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翠さんのレビュー一覧

投稿者:翠

9 件中 1 件~ 9 件を表示

みかづき

2016/10/26 12:41

人生観を考えさせられました。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

舞台は昭和36年から平成20年にかけて。変遷する社会情勢の中、親子孫らがそれぞれの思いを抱いて教育に携わるドラマチックなお話しです。

物語の中心人物=千明は教員免許を持ちながらも、ある強い思いで塾を立ち上げます。軍国教育から民主主義教育、詰め込み、ゆとり、脱ゆとり…唐突に方向転換を突きつける国の教育指針にいきり立ち、反骨心を露わにします。

塾経営、文科との対立、理想の子ども教育への執念が強い千明は衝突も多く翻弄されます。

千明はやがて家族も増やしていきます。同じ目標に向かっていると思っていた家族とも いつしか溝が生じますが、千明は志の実現を夢見てひたむきに奮闘します。

しかし、塾の経営という非常な現実に、いつしか大切な思いがぶれていきますが…。

登場人物の個性がすっきりしていて、相互関係に味付けも効いているので、どの場面もすんなり頭に入って来ました。

また、それぞれが頑なな主張をぶつけ合う場面も多いですが、互いが抱える事情の厳しさを丁寧に描かれているので、各々の譲歩しがたい気持が易く伝わってきました。

充実する仕事の成果とは裏腹に、乖離していく縁ある人たち。 年齢を重ね、老いた千明の胸の内は…。
病床で人生を俯瞰した千明が己をみかづきに重ねる辺りは、キーンと私の琴線に触れました。
人は感じ、考える事で原動力が生まれ、たとえそれが悩める事であったとしても、その人の支えとなっているのかなと思いました。

教育というキーワードで本筋が整えられていますが、理想が成就したかという興味もさることながら、登場人物の絡み合う絆が深まったり疎遠になったりと、起伏に富む有様が味わい深かったです。それぞれの心情に思いを馳せ感情が揺れました。

エピローグに近づくにつれ、「みかづき」のキーワードが増えると共に、じんわりと温かな気分に誘われました。しっとりとした余韻を残しながらも、晴れ晴れとした締め括りがとても素敵でした。

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陸王

2016/09/19 19:49

駅伝ファンをも泣かせる一冊。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

駅伝シーズンに差し掛かる今、オススメの読物です。

駅伝やマラソン選手も題材にされていますが、主題は零細企業経営者が親から引き継いだ右肩下がりの家業を守る為に悩み奮闘するという話。

舞台は業績が衰退し、資本力も乏しいという体力の無い会社。社長は生き残る為に新規事業に活路を見出だしますが、いつしか沢山の人達の大きな夢となっていく。知恵をしぼり、人脈を命綱にしてじわじわと現状打破していく社長の姿は、誰もが応援したくなります。 次々に降りかかる難題を仲間達と一緒に解決していくけれど、大事な決裁は一人苦悩する。社長業の重圧感がよく伝わって来ました。

成功しか知らない人より、困難を多く乗り越えた人の方が、人生に手応えを感じて生きている。 私も主人公や彼を支える人々の仲間となり、苦楽を共有したい衝動に何度も駆られました。

負け組と称されたり、圧力により理不尽な扱いをうけたり、世の中、嫌な思いは多かれ少なかれ経験あると思いますが、そんな鬱憤を晴らしてくれる本です。

義の美徳がいつまでも評価される世の中であって欲しい、本を閉じた時、そんな思いが胸に広がりました。

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陸王 第一章試し読み

2016/09/19 19:12

駅伝ファンを泣かせる一冊

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

駅伝シーズンに差し掛かる今、オススメの読物です。
駅伝やマラソン選手も題材にされていますが、主題は零細企業経営者が親から引き継いだ右肩下がりの家業を守る為に悩み奮闘するという話。
舞台は業績が衰退し、資本力も乏しいという体力の無い会社。社長は生き残る為に新規事業に活路を見出だしますが、いつしか沢山の人達の大きな夢となっていく。知恵をしぼり、人脈を命綱にしてじわじわと現状打破していく社長の姿は、誰もが応援したくなります。 次々に降りかかる難題を仲間達と一緒に解決していくけれど、大事な決裁は一人苦悩する。社長業の重圧感がよく伝わって来ました。
成功しか知らない人より、困難を多く乗り越えた人の方が、人生に手応えを感じて生きている。 私も主人公や彼を支える人々の仲間となり、苦楽を共有したい衝動に何度も駆られました。
負け組と称されたり、圧力により理不尽な扱いをうけたり、世の中、嫌な思いは多かれ少なかれ経験あると思いますが、そんな鬱憤を晴らしてくれる本です。
義の美徳がいつまでも評価される世の中であって欲しい、本を閉じた時、そんな思いが胸に広がりました。

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意識改革になりました。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

世界で多くの人に読まれている理由が分かりました。
「片付け」→「KATAZUKE」ぐらいの意識改革!

