せーとーさんのレビュー一覧
投稿者:せーとー
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紙の本コンテクスト・マネジメント 個を活かし、経営の質を高める
2024/01/28 15:54
机上の空論
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前著は同じ理屈を、違う言葉で何度も繰り返していて非常に読みにくかったが、今作は著者の講義をそのまま筆記してあるので、そういった点の読みにくさはなかった。
ただ内容としてはドラッカーの焼き直しというか、そこまで目新しい論が展開されるわけではないという印象。
そして著者をはじめとする多くの経営学者が論じる個を活かすというのが、結局のところ実践されずにいる多くの現実を解決するというところまでは踏み込まれていないのが、あくまでも学者の講義という感じ。
紙の本そこでだ、若旦那!
2016/10/29 22:07
義理と人情と祝儀不祝儀
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ヘヴィメタル誌BURRN!での連載をまとめたエッセイ。
著者は立川流創設時の真打、噺家 立川談四楼。
現在は毎日のTwitterの更新でも歯切れのよい小気味いい短文で楽しませてくれています。
今著は長年の連載をまとめたものなので、近代落語界の一大叙事詩といえば言いすぎですが、事件簿といった感じ。
白眉は弟子が師匠を殴ったあの事件の顛末を内側から見た一連の回。
それ以外にも喜ばしいことや悲しいことも、人間の業を描いた立川流の噺家にしか書けないエッセイです。
紙の本あなたは、わが子の死を願ったことがありますか? 2年3カ月を駆け抜けた重い障がいをもつ子との日々
2016/09/03 17:42
命の尊さ
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生まれてきた子供が重度の障害を持っていたら。
想像もしたことがなかったけど、そして想像をしてもきっとそれは想像でしかなくて、現実にその状況になれば、タイトル通りの感情を誰もが持つのではないでしょうか。
著者が重度の障害を持つご長男と過ごした2年強の日々は、戦いの連続。
相手はご長男であり、旦那様であり、病気であり、行政であり、自分自身であり。
最近は出産前の診断で障害の有無がわかったりもして、命の選別なんて言われているけど、この本を読むと単純に授かった命を産むことが正解とは言えないと思う。
ただ、それでも、命の尊さというのは、どんな人でも変わらないと思わせてくれる。
そんな本です。
紙の本消滅世界
2016/07/10 14:35
絆って何だ
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セックスのない世界。
物語の中では、人工子宮によって男性も出産をし、社会全体がその子供を育てていく。
突拍子もない設定のようで、実は遠くない将来、あるいは倫理のボタンをちょっと掛け違えただけで、今まさに目の前に広がる世界もそうなるではないかと思わされる。
家庭の定義とは何なのか。
一緒に暮らすだけで、それは家庭と呼べるのか。
籍を入れれば家庭なのか。
人を繋ぐ絆は制度によって作られるのか。
システマティックになりすぎた現代を憂う作品です。
紙の本坂の途中の家
2016/03/30 16:51
愛という名の闇
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角田光代の作品を読むと、胸がざわざわする。
はっきりと悪意が提示されるわけではないのに、正に真綿で首を締めるように、違和感が少しずつ積もっていく。
今作は主人公の回りで大きな事件が起きたわけではない。
八日目の蝉や紙の月のように、自ら深い穴に堕ちていくのではなく、気が付けば暗い穴の底にいた。
それは主人公だけではなくて、読者をもいつの間にか真っ暗闇の中に誘う。
悪意なのか愛なのか。
正しいのか間違いなのか。
読み終わると、身近な人が少し怖くなる。
紙の本動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか
2016/03/21 20:39
真実はあまりにむごい
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ベトナム戦争でアメリカが行った、大規模な殺人の裏側。
それは個人の暴走ではなく、
人から理性や想像力や優しさを剥ぎ取る恣意的な戦略。
人はここまで鈍感になれるのか。
人はここまで残忍になれるのか。
抗えない大きな力の前で、人はあまりに無力だ。
紙の本残穢
2016/01/19 18:44
心の弱さと怖さ
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はっきりと見えるものは出てこないけど、はっきりと見えないからこその恐怖。
気のせい、と言われればそれだけとも思える出来事。
だけどそれを掘り下げていくと、思いもよらぬ因縁が。
ストーリーの中で、少しずつ明らかになっていく過去。
因果関係はわからない。そもそも恐怖そのものが自分の気持ちの問題かもしれない。
でも繋げて考えてしまわずにはいられない。
人は何かを見て怯えることもあるけど、自分の中で作り出した何かを感じて怯えることもある。
そんな人の心の弱さを、虚実が交錯するような物語で描いた作品です。
紙の本殺人犯との対話
2016/01/18 22:16
読後感は最悪。でも止められない。
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殺人犯本人やその周囲の人間との対話を通して、陰惨な殺人事件の裏側をえぐり出す。
秋田の児童殺傷事件や尼崎の連続殺人のように、マスコミに一時期センセーショナルに伝えられた事件もあれば、あまりにも壮絶で、ニュースにも出来なかった事件まで、犯人の言葉や行為を読めば読むほど、人の闇に吐き気を催す。
だけど、読み進める手を止めることは出来なかった。
それは自分の中にも、誰の中にも闇があるからなのか。
誰もが殺人という罪を犯すわけではない。
共感だって出来ない。
残されたご家族の言葉には胸が詰まる。
それでもページを捲ってしまうのは、事件ではなく人の心の暗部を、嫌というほど見せつけられるから。
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