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キセノンさんのレビュー一覧

投稿者:キセノン

2 件中 1 件~ 2 件を表示

人生の四季を愛でる 「こころ」を豊かにする「かたち」

2020/08/17 09:31

人生を輝かせるもの

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『サンデー毎日』に著者が「儀式」をテーマに掲載したエッセイを編んだ一冊。人生あるいは一年の適切な時期に、適切な儀式を簡単でも良いから執り行なうことが重要なのだと著者は語る。コロナウィルスの影響により、伝統文化も大きな影響を受けているが、私たちの人生を輝かせるためにも、それらの新しい姿の模索が必要であると感じた。

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神社崩壊

2018/10/12 12:08

せっかくの内容なのに

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「せっかくの内容なのに」

 旬の話題や世論からの注目度が高い事象に対して宗教的な観点から検討を加えるという島田氏が得意とする分野からの著作であり、今回は平成29年に発生した富岡八幡宮殺人事件を切り口として、現代の神社界における構造的な矛盾と、神社が瀕している危機について論じた内容となっています。
 日本の十万を超えるとも言われる神社のうち、その殆どがなんらかの関係を持っている神社本庁の概要と各神社の関係、その間にある矛盾と今後の課題を一般の方にも目に触れやすいかたちで提言されていることは、本書の最大の功績ではないでしょうか。これは神社界の内部からは極めて発信しにくい内容であり、神道や神社に対して当事者ではなく観察者としての視点を有せる著者のような立場の人間だからこそ記せるものでありましょう。
 また、人口減少に伴う氏子・崇敬者の減少とそれが引き起こす神社の危機についての指摘は、本書が嚆矢ではないにしろ、都市の比較的経済的な余裕を持つ神社との対比の中でより鮮明に描き出されており、各地の伝統宗教とそれに紐付けられた文化の存続を考える素材として有意義なものであったと考えます。
 ただ、本書における最大のテーマである先の富岡八幡宮殺人事件に関しての検討は、その素材が(仕方のないこととはいえ)週刊誌等の信憑性に疑問符を持ち出さざるを得ないものであった点は、事件そのものを理解する上においても、また、そこを基点にして神社界に対して検討を加えるにしても、やはりソースの力不足という感が否めないものでしたし、そこから神社の崩壊に結びつくというには厳しい内容でした。
 それに加え、本書における日本の神やそれに伴う伝承の解釈に際し、津田左右吉などの偏ったか方面からのみ意見を引いており、神道神学による議論を敢えて無視しているとしか思えないもので、公平性を欠いているといわざるを得ません。
 本書の随所に見られる神社や伝統宗教の将来に対する危機感についての記述が島田氏の実直さや真面目さが表れている内容であった分、世間の関心を惹起するために加えた部分との内容の差が生じてしまっていることも否めないでしょう。そういう点で『葬式は要らない』同様、内容とタイトルの間にギャップが出来てしまっている印象を受けました。せっかくの内容である分、余計に惜しい。

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