李孔明さんのレビュー一覧
投稿者:李孔明
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散り椿
2019/01/02 08:06
妻への思いと男の友情のために命懸けで戦う男の武士道
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岡田准一主演の映画の原作本ということで読んだ。同じ道場で腕を磨いた四天王と呼ばれた4人の若者たちがそれぞれ数奇な運命にもてあそばれる。その中で藩の側用人として頭角を現した榊原采女の許婚であった女性を妻とした榊原の親友の瓜生新兵衛。しかし、正義感から藩の不正を糾弾したために逆に藩から追われた新兵衛が放浪先で病死した妻との約束を果たすために故郷に舞い戻る。家老たちの陰謀に対して妻への思いと友情のために命懸けで戦う男の姿に真の武士道を見る思いだった。散り椿の前での決闘シーンは感動するとともに本当の妻の思いに気付く新兵衛が友情のために立ち上がる姿に清々しい印象が残る時代小説だった。
起終点駅
2015/12/19 19:06
大人のためのほろ苦い純愛小説
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2015年に公開された佐藤浩市主演の同名の映画の原作本で初めて直木賞作家の桜木紫乃を知った。 同郷の北海道出身という親近感に加えて、大人の男女の機微をせつなく、そして余韻を味わえる小説にすぐにファンとなった。この「起終点駅」(ターミナル)も、北海道を舞台にした珠玉の短編集である。
タイトルとなった「起終点駅」は元裁判官の老弁護士の人生における重要な存在である一人の女性との純愛とその悲しい別れがとても抒情的な文章で描かれている。 妻子と別れてひとり釧路で国選弁護士として生活している主人公が覚せい剤事件で弁護をした若い女性と裁判後も接しているうちに封印していた過去の思い出から立ち直るとともに、その女性の人生の再出発を「起終点駅」である釧路駅からの旅立ちに象徴させているのは、さすがである。足寄出身のシンガーソングライターの松山千春の代表曲「旅立ち」の歌を思い出させる小説である。
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