十日十月さんのレビュー一覧
投稿者:十日十月
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2016/06/27 09:09
アメリカの占星学事情込みで面白い
13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
529ページはかなりの情報量です。サインと天体について詳しい一覧があります。割とハウスについては簡素です。ハウスと天体、ハウスとサインの関係の一覧はありません。アメリカは初級ではそうなのだと、逆に推察できます。ドラゴンヘッドとテイルは「ノースノード・サウスノード」という呼称で、目次にも『月のノード』というセクションを設けて、かなりの紙面を割いて説明があります。アスペクトもマイナーが詳しく説明があるのが便利です。古典的で現代ではあまり顧みられなかった(と言われている)ディグニティについてもここでは詳しいです。これは今の米国占星術界がエッセンシャル・ディグニティの名誉回復中だということもわかってきます。
私は初心者なので、これを買う前に革新派の松村潔さんの本を買う勇気がなく、一般的な現代占星術のスタンダードを理解する必要があって、まずこれを購入しようと本屋で立ち読みしながら思いました。索引もあるので便利ですが、専門用語はPCの前で用語集などをググりながら読んだほうが索引ジプシーになるのを防げます。
帯にある通り、「米国のプロ占星術師認定機関の試験レベル1の学習過程が基礎」として書かれた、明らかにプロ志向者用の初心者版。アメリカのプロ占星術の初級のレベルがなんとなくわかるというものです。用語などを見ていると、アメリカの占星術にはかなりのニューエイジ色が当たり前に導入されているということもよくわかりました。私の独断と偏見では主に霊性の科学的な神智学系寄りかなぁと。そういう意味でも松村潔占星術と他の占星術本との遠近感の基準を考えるのに私には役に立ちます。
2016/09/21 22:49
繰り返し読める
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
丸木戸先生はさりげないセリフやコマの進行が上手い。読み終わっても、キャラが互いが好意を生むまでの積み重ねや、壊したものを繕っていくプロセスをもう一度再体験したくなる繊細さと、説明的に書き過ぎない感覚が上手い。それで何度も読む。最近、何度も読める本も少なくなってきたが、久々にストーリーだけじゃなく、登場人物の存在と関係からにじみ出るなにかを絵とセリフに表せる作家さんだと思う。
木島先生が書いているようなフ◯ンス書院的な官能小説はかなりの量読んでいる。しかし、抜くだけでない、骨格のある、鬼畜でも陵辱でも品のあるものは、実際の世界でもなかなかはない。そんなことを発見していく国語力の高い久住君の発見なんかに共感&感動したり、二人が「文字」と「声」をそれぞれ互いに愛していることなんかがさりげないセリフの中で切なく響いたりして、読む度に違うところで色々と堪能できて嬉しい。エロすぎないのに、十二分にエロスを堪能できる押さえ気味のあたりも好感度高い。
アナログプレーヤー&50's 60'sジャズファンとしては、木島先生がLPでミンガスとアート・ブレイキーを聴いてたのがめちゃくちゃツボった。そしてジャズ趣味も官能小説趣味も、木島先生缶ピースだなとか一瞬でわかったりする自分も、本当にメンドくさいヤツだとしみじみ思った。殆どの既刊のBL小説やBLコミックに満足できず、抜きネタは自分で書くしかないとweb小説デビュー(もちろんR-18)するくらいの気難しさで普段暮らしている自分の面倒くさい嗜癖の扉を丸木戸マキが軽く開けてしまったことが少々驚きでもある。そんなメンドイ私のハートを掴んだ本作品と作者さんはエラい。
2016/09/21 21:16
味わい深いゲスさ
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
地味でゲスいリアルなストーリーが上手い。ほんと丸木戸マキさんのキスシーンの使い方は匠だなぁと。ポルノグラファーもだけど、『アケミちゃん』の感じは題材的に尚更、作品の感じが全体的に1970年代後半の山田太一とかのテレビドラマなんかを思い出す。悪くてハンパでもたまに一生懸命になっちゃったり、流されて流されてこんな場所に来ちゃったけど自分のせいだし仕方ないか的な人が思わぬ事件で自分を問いつめなければならなくなったりという、あの白と黒に割り切れない人生そのものっていう感じが出てる。
不意にボ・ガンボスの『夢の中』を口ずさみたくなった。
静雄のそこはかとない掃き溜めの鶴感がいい。いい加減で要領いい勝組のはずが、いい加減さが元で墜落しちゃった蒼介の中のゲスさと隠れてる純粋さの織りなす感じが救いのあるリアリティを醸し出している。カラオケで歌聴いて落ちるってあるよな…と思わず読者に記憶の彼方になにかを見つけさせたりする感じも心憎い。何度も読み返せる。地味だが良作。
2016/06/26 16:03
実用的に使える
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
革命的な占星術の解釈で有名な松村潔氏のアストロロジー入門書です。ハンドブックタイプなので持ち運びに便利なのが最大の購入動機でした。1.各ハウスに入る各サインの意味 2.各天体が属する各サインの意味 3.各ハウスに属する各天体の意味 と、3つの状態すべてを辞典的に網羅しているので、「このカスプのサインのハウスにこの天体が入っている場合」を全方位的に参照できます。ただ、ハンドブックなので、文字数は詰め込んでいますが内容は切り詰めてありますので、深く勉強したい人はもっとページ数の多い占星術ガイドブックの持ち歩き版として認識して勉強するのが良いでしょう。松村さんの解釈は革新的なので、他の解釈と比較しながら自分に落としこむのがいいかなと、個人的には思いますが、入門としては大変便利で、網羅してある濃い内容です。そのため、1ページ中に重要なことがたくさん入っていますので、見落とさないようにセンテンスを熟読してます。
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