩猟が禁止されれば、生きるすべを失う。
アイヌの狩猟の考え方の基本は、本書でも紹介されている、「人間とカムイ=環境はお互いがお互いを必要とするパートナー」であり「環境からの恩恵を当たり前のものと思わず、その恩恵を感謝して受け取ることによって、環境を悪化させないように配慮することができるようになる」と「カムイ」を解説している。
食べ残しは、カムイに「そんなことをするならあそこの家には土産を持っていくものか」と飢饉や飢餓につながる恐れをもたせ、必要以上に採らない事につながっている。「カムイ」に対する感謝がアイヌ民族の文化だ。イオマンテ(熊送り)も儀式の詳細が解説されている。食べ残しを禁止する法律を作らなければならないと言っている日本人にこそ、知るべき考え方だろう。
トゥレンペという憑神についての考え方も「無意識」と同意。アイヌはすべてのものに魂が宿ると考えている。
ゴールデンカムイでも度々アイヌ料理の話が出てくるが、本書ではそのレシピも詳述されていて興味深い。
本書の表紙は盛装して祖先供養をの場で祖先の霊にお酒を捧げるアシリパ
アシリパの本書の表記は本当はリの字が小さい。私のワードで小さいリの字が変換しない。ゴールデンカムイに紹介されるアイヌ語表記はブ・ツ・ク・ム・シ・ラ・リ・ル・レ・ロ・ハ・ヒ・フ・へ・ホが小文字になっている。どんな発音か不思議だったが、本書で「北海道新聞社の道新アイヌ語小文字発音講座の動画で聞ける」とまさに読者の疑問に手取り足取り教えてくれる。

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紙の本

紙の本82年生まれ、キム・ジヨン

2019/08/23 06:22

日本と韓国似たもの同士

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

英エコノミスト誌は2018年3月、「ガラスの天井ランキング」を公表している。日本は、先進29カ国中ワースト2位。韓国は最下位だ。またダボス会議が毎年発表するジェンダーギャップ指数も、日本は149ヵ国中110位。韓国は115位。女性差別は両国で似たもの同士なのだ。
本書「82年生まれ」が日本でも売れているのは、日本の女性達の「あるある」という琴線に触れた女性差別事例が満載だからだろう。
例えば、冒頭から、日本でいえばお盆の韓国の秋夕の連休に夫の実家に帰り夫の家族親戚の食事作りをさせられる本書の語り部キム。(あるある)
子どもは男の子の方が跡継ぎとして大切にされる。日本は国民の象徴である天皇制については、まだまだ厳格に男子でしか世継ぎと認めない。

韓国では、1999年男女差別禁止及び救済に関する法律が制定された。
しかし、キム氏が就職しても差別は続く。社長の意思で決まった企画チームに抜擢されたのは同期の男性2人。業務と結婚生活特に育児との両立が困難でありはじめっから女性を員数に入れていない。
そして結婚すれば子どもを産むことを周りからせかされる。キム氏は、思う。子どもを持つことで「人生がどっち向きにどうひっくり返されるかわからないのに比べたら」夫が失うものはあまりにも些末であると。夫にキム氏は問う。「あなたは何を失うの」この答えに夫は「僕だって」とこういう言う「家長として君と赤ちゃんを扶養する責任が大きくなるし」
キム氏はそれを聞いて「私、あなたがお金を稼いでこいって言ってるから会社に行っているんじゃない。面白いし、好きだからやってんのよ」
このあたりのシュチエーション、言葉のやりとりは、そのままどこかの家族の会話だろう。
日本で、男女雇用機会均等法が制定されたのが、1985年。JILPT主任研究員の周燕飛さんがJILPTのメルマガに「過去最高の女性就業率:その裏を読む」というコラムを寄せている。今の日本の現状を端的に表わしているので、抜粋して紹介したい。「女性の就業率は空前の高さである。総務省『労働力調査』によると、2018年は15~64歳女性の就業率が69.6%に」「30代を中心に出産や育児によって働く人が減る『M字カーブ現象』が解消されつつあるようにも見える」(M字カーブとは、女性の就業状況を表わすグラフで、日本と韓国は、出産育児でいったん退職し、子どもの手がかからなくなった時点で再び女性が就労するので、子どもが小さいうちは就業率が減る現象をさして言う)「このとき問題となるのは仕事の内容である。就業率の急上昇とは裏腹に、正規雇用に就く女性の割合がなかなか上がってこないのだ。訓練機会もキャリアの見通しもないまま低技能・低賃金で働く、いわゆる『非正規のわな」に陥っている女性は一向に減る気配がな」い、「言い換えれば、女性の6割以上は依然として、『専業主婦』もしくは家事や育児の傍らで働く『準専業主婦』状態である」「『専業主婦』モデルはすでに『夫婦共働き』モデルにとって代わられたという認識は、大きな誤解だと言える」「『夫は外で働き、妻は家庭を守る』という男女役割分業慣行は、今も日本社会に深く根付いている」
韓国在住の伊藤順子が巻末に本書の解説をしている。その解説の中で最も心臓をグサリとさされた箇所は以下の「東京医大での入試差別事件が発覚し、日本の女性達の多くが足下が崩れ落ちるようなショックをうけた。怒りと情けなさの中で思ったのは、韓国なら即時に2万人の集会が開かれているだろうと言うことだ」という指摘だ。女性差別の世界的な指数で、韓国は日本の後塵を拝しているが、今後はわからない。

