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flowerofzabonさんのレビュー一覧

投稿者:flowerofzabon

43 件中 1 件~ 15 件を表示

煽るような日本語題はいただけないが

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店頭の洋書セールで手に取ったら面白かったので、調べたら翻訳があり読んでみた。The Kitchen Counter Cooking School と素っ気ない原題を、自己啓発系の要素をからめた邦題にしたのは出版社の戦略だろう。たしかに料理を通して自分の人生を再発見するという女性のピアカウンセリング的な要素は大きな柱で、料理の基本を伝える内容と両天秤になっている。私には二兎を追う者・・・、と思えたが。
アメリカの台所事情や料理事情がわかるのは興味深い。ちなみに日本のカレールーは不健康な半調理製品、というか調味料としてくそみそに書かれている。
賞を取るような作品とは思えなかったが、読み物としては面白かった。

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紙の本今日もレストランの灯りに

2023/12/06 08:47

ドラマ化予想確率90%のハートウォーミングストーリー

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元大手新聞社記者で手堅く記事を書く能力を持ったベテランが、未経験の分野でアルバイト就業し、そこで才能あふれる人々やひと癖はあるが「いい人」たちに出会い、自分や社会と新たに出会っていく実話。昔だったらNHKの銀河テレビ小説枠で決定だろうと思う。とはいえ、登場人物がこぞって正当に報われているとは思えず、既得権益を持つ組織に属さない個人には生きにくい日本社会のありようが浮き彫りにされ、絶望感をつきつける本でもある。各章ごとに付記されているレシピも、シェフのこだわりが垣間見えて結構おもしろい。料理人になろうという若者が就業場所としての個人店舗を考える上でもおすすめできる参考書だと思う。

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紙の本食で巡るトルコ

2023/11/22 10:48

画期的な「トルコ料理名鑑」かつトルコ風土記

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インド亜大陸の料理関連の本を立て続けに出版し、存在感、信頼感ともに近年急上昇中の阿佐ヶ谷書院からの画期的なトルコ料理本。
「世界三大料理」と称されるトルコ料理だが、日本にいてその全貌に触れることは難しい。その理由は(1)トルコは日本の2倍以上の面積を持つ広大な国でエーゲ海、黒海など複数の海に囲まれるが、イスタンブールや代表的な観光地以外の情報を得ることが日本では難しい。(2)日本におけるトルコ料理店は1980年代のエスニックブーム時から存在し、ベリーダンスの人気とも相まって底堅い人気があるが、一定のフォーマットを突きぬけた店が増えることはなく、現地感を感じられる店は少ない。ことがあげられると思う。
筆者は7地方、81県のトルコ全土のうち70県以上を訪れ、その地域の料理を地元の人と同様に味わう。すると、これがいかにもトルコなのだが、いろんな人が寄ってたかって地元の料理の紹介をかって出てくれたり、いろんな手配をしてくれたりするのだ。こうした人とのやりとりがまさに料理を通じたトルコ風土記になっている。その中には「少数民族」に該当する人も多く、トルコのエスニシティの多様性も感じられる。オールカラーの写真も楽しい。「先進国」の大都市に住む人以外の世界の大多数の人は食に保守的傾向を持つが、トルコもそうなのだろう、各地域の料理はイスタンブールでは見かけないもののようで、私も初めて知るものだらけで、本当に楽しくて興味が尽きない。トルコ料理を食べたことがない人でも十分楽しいと思う。

トルコ料理関連の著作も多い音楽評論家、DJで中東料理研究家のサラーム海上氏によれば、トルコ全土の料理を網羅したこんな本はトルコでも見たことがないとのこと。大部の力作だが続編をすぐにでも刊行できる材料はあるという噂なので、それまでは本書を堪能して待ちたい。(トルコ料理にも触れているサラーム海上氏の次作も阿佐ヶ谷書院から近々=2023年内に刊行とのこと。こちらも楽しみ)
唯一の欠点は、本書で書き立てられた食欲を満たす手段がトルコに行く以外にないこと。あー、トルコの郷土料理を提供する料理店が日本にも増えないかなあ。

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一味違う旅をしたい方は必携

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高知城とひろめ市場と日曜市と四万十川、仁淀ブルー。これだけでも盛り沢山で十分楽しめるだろうが、私が思うに高知の売りは山海ともに食材の質が高いことと、いい意味でぶっ飛んだ人が多いこと。(よく例えにあがる著名人に西原理恵子、広末涼子、島崎和歌子)本書は特に後者についてよくわかる点でおすすめ。とんでも感=無理して変わったことをしているわけではないのに相当すごい人が多い。ムック全体には、観光スポットとして十分普通のガイドにも掲載されているもの、掲載されておかしくないものもカバーしている。王道ガイドと本書を片手に高知に行けばあなたもハッピーである。単に読み物としても十分楽しいぞ。あ、私は複数回訪れてハマっている非高知人で身贔屓ではありません。

