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青時雨さんのレビュー一覧

投稿者:青時雨

15 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本絵空ごと/百鬼の会

2017/03/09 18:09

読む気が失せる

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この文芸文庫のワイド版は本当にひどい。
ただ元の文芸文庫を大きくしたとしか思えない活字にうんざりです。なんで活字がカクカクとして網目状になっているのでしょうか。
こんなレーベルは今すぐ止めるべきです。文芸文庫は好きですが、ワイド版は金輪際買いません。
読む気が失せたので、古書店でこの作品は買い直しです。

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ああ…。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

永井初の評伝という触れ込みで期待していたが評伝の体をなしていない。作品紹介と年譜的事項がかみ合っておらず、読んでいて永井龍男個人の姿が立ち上がって来ない。それに書簡などに当たった形跡もない。神奈川近代文学館には170点の永井の書簡が収蔵されている。ここだけで。なぜ生資料を調査しないのか不可解だし、評伝と名乗るならあらゆる資料を駆使してもらいたい。誤植も多すぎる。残念な出来。著者がこのレビューを読むとは思えないが、大木惇夫や吉田健一、島尾ミホの評伝など文学作品に昇華した評伝は数多くある。再度勉強されんことを望む。

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紙の本おばちゃんたちのいるところ

2017/03/09 18:03

今ひとつ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

確かに筆は立ちます。センスのある言いまわしにキラキラと光るように時代相が散りばめられています。極上なエンターテイメント作品です。
でも、それだけ。エンターテイメント的なテーマを扱っても、そこにとどまらない文学的な成果があるのではないか期待したいましたが…。
女性を励ますことには成功していますが、性差を超えた「読者」を励ますことには失敗と言わざるを得ません。
センスに頼って書きなぐっていると「読者」は離れます。センスを超える思索による作品を期待しています。

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電子書籍病むほどに恋した文豪たち

2017/04/30 11:53

文学漫画の失敗例

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

正直に言ってしまうとつまらないです。
まず表紙が写真を使っていて、どのような作風のマンガかわかりません。文学史に残る作家を扱うからか悪い意味で暗い絵柄が今ひとつしっくりこないです。表紙がこの作者が書いたものなら私は読まなかったでしょう。
また、作家の恋愛観が人生や作品にすべて投影されたと前提にしたことがこのマンガ自体をしばってしまうことになっています。恋愛観が人生や作品に与える影響はあるでしょうが、こと作品が作家をすべて映し出していると考えるのは単純に過ぎます。だから作品からの引用が無理やりで薄っぺらい感じを与えているのだと思います。
何よりも不快だったのはマンガとマンガの間に挟まれる「ブッタ斬り日本近代文学史序説」というコラム的な文章です。マンガの背景を述べる程度の軽いものならまだしも、ボリューム過多でその内容もこの作者の浅い文学者観で読むのがつらいです。そこここに散りばめられる傲慢な発言、バブル時代を感じさせる時代遅れな言葉、自分のマンガを補強させるための事実誤認。すべてが鼻につきます。いっそのこと、この文章がなければまだ良かったのに…。
一番許せないのは、ウィキペディアを調べてこの文章を書いていることです。ウィキペディアには事実誤認、あるいは意図的な錯誤、典拠の不明なものなどがかなりあり、あくまでも目安程度のものであるのは周知の事実です。調査の足掛かりにはなっても、その先は自分で調べてください。
以上のように否定的なことばかり書いてきました。私も欠点をあげつらうレビューは嫌いなので良い点を探しましたが見つかりませんでした。本当に残念なことです。

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電子書籍えへん、龍之介。

2017/03/02 11:39

芥川龍之介の一断面と蛇足

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この作者の作品は初めて読みましたが、芥川龍之介への愛着が溢れていて好感がもてました。
さて、内容としては芥川龍之介の生涯を一部分を切り取って漫画化するとなるとこの時期になるのは妥当かと思います。ただ、恋愛時には熱烈なラブレターを送っていた夫人への感情の変化や「近代日本文芸読本」がもたらした苦境、また「歯車」のような晩年の作品については取り上げてもらいたかったです。
とはいえ、芥川の断面をうまく切り取っていておすすめできる作品です。