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紙の本

日本人のプライドもズタズタだ

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

なぜ、日本はアメリカのいいなりなのか、占領下の戦争協力体制が継続しているからなのだ。アメリカの軍用機は日本のどこをとんでもよく、どこでも基地をおいていい。米兵が犯罪を犯しても日本の法律では裁くことができない。これらのことは知っていたのだけれど。月2回米軍と日本の高級官僚が打ち合わせをしているとか憲法前文の恒久平和の部分は大西洋憲章が大元であったというのは目から鱗が落ちるものでありました。
知ってはいけないと言われれば知りたくなるもの。知ってしまったら、日本人のプライドもズタズタだ。でも知らなければ 馬鹿にされているも同然。しかし、知っていても怒らなければさらにバカだろう。

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紙の本

紙の本この世界の片隅で

2017/09/03 20:14

「この世界の片隅に」のヒットから良書復活

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

映画「この世界の片隅に」がロングラン上映されている。それにあやかって、1965年初版の岩波新書「この世界の片隅で」が復刻された。
タイトルは似ているが似て非なるものである。
岩波新書は、広島被爆後20年が経過して、被爆者が世界の片隅に追いやられているのを掘り起こしたもの。国の責任で被爆者援護をさせていこう、原水爆禁止の運動を作っていこうと運動する人たちが、見捨てられた被爆者の困難なくらし、被爆の後遺症に苦しむ人たちの生活を聞き取りで書き著している。
広島の被差別部落の被爆者、親を亡くした「原爆の子」たち、当時「海外」扱いとなっていたアメリカに占領されたままの沖縄の被爆者の苦難、被爆の人体への影響を研究する機関として広島におかれたアメリカのABCCが被爆者に対する治療も行わずに被爆者をモルモットとして取り扱う様子が被爆者の聞き取りと運動への参加を呼び掛ける運動団体によって明らかにされる。
映画「この世界の片隅に」も市井の人々を著していることは同じだ。映画の市井の人を著すこと、戦争の悲惨さを語り継ごうとする努力は本書とも相通じるものである。本書の人々の活動・運動なくして、核兵器の恐ろしさが世界に広められることはなかったであろう。
いまもなお、被爆に苦しむ人たちがすべて救済されているわけではない。

国連ではさきごろ核兵器禁止条約が採択された。条約の制定過程の議論の中で、。「ヒバクシャにもたらされた苦痛」との一節を前文に入れ、人道的見地から核兵器の存在を否定する条約が誕生した。広島・長崎の被爆から72年もの年月がかかってしまった。
核兵器保有国がこの条約の交渉会議に参加していないばかりか、被爆国の日本も参加しなかった。
このことに対する憤りは日本国民すべてが共有しなければならない。