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レシピは嬉しいが取材記事はきれいごとすぎる

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新富良野プリンスホテルの敷地内にあるレストラン、ル・ゴロワが2016年に東京の店を閉め、北海道に移転するためにシェフとマダムが移住する様子をアエラ関連のライフスタイル誌に連載、それをもとにした書籍。また定番料理をはじめとする料理のレシピも掲載。
私は外苑前の初めの店、なぜかこの書籍では一切触れられていない札幌の店(アパレル関連企業が経営するホテルの1Fへの出店で東京店との掛け持ちでシェフとマダムが交代で来ていた)、現在の店にうかがった事がある。
記事を執筆する北村氏はフードライターで数多くの雑誌でレシピやトレンドの記事を執筆するほか、多くの単行本の構成、執筆を手掛けている。高学歴で都会暮らしの女性に受けそうなお洒落なナチュラル、オーガニック指向を感じさせる。
記事の部分は「数々の物理的な困難にぶちあたったが、一切の後悔はなく、まわりの協力もあるので頑張るだけで、感謝の気持ちでいっぱいです」。料理については素人の某作家/脚本家のアドバイスも、素直に受け入れました。などなど人間の迷いや汚い部分などは一切でてこない。札幌店の運営も移住に向けての周到な準備の一環だったはずだが、ドラマチックな展開に水を指すからか触れられていない。移住を考える人の参考になるためのライフスタイル誌掲載だが、こんなきれいごとばかりでは全く参考にならない。夫妻の純粋さやひたむきさを疑う者ではないが、いくらなんでも描き方が一面的すぎる。
ちなみにレストランについては万人がおいしいと感じられる料理とサービスは変わらず。リゾート地(というにはホテルは昭和の事務室みたいな調度品で全くリラックスできませんが)のレストランとしては大らかでいいと思います。最新のトレンドを追っかけるフーディには向きません。

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刺激的なタイトルだが議論の出発点に最適な1冊

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10年以上前に出版された本で、現在は桃山大学社会学部教授の著者が北大の助教時代に執筆されている。平和と戦争とは抽象的な概念ではなく、人間の営みであり、それを理解することは結局人間を理解することに他ならないことを噛んで含めるように説いている。太平洋戦争の悲惨な経験のみが強調されがちな日本の時に上滑りとも感じられる戦争反対、平和運動に違和感を感じている人には是非この書を勧めたい。軍隊、兵器、テロリズム、ゲリラ、戦略、憲法を人間とのかかわりの点から丁寧に考えることによって戦争との向き合い方を見出し平和な日常の営みへとつなげるための議論の出発点がこの書にはある。

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広島お好み焼の唯一無二の基本文献

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広島の名物であるお好み焼。しかしながら日本の多くはお好み焼文化圏ではないし、文化圏である関西でもお好み焼は広島のそれとは異なるものだし、食文化における位置づけも同じではない。そうした出所来歴については他の文献などもひきながら抑え、広島お好み焼像を提示してから、その詳細を恐るべきフィールドワークの数で明らかにしていく。地域ごとに多様なお好み焼があること、名店の系譜、ソースや具などの構成要素、発展のための考察など、誠実な論考を重ねながら広島のお好み焼の全体像はほぼわかるといっていい。
基本的には地域の食文化の歴史や現状の本だが、勿論ガイドブック的にも利用価値は高い。
昨今の外国人客の増加は否応なしに日本の外食文化に影響を与えている。豚肉が基本の具であるお好み焼だがムスリムのための豚肉なしのバリエーションが増えているし、大手のソース会社もハラールのソースを開発していて需要もそれなりに高いようだ。今後のお好み焼の変化なども書いた続編的な内容も期待したい。
書き手のシャオヘイ氏は元県庁勤務で現在は飲食店関連の執筆やメディアへの協力なども行っている。昔から信頼できる書き手である。

