るうさんのレビュー一覧
投稿者:るう
紙の本きのう何食べた?〜シロさんの簡単レシピ〜 公式ガイド&レシピ 1
2019/05/01 18:44
あくまでドラマ版のムック
17人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ドラマ放送のタイミングで出ただけあってかなりドラマ版寄り。
鯖みそ、ローストビーフなど「あれ、あの料理のレシピが載ってないぞ?」なのでちょっと使えない。
47、82ページなど無駄に使うくらいならひとつでも多くレシピを載せてくれればいいのに。
主演二人の対談と原作者のインタビューは面白いのでこれにお金払ったようなもの。
紙の本後宮の烏 7
2022/06/01 14:08
乗っ取られた
14人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
最終巻。
神々の戦いが意外とあっさり片付いてしまって消化不良気味。
白雷はいつの間にかフェードアウトしたも同然。
作者はもう神々の争いに興味がないように思えた。
寿雪と高峻の結末には納得。
運命から解き放たれた寿雪は皇宮から出ることが叶わない高峻の自由な鳥になり、彼の代わりに海を渡り様々なものを見ていくことになるのだろう。
この物語は最初は後宮での不思議な話、そして神々を巡る烏妃と皇帝の物語だったはずが、途中から禁忌を犯した朝陽とその子供たちの話にすり変わってしまったように思う。
最後、寿雪と高峻のエピソードがごく短いのは不満に感じる。
最終巻の高峻の出番の少なさは目を剥くレベル。
事実上烏妃の物語から作者お気に入りの朝陽一家の物語にほとんど乗っ取られたようなもの。
象徴的なのが次期皇帝もサナメの血筋になること。
物語の中心も皇位もサナメに。
どこまで朝陽一家が好きなんだ。
作者はそこまで一家の話を書きたいなら外伝として別に刊行していただきたかった。
絶対買わないけど。
稀にだが、いつの間にか脇役に情が移り主人公そっちのけになる作者がいるが白川先生もその一員になるとは。
この物語を烏妃の物語ではなく枝葉のはずの朝陽一家の物語として終らせてしまったのはプロの作家としてあるまじきこと。
今後、白川先生を信用できないのでなるべく読まないことにする。
2021/05/22 19:43
深まる
11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
シロさんのケンジへの気遣い、大先生に大切な人とささやかに生きていければいいと語るシロさんの言葉。
1巻の時点で想像もしなかった流れ。
不安定でおおっぴらにできるものではないけど、あらためて二人は連れ合いなんだと噛み締めました。
大先生が妄想するシロさんのお相手が幸薄そうな美女なのが笑えます(笑)
フォーム店長の帰国、大ちゃんとワタル君家での食事会、志乃さん中年ワールドデビュー、佳代子さん宅訪問などエピソードも多彩。
今回はシロさんがケンジを思いながらふと浮かべる表情がとても印象的でした。
2020/07/29 17:58
おまえさえいなければ
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
もはや最初の頃の面影どころかまともな人型すら失ってしまったフォス。
これがエクメアの言う人間なのか。人間を越えるものなのか。
「金剛はまだ僕を愛している」こんな事を言いながらまた金剛を攻撃しようとするフォス。
これは醜悪な甘えなのではないか。
仲間達と楽しげな今のシンシャにとってフォスはどんな存在なのか。
憎しみの目でフォスを見るルチルはあのノリの良かった彼とはもう別人。
ルチルとパパラチアの再会、ダイヤとボルツの対戦…ボルツの悲しげな笑みが意外だった。
月に馴染んだアレキとゴーシェ。今が好きだ、クリソベリルを忘れると言ったアレキ、それでいいの?
イエローダイヤモンドはどうなった?
