四月うさぎさんのレビュー一覧
投稿者：四月うさぎ
2016/12/31 00:46
忙しい女性たちに読んで欲しい
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単なるつくりおきレシピ集かと最初は思いましたが、数日分の料理を作る手順を時系列的に説明されているところは、大変面白く感じました。他にも、保存容器（プラスチック、ホーロー、ガラス）の性質についてそれぞれの特徴や欠点について述べられている点も参考になりました。肝心の料理についてですが、いずれも特に難易度の高いものではなく、手順も丁寧に説明されているので、初心者の方にも安心してお勧めできると思います。つくりおきさえしておけば、帰宅後はお米を炊いて汁物を作るだけなので助かります。
紙の本白鳥異伝
2016/09/30 23:25
読み応えのある大作
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中学生の時、この作品の児童書らしからぬ分厚さにビックリしましたが、読んでみるととても面白いと思いました。「白鳥異伝」は勾玉三部作の二作品目で、どの作品にもそれぞれの良さがありますが、個人的にこの作品が一番ドラマチックだと思いました。主人公がとにかく生き生きとした魅力にあふれているので、読んでいてとても惹きつけられます。子供のみならず、大人にも読んで欲しいと思える一冊です。
紙の本きかんしゃやえもん 改版
2016/09/30 21:44
物への慈しみを感じさせる作品
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NHKのTV番組の人形劇で、初めて「きかんしゃ やえもん」を知りました。（この作品は、人形劇ではありませんでしたが。）TVで観たやえもんは、優しいおじいちゃん機関車という感じでしたが、原作ではもう少し我を張ったところがあって可愛らしかったです。
とても長い間一生懸命働いてきたのに、「もう役に立たない」、「鉄くずにするしかない」と言われ、悲しむやえもんを見ていると本当に辛くなりました。と同時に、安易に物を捨てている我が身を反省し、少しでも長く愛着を持って物と接するようにしたいと思いました。
電子書籍応天の門 3巻
2016/06/14 16:14
平安ミステリー、興味深いです。
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平安時代といえば、きらびやかで平和な時代というイメージが強かったのですが、戦国時代よろしく宮中はかなり殺伐とした所だったようですね。藤原氏の面々のあまりの鬼畜ぶりに、読後もどこかすっきりしない気分の残る３巻でした。
いつの時代もそうですが、綺麗事だけではすまされない平安時代の政争が、「応天の門」ではとても丁寧に描かれています。藤原氏の残酷無比な描写も、この作品の世界をより深めているように感じました。
どこまでも一本気な正義感を持つ道真さんが、この先どのように彼らと関わっていくことになるのか、今からとても楽しみにしています。
前半がひどく惨たらしかったので、後半に登場した愛くるしいお姫さまに心が和みました。
そして、業平さんの残念な女性遍歴に閉口しました。一流のプレイボーイはもっと後腐れのない恋愛をするものだと思っていただけに……でも、池に落ちてしまう業平さんも水が滴っていい男に見えました。
2017/05/15 21:38
過激なミステリーが好きな方に
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先日、NHKの番組で清水さんのお仕事ぶりを拝見させて頂いたのですが、まるで何かに憑かれているかのごとくデッサンの修正を繰り返す様子に、この方は天性の漫画家なのだと思いました。
ストーリーもよく考えられているのに、絵の方も全く妥協せず、読者がほんの数秒しか見ないであろう一コマに一体何時間費やされているのいるのでしょう。本当に、気が遠くなりそうです。
この「秘密」シリーズは、以前雑誌を買って読んでいましたが、絵もストーリーも申し分ない漫画だと思うのに、今なおコミックを買い集める気になれません。一種のミステリーとして本当に面白いと思うのですが、人間の暗部を躊躇なく表現したり、惨殺死体がリアルに描かれたりしているので、怖がりの自分はどうしても遠慮してしまいます。
過激で美しく、本格的な近未来サスペンスを楽しみたい方は、ぜひ「秘密」に挑戦してみて下さい。
紙の本お寺のしあわせごはん お坊さんに学ぶ、読んで食べて、心が軽くなる言葉とレシピ
2017/09/17 00:21
美味しいごはんで悩みをなくす