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紙の本

真実を知ることは民主主義の基本

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

安倍首相は民主主義とか国際貢献とか国民がそうあるべきと望んでいる言葉を巧みに使う。
そして、はぐらかし。「ご飯論法」が流行語大賞にノミネートされたが、働き方改革では質問の趣旨を絶妙に外した政府答弁が問題になった。そして、データーの偽装・ねつ造はお手の物。
安倍首相は政権を追求するマスコミや論調を「フェイク」よばわりをして(どこかの大統領の受け売りか?)「ファクトチェック」を17年の衆院選の党首討論で呼びかけた。自身の嘘つきさや国民を馬鹿にするような国会でのはぐらかし答弁を棚に上げてというところがすごい。

民主主義は真実を知るところからはじめなければならない。安倍政権下でマスコミも安倍政権の手のひらにのっている中で、大衆は真実を隠されたまま安倍さんの「民主主義」「国際貢献」という言葉をまんまに受け取っている人が大勢いるだろう。北朝鮮を「国難」といって勝ち抜いた選挙もあったし・・・待機時ゼロ・介護離職ゼロ・幼児教育無償化に期待を寄せた国民も多い。

本書は、安倍首相の言う「ファクトチェック」を逆手にとって、時々の国会答弁や政治家の発言の事実から、政権のウソとごまかしを暴いていく。時々のニュースでちょこっと問題になったウソが、新書にまとめられるほどたくさんあることは驚愕だ。
いま、厚生労働省の労働者の賃金統計が、いい加減な物であり、これらの統計によって決められる失業給付の金額や最低賃金の根拠が「ウソ」だった事実が暴かれた。
事ほどさように、政権の「ウソ」「ごまかしは」国民生活の大問題だ。

本書を改めて読み通して、選挙の選択基準を国民の皆さん検討した方がいいですよ

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紙の本

紙の本アベノミクスによろしく

2017/10/18 08:16

景気良くなったのは一握りの大金持ちだけ。私ら実感できないもんねアベノミクスの成果

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

安倍首相、突然衆院解散しましたね。
街頭演説で強調しているのが、アベノミクスの成果。
景気が良くなったと言っているのだが、何とも実感がないんですよ。庶民は。年金積立金の利益がたんまり出ていると言っているが、じゃあなんで保険料が毎年上がっているのか、年金給付が削られているのか、いま、政府筋では年金保険料を25%ぐらいにしなきゃならない、75歳支給にしなきゃならないとか言っているらしいし。
消費税あげて子どもにお金を使います。と言っているが、保育所が増えている実感ないし。
いったいどうなってんの、そんなにできるならどうして、みんな困っているのに、政権取ってるときにできないんだろう。不思議だらけだ。
それにこたえるのが本書だろう。安倍さんのウソが暴かれている。
もっと早く出版してよ。選挙終わってから読んでんじゃ遅いんだよ。
本書はアベノミクスは失敗と断罪。
景気は「国内消費は戦後最悪の下落」「年金積立金は外国の投資家の食い物になっている」GDPは「かさ上げされた」儲かっているのは株などバンバン買える大金持ち、要するに大企業と資本化だけが空前の好景気で、庶民はひーひー言っているということだ。これなら実感できるよね。
さらに怖いのは、選挙後、ブラック企業合法化、残業代ゼロの労働法の改悪、非正規と正規の格差を固定化する法律の成立を狙っている安倍さん。さらに、庶民を絞り上げて、大企業や大金持ちを儲けさせようとしているんだとか。
みんなアベノミクスについて真剣に考えた方がいいよ。