金剛の誕生日を祝う宝石たちの場面
あの清らかな光景こそ金剛が望んだ宝石との楽園そのものだろう。
そこには眠るパパラチアはいてももうフォスの居場所はないのが寂しい。
フォスと幻影のアンタークチサイトの口から出た
「おまえさえいなければ」の言葉はあまりにも惨い呪いの言葉だ。
この呪いの行きつく先には絶望しかないかもしれない。
それでも彼らがたどり着く場所を怯えながら見届けたい。
紙の本白銀の墟玄の月 4
2019/11/15 13:04
この無惨 この喪失
11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
サブタイトルをつけるなら「王の帰還」だろうか?
長く続く戴の混乱を収めるためには無傷では済まないとは覚悟していたが。
凄まじいほどの流血、夥しい命が失われていく様は絶句する以外になかった。
あの女丈夫が、あの優しい人が、あの忠良な人が、あの健気な子が、罪のない民が。
そして阿選を慕う気持ちを踏みにじられた帰泉、絶望的な状況の中で胸を熱くする志を見せた恵練の変貌。
かっての部下たちを遠ざけていた阿選が親心に近い彼らへの遠慮をかなぐり捨てた今、更に悲惨な状況になるのは想像に難くない。
不利な立場に追い込まれそれでいて阿選は不幸ではないのだろう。
今までの無為な日々ではない、何より求める驍宗との戦いが待っているのだから。
そこが更に救われない気持ちにさせる。
謎はまだある。
それらが明かされる日を待つ。
2019/12/25 09:47
え、もう12年も?
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ケンジと佳代子さん夫婦ご対面!
「ついにケンジに会える!」と喜ぶ夫婦に笑わせて貰いました(笑)
シロさんと佳代子さんが出会ってからもう12年経っていた事にびっくり。
そしてシロさんとケンジの家族の会食は美味しいものの魔力か、終始穏やかなものでひと安心。
会食ではケンジのお母さんの真摯な眼が印象に残りました。あの眼差しは心底息子の事を気遣かっている母親の目でした。
老人ホーム入居準備が本格化したシロさんの両親、それを仕切らずにいられないシロさんに弁護士魂を見ました。
ようやく事務所のボスの座に着いたシロさん、店長として頑張るケンジといい、みんながみんな自分の人生を生きていると感じた16巻でした。
2020/12/04 01:18
モノクロの国
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
宝石特有の色鮮やかさは一切無し。モノクロで綴られた一冊。
別の宇宙の知的生命体が作った図説という体裁。
学校のある島、月の物事をファッションから植物までを取り上げています。
最後の流氷の解説 文字が読めない…え?あの流氷も知的生命体?
2022/05/31 12:55
見るもの全て溜息に変わる
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
山田氏の絵の素晴らしさ!
美麗。その一言に尽きる。
絵が上手い人はたくさんいる。
だが、世に線の一本一本がドラマと化す絵師が何人いるだろうか?
山田氏の描く線は物語を紡ぐ。そのまま物語となる。
その美しさと表現力にひたすら溜息が出た。
紙の本封神演義 導なき道へ
2018/06/22 14:10
解釈がいまひとつ
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
巻頭の普賢真人と太公望の絆を描いたエピソードは丁寧な仕上がりで好感が持てる。運命を受け入れた普賢の静かな靭さが良かった。
趙公明と申公豹の語らいの章はまずまずの出来。この二人、それなりに気が合うようでズレてるところがいかにも(笑)
天化の章は原作をなぞる事がほとんどでこれなら漫画読みます、という出来。
問題は聞仲の話。彼の言葉遣いが一部らしくない事、飛虎とのエピソードの積み重ねは余計なものが多いと感じた。
聞仲が飛虎に願った事柄の部分は完全にいらなかった。単純に聞仲はおおらかな友人が大好きだった、それだけで良かったと思う。理屈ではないからこそあの二人はあれだけ苦しんだのだし。
気になったのは全体的に時系列がおかしい事と言葉の使い方。天化に対して「筋骨隆々」と形容はいくらなんでも変にも思った。
