アリョーシャさんのレビュー一覧
投稿者:アリョーシャ
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紙の本ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 上
2016/01/27 21:09
気づきとアイデアの宝庫
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ノーベル経済学賞受賞者による行動経済学の本であるが、本質的には経済学よりも心理学である。さまざまな実験によって、速い(fast)思考であるシステム1と、遅い(slow)思考であるシステム2に着目して、意思決定のメカニズムを探究していく。とりわけ、システム1を中心にあつかいながら、意思決定の際に起こりうる誤謬を、これでもかと列挙してくれる。日々の生活の中に意思決定はあふれているから、本書は多くの人にとって気づきとアイデアの宝庫だと思われる。
紙の本李陵・山月記 弟子・名人伝 改版
2016/01/25 22:39
枯れ野のような寂しさ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
中島敦の作品を読むのは、高校の教科書で「山月記」を読んで以来だ。とにかく漢字と言葉が難しいが、内容自体ははっきりと書かれているので読みやすかった。いずれの作品においても、秋や冬の北風吹きすさぶ枯れ野のような寂しさが覆っている。主人公たちの独白の多くは、それぞれが抱える迷いや苦しみである。全体を覆うこの寂しさは、作家が病に苦しんだこととも影響しているのだろう。もう少し、年を取ってから読んだら、また違った感じ方ができそうだと、思う。
紙の本ビジネスモデル全史
2016/01/25 22:38
「どうやって利益を出すか」の歴史
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
前作「経営戦略全史」は、ポジショニングやケイパビリティといった経営戦略のカテゴリーごとにまとめられていたのに対して、本作ではさまざまなビジネスモデル(商いの仕方)が時代順に紹介される。個々のモデルから共通点を抽出してくれるわけではないが、さまざまなビジネスモデルを知識として詰め込むには適している。単純に「いろんな商いの仕方を学びたい」という欲求は満たしてくれた。
紙の本初等統計学
2016/01/25 22:35
古いが例題が多くわかりやすい
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大学教養課程レベルの統計学の入門書である。Σ記号は多用されるが、微分積分は回避している。平均値や標準偏差といった統計的な記述を概観し、確率や確率分布の基礎を丁寧に確認した後、標本抽出や推定、仮説の検定、相関・回帰へと進んでいく。新しい内容が登場した際には、必ず例が示され、具体例を通して学ぶという姿勢が貫かれている。平方根や各種確率分布の数値を、巻末の表から読み取る形式は古びている。しかし、結果としては、数値を代入した途中式が本文中に示され、本書のわかりやすさに一役買っている。
紙の本成功する人は、2時間しか働かない 結果を出すための脳と身体のピークのつくり方
2016/01/25 22:37
タイトルと内容がミスマッチ
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この本の最も優れている点は、書かれている内容が実験を伴う研究成果に裏付けられているという点だろう。いわゆる自己啓発本の中には、華やかな言葉で飾られていても、著者の個人的な経験にだけ依拠した内容の物が少なくない。本書は、書きぶりこそ地味だが、参考文献を明示した上で主張していて、何らかの根拠があって語っていることが分かるのが良い。タイトルや文体の軽さと中身の地味さがマッチしていないのと、「戦略3」までがとにかく冗長であるのが難点だ。著者には、どうせならもっと学術的な形式の本を出して欲しい。
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