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紙の本減速する素晴らしき世界

2023/06/02 18:37

手堅い手法で書かれてますが、で!?、という読後感。

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優秀な博士論文を読んだような読後感というか。手法は、あまり多く使われているものではないが、他の研究者の業績から「発掘」して、面白そうな分野のデータを取り出し、変化の度合いを検証している。手堅い。環境破壊への強い懸念など脱成長を主張するイデオロギー本だったらどうしようと思って読み始めたらそうではなかった。政治的価値観もはっきり示されてますが、鼻につくというよりは立場の明確化としては好ましいレベル。
日本人は大きなスパンでの社会的視点とか苦手だから本書に飛びついたのかと思ったが、そんな本でもなかった。筆者の視点からは日本が典型として挙げられるが、かといって褒めさやすでもなく、貶すでもなし。
面白トピックとしては、唯一外さない予測と言われる人口動態を国連が思ったより外していることや男女の寿命差が生物学的というよりもジェンダーに起因していると推測されることなど。
煽りはないまともな本ですし、直感的な納得も手法の安定感もあるが、ゆえに驚きや意外性や発見や未来への示唆はないです。変化の速度はどんどんゆっくりしていくって、そりゃまあそうだろう以上の感想が浮かばない。

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紙の本思いがけず利他

2023/06/02 11:52

思考のメモ的な内容。居酒屋で会話すれば充実感はあるが本としては物足りない。

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談志の落語論、親鸞、土井善晴、民藝、仏教とボランティア、こんな夜更けにバナナかよ、サンデル、認知症患者にまつわるケアや考察、贈与論、企業の社会貢献、アタリの「合理的な利他」、ポトラッチ、NHKのど自慢(今ではカラオケ化に改悪で本書で触れられているような光景は今では見られず)、自己責任、九鬼『偶然性の問題』、若松英輔、国立博物館にみる「ナショナルヒストリー」とは。
本書に含まれるこうした話題は、たまたまなのかもしれないが、そんなに勉強家とも全くいえない私でも親しんでいる話題で、それこそ会食で交わされる当たり障りのないトピックかつ考察の深さというか浅さ。マウントを取りたいわけではない。またエピソードが後半になるにつれて自分絡みの物が多くなるのもなんだか本というより会話的。
私が本書で初めて知り興味を惹かれたのはヒンディー語の文法の与格について。北大の教員だった筆者が北海道弁についても同様のニュアンスを持つ助詞があることに触れないのは何故?という点も合わせて気になった。
また利他は受け取られた時に発動する、というのはともかく、感謝を表明された時の、結果的に利他行動をすることになり思いもかけず感謝された行為者の感情に興味があるのだが、それについては一切の言及はない。
ということで、本書は残念ながら私にとっては示唆に富むとか、刺激的とかではなく、ま、短時間で読めるので損はしてないが、という程度の本だった。それにしても最近のミシマ社、中島岳志関係の本、安易に出し過ぎじゃないか?

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チーズのサービスに携わる人のバイブル

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筆者は本書出版後、洞爺湖サミットでチーズ部門の現場顧問を務めるなど第一人者として活躍を続けたが2015年、60代半ばで逝去、メートルドテルを務めていたレストランも1964年以来の営業を終えた。ワインのソムリエは田崎氏が1995年に「世界一」になって以降、職業として一般的な理解が進んだが、チーズに関しては状況は異なる。チーズのソムリエといっても業務内容の見当が皆目つかない人は多いだろうし、そもそもレストランで自ら選んでナチュラルチーズを食べたことがないという人が多数派だろう。チーズ専門店に日常的に足を運ぶ人もまたしかり。まして、ソムリエの主たる仕事であるチーズの管理、熟成が、日本の「人間国宝」になぞらえられるフランスのM.O.F.の一部門になっているなど想像もできないだろう。つまり本書の出版から15年以上が経ってもレストランでのチーズの扱いをとりまく状況は、残念ながら大きく変わったとは言えない。
ナチュラルチーズを取り扱う店は食品専門の高級スーパー、ワインショップ、専門店、通販ショップなど確実に増えている。輸入をめぐる状況は不安定で、将来的に関税が引き下げられても明るい未来は見えない。一方、国内生産に目を向けると、材料の生乳生産を取り巻くシステムの諸問題は政治化している上に、既得権益の存在もあり、チーズ生産や流通にやさしくなる見込みは当面ない。にもかかわらず意欲的で技術も高い生産者は格段に増えている。全般的には、良質なナチュラルチーズに接する可能性は高まっているといえよう。
というわけで、今こそレストランでチーズのソムリエが広く求められているわけで、そのサービスの本質を捉えたテキストとして本書の意義は今なお大きい。勿試験対策に利用するにはデータ面でのアップデートが必要なのでそこは最新のものを購入すべし。

