うむうむさんのレビュー一覧
投稿者:うむうむ
2017/03/29 19:49
芸術のように美しい図譜
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
前半が、奈良県宇陀市大宇陀にある森野旧薬園と、森野家に伝わる植物図譜の紹介。
後半が、江戸時代の代表的な植物図譜の中から、薬草を中心に紹介。
写真の無かった時代に、手描きで植物を写し取った図譜は、芸術のように美しいと思います。本の装丁もいい感じです。
紙の本色の名前事典507 JIS規格の269色を含む日本の色、世界の色、507色の由来、おもしろ話、色データ
2017/03/01 10:54
見やすく使いやすい色名事典
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本は、数年おきに少しずつ改訂し、カバーデザインを新調して出版されています。
植物や風景などの写真とともに色名を紹介する本とは一線を画する本です。1ページを2段に分けて、1ページ2色ずつ、色見本と解説文で紹介されています。色見本は面積が広く、ページの端まであるので、色合わせにも便利です。全色同じ長さの文章で、色名の由来や蘊蓄的なことが解説されています。
整然と整理されたレイアウトで、見やすく使いやすい本です。色に興味がある人は、資料として持っていても損はない本だと思います。
2021/12/04 19:03
大人でもタメになる絵本
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
セメントやコンクリートの製法、特性、工法などが分かりやすく解説された絵本です。大人なのに、セメントと生コンとコンクリートの違いすらよく知りませんでしたし、ミキサー車をアジテータ車ということも初めて知りました。大人でもタメになる絵本だと思います。
2019/01/08 17:50
60年前の風景を全てカラーで見られる貴重な本
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
60年前の風景を全てカラーで見られる貴重な本だと思います。8割が鉄道のある風景、2割が鉄道以外の風景といったところでしょうか。私は特に鉄道ファンではありませんが、鉄道と一緒に写っている当時の風景が素晴らしいと思います。キャプションも当時の様子・風情をよく伝えています。
ただ、縦長の新書版サイズに横長の写真を配しているので、写真がちょっと小さい感は否めませんし、ノドの部分で写真の端が隠れているのも気になります。
3~4千円になってもよいので、もう少し大判で、発色の良いアート紙を使った本ならばなお良かったと思います。貴重な写真集ですので、先に大判を出して、数年後に普及版(文庫版)でも良かったのではないでしょうか。
とはいえど、本の内容には満足しています。
紙の本ハエトリグモハンドブック
2017/08/08 17:43
クモのビジュアル本としても魅力あり
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ハエトリグモにこんなにも種類があるとは知りませんでした。
特にハエトリグモに興味があったわけではありませんが、書店で手に取って見て、一目で気に入りました。一つの事物に焦点を絞って専門的に深堀りした本は、魅力があります。
全て白い背景で撮影された写真も、図鑑らしくて綺麗です。クモのビジュアル本としても魅力があると思います。
2017/03/17 22:05
京阪神のお店が、いい味わい
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
京阪神エルマガジン社の本なので京阪神のお店が中心です。東京の大手出版社の出すこの手の本は、たいがい東京の有名店が中心なので、京阪神の店中心のこの本は新鮮に感じます。
どの店の商品も、ほんと美味しそう。「立ったままの方がラクですねん」と立ったまま取材に応じたご主人の写真など、東京とは違う雰囲気が醸し出されていて、いい味です。
紙の本名古屋鉄道の世界 日本で3番目の路線網を誇る中京地方の雄
2022/06/07 01:33
名鉄を概要を知るのに良い本
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いつも名鉄を利用しているので、この本を購入しました。
現役で活躍する車両、懐かしいパノラマカーや岐阜市内線、名鉄の歴史、各線の解説、全駅のデータなどが簡潔にまとめられています。写真も豊富です。
(鉄道マニアには物足りないかもしれませんが)名鉄の概要を知るのには、良い本だと思います。
※弥富駅のみ1日あたり乗降人員数が記載されていないので、出版社に問い合わせたこところ、弥富駅は乗降人員数非公開で不明とのことでした。
2021/05/31 15:07
それぞれの仕事の成り立ちや意義がよく分かり、為になる
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
昭和の仕事とありますが、紹介されているのは戦前から昭和30年代頃までの仕事(高度経済成長期に消えて行った仕事)がほとんどです。それぞれの仕事の成り立ちや意義がよく分かり、為になります。
巻末の「文庫版あとがき」に、合理化・効率化の流れにコロナ禍の状況も加わり、タッチパネル化、リモート化、AI化が加速して、益々人と人とが接する仕事が消えていくことを危惧する内容が記されていますが、私も、同様のことを日頃強く感じており、まさにその通りだと思います。
