ぱこちゃんさんのレビュー一覧
投稿者:ぱこちゃん
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神戸の女VS湘南の女 愛をちょうだい
2020/08/16 16:56
カメラマンに嫉妬する写真集
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
小野夕子さんと、美乃すずめさんが共演するオトナ向け写真集です。女性の肢体、パーツ、表情に対する関心や審美眼を備えておれば、どなたでも感銘を受ける作品集だと、私は思います。
モデルのおふたりは、動画作品にも出演されておられます。しかし、この写真集で演じておられるおふたりの、動画では観察しがたい、美しい瞬間が切り取られ、各処にちりばめられており、秀逸などというネット慣用句では表現し尽くせないのではないかと、私には思われました。
ふくよかさと弾力を兼ね備えた躰、そして、互いに心底信頼しているかのような柔らかい表情を、ページをめくって愉しみ、感応することが出来ます。
私は煩悩が横溢すると、この作品を眺め、しばし現世とのしがらみを忘れます。
しかし、何といってもこの作品を生み出し、モデルのおふたりの美しさを濃密に抽出して私ども庸人でも審美できるよう可視化した、
写真家西田幸樹先生の力量に拠るところが、大きいということは、さすがに鈍才な私でも頓悟することが出来ました。
おすすめします。
ミッドナイト・ジャーナル
2016/02/27 13:34
「ジャーナル」とはなにかが、本書のキーワード
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
女児誘拐事件の被害者とその家族、捜査当局、そして新聞記者たちの営為を社会部新聞記者の目から捉え、小説として練り上げたところが、とても新鮮である。
また、新聞記者同志が交わす複雑な心の「貸し借り」、ベテラン記者から新人に伝えられる仕事の仕込み方、そして記者としてのメンツをかけて「とられたら取り返す」と息巻くような、同業他社との、あるいは支局と本社との競い合いなど、新聞の一読者には窺い知ることが出来ない、新聞社の「フツーでないところ」が見事に曝されているところも、また興味深い。
新聞社といえば暑苦しく男臭いものを連想してしまうが、本書では女性記者の折り目正しさと、ここ一番で見せるツッコミの鋭さもよく表現されており、女性活躍時代に入りつつある報道の現場の雰囲気が、よく伝わってくる。
冒頭から結末まで、一貫して楽しむことができた。
湘南の女 夕子
2019/11/20 20:14
美しいひと、美しいショット
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
わたしは、この写真集で久しぶりに美しいひとに出遭うことが出来ました。
夕子さんの容姿や肢体、パーツが優美であることは、言うまでもありません。
画面に生命力が横溢していて、眺めているだけで、エロスを感じます。
現代の世に美しいひとは誰、と問われれば、わたしは夕子さんを挙げるでしょう。
夕子さんの体温と息づかいを感じられるような近接ショット、夕闇の街なかショット、そして海辺の集落にたたずむネコを思わせるショット、いずれも甲乙つけがたい。
「湘南の女」というタイトル、夕子さん、そして各ショットが協調しているように、わたしには感じられました。
さいきん美しいひとに出逢っていないと嘆いておられる方には、ぜひお薦めしたい作品です。
水鏡推理 2 インパクトファクター
2016/02/20 20:50
巷間で話題の「あの」事件がモチーフになっているのでは?
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
文部科学省の不正研究摘発チームに事務官として配属された水鏡瑞希が、大きな組織の壁やキャリア官僚の差別意識或いは嫉妬心を排除しながら、不正な研究補助金受給を企むオトナたちを追い込んでいく、「水鏡推理」シリーズの第2作。
第1作は水鏡瑞希という人物と不正研究摘発チームの役割を読者に印象づけることを主眼としていたためか、全体的に慌ただしい印象が拭えなかった。
大きなテーマで、もっとじっくりと不正者を追い込んでいくストーリーが読みたいな、と思っていたところ、この第2作が刊行された。
第2作を読み始めて気がついたのは、水鏡瑞希が少しオトナになっていることである。組織や上司とぶつかることが少なくなり、個人的な直感に基づく暴走もなく、きちんと文部省職員らしく振る舞っているのである。でも、持ち前の勘の鋭さと、自らの直感を論理的に整理し、推論していく「水鏡推理」の威力はいささかも衰えていないので、第1作からのフアンも安心して読むことができる。
ストーリーは現在巷間で話題の「あの」事件がモチーフになっていることは、読み進めるうちすぐにわかることである。「理系女子の星」大学院生、水鏡瑞希、マスコミの寵児を利用しようとするオトナたち、一見イノセントなインド人研究者、「インパクトファクター」など、登場人物やキーワードの活用展開は、著者の力量ならではだろう。
重たい話ではなく、最後には相応のカタルシスもあるので、スッキリとした読後感もある。これだけ盛り込んだ小説を700円足らずで読めるとは。
ところで本書を通じてよくわからない点が2つ。
ひとつは、本書のヤマ場で出てくる「ヒモの話」。ていねいな絵も添えられていたけれど、よくわからなかった。もっと真剣に読めば、水鏡推理のスゴさを一層深く楽しむことができたのかもしれない。
ふたつめは、文庫カバーの女性イラストと水鏡瑞希のギャップ。イラストの女性はしっとりとしたロングヘアーで、どうみても美人。水鏡瑞希は、本書を読む限り、若いけれどもそれほど美人ではない印象。みなさん、このギャップについてどう思いますか?
もしもの世界 絵ときSF 復刻版
2020/12/27 08:13
私の読書遍歴の号砲ともいえる一冊
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本書を初めて手に取り、読んだのは私が幼稚園児のころ。
私の本ではなく、当時小4だった姉の蔵書でした。
祖父母の家に家族で遊びに行ったおり、姉が携行していた本書をこっそり拝見。
SF童貞だった私は、刺激的な見出しと、子どもにとってはリアルな挿絵を見ただけで、まるで雷に打たれたような衝撃を受けました。
地球から酸素がなくなったら。
地球から引力がなくなったら。
食べ物がなくなったら。
(以下、覚えていないけど)
一番衝撃的だった項目は「引力がなくなったら」でしたね。
私は恐怖から大声で泣いてしまい、怒った祖父から本を取り上げられ、そのまま泣き疲れて寝入り、気づいたら自宅に戻っていました。
以来、しばらく本書から自発的に遠ざかっていたのに、それなのに。
同室で寝起きしていた姉が、夜、低く太い声で「もーしものせかい、もーしものせかい」と本書のタイトルを、嫌がる私の耳元で連呼し、私は得体の知れない恐怖から、ただ泣くばかり。
そんな私も、さすがに学齢に達して小学校に通い始めると、こっそりと本書の通読に励み、本書の不思議なおもしろさを愉しむようになりました。
あれから40年。
復刊のうわさを聞き及び、hontoで検索するとうわさは本当だったと知りました。
初めて本書を手にしたときの衝撃を、現在の私は理解できるだろうか。
突き刺さるような「もしも...」タイトルと、独特の挿絵に、また恐怖するのだろうか。
私の読書遍歴の号砲ともいえる一冊でしたので、速やかに発注しようと思います。
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