以外は蛇足です。
巻末の「田端取材記」で田端文士村記念館の展示内容を酷評していますがちょっと気の毒になりました。
後発の文学館は作家の遺族がまとめて寄贈してくれる場合を除いて、資料は購入しなくてはいけません。でも、芥川の資料は高額ですからこのご時世には厳しいものです。そこで、資料を借用してレプリカを作って展示をすることになります。
また、山梨県立文学館のレプリカ展示にも不満を抱いているようですが、山梨は文学館の中でも芥川資料をまとめて所蔵していることに特色があります。芥川研究の大切な拠点の一つです。展示をすると資料にはダメージがあります。しかも研究拠点となると資料保存がより一層重要となるので明らかです。ですから、レプリカを使用するのはやむを得ないことだと思います。
日本近代文学館のように膨大な資料があれば短い展示期間で展示替えでき、資料へのダメージも最小限にできます。でも、そのような文学館はごくごくまれなのです。
こう考えると実名まで出された両館はやはりお気の毒と同情してしまいます。

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紙の本くままでのおさらい 特装版

2017/03/17 02:46

生きる。食べる。そのことの距離感。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

井上奈奈さんの絵本。哲学絵本というふれ込みに尻込みしつつ読みました。

まず驚かされるのが本の細部にまで行き届いた美意識。円形に窪んだ中に銀の箔押しというシンプルながら深みのある布表紙。本文の活字も美しい。そしてかわいらしくも味わい深い版画。

その美しさはどこか悲しみと強靱さを感じさせます。というのも、主人公の女の子は皿に載った動物を食べると次々にその動物になってしまうのです。

私たちが生きるために食べるということは、食事までもがオートメーション化された現代ではあまり意識しませんが、やはり命をいただいているということなのだと気づかされます。

主人公はつかの間食べた動物になり、また次の皿を平らげます。繰り返すうちにとうとう熊になり恋人まで平らげて森に帰って行くのです。

私たちが生きるために食べることと命を頂いていることの距離はあまりに広がってしまいました。熊になった女の子のお腹には今まで食べた動物たちがいます。生きるということをここまで直截に、ここまで美しく描いていることに驚きました。

生きる上では他者の命との距離は案外近くて、生きるとはこういうことかと考えさせられる絵本です。この絵本の美しさを味わうためには、ぜひ特装版をおすすめします。

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電子書籍独歩の詩

2017/04/30 23:05

惜しい

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

作家が亡き妻の撮りためた国木田独歩ゆかりの地を巡りながら、破婚の苦悩から処女作を書き上げるまでの独歩を描いた作品です。
今や注目されることも少ない国木田独歩をテーマに選んだ勇気は賞賛に値します。また、独歩という人間を描くことについては成功しており、かなり読み応えがあります。
残念なのは、なぜ作家の亡き妻は独歩の足跡を追っていたのかが明かされないことです。途中で作家と妻の若き日のエピソードがあり、何となく作家と独歩に重なる部分を妻が感じていたのかとも思われますが…。伏線が回収できないミステリー小説のようなモヤモヤが残ります。
それから、せっかく独歩の人間像が丁寧に描かれているのですから独歩が亡くなるまで彼の人生を追って欲しかったとも思います。独歩は短命だったのでできないことではなかったと思うのです。
このように惜しい点はありますが、好感の持てる作品です。

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光ることばとテーマがある

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

松田青子さんの作品は将来はきっと現代文学のうえで重要な地位を占めるだろうと期待しながら読んでいます。

この作品集は191ページで50篇もの作品があるという、形式的にはショートショートと分類されかねないものです。
確かに「TOSHIBAメロウ20型18ワット」や「猫カフェ殺人事件」のような作者のセンスで押し切った超短篇作品や、「水蒸気よ永遠なれ」のごとくページをめくった時点と驚くような作品もあります。