親本の2016刊・原書房版に対して、いくらか加筆修正されているようですので、文庫版の方を購入しました(まだ原書房版も書店にありましたが)。一方で、原書房版(115種の仕事を掲載)からは「おんぼう(おんぼ)」の項目が削除されて114種になっています。「パンパン」項目の文から「パン助」の語句が削除されています。原書房版にある巻末の五十音順索引は無くなっています。
紙の本戦前尖端語辞典
2021/03/30 15:02
通して読むと当時の時勢がよく分かる
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大正8年〜昭和15年までの約30の流行語辞典に載っている先端語(新語流行語)を抽出し、生活、学生、外来語、思想、女学生、文化、医療、社会、隠語に分類して辞書的に解説した本です。
カタカナ語(外来語)由来の語や短縮語(省略語)が多い点は近年と変わらないようです。近年の新語流行語が軽いノリの語が多いのに比べ、思想や皮肉が込められたインテリで洒脱な語が多い印象を受けます。
平山亜佐子さんの解説にも少々古風な表現が取り入れられており、山田参助さんのイラストもこの本の内容によくマッチしていて楽しい。辞典として項目をつまみ食い的に読むだけでは勿体ない、最初から通して読むと当時の時勢がよく分かり為になります。
2020/11/08 15:48
図版や写真が豊富で美しい
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第1章 有職の色は染色の色図鑑、第2章 表裏の重ね色目は表地と裏地の二色の組合せの色図鑑、第3章 衣のかさね色目は六枚の衣のコーディネート図鑑、第4章 織色は織物の色図鑑、第5章 だん(糸偏に炎:グラデーション)の色図鑑、第7章 位当色は位階・身分の色分けの解説。
いずれも、図版や写真が豊富で美しく、ペラペラと見ているだけでも十分に楽しめます。昔の日本人の色彩に対する感性の高さ、豊かさがひしひしと伝わってきます。この内容でこの価格は良心的だと思います。
2020/08/30 13:17
カラー化された写真だからこそ
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AIと聴き取り情報によって当時のカラーを蘇らせた、1930年代を中心とした戦前から終戦直後の1946年までの写真が収められています。ケガ人や死体などを写した目をそむけたくなるような写真はありません。家族のスナップ写真、出番を待つ兵士の写真、人々の日常生活がある町を空爆する上空からの写真、戦後の廃墟で生きる人たちの写真などです。
もちろん色を想像しながら白黒写真を見ることも大切な行為だと思いますが、限界もあります。カラー化された写真だからこそ、1930年代前半にはまだあった豊かな生活がどんどん戦時色に変わっていく様が分かり、戦争で失われたものの尊さがよりしみじみと伝わってくるのではないでしょうか。
若い人が、聞き取り調査をもとにAIやCGを駆使して戦前や戦中の様子を復元してくれるのはありがたいことだと思います(広島では高校生が原爆投下前の中心街の町並みをCG・VRで復元していますし)。
紙の本ツバメのひみつ
2020/06/20 20:11
ツバメの生態が読みやすい文章でよく分かる
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実家にツバメの巣台があり、ほぼ毎年ツバメが来て産卵し、ヒナを育てて巣立ちさせます。そうしたツバメの生態が読みやすい文章でよく分かりました。イケメンパパとダサいパパの違いとか、浮気とか親違いの子とか、人間にもあるようなことがツバメにもあるようで、興味深く読めました。
つい先日、実家のツバメが巣立ちましたが、もう一回来てほしい。来てくれたら、よく観察してみたいと思います。
2020/06/17 19:45
『街のネズミ』
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身近にいながらほとんど目にすることのない都会のドブネズミの生態を追った、解説付きの写真集です。著者は、ライフワークのようにドブネズミの写真を撮り続けているそうです。
ブルーハーツ『リンダリンダ』で、♪ドブネズミみたいに・・・と歌われたドブネズミって、こんな風に生きているのかと感嘆しました。子供向けの月刊誌ですが、大人も十二分に楽しめます。
紙の本風と雲のことば辞典
2018/08/08 17:31
辞書としても役立つ
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風と雲に関する言葉を五十音順に整理して解説した辞書形式の本です。「トルネード」のような外来語や、「風の又三郎」のような伝承など幅広く載っていて、辞書としても役立ちます。ところどころにあるコラムもためになります。
紙の本雨のことば辞典
2018/08/08 17:27
倉嶋さんの人柄が偲ばれる
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雨に関する言葉を五十音順に整理して解説した辞書形式の本です。雨に関する言葉だけでもこれだけ多様な表現がある日本語の素晴らしさを感じます。
2000年に刊行された単行本の文庫版です。2000年刊の本が倉嶋厚監修となっていましたが、この文庫版は倉嶋厚、原田稔監修となっています。文庫版発刊にあたって、倉嶋さんから、原田さんの名前をもっと明確に記するべきだと提案され、連名になったそうです。倉嶋さんの人柄が偲ばれます。