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紙の本日中ことばの漢ちがい 新版

2023/05/26 18:12

そこはかとないユーモア

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日本語と中国語で異なる意味を持つ単語を取り上げて、項目ずつにコラム的にまとめた内容。筆者は日本の大学で長く教鞭を取り、日本人、中国人双方の立場に通じている。語義の歴史的な変遷も踏まえられた記述はおおらかなユーモアも交えた示唆深いもの。最近の日本人は漢和辞典もあまり使わなくなっていて、漢字の原義を考える機会が減っているのでこうした本はありがたい。一番役立つのは中国人に日本語を教えている人かな。週刊文春に長く連載されていた高島俊男氏の連載「お言葉ですが」が好きだった人にはおすすめ。

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40年の紀行作家経験から得た食遍歴

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70カ国の取材歴を基にした食体験。地域の食生活、食文化をザクッと把握するには役立つし、何より読んでいて楽しい。記事の元になる取材だから確度も高い。時期はそうとう昔のものも含まれるだろうし、経費で落ちる旅だから自腹とは違う面もあるだろう。著者はそれなりの酒飲みみたいなので下戸の人には参考にならない点も多いかも。ともかく読んで楽しいし、リテラシーがあれば旅のガイドとしても大いに役立つ。個人的には北朝鮮やイラン、ケニア、シベリア、カナダ、列車の旅などの話が興味深かった。

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横浜中華街で生まれ一流の中国料理シェフになった男の自伝

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料理人の自伝は多い。が、中国料理のシェフは本場の中国や香港で修業することがなかなか叶わないので、「異国での修業時代の苦難」といった盛り上がる部分がなく、フレンチのシェフの自伝本に比べて面白みに欠けることが多い。本書では横浜中華街に生まれ、「ヤンチャ」をしながらも、料理で人を喜ばせることが好きで、バブルなどの時勢にも翻弄されながら、仲間に恵まれた人生が実に面白い。浅草橋ヤング洋品店の頃は周富徳や金萬福らとテレビに登場していた姿がなつかしい。

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いろいろな点でのリテラシーが必要

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原題は “UNSETTLED: What Climate Science Tells Us, What It Doesn’t, and Why It Matters" Steven E. Koonin 2021
科学っていってもいろいろな分野があり、気象に関してのそれは確度を持って語れることなんてそうはない。(日本人は地震で同様の事象を経験しているのだが・・・)温暖化などの気候変動は認められるが、人為的活動による原因部分はそれほど大きいとは思えず、コストとベネフィットも考えれば人間ができることはそんなに多くなく、「適応」策が妥当なのではないか。マスコミ、科学者、政治家、活動家それぞれが利害に基づく行動をとれば気候変動は扇情的になりがちだ。特にモデルを回して得られる予測はパラメーターの設定が恣意的になりがちなので要注意。
本書でいっていることはそんなところか。いまや温暖化への警告本とともにそれに反論する本も多いが、本書の著者はアメリカの有数の科学者で、お騒がせ本がベストセラーになってもメリットはなく、それでも科学者としての良心から本書を書いたのだから信頼度はそれなりに高い。
温暖化などの気候変動にどんな態度を取るにせよ本書は必読である。

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紙の本鎌倉 2021第3版

2022/06/23 05:31

あってもなくてもいいような

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この10年くらい、鎌倉を舞台にする良質な映像作品が次々と輩出されたこともあってか日本国内の鎌倉訪問熱は高まる一方。国外からの観光客にとってもマストの訪問先。とはいえガイドブック片手の観光客は他所に比べて少ない印象。東京圏からの客にしたら遠足や遠出、初めてのデートで訪れる場所であってわざわざガイドブックを買ってやってくる場所ではないのかも。また江ノ電目当ての鉄ちゃん、歴史好き、寺社仏閣やそれに伴う日本美術館好き、花を愛でる風流人、とみにもてはやされる鎌倉野菜目当てのグルマン、かつての文士や大船撮影所の面影を追う文化オタクなどディープなゲストの欲求に応えるとこは、総花的なこの種のガイドでは難しい。また宿泊も、この種のガイドが掲載する範疇の無難なそれは少なく、近年増えている個性的な小規模の宿はこの種のガイドで魅力を把握するのは難しい。ことほど左様に一般的なガイドブックにとって鎌倉は難物と思える。本書も鎌倉の魅力を伝える視座を提供することに成功しているとはいいがたい。飲食店や雑貨などは「おとなの」「プレミアム」感を出して差別化を図れる項目だろうに、残念ながら掲載されているラインナップはそれほど吟味された選択とは思えず、若者向きのそれと変わらない。交通など実用情報の必要度が低い都会なので、裏切られたと感じる失敗も感じないだろうが、持ってきてよかったとも思えない凡百の一冊である。他社も似たり寄ったりなので好みがあえば購入候補にはあがろう。

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