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人間が陥りやすい悩みの一つ一つと向き合いながら、その解決策に即した精進料理を紹介されているので、ありがたいお言葉を頂戴しつつレシピまで覚えられる一冊で二度おいしい本です。
うろ覚えですが、永平寺では料理も修行の一つだと言われていたのを思い出しました。この本を読んで、修行僧の皆さんは普段こんなことを考えながらお料理をされていらっしゃるのかと、何だか不思議な気持ちになりました。
心に負債を抱えるようなことがあったら、セラピーに行く前に、じっくり一人で料理を作ってみるのも良いかもしれません。
ところで、精進料理には肉や魚が使用できないので出汁を干ししいたけや昆布で取るのは解りますが、野菜ですら避けるべきものがあるという事実に驚きました。そんなふうに様々な制約を受けながらもバラエティ豊かな精進料理は、本当に奥が深いと思います。
電子書籍恋せよキモノ乙女 1巻
2018/05/31 22:41
キモノ女子が可愛いです
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着付けには何度か挑戦しましたが、いつもおはしょりの処理が上手くできず挫折しています。ももちゃんのように、季節に合わせた着物を着ておしゃれなカフェに行ったり、レトロな図書館へ本を借りに行ったりしてみたいものですが、着なれないものを着て外出するのはかなりリスクのある行為なので、レンタルにもあまり挑戦したことがありません。膝を支点にして歩かないと前が開きますし、そもそもお手洗いはどうするのでしょう。その点についても漫画で描いてくれたらと思ったりもしますが……やはり不可能でしょうね。
この漫画では、着物の種類や謂れについてもさりげなく紹介されているので、とても興味深いです。カラーの着物が奇麗なので、正直全頁カラーでないのが残念です。
2018/05/31 16:48
続きがどうなるのか期待しています
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崩御されてからまだわずか30年ですが、昭和天皇を主役にした漫画を読める日が来るとは思いもしませんでした。63年と一週間、その長い在位期間に色んなことがありましたから、否定にしろ肯定にしろ昭和天皇に対する意見は様々で、未だ評価が定まっているとは思えない方を描くのは非常に難しいのではないでしょうか。
とはいえ、物語はまだ序盤です。政治的にも特に大きな事件はなく、これから始まる苦難の時代がどのように描かれるのか、それを楽しみに続きを待ちたいと思います。
紙の本チェーザレ 破壊の創造者 （モーニングＫＣＤＸ） 13巻セット
2017/05/15 21:11
気長に続きを待ちます
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ルネサンスといえば、後世に名を残す偉人達が数多輩出されたイタリアの黄金期。これは壮大な物語になりそうだと１巻を読んだときに思ったのですが、10巻を過ぎても物語があまり進んでいないので、最近はチェーザレがロマーニャ公になる姿が見られるのかどうか心配になってきています。
そもそも、物語に深く関係があるとは思えないカノッサの屈辱について、あれほど詳しく描く必要はあったのでしょうか。後々、チェーザレが宗教界を離れることを匂わせるための伏線なのかもしれませんが、良くも悪くも物語を丁寧に描きすぎているような気がします。
個性の強い登場人物達をとても生き生きと描かれていることには好感をもてますが、早く肝心の主人公が華々しく権謀術数を巡らせるところが見たいです。
電子書籍【期間限定価格】私の少年 ： 1
2017/02/28 00:50
名付ける言葉が見つからない愛
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三十歳のOLと十二歳の小学生の交流。血縁関係もなく、恋愛感情もない、それなのに繋がっている関係、友人関係というのも違うように思えるし、また面白い分野の漫画が出てきたものだと思います。小学生の真修くんが（私の想像で、まだはっきりしたことは解りませんが）父親からネグレクトを受けているようなので、OLの聡子さんが面倒見つつ母性愛に目覚めるような話かと最初は思いましたが、何だか純粋にお互いを慕い合うような展開になってきて…これは一体どういう関係になるんでしょう。
二人の間に流れる空気は全く生々しくなく、重たい部分はあってもあくまで爽やかなのでプラトニックな関係に落ち着くような気もしますが、それぞれが心に負債を抱えているようなので、それを補い合って幸せな関係を築いて欲しいです。