しかし、ここで重要なのはショートショートという形式を取りながらも、作者のこれから扱っていくであろうテーマがむき出しの形で提示されていることです。
「ミソジニー解体ショー」や「男性ならではの感性」は現代日本の男女問題の限界を鋭くえぐり出したもので、これらは女性はもちろんですが男性にこそ読んでほしいと思う作品です。

他にも作者の重要なテーマと思われるものが散見されますが、それはぜひ読んで確かめてもらいたいと思います。

実は私は次作「おばちゃんたちのいるところ」は作者の長所であるセンスに溺れていて評価できませんでした。
ただ、この作品で示した作者が持つであろうテーマを突き詰めた作品が読者に手渡される時を信じて、私は松田青子さんの作品を読み続けるでしょう。

この作者は文学の沃野のよき開拓者に成りうると信じさせてくれる作品集だと思います。

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入門書に最適

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書はダダやシュルレアリスムが難解そうで敬遠している私のような人にとって最適な入門書といえるアンソロジーです。
研究が進んだ新訳で各詩人の作品が読め、懇切丁寧な解説も理解を助けてくれます。
デスノスに興味があって読み始めましたが、他の詩人も読んでみたくなりました。

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紙の本たまちゃんとあかちゃん

2017/03/14 03:38

あたたかい絵とことば

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

どいかやさんの本は初めて読みました。

タイトル通り、本当にあたたかい本です。
色鉛筆で丁寧に描かれた絵は柔らかい印象でストーリーとぴったりです。先住ねこのたまちゃんが驚き、戸惑いつつもあかちゃんとの触れ合いを通じて愛情を深めてゆく姿は読者の心に日だまりのような温もりを感じさせてくれるでしょう。

読んだら、きっと誰かにプレゼントしたくなるような本です。

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紙の本すきになったら

2017/03/18 01:40

誰もが何度となく帰ってくる絵本

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

表紙は女の子、裏表紙はワニ。そしてたっぷりと取った余白は黒一色。「すきになったら」というタイトルには一見そぐわないかに思われるシックでシンプルな装幀。

読み進めるとそのシックさとシンプルさが内容に相応しいものだと気がつく。「すきになったら」心はどう揺れ動くのかを限界まで少ないことばと恋する女の子の感情の動きを繊細な絵で描いてゆく。

恋の相手がワニであることで更に女の子の「すきになった」気持ちの強さが表現されているように感じる。

私が今一番好きなのは「あなたの ことばで/せかいが かがやいてみえてくる」という一文が添えられた女の子でもワニでもなく、ただ草花が描かれた場面。

きっと読み返すたびにハッとする場面は変わるでしょうし、読む人によっても違うでしょう。それだけ誰もが何度となく読むに耐える絵本だと思いました。

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猫もみんな違うかわいらしさ

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どいかやさんの描くねこは本当にかわいらしいです。もちろん本作でも。

登場する8ひきのねこはどの子も猫と暮らした人なら共感するような個性を持っています。猫と暮らした経験がなくても8ひきの違った魅力が伝わってくるでしょう。
これを読む子どもたちも8ひきのねこの中に友達になりたいと思うねこを見つけるはずです。
私は大佛次郎の名作「スイッチョねこ」を思い起こさせるようなソガちゃんがお気に入りです。

さて、どいかやさんの描くねこはどうしてかわいらしく魅力的なのでしょうか。それはきっとどいかやさんの猫たちへの愛情と尊敬の思いが深いからではないでしょうか。人も猫も同じ生き物として捉えるやわらかくあたたかい視線がこの作品を支えているように思います。

どうぞ子どもさんに読んであげてください。そして私のような大人にももちろんおすすめです。

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紙の本真夜中の檻

2017/09/25 01:58

平井文学を知るために

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本書は久しく絶版でしたが、この度復刊されたことは喜ばしい限りです。平井呈一は小泉八雲作品をはじめ数々の名翻訳家、そして海外怪奇小説紹介で知られていますが、実は平井自身もホラー小説を執筆していたことは見逃されがちです。しかも、その作品群が彼の文学的素養を基にした香気高い名作なのです。
文庫とはいえ平井の文学像を知るには最適な作品選択で、解説も懇切丁寧。平井が文学者としてメインストリームになれなかったことも良く分かることでしょう。これを機に平井が文学者としても素晴らしい作品を残したことが多くの人に伝わると、一ファンとしてうれしいです。
本書を読んで平井自身に興味を持たれた方は、岡松和夫『断弦』を読んでみることをおすすめします。現在は絶版ですが、図書館で読んだり、古書店などで手に入れることは可能です。小学館さんのP+D BOOKSあたりで復刊しくれないかと密かに期待しているのですが。

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紙の本村尾文短篇集 第1巻 冬瓜

2017/03/28 15:47

すばらしい作品群

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

何から書き出すべきか、少し困惑をしてしまいます。
それほどすばらしい短篇集なのです。

著者は40才から小説を書き出して現在82才。これまで表題作で船橋市民文学賞を受賞したほかは同人誌を舞台に綿々と作品を書き続けてきたようです。

なぜすばらしい作品が特段の注目を集めなかったのか。おそらく作者のテーマと作風が良く言えば手堅く、明け透けに言えば地味だからでしょう。

作者がひらすらに追い続けるテーマは母親と自分の、あるいは母親と障害を持つ兄と自分の真実の姿です。ほかに母親を捨てて愛人に走った父親や障害を持つ兄に冷淡な姉弟などが作品に深みを与えています。また、その作風もリアリズムに裏打ちされた堅実なものです。いわゆる私小説に分類されるものですが、作者とおぼしき主人公は回想を通じて自由に時空を行き来することが不思議に幻想的な感じを与えています。

同じテーマを繰り返し書き続け、書き続けることで思索は深まり、ついに兄についてのある真実にたどり着きます。この悲劇的な真実にたどり着くことが作者が作品を書き続けてきた理由なのでしょう。

発表媒体が文芸誌だったなら、あるいは高名な文学賞も受けられたかもしれない。でも、商業出版ベースに乗ってしまえばこれほど同じテーマを書き続けられなかっただろうと思います。作者は自分の文学を希求して、その文学がこの一冊にみごとに結実しています。作者の文学への姿勢とこの本を出版した西田書店に敬意を表します。

願わくば、この本がより多くの人の手にわたりますよう。また、短篇集第1巻と銘打たれているので続刊が順調に刊行されますように。

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人と神さまの素敵な物語

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アイヌの昔話をどいかやさんがやわらかなタッチの色鉛筆画で絵本にしてくれました。

肉や毛皮を人間に贈ってくれる神さまである熊に感謝して、アイヌの人たちは盛大におもてなしをして神の国へ送り返し、また熊が来るように願う。そのお祭りの際には使われなくて暇な小鍋は、いつも丁寧に使ってくれる人に感謝をして、熊の神に踊りを披露する。

人が生きるために他の動物たちの命をいただいていることに感謝することや道具を大切に使うこと。誰もが理屈では分かっているのについうっかりと忘れてしまいがちです。それに対して、アイヌの人たちは自然の恵みに感謝して道具も大切に使う。それも動物にも道具にも神さまがいるというほどに。本当に素晴らしいことです。

現代日本でこんなことをしている暇はないとか、食べ物はトレーに入って売られていて命をいただいている実感を感じられないと思われるなら、この絵本をぜひ子どもも大人も読んでもらいたいと思います。

と、ここまで書いてきましたが、神さまとアイヌの人びととの素敵な昔話ですから、理屈など抜きにしてこの絵本をたくさんの人に読んでほしいです。

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