でもまあ、外伝を抜かせばしばらくぶりに封神演義関連で楽しませて貰った。
出来が最低最悪である最新の封神演義アニメの脚本はこの作者にやってもらったほうが一億倍マシなものになっただろうに。
2022/05/03 16:29
都合が良すぎる
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
妹を溺愛する両親、姉を侮る妹を持つ不遇なヒロイン・柚子。
そんなヒロインに運命的出会いが…柚子を溺愛し、運命の相手である鬼の存在がとにかく柚子に都合が良すぎて興醒め。
すぐに飽きてしまった。
紙の本薬屋のひとりごと 15
2024/03/29 15:57
手術へ
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
表紙の二人がやけに険しい顔をしていると思ったら。
選抜試験、華陀の書、曼陀羅華、翠苓…これらの要素の行くつく先は尊き御方の手術という大プロジェクトの巻。
皇太后の血族がわかりやすいろくでなし。
元は先帝の中級妃である人物の孫娘の入内といい、なんとなくきな臭い。
皇帝と阿多元妃、そして壬氏がいる場に同席する羽目になった猫猫。
明らかにする事のできない家族の語らいを目の当たりに。
その場で流れた意外な涙がなんとも切ない。
最初で最後かもしれない家族の時間は皇帝と元妃の胸にずっと残るのだろうな。
皇帝に必要なのは慈悲であって優しさではない。
それなら確かに壬氏は皇帝に向いていない。
天祐 とりあえずみんなに殴られろ。
劉小母さん、水蓮がとにかくいい味を出していました。
2019/04/19 11:19
理想の生活(笑)
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
頼りない飼い主とハイスペック主夫力のデカ猫・諭吉とのほのぼのライフ。
もふもふのハウスキーパーがいるって、これかなり理想的な生活ですよ(笑)
水が苦手な諭吉のお掃除スーツ姿がめちゃくちゃかわいい!
2018/07/20 22:17
感謝するしかない外伝
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
18年経ってあの最終回後の物語が読めるとは!
太公望とスープーの名コンビがタイムトラベルして奇妙な冒険をする物語は今も色褪せない封神演義そのものでした。
現在連載中の銀英伝とはしっかり絵柄を変えて当時のタッチで描くのだからフジリューの才能に感嘆するしかありません。
当初、あの封神演義とファンへの侮辱レベルの再アニメのページなどがあったらどうしようと心配していましたが、ほとんど無くほっとしました。
今はひたすらこの作品を読めた奇跡に感謝したいと思います。
あとは集英社さんがあんないいかげんな人たちにアニメ化権を与えた事をきちんと反省してくれればいいですね。
2017/10/06 12:38
ヒロインは可愛げ無し
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ヒロイン・薬師の猫猫は賢くて只者ではない女の子。しかし可愛げはゼロ!花街育ちで人間の醜い裏側を見てきたせいか、醒めた性格。そんな猫猫だって親切心はある。それがきっかけで彼女の運命は思わぬ方向に。おすすめ。
2022/08/30 11:32
30年のあゆみ
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
十二国記の30年がぎゅっと詰まったガイドブック。
豪華な顔ぶれによる寄稿が素晴らしい。
萩尾望都先生はエッセイもイラストも。巨匠のこの熱意 十二国ファンとして嬉しい。
お気に入りは藤崎竜先生による騎獣に乗る珠晶。かわいい!
十二国記を世に出すために尽力してくれた縁の下の力持ちさんたちのインタビューは必読。
こういうインタビューが纏まって出てくるのは珍しいので興味深く読ませてもらった。
そして幻の短編と呼ばれてきた「漂舶」
元伯の乱後の延のあの主従の物語。
国はどんどん前に進んでいく、でもずっと心にトゲが刺さったまま。
このトゲが抜ける事がないのがわかっている切なさ。
このガイドブック唯一の瑕疵は表紙が書き下ろしじゃないこと。
まさか他から流用とは。
ここだけは不満!