2018/05/31 22:19
文楽の入門書
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お能や狂言、落語や歌舞伎など、日本の様々な古典芸能の中でも文楽はマイナーな分野だと思います。大阪の日本橋にある文楽劇場へ何度か観劇に行きましたが、満席になった状況は未だ見たことがなく、歌舞伎の盛況ぶりに比べて何とも寂しい限りです。歌舞伎に比べてチケット料金もずっと安いので、お買い得だと思うのですが、やはり知名度の差なのでしょうか。
今回、この漫画を読んで、文楽を知らない人にも入門編として読んでもらえるような内容になっていることに好感を持ちました。三役で完成する文楽の魅力を、これからももっと掘り下げて描いて欲しいです。
2017/11/11 16:20
堅実に自分らしく
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家計関連の本を色々読んできましたが、どの本の著者も皆、お金だけでなく物の管理もシンプルであることに気づきました。お金とモノに対してきちんと自分の基準で向き合っている、誰と比較することもないし、見栄を張ることもしない、そういう人たちだからこそ、お金に好かれるのだと思います。
ハピコさんの場合、最初はずいぶんと浪費家だったそうですが、生活全体をシンプルにすることで、とても堅実な暮らしを楽しんでいらっしゃると感じました。生活の質を自分に合うよう変えることによって気持ちに余裕が生まれ、心豊かになれるのだと思います。
高価なもの＝自分にとって最良のものとは限りません。まず、自分の生活レベルを見極めてから、何にいくら使うかを考えて行動することが肝要だと思います。
紙の本百貨店ワルツ
2017/09/19 14:09
大正浪漫の好きな方に
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表紙の絵が素敵なので購入しましたが、中身もきれいな着物の絵が多く、画集としては大変満足しました。
一応、この作品はコミックに分類されるのかもしれませんが、漫画のストーリーよりも百貨店の豪奢な雰囲気を楽しむ為の本だと思います。
この本を読んで、銀座の三越へ行ったものの自分には敷居が高すぎて早々に退出した過去を思い出しました。本の中とはいえ、高級百貨店の気分を味わえたのは良かったかもしれません。
紙の本１万人の家計を立て直してきたプロが教える「お金」の貯め方
2017/09/17 00:06
易しい貯金の指南書
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特に難しいことは書かれていないので、どなたにも勧められる本だと思います。お金がたまるようになるコツを簡単に解説されているので、自分の行動や習慣と照らし合わせながら検討してみると良いかもしれません。
私の場合、自分は銀行や証券会社のカモになりやすいかもしれない、ケチりすぎて損をするタイプかもしれない、等々、注意しておきたい項目がいくつかありました。
意外だったのは、「本当のお金持ちは貧乏人のように生きている」という項目です。でも、内容を読み、次いで土光さんを思い出して納得。ちなみに、飛行機のファーストクラスや高級レストランに自腹で行く人は少ないと知り、見栄を張るのが馬鹿らしくなりました。
「借金を甘く見る人に成功者はいない」という言葉も、重く響きました。個人的に、この条件に当てはまる人を二人ほど存じ上げているので、お金にだらしなくなったら終わりだと自分を戒めています。
2017/05/15 23:17
豊かで倹しいエコ生活
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アズマさんの本を読むのはこちらで二冊目ですが、内容の方は以前とあまり変化はないように思います。
普通とは少し違う、昔ながらの暮らしぶりを衣食住に渡って紹介されていますが、その内容は決して豪奢ではないのに、とても豊かで温かく感じられます。
蚊取り線香代わりにみかんの皮を利用したり、かぼちゃの種を乾燥させてお茶にしたり、あるものを無駄なく使い切る工夫で、専用の商品がなくても十分快適な暮らしができることを、アズマさんはその経験から会得されているのでしょう。その倹しさを貧乏臭く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、アズマさんの文章がとても伸びやかなので、本当にエコ生活を楽しんでおられるのだと思いました。
冷蔵庫のない生活等、今の私には考えられませんが、アズマさんを見習って保存食作りに挑戦したいと考えています。