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紙の本

紙の本スノーデン日本への警告

2017/04/20 22:40

政府にプライバシーを握らせてはならない。

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2013年6月、アメリカ政府が秘密裏に構築した国際的な監視プログラムの存在が暴露された。イギリス・ガーディアン紙にアメリカの最高機密情報を提供したのがたったひとりのNSA(米国国家安全保障局)職員であり、当時29歳の若者スノーデンだった。
本書は、昨年東大で行われたスノーデンも参加したシンポジウムの記録。アメリカが自国は元より他国の個人情報をすべて記録保管していたという事実、今、わたしがこうしてネットを利用していることもすべて記録している事実、携帯電話を持つことによってプライバシーはない事実が明かされる。
そして、個人を監視するこうしたシステムは、9・11テロを契機に行われるようになったことが、監視者としての仕事をしていたスノーデンから語られる。
今、テロ対策のための法律が国会で審議されているが、日本も同様の社会となってしまうのだろうか。
スノーデンは語る「プライバシーは自分が自分であるための権利」「プライバシーは力である」「言論の自由やプライバシーの権利は社会全体に利益をもたらす」「権利は弱い人を保護するために存在する」
共謀罪とも言われているらしい日本のテロ対策法案だが、政府にプライバシーを握らせてはならない。

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紙の本

2度3度と読むことをおすすめする。その時々の心持ちでよむと、違った味わいが出てくる言葉がみつかる。

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

樹木希林の言葉をあつめた「一切なりゆき」
見た者の印象にいつまでも残る存在感のある名女優であり、破天荒な内田裕也との夫婦関係、もっくんを娘婿にもつ家族のことなど樹木希林には普通ではないオーラが発せられていた。 しかし、その役者魂は「一切なりゆき」なのだそう。
本書は生前のインタビューや雑誌に書かれたものを集めた希林さんの生き様である。 自分の始末は自分でするという日常。モノを持たない、買わない生活、存在をあるがままに認める。
語られる子育てや孫への対応もドライで突き放しているようにみえる。家族関係については、希林さんへのアンサーのように也哉子さん、裕也さん、もっくんが思いを語るモノを出版したらどうなるのかなとも思う。
迷いのない心の持ち主かと思えば、夫に謝りの言葉を残そうとする希林さん
晩年は、全身がんを患いながら演技してきた。しかし、病に対しても「一切なりゆき」の体で対応する。
役者としての演技は「誰もがやること」が一番難しいという。希林さんの演技を見ていた私には意外な言葉だ。
さらっと読めるのだが、言葉が深いので、2度3度と読むことをおすすめする。その時々の心持ちでよむと、違った味わいが出てくる言葉がみつかる。

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紙の本

23年も総括されなかったカンボジアでの警察官の犠牲、国際貢献のあり方。しかし、いまこそ、真摯に検証していくことが求められている

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

カンボジアPKOは、「自衛隊を初めて海外派遣する」ことに国会でも反対である野党と推進与党の間で激しい攻防が行われた。このとき、野党は最後「牛歩」戦術で対抗したが、数の論理でPKO法案は自衛隊の派兵も含めて可決成立した。そもそも、賛否は「自衛隊の派兵」を問うものだった。憲法9条に違反するからだ。しかし、カンボジアPKOで犠牲になったのは文民警察官だ。タイトルにある「あるPKO隊員の死」は警察官のこと。自衛隊と違って武器の携行を許されず、停戦後の総選挙に向けての活動を行うものだった。文民警察官はなぜ死ななければならなかったのか・・・この真実、現地での活動が元隊員の日記、インタビュー、ともに活動した海外の警察官や兵員へのインタビューで23年たって初めて明かされる。
「国際貢献」といえば聞こえはいいが、読み進むと国家の見栄の張り合いで、派遣警察官はただの「駒」だ。大前提の停戦は崩れていて、戦闘状態であることも明らかとなる。そのことが日本には伝わらず、いや伝わりつつも、あえて撤退させなかった。日本人の命が軽んじられている様が苦しい。しかし、派遣された警察官は最後まで職務を全うしようと様々な工夫をしている。
南スーダンで自衛隊員が派遣された。「戦闘状態」の日報が隠されていたことが最近でも問題になった。
初めてのカンボジアPKOでの犠牲が、生かされていない。告発の中でひとりの警察官はポルポト派に拘束されそうになり銃口を向けられたが、「武器を持っていない」ことが命拾いをしたと告白している。死亡した警察官は、攻撃を受けた車両に乗っていた外国人兵隊の発砲が引き金となって集中攻撃されたことも本書の取材で明らかになっていく。
いま、集団的自衛権行使ができることとなり、海外に自衛隊が派兵されることが可能となった。「駆けつけ警護」で武力行使をすれば、戦闘状態に油を注ぎ国際貢献どころか、自衛隊にも派遣された国の人々にも多くの犠牲を出すだろうことが予測される。
23年も総括されなかったカンボジアでの警察官の犠牲、国際貢献のあり方。しかし、いまこそ、真摯に検証していくことが求められている。
証言をし、インタビューや日記を公開した派遣された警察官の勇気に感謝。犠牲者高田さんに合掌。

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紙の本

紙の本新聞記者

2017/10/25 20:44

望月さんのような姿勢で報道に携わる人が増えてほしい

10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

菅官房長官の記者会見で加計疑惑を追及する質問をし続ける女性記者で、一躍有名になった望月さん。私は、武器輸出の問題点を指摘した著作を読んでいたので、さぞかし、左翼系の人だと思っていたのだが、本書を読んで、良い意味で、「ちょっと違ったな」と思った。国民が知りたいと思うことをとことん追求する、権力の横暴や不正を許さない記者の矜持を持った仕事に対する姿勢が、望月さんの原動力であることがよくわかった。

報道はプロパガンダであってはならない。しかし、弱者に寄り添い、権力の暴走を防ぐうえで、真実が報道されることが求められる。今、どのテレビを見ても権力者の意向を忖度する報道が散見される。そして、国民に考えさせないような操作もなされているように思う。
その私が感じている事が、本書では望月さんの経験から語られている。真実を報道しようとする者への権力の脅し、予定調和の記者クラブ制度、権力の広報機関であるかのような新聞社からのひぼう中傷。実際に望月さんが体験したことであるから真実味がある。

先の衆議院選挙でも、政党の勢力図に対する報道ばかりで、自民党の9条改憲、教育無償化という国民にとって重大な公約に対して吟味するような報道はほとんどなかった。「改憲」を問う歴史的な選挙であるにも関わらずだ。加計問題も選挙報道では一旦休止常態。私は、「このまま追及されないんじゃないの」と今思っている。

望月さんのような姿勢で報道に携わる人が増えてほしい。本書の中でも、記者クラブで「しつこいほど食い下がる」望月さんに批判的な記者ばかりでなく、応援する人も出てきたという部分に、マスコミも腐りきってはいないなとうれしく思う。

報道ステーション、ニュース23、クローズアップ現代と次々に権力に立ち向かい、市井の人々の実態を報道してきた番組のキャスター降板が続いた。望月さんは報道の矜持を貫いて活躍してもらいたい。東京新聞は望月さんを守って頑張ってもらいたい。

本書は報道とは何かを考える上で、また、現在の日本の報道現場を知る上で良書。
その一方、女性が報道現場にいることで、女性の視点で報道されることの大切さも、伊藤詩織さんの事件の取材を通して語られる。
何より、子育て、母の死を看取りながら仕事もという場面では、おそらく、働く女性たちに、エールが送られるものになっている。
「1粒で何度もおいしい」中身である。

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紙の本

麻生太郎氏が言うように[いつのまにか]ってやつだ

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

8月29日、麻生太郎副大臣が自らの派閥の講演会で、「何百万人殺したヒトラーはいくら動機が正しくてもダメだ」と言ったのだとか(時事通信)。まるでホロコーストの動機が正しかったといわんばかりの放言。いや放言ではない。この発言には確信を持ち、ナチのような独裁政権の実効を狙うものである。麻生氏は2013年安倍自民党が政権に就いた時にも「ドイツのワイマール憲法はいつの間にか誰にも気づかれずにナチスの憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうかね」と発言して撤回している。
撤回すれば発言は消えるものではない。そう思っているということである。そしてまた同じことを言う。
どうしてこんな恐ろしい人たちに政治を託してしまったのだろう・・・
本書は、つい先ごろまで自民党が主張していた「緊急事態条項」を設けて、首相に全権委任する憲法改正の危険性を「ナチスの手口」と比較して憲法学者とドイツ史研究家が対談したもの。
緊急事態条項は災害が多い日本では受け入れられやすいと踏んでの提案だ。これに騙されてはいけない。緊急事態条項からナチの独裁が始っているからだ。
まさに麻生太郎氏が言うように[いつのまにか]ってやつだ.こわい。

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紙の本

紙の本歴史に「何を」学ぶのか

2017/08/14 09:58

本書の読み方として、「おわりに」を読んでからはじめにに戻って読み進めていくといいのではないかと私は思う

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

戦後72年。第2次世界大戦を実感として語れる人は残り少なくなった。
8月15日を前後して、NHKは戦時下の状況を連日のように放送している。民放が、8月15日をすでに無視する中で、NHKの歴史の事実に学ぶ姿勢は、今後も大切にしてもらいたい。
本書は、歴史に「何を」学ぶかを問いかけている。
「過去はじつはわたくしたちが向き合っている現在、そして明日の問題につながっている」「いま私の周りには、自己を正当化し、歴史を公正に学ぶことを『自虐史観』と排する人が少なくない」何たることかと・・・終戦の経緯を「日本の一番長い日」としてノンフィクションを著した著者が、戦争に至った経緯を明治維新前からとき起こし、戦争の愚かしさを再び語る。
いま語るその決意は、「おわりに」に書かれている。ヒトラーが台頭した1930年代からの様子は、今の日本の状況とよく似ていることにも気づかされる。
本書の読み方として、「おわりに」を読んでからはじめにに戻って読み進めていくといいのではないかと私は思う。

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紙の本

紙の本縮小ニッポンの衝撃

2017/07/30 16:24

少子高齢化、人口減がこんなに怖いことになるなんて・・・

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

日本の人口は2053年には1億をわり、これから50年間で約4千万人が減るのだという。その間急速な高齢化が進む。これがすごい怖いいことなのだということが本書を読むとよくわかる。
過疎化という言葉は地方都市のものかと思ったが、池袋も将来、消滅するかも。都会は地方から仕事を求めて集まる場所だったが、仕事はあるが非正規労働などが多くなり、家族が養える労働でないために一生独身者が増えて、少子化のために都市が消滅する、しかも死ぬ時は孤独に死んでいく。怖い・・・

財政破綻1号の夕張市の事も怖い。
ほとんどの施設が閉鎖もしくは廃墟と化しており、自治体が手を打てずに街の縮小が始まる。炭鉱から観光へと大きく舵を切り、不適切な会計処理を行った首長や市の行政当局にあるのか、石炭など国策で翻弄した国にあるのか。いずれにしても最大の責任者が直接責任を取らない政治の仕組に怒りを感じる。

島根県のいわゆる過疎の町は、当たり前の公共サービスが提供されず、自治体は住民の共同組織に、公共サービスを自分たちでやれとわずかな金を渡し丸投げする。70,80歳の住民にだ。怖すぎる。

そもそも、少子高齢化が国民の責任なのか、産めない施策を政府が進めてきたからではないか、一極集中の施策が現在も進行しているが、例えば、最低賃金だって地方と東京では200円以上の開きがあるのだ。東京で働きたいと思っても仕方がない状況が作られている。農業では暮らしていけない状況が作られている。政治の責任だ。財界言うなりの雇用政策を進めてきて非正規を増やしているのも国の責任だ。保育所待機児ゼロの約束も反故にされたし。
こんな怖い思いをさせるなんて、しかし、そんな政治家を選んだのは私達だということも怖い。

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紙の本

彼が感じたキューバは私が感じたキューバと重なる。人々が幸せなのだ。

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2016年の夏、一人でキューバへの旅を思い立つ若林さん、私はやはり同じ年の暮れにキューバを旅する。若林さんは何をキューバで感じたのかそのことに興味をひかれて読む。
キューバは、東西冷戦がなくなりグローバリズムの中で資本主義がのしていく世界のなかで、ただ一人孤高に平等主義の社会主義を貫いている国だ。
いつもとは違う世界があるはずだ。
滞在はわずかに3日。けれども、タイトルとなったカバーニャ要塞の野良犬にキューバを象徴してみるように、彼はその視点でキューバを眺めている。彼が感じたキューバは私が感じたキューバと重なる。人々が幸せなのだ。
表紙の写真がいかしている。

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