片付けることで自分が分かる、というのも実践して納得でした。
推奨される作業は淡々としたものですが、膨大なモノと向き合う事で色々な想いが溢れてきて、自分の深層心理に気付かされました。

こんまりさんの仰る「今を大切にしましょう」というキーワードがとても琴線に触れました。
人生における大切なキーワードを教えて頂けた素敵な本でした。

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藝大の魅力を面白く切り取っています。

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

藝大の現役音校生と美校生のインタビューを交え、多種多様な学科が分かりやすく紹介されています。
ここまで両校の交流がごく自然に日常的であることに驚き ました。
縛りの緩い環境の中で、自主的な判断により作品制作を行う学生さんの苦楽が伝わって来ます。 感性豊かな学生さんの様子がみずみずし く、表現者は魅力的だと改めて感じました。

現役芸術家でもある教授に比較的少人数で指導いただく様子もチラと触れてありますが、音校と美校の師弟関係の違いの着眼が面白かったです。
異業種混合の活動を楽しむ藝大、まさしく敬意ある"カオス"ですね。

この学舎に身を置いてインプット&アウトプットに没頭したら、かなりの充実感を味わえるだろうなと、藝大に強く憧憬を抱かせる本でした。

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旬な題材、読むなら今かも。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

昨年、パナマ文書で政治家や著名人、有名企業法人などの租税回避が暴露され、富裕層の租税回避に注目が集まっているところで、的を得たタイムリーな題材です。一気に読了しました。
フィクションの中に見え隠れする史実によってリアリティが増幅、週刊文春のスクープ記事を読むような気持ちの高まりを感じました。

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家康、江戸を建てる

2016/09/10 16:03

400年前、都市設計の醍醐味がそこにあった。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

NHK大河ドラマ「真田丸」の視聴者であれば、時代背景が丁度重なり興味深さも手伝ってあっという間に読み終えると思います。 江戸を建てる=都市造りのお話しです。

開府以来、400年後の今も政治・経済の中心であり芸能文化発信地にもなっている東京が巨大都市へと発展出来たのは、家康による都市設計の功によるところがあったのは間違い無さそうです。

度重なる洪水と広大な湿地を抱え、見向きもされない田舎だった土地は、人の手により整備され変貌していきます。
人の営みや都市の発展に必要なもの、 難題に立ち向かう役人や腕利きの職人達が世代を股がって模索、奮闘する姿が見所です。
・洪水を回避し、湿地を磐石な土地へ。
・膨れる需要に比例した飲料の確保。
・流通貨幣の改革。
・城造り。
オムニバス形式ながらも、そこへ共通して殿様の俯瞰した目線と、現場の職人の目線があり、都市造成という大掛かりな難題に大勢の人々が関わっている空気感が伝わってきました。

各々の現場で先導するは、勘の良い役人と腕利きの職人。上官との駆け引きも中々のもの。 純粋に職に全うした彼等が生き生きと描写されているので、遥か昔の江戸が身近に感じられました。

想像から図面へ、そして大勢の手により形成過程へ。完成された圧倒されるぐらい巨大な造形物を目にした時の感動とその過程が造形の醍醐味なのだろう、と 1年前更地だった場所にそびえ立つ大型マンションを見上げて、当時の家康や役人と職人たちに想いを馳せました。

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何者

2016/08/06 09:50

就活生の揺れる心情を探れる作品

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

朝井さんの実体験が反映されているとしたら、この作品は12月説明解禁、4月採用開始の頃の話しですね。 現在就活中の学生さんとは事情がズレますが、就活に直面している学生さんには共鳴するところが多い作品なのではないでしょうか。
自分の問題なのに、同級生の就活進捗状況に揺れてしまう。嫉妬や焦り、不安との戦い。仲間のちょっとした言葉のやり取りに過敏に反応しあい、変わる距離感。アイデンティティに強く向き合う息苦しい生活。 就活に苦悩する若者達の不安定感がリアルに描写されていると思います。
登場人物を朝井さんの出身校である早稲田の学生さんで連想するとしっくりきます。
学生目線で書かれているので、就活生の親御さんもお子さんの心情を汲み取る参考になる本だと思います。

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何者(新潮文庫)

2016/08/06 09:46

就活生の揺れる心情を探れる作品

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

朝井さんの実体験が反映されているとしたら、この作品は12月説明解禁、4月採用開始の頃の話しですね。 現在就活中の学生さんとは事情がズレますが、就活に直面している学生さんには共鳴するところが多い作品なのではないでしょうか。
自分の問題なのに、同級生の就活進捗状況に揺れてしまう。嫉妬や焦り、不安との戦い。仲間のちょっとした言葉のやり取りに過敏に反応しあい、変わる距離感。アイデンティティに強く向き合う息苦しい生活。 就活に苦悩する若者達の不安定感がリアルに描写されていると思います。
登場人物を朝井さんの出身校である早稲田の学生さんで連想するとしっくりきます。
学生目線で書かれているので、就活生の親御さんもお子さんの心情を汲み取る参考になる本